幽々の空、灰暮れに   作:魔愛暴導富

81 / 108

遅くなってすみません…。
結構忙しくてのんびり書いてました。

小説自体をポイ捨てしたわけではないので今後ともよろしくお願いします!


72.碧の騎士 バミューダ

 

 彼は意図的に『節制』された様な人間だ。

 碧の騎士、バミューダ。

 彼について語る事は少ない。

 

 彼は代々碧の騎士を継承していた家の人間──では無く、長い間カルエス・グランデ空域にて従軍していた騎士である。

 つまり、彼は由緒正しき家柄の継承権を奪い取ったという事になる。

 

 彼に特別な能力は無い。

 一般家庭の出。 

 戦争で立てた武勲は多い方ではあるが、年齢を考えれば自然と言える程度の量。

 

 だが、七曜の騎士に選ばれた時、人々は彼の恐ろしさを知った。

 ──何の才能も持ち得ない人間が七曜になる方が難しいのだと。

 

 強者であればある程、彼の──バミューダの強さに理解が及ぶのだ。

 しかし、誰もが納得をしなかった。

 

 彼は、そういう人間なのだ。

 

 

───────────────────

 

 

「『イスタバイオン王国記』…いや、これよりも『アウライ・グランデ空域史』の方がいいか」

 

 

 エヘカトルとの交流が始まって3週間が経ったコーリスは、アウライ・グランデ大空域を理解する為に宮殿内の大図書館に赴いていた。

 この図書館には全ての空域についての歴史書が揃えられており、覇空戦争についての記録も深く残っている。

 

 彼はここで七曜や真王の成り立ちを探ろうとしているのだ。

 

 

「ユートピア解放戦争、凋落戦線。リバタリアの大夜戦にワクワークの副王空戦………戦争ばかりだな」

 

 

 遠い過去に渡る戦争の歴史。

 だが目に止まった事が一つ。

 

 

「道理で…ここが起点となるわけだ」

 

 

 アウライ・グランデは星の民の支配を一度たりとも許していなかったのである。

 星の民に服従の証として七曜の座を与えられたのが騎士達の始まりであったが、この国が一度も支配を受けていない事を踏まえると──

 

 

「…真王と七曜の起源は別なのか」

 

 

 空の世界としての純度が高いアウライ・グランデの王が、全てを統治する起点となるのは自然な話だが、何がきっかけで七曜を配下に置く事になったのか。

 

 

「覇空戦争に空が勝つ事自体想定外か」

 

 

 明確に星を下したあの瞬間から、七曜は空の物になったのかもしれない。

 この空域と真王は、空の権威の象徴なのだ。

 そして七曜は、抗う意志の具現化と呼ぶべきだろう。

 

 

「カリオストロめ…知ったなら教えてくれても良いだろうに」

 

 

 数日前までこの図書館に籠もりっきりだったカリオストロ。彼は魔法史経由で錬金術の糧になる物を探していたのだ。

 この空域で用いられる魔法の歴史を辿れば、自ずとそれ等を取り巻いていた環境も見えてくる。

 その過程で国の歴史程度は理解出来る筈なのだが、彼は自分の事が最優先なので、聞かれ無ければ講釈すら垂れない。

 

 それを分かった上でコーリスは愚痴を吐いていると…。

 

 

「勉強ですか。此処の本は良いですよ」

 

「その声……碧の騎士のバミューダ殿か」

 

 

 背後から声をかけたのはバミューダ。

 温和な表情が目立ち、眼鏡をかけ、顎と口に軽く髭を生やした壮年の男性である。

 鎧を脱いだ姿を見るのは初めての事だった。

 

 彼は紫の騎士であるクラーレと共に祈望の騎空団を襲撃し、コーリス達がこの国に滞在する原因を作り出した人間だ。

 その為、コーリスが向けた視線はエヘカトルに比べて少し鋭い物に変わる。

 

 

「エヘカトルから聞きましたよ。早くも能力の発展が見込めたと」

 

「…貴方が来た事で確信が持てた。この期間は俺自身が七曜の騎士になるかを決める為のものでは無く──俺の力を七曜の騎士に相応しいレベルに成長させる事が目的か」

 

「そうですね。貴方が黒騎士になる事は決まっていました。しかし、何故気づいたのですか?」

 

「最初に黄金の騎士殿から詳細を聞いた時、全空が活動範囲である筈の七曜の騎士が一定期間滞在し続ける事に違和感を持った。そして、エヘカトル殿も俺にアプローチをかけた」

 

「リノアもエヘカトルも真面目で焦りがちですからね。露骨でしたか」

 

 

 最初から出来レースだったのだ。

 コーリスの能力と無制限の寿命を何らかの方法で探り、彼を捕らえた時点で黒騎士にする事は確定事項。理由がファータ・グランデの半永久的な平和という点は変わらないだろうが、その目的の為なら彼が適任だ。

 だが、七曜に加えるには力が足りない。疑い無く最強と揶揄される程度に分かりやすく強くなければならない。

 故に、七曜の騎士に彼を鍛えさせるのが最も効率の良い強化方法。真王とリノアが伏せていた事実であったが、コーリスにとって余りに都合の良い状況だったのだ。

 

 

「…騎空団の活動を休止させているから問題は無いが。俺がさっさと断っていたらどうするつもりだったんだ?」

 

「そもそも断らないのに…聞く必要がありますか?」

 

「ああ、そういえば真王は未来が見えるんだったな…………本当に本当か?」

 

「普通の人間にとって陛下の行動は強権的、平たく言えば雑な動きでもありますからね」

 

「……失敗しない事が分かっているからか」

 

「その通り。クラーレと私が調停者相手に時間を稼げた時点で王手だったんですよ」

 

 

 真王が全てを見る能力を持っている事は間違いないらしい。

 人を救ける為に騎空団を興したコーリスにとって、様々な場所に手を出せる権力を得るのは願ってもない事だった。従って黒騎士の座を戴き、更なる力を付ける事を受け入れる。

 きっと仲間達がいなければ何の迷いも無く首を振っていただろう。

 

 

「…俺も聞きたい事があったんだが、今の俺に足りない物が貴方達には分かるのか?」

 

「霧の力と幽体化については申し訳ありませんが専門外ですね。ですが、大量にある君の魔力を活かす方法を伝える事は私でも可能です」

 

 

 『話しながら歩きましょう』と言いながらバミューダはコーリスと共に本を片付けてその場を後にした。

 

 

「緑のエヘカトルは『牽制』。初見の攻撃は間違い無く通りますし、相手が風の性質を理解しても乱戦の最中ならば彼が立つだけで集中を乱せるんです。怖いですね」

 

「緋色のタルヴァザは『制圧』。彼の持つ魔法は瞬く間に戦場を塗り替えます。その攻撃を防ぎ切れる人間は……いや、星晶獣でも厳しいでしょうね。自然には逆らえません」

 

「白のブロンシュは『速戦』。彼の攻撃は敵が動く前に必ず当たります。攻撃的すぎて、その強さは戦いが始まってからでないと発揮されないのが困った所ですね」

 

「黄金のリノアは『持久』。彼女一人いれば敵の手段はいずれ尽き果て、戦いを諦めるでしょう。死者を出さない戦争を作れるのは彼女だけです。リノアは優しいですからね」

 

「紫のクラーレは『撃滅』。彼女が本気を出さなけらればならない事態は早々ありません。敵を形残さず滅ぼす決断を下した、という事ですからね。あの魔法は生物にとって危険すぎます」

 

 

 バミューダは歩きながら七曜の強さを語る。

 コーリスが未だに言葉を交わしていないのは白騎士と緋色の騎士。バミューダの言葉から推測出来る事は少ないが、各々が特殊な力を極めていると受け取れる。

 

 

「なら貴方は…?」

 

「ふむ…」

 

 

 コーリスの問いにバミューダは少し考え込んで答えた。

 

 

「防衛……いや、『迎撃』という事にしておきましょうか」

 

「防衛──」

 

「迎撃です」

 

 

 その訂正に意味はあるのか。

 防衛という言葉に耳を惹かれたコーリスを他所に、彼は続けた。

 

 

「エヘカトルと過ごした事で防御魔法の起動が早くなったと聞きました。その上で私は理不尽を用意します」

 

 

 軍の演習場の様な場所に訪れた二人は、一定の間隔を保ちながら向かい合った。

 『来い』という事だろう。バミューダは両手を軽く広げた。

 

 

(ゾーイに剣は作ってもらっている。エニュオ戦で失った魔力も既に回復した。戦う事に問題は無さそうだ)

 

 

 疑問の言葉を発さずに構えたコーリスに対し、バミューダは七曜の武器である長剣を抜き、同じく構える。

 

 コーリスは既にバミューダと交戦している。

 水属性で設置型の技を多用し、剣術は基本的に受け身。彼の剣は衝撃を逃がす戦い方では無く、堅実な立ち回りをする。その為、純粋な質量攻撃を当てるのが有効的。

 実際、混戦とはいえ彼はバミューダを吹き飛ばしたのだ。

 

 エヘカトル程の不可解では無く、クラーレ程の理不尽では無い。

 しかし、ゾーイを相手に充分な足止めをしていた事から、攻撃を当てる機会そのものを作れない可能性はある。

 

 加えて──

 

 

(ゾーイの情報によると、邂逅直後に放った不意打ちのガンマ・レイを何らかの方法で防御…若しくは回避をしたらしいが)

 

 

──ゾーイの光線から逃れたという情報がある。

 彼女のガンマ・レイは攻撃力と速度、範囲を兼ね備えた万能技だ。

 技を教わったコーリスが放つ物とは違い、直撃は間違い無く戦闘不能を招く。出力を上げれば星晶獣ですら粉微塵になる程の威力を持ち、深い溜めも無しに剣から発せられる。

 

 事前に彼女の情報を七曜が持っているなら、そもそも撃たせない立ち回りをする筈だとコーリスは考える。

 故に、バミューダは明確に防ぐ手段を持っていたと推測するのが妥当だろう。

 

 

(突進…と見せかけて横から鉄槌)

 

 

 コーリスは最早手癖となっていた小手調べをした。

 剣での戦いより先に、エヘカトルによって齎された防御魔法の発展を見せてやろうと、ノーモーションでの高速打撃を狙う。

 

 そこで彼は違和感を覚えた。

 

 

(…遅い。早くも鈍ったか)

 

 

 防御魔法の展開が遅い。

 昨日までは瞬く間に顕現したハンマーが、今や作り出すのに5秒は掛かっている。

 

 修行をサボらなかった彼にとっては疑問の残る出来栄えだ。

 取乱さなかった理由としては、バミューダが何らかの技を用いた可能性があったから。

 エヘカトルの件で、強者は初見殺しや不条理な技を多数持ち合わせていると理解したのだ。

 

 

(ならば光線を)

 

 

 コーリスは剣先から光線を放つ。

 魔力の単純な放出は速度のキレが落ちにくく、その代わり動きは一直線だ。

 

 

(……やはり俺が鈍った訳じゃないな)

 

 

 そして確信を得た。

 放った光線が緩やかな速度で向かっていくのを見て、彼は自身の魔法に何かしらの力が干渉していると予測した。

 

 

「考えていますね」

 

「ッ!」

 

 

 そしてバミューダは思考の隙を突いた。

 魔力による攻撃が無駄だと判断する時間は、目の前で剣を振るうには十分過ぎる長さだ。

 

 

「はっきり言いますが、私は弱めですよ」

 

「…!」

 

「歳もありますが…何より臆病でして」

 

 

 コーリスが受け止めた剣は確かに軽かった。

 エヘカトルの様に瞬間的な威力も無く、ただ拮抗状態を作る為に振るわれた様な、気落ちした剣。

 

 コーリスは跳ね除ける事に苦労はしないと読んだが、それだけで済むならバミューダは此処に連れてきていないだろう。

 

 

「相手の手段を封じなければ動けないのですよ」

 

「同じく」

 

「気が合いますね」

 

 

 コーリスの背後から渦が迫る。

 前にフロンティア号の動きを封じていた設置型の渦。両側から迫るそれは、水で出来た手錠のようだった。

 

 ならば、防壁で不干渉を強いればいい。少なくとも攻撃力は低めだったのだから。

 

 

「………あ」

 

「頼りましたね。魔法に」

 

 

 バミューダは足を払う。

 体制を崩したコーリスの両手を渦が拘束した。

 

 防壁は間に合わなかったのだ。

 これはバミューダの戦術が優れているのでは無く、コーリスの対応が余りにも杜撰という事だろう。

 魔法が遅延するこの空間において、態々防御魔法という選択を取った事が甘すぎた。

 

 胴ががら空きになった彼の前で、バミューダは周囲を歩きながら語りだす。

 

 

「守りを固められたから魔法の出力を上げる。単純な話ですね。しかし、魔法そのものが無力となったら、他の手段に頼らざるを得ない」

 

「…」

 

「最も優れた判断、その次点、更にその先。これ等を淀み無く効率的に考えられるのならば私を倒せるでしょう」

 

 

 コーリスとて、判断には優れている。

 エニュオを相手にリスクとリターンを加味した最善の選択を行える程度には修羅場に慣れている。

 しかし、『自身の技は有効ではあるが、使うべきでは無い』という矛盾を抱えた状況に一瞬頭が混乱したのだ。

 

 エニュオの破壊光線の様に、防御魔法を使っても絶対に防げないのならば使わないと断ずる事が出来る。

 だが、バミューダの技には防御魔法が効果的。剣術で渡り合えるのならば、防壁で敵の魔法を防ぎつつ間合いを詰める事が最善に近い。

 

 その上で──最善の手を打てるのにも関わらず、妥協策を強制される。

 半端な現象こそ形が分かりにくいもの。

 実質的な魔法封じに、コーリスは精神の集中を維持しきれていなかった。

 

 

「考えるんです。さぁ、君が出来る事に心を委ねて」

 

「……むぅ」

 

 

 困った時のゾーイの様な唸りが出てしまうコーリス。

 恐らくこの空間でもバミューダは自由に魔法を使えるだろう。その場合、白兵戦のみでは分が悪い。

 

 

「魔力を纏った剣で…」

 

「ちなみにこの空間は"魔法"では無く"魔力"そのものの流れを鈍化させます。離れてゆっくり纏わせるのは不可能ではありませんが、その隙を逃しませんよ」

 

「逃げながら身体に流して」

 

「渦の設置数が増えるだけですね」

 

「…先手必勝で初撃に全てを」

 

「弱めとは言いましたが一応七曜です」

 

「く………ぐぬ……」

 

 

 ああ言えばこう言う。

 コーリスの苛つきは臨界点に達しようとしていた。カリオストロも普段、自身やゾーイにこう思っていたのだと少し共感した。

 いっその事正解なんて無い理不尽な技じゃないかと、臍を曲げていたのだ。

 

 

「ふむ。この空間に満ちる技を塗り替えようとは思わないのですか?」

 

「塗り替える…?」

 

「"魔力解放"によって扱えるこの技は、範囲内の魔力の動きを緩やかにするものです」

 

「ちょっと待ってもらいたい。魔力解放って何だ…?」

 

「エヘカトルから聞いていませんでしたか。簡単に言えば、奥義とは異なる技術の到達点です。詳しくはリノアに聞くと良いですよ」

 

「わ、分かった」

 

 

 唐突に聞き慣れない単語が聞こえたが、黄金の騎士であるリノアが詳しいようである。

 いつ会えるのかは分からないが、聞く機会で忘れない様に彼は努めた。

 

 

「私は鎮まった波の様に魔力を緩やかにする空間を作り出しました。エヘカトルの様に自然の現象を掌握した物ではありません」

 

「空間そのものを作り出す魔法…貴方は水属性だったな。しかしこれは水と呼べるのか?」

 

「拡大解釈である事は認めますよ。全てが止む『凪』の性質…それを空間で表現するものですから、水滴すら滴りません」

 

「その意味不明な性質が魔力解放?による物ということか」

 

「はい。ですがエヘカトルが重視する『イメージ』も魔法では重要です」

 

 

 『ここは魔法学校か?』もと思わざるを得ないコーリス。

 かの有名なマナリア魔法学院にでも来たようだと、彼は露骨に顔をしかめる。

 

 

「空間に満ちる魔法、君ならばその魔力量を持って上書きする事も出来るのでは?」

 

「魔力によって掻き消すんだったらさっきと同じになってしまう」

 

「いえ、霧の話ですよ」

 

「霧?」

 

「君の霧は魔力ではありません。魔力が空になっても出せる筈です」

 

「あの時…見られてたか」

 

「…おや、既に知っていたのですか?」

 

「どういう事だ?」

 

 

 コーリスはエニュオ戦後に魔力が空になったにも関わらず、霧を出せた時の事を見られたと思ったのだ。

 しかし、バミューダはコーリス自身が霧が魔力では無い事に気づいていないと思っている。

 会話が不成立。

 

 

「君の霧を我々が分析した結果、魔力では無いと判断したのですが…」 

 

「……ああ、エニュオとの戦いが終わった後、何故か霧を出せたんだ。そこで気付いた」

 

「ふむ。ならば話が早い」

 

 

 バミューダは手を広げた。

 すると空間が薄く揺らぎ、何処か色が鮮明になった様に感じた。

 魔法が解除されたのですよ。 

 

 

「薄っすら白かったのか」

 

「下準備が必要でして、既に仕込んでいたのですよ」

 

「最初から虐めるつもりだったと」

 

「そう邪険にしないで下さい…話を続けますね。君の霧は魔力によるものでは無いので、鈍化の影響を受けません。それと同時に、その霧も魔力そのものを害する物ではない為に、互いに不干渉を貫くでしょう」

 

「そうだが…霧に魔力を乗せるのか?」

 

「既に君はエニュオとの戦いで霧にに魔力を乗せ、満ちる速度を向上させる応用を見せましたね。悪くない使い方ではありましたが、少し勿体無くもあります」

 

「それはつまり、霧に物理的な攻撃性を持たせるという事か?」

 

「そうです」

 

 

 しかし、コーリスの光線は高速かつ高密度のエネルギーとして撃ち出すから威力を発揮するのであって、霧に魔力を纏わせた所でゾーイの様に焼けはしないし、痺れもしない。

 寧ろ魔力が濃ければ霧の視認性が高まり、回避を容易にしてしまうリスクがある。

 少なくとも幼年から霧と向き合ってきた彼は、その融通の効かなさを充分に把握している。

 

 もし初歩的で、誰でも気付くような使い方を見逃していたとしたら、カリオストロにでもツッコまれていただろう。

 

 

「エヘカトルは刀と風を同一視した事で両側面の性質を持つ斬風を生み出し、私は水波を概念として抽出し、空間として作り出しました」

 

「ぐ」

 

「君の持つ霧はすべてを感知する事が出来ます。身体の一部として扱ってもいいのでは?」

 

「頭がこんがらがる…」

 

「少し混乱させてしまいましたね。しかしコーリス。強くなる為には死ぬ気で悩み、新たな道を探す事が必要です」

 

 

 混乱に頭を抱えるコーリスの肩を掴み、バミューダは厳しい表情で語った。

 

 

「一つを極める人間は強い。それと同時に一つしか極められない人間では七曜足り得ない。器用貧乏では無い全く別のアプローチを探さなければ、私みたいになってしまいますよ」

 

「…貴方は自分を卑下するが、強いだろう」

 

「この技のおかげで七曜の座を受けましたが、編み出した頃には35を超えていましてね。それなりに剣を使っていたのですが、才気溢れる若者には負けますよ」

 

「七曜の中での位置は」

 

「真王の評価では下から2番目ですね」

 

「にっ…!」

 

「相性の有利不利はありますが、基本的にエヘカトル以外には劣ります」

 

 

 確かにクラーレよりも理不尽さが感じられず、カリオストロと組めば負けない可能性が高いと思えたが、同時に押し切る自信も湧かないというのが彼の正直な感想である。

 バミューダの戦い方は敵の攻撃を弱体化させ、それを撃たせた上でジリジリと詰めるもの。 

 元より敵を一瞬で打ち倒す類の強さでは無いが、それでもコーリスと一対一なら余裕で勝てるだろう。

 七曜の層の厚さが伺える。

 

 

「私は一介の騎士でしたからね。碧を受け継いできた家柄に泥を塗ったと嫌われています。だから他の七曜の様に輝かしい大技も無く、結果的に人を苛つかせる戦い方しか出来ないのです。はっきり言ってこれが私の悩みなんですが」

 

「…俺も士官学校の時、霧と盾がムカつくと言われ続けていた」

 

「君とは仲良しになれそうですね」

 

「でも…そこまで努力してまで七曜になった理由は何なんだ?」

 

「やる事が無くなってしまったんですよ」

 

「…?」

 

「今の時代はイスタバイオン王国による長年の統治の中で最も平和と言われています。野良の星晶獣が暴れない限り国軍が動く事も無く、結果的に自己鍛錬を続ける毎日でした。無論平和が悪い事とは絶対に言いませんよ」

 

「まぁ…言いたい事は凄く分かるが」

 

 

 暇で鍛えていたら七曜になったという訳では無いらしいが、それでも何処か他人事な理由に聞こえる。

 バミューダの性格をコーリスは測りかねていた。

 

 彼は穏やかな表情で続ける。

 

 

「…私は調和と静寂が好きでしてね。子供の時から湖に赴いては軽い波が完全に収まるまで見ていたんですよ」

 

「音が消える瞬間……森でも極稀にそうなる事があった。あれは何とも言えない神秘的な気分になる」

 

「ええ、綺麗ですよね。そんな時私はいつも思っていました。何事も起きず、ただのんびりと生きていければそれで良いのではないか」

 

 

 彼は別に禁欲を強いている訳では無い。

 ただ、暇で暇で仕方が無い日常を過ごすというのも、長く戦い続けてきた騎士にはかけがえのない宝なのだ。

 

 そんな彼にとって、島によって決まった役割があり、恒常的な安寧を維持するアウライ・グランデ大空域は理想郷であった。

 

 

「統治に反対する人々は言います。『抜け殻の様に日々を生きるのは人間ではない』、『苦難の道であろうとも、我々は我々の道を征く。それが誇りだ』と。私はそれがどうも理解出来ない」

 

「…」

 

「争いたくないから『獣』ではなく『人』として生きてる筈なのに、何故安全地帯から離れる必要があるのでしょうか」

 

 

 バミューダは淡々と述べた。

 彼は人が持つ激情を淡白に見ているのだろうか。

 誇りや歴史よりも平和である事を重視する人間は多いが、彼の場合は効率性と論理性に重きを置いている様に聞こえる。少なくともコーリスには。

 

 

「…コーリス。この国をどう思います」

 

「そうだな…」

 

 

 コーリスは彼の語りに免じて、率直に感じた事を話す事にした。

 

 

「ファータ・グランデの人間として言わせてもらうならば、やはり一方的な統治、七曜の騎士による強硬手段には悪印象を持った、が」

 

 

 バミューダは黙して言葉を待った。

 

 

「国民達は曇った顔を一回も見せなかったな。寧ろ、決意に満ちていた。……そういう事なんだろう」

 

 

 エヘカトルに連れられたトゥゲンキオ島でも、農作業を強制されている筈の住民達は、疲労の中で汗水を垂らしながらもその日々に情熱を持っていた。

 コーリスはこの国の人々に『生気』を見たのだ。

 人の道を外れた統治に置かれた人々は、ファータ・グランデの何処の人々よりも人間らしかった。

 真王を、七曜の騎士を、イスタバイオンを、アウライ・グランデを彼等は信じているのだ。

 

 その答えを聞いて、バミューダは微笑んだ。

 

 

「私はこの国が好きですよ。そう思った時ですかね、先程の魔法を覚えて七曜に選ばれたのは」

 

「やっぱり…人は気概か」

 

「ええ、人はやる気です。無我夢中かつ効率的に鍛える人よりも、何かを決意して進む人間の方が進化の幅は広がっています。」

 

 

 バミューダはコーリスの肩をポンと叩いた。

 

 

「長々しくても、一つの夢と希望を持つ君ならば…いつか出来ますよ」

 

「いつか、か」

 

「君になら使ってもいい言葉でしょう?」

 

「…そうか」

 

 

 その日から、コーリスはエヘカトルに加えてバミューダと交流する様になった。

 

 

 

 

───────────────────

 

 

 

──翌日。

  

 

「コーリス」

 

「どうした?」

 

「ガンマ・レイでも浴びるか?」

 

「遂に俺は世界の敵になったのか」

 

 

 コーリスはバミューダに言われた通り、霧と魔力の可能性について考えていると、ゾーイから物騒な提案が出された。

 切なげな表情を浮かべながら剣を抜いたゾーイの手首を彼は本気で掴んで抑えつつ、そのぶっ飛んだ思考回路に異議を唱える。ディとリィですら『はぁ?』と言いたげな表情を──口をあんぐりと開けて主のアホ毛をこねくり回している。

 

 彼女は目を見開いて語った。

 

 

「なんだ最近の君は!」

 

「俺だ」

 

「君が君じゃない!」

 

「俺は俺だ」

 

「そうだが違う!」

 

 

 唐突に叫び出したゾーイに驚いたのか、カリオストロとノアが『なんだなんだ』と寄って来た。

 特にカリオストロにとってはまともな文体を成していない会話は苦痛だろう。片耳に指を突っ込みながら鬱陶しげに本を読んでいる。

 

 

「最近の君は考えてばかりでもぬけの殻だ!共に長い時間を過ごした私の言葉ですら偶に届かない…!これが異常事態でなくて何なんだ!」

 

「そういやお前とゾーイって何年くらい?」

 

「2年くらいかな…多分」

 

「あっさ」

 

「カリオストロ、今浅いと言ったな。覚悟を示せ」

 

「いや朝だなーって」

 

「…ふむ」

 

「あ、納得するんだね…」

 

 

 止めに入ろうとしたノアが呆れて声を零す。

 今のゾーイはひたむきな学級委員長の様で、只一人が問題に対して深刻に感じているという哀れなクラスを想起させる。七曜の騎士によって悪い影響を及ぼされていないかという懸念らしい。

 

 今までの人生、コーリスに悩みが無かった訳ではない。寧ろ空戦を経て人一倍国家や平和の在り方について考え込んでいたし、寿命を克復したとはいえ、矮小な人の力で何が出来るのかと虚無的な思考回路を構築した事もあった。

 

 それを彼女が知らぬ筈もないので、やはり不要な心配となるのだろうか。

 

 

「コーリス、君は人形か!?」

 

「違う」

 

「そう、違うだろう!なら何故七曜の騎士達の言葉におめおめと従う!強くなる為に能力を発展させようと努力する事は正しいが……その発展の仕方が全て誘導によるものだったらどうするつもりだ」

 

「そういうことか」

 

 

 彼女はコーリスの未来の可能性が七曜の騎士によって一つのものに誘導されているのでは無いかと疑っているのだ。

 確かに、エヘカトルのイメージに続いてバミューダの概念抽出──まるで各々の七曜が持つ技能をコーリスに詰め込もうとしている様に感じられる。

 

 懸念点を把握し、コーリスは自身の見解を示そうと口を開いたと同時に、カリオストロが割り込んだ。

 

 

「互いの利になるなら良いだろ、別に」

 

「なっ」

 

「コーリスにとっては圧倒的な力の習得、奴等にとっては戦力の確保とファータ・グランデの実質な統治権。今のところこの国は世界の為に動いている様に思えるから、オレ様達の団の指針と重ね合わせても問題は無い。こんな所か」

 

「しかし…」

 

「ま、正しいとしてもそれが強固な訳じゃねぇ」

 

 

 カリオストロは気に入らないと言った風に鼻を鳴らした。

 

 

「見えてる未来に向かって進むのは構わないが、頭を使ってねぇな」

 

「どういう事だ?」

 

「王の見ている未来は理想を映し出す物なのか、それとも現時点で確定している未来を映すのか。前者ならそうなる様に誘導しなきゃならねぇが、後者なら状況次第で未来が変わるって事だ」

 

「…確かに。思えば未来は単純なものではないし」

 

 

 未来を見た結果、平和ならばその道を辿ればいいのだとバミューダは言っていたが、そう単純なものなのか。

 未来とは現在(いま)を重ね続けて至るもの。過程において起きる様々な出来事の数──否、それ以上に未来を変える要素が存在する。人が一人死ぬだけで歪曲する可能性もあるのだ。

 だからこそ、思考停止が疑われる彼等に対し、自分で未来を創り上げたカリオストロが侮蔑する。

 

 

「そういえばバミューダ殿は恒常的で凡庸な日々が理想だと言っていたな。それが平和の道になるし、俺なら実現も出来ると」

 

「…やっぱな。どいつもこいつも、時間だの寿命だの無数にあれば何でも出来ると思ってやがる。ムカつかねぇか?コーリス」

 

「ムカつく、か」

 

「そこらへんの寿命で死んでく奴等はな、不老であれば国を豊かに出来るし、世界を平和に出来ると断言するんだ。それが例え強い奴でも雑魚でもな」

 

「人の生すらも全う出来ていない俺には測りかねる」

 

 

 『ま、そうだな』と軽く呟きながらカリオストロはせせら笑う。

 その冷ややかな侮蔑は誰に向けられたものなのだろうか。少なくとも過去に対してか。

 

 

「不老であれば何でも出来るってのはな、今の自分で永遠に生き続けるという前提があってこそだ。平和を誓う七曜の騎士がそのままなら、そりゃあ世界だって平和になるだろうよ」

 

 

 だが、そうはならない。

 そうならなかった結果がここにいるからだ。

 

 カリオストロとて、平和が嫌いなわけではなかった。身を粉にして動く程の正義感は無かったが、それでも研究ついでに少なくない島を救った事がある。

 

 今は──違う。

 

 

「だが人は変わる。畜生にも聖者にもなれるし、小悪党にも狂人にも……そして、極僅かな感情の変化でも不老を上乗せすると──これがびっくり。心が折れる」

 

「折れる…」

 

「ああ、折れる。『今年は何年だ』ってのを繰り返しただけで壊れるくらいには脆いんだぜ?」

 

「心当たりが?」

 

「不死は無いが不老には成功例がある。儀式の最中、生贄の感情を限りなく自身へ同調させた上で、その命を自身へ注ぎ込む。そうする事で命を延ばした人間がいた」

 

「生贄だと」

 

「そいつは世界の平和を願っていてな、勇者に託すという様に生贄達も平和を願い、同化できたんだ。まぁ、さっき言った様に70年くらいで壊れたんだが。この儀式も今は失われてると思うぜ」

 

「じゃあカリオストロは何で壊れてないんだ?」

 

 

 その遠慮の無い問いかけに対し、特段怒る事も無くカリオストロは即答した。

 

 

「依存するものが変化するからだ」

 

 

 断言された割には要領の掴めない言葉であった。

 

 

「平和の為に生きる奴は、自身の良心や意志を保ち続けなきゃならねぇ。自身の変化を封じ、世界を変化させる事が肝要だったわけだが、まぁ…たった一人で平和を目指しても、世界ってのは気の遠くなる時間でやっと変わるからな。自分がどれだけ正しく作用してるかが分からないからそうなるんだ」  

 

 

 世界の平和を願ったからには、それを成す者が悪心持ってはならない。数百数千年の時を経て、その目的を果たす為の意志が残っているかどうかなのだが、彼が見てきた中で耐えられた人間はいないらしい。

 

 

「オレ様は錬金術に生涯を捧げてる。錬金術に限らず魔法ってのは時代によって変わり続けるし、短期間で様々な影響を受けて使い方すらも疎らだ」

 

「術の可能性を追い続けるからこそ、自身の意志を保つ事が出来るということか」

 

「そういう事。真理を探求するって言ったって、それが真理だと判定できる人間はいるのか?結局の所人間がそれを認めなれば全てが無限大の可能性を持つ。終わりはねぇ」

 

「…追える物が無ければどうなっていたと思う?」

 

「いや、別に」

 

「ん?」

 

「変化する物を追い続けるのが()()()の秘訣とは言ったけどな?周囲を変化させる事も出来るならそれに拘る必要は無い」

 

「……星晶獣か!」

 

「お前何か今日調子いいな。星晶獣の大半は覇空戦争で役割を失ってるのに精神を保っている。それは自身が容易く他者を変える事が出来るからだ」

 

「何かに影響を及ぼす事が出来るからこそ、自身が存在していると認識し続けられる」

 

「あのサイコの話は例えにもしたくねぇが…エニュオは破壊する自分がいる事で、アテナは守り通す自分がいる事で各々の存在を肯定し、空虚とも言える蛇足の余生を人生に変えた」

 

「星晶獣が能力に則した人格を持っているというのも…」

 

「ああ。偶然とはいえ、長持ちの要因になったな」

 

   

 その言葉にゾーイが軽く口を尖らせる。

 道具扱いの様な物言いに異議を唱えようとしたが、カリオストロの言葉は星晶獣にとっても学びとなる。新たな価値観の創出に際し、彼女は無意識に言葉を止めていた。

 

 

「ま、結局のところ…目標が大きく抽象的であればある程不老者は壊れやすく、自身の正しさと存在理由を疑い始める」

 

「それは…俺の未来か…?」

 

「そうならない事を七曜の奴らは望んでるんだろうが……寿命素人はこれだから困る」

 

「寿命素人」

 

「あとゾーイ。コスモスとやらもコーリスの不老性に目をつけたんだったな」

 

「あ、ああ」

 

「こう言っとけ。『お前らは目標とか役割に能力が直結してるから迷わず生き続けられるんだろうけどな、人間は力も自前で付けなきゃなんねぇし、何より理想家だ。諦めろ』ってな」

 

「…善処する」

 

(……変化、か)

 

 

 コーリスはバミューダの言葉を思い出した。

 ──『何事も起きず、ただのんびりと生きていければそれで良いのではないか』。

 

 それは平和を望むというよりも、誰もが長閑な日常を過ごし続ける事で荒波一つ立たない世界を作り出すという事。大雑把に言えば『変化を望まない』という理想の世界だった。

 

 それと同時に彼は思った。変化しない人間が何かを変える事が出来るのだろうか、と。

 アテナやエニュオは恐らく他者に影響を及ぼす過程で自身も変化していったが、何方かが無変化のままである事などあり得るのだろうか。感情の変化を封じた機械が、世界をドラマチックな光明へと導く姿が想像出来なかった。

 

 それを踏まえれば、たった一人が何億年何兆年足掻いた所で──理想の平和を掴む事は不可能なのでは無いか。

 彼の思考が淀んだ。

 

 

「カリオストロ、君のせいでコーリスが固まってしまった」

 

「考える事は良い事だぜ?考えてる内はある意味正気を保てるからな」

 

「私の考えも君の影響を受けて変な方向に行きそうだ。君は教師と哲学者の間の様な存在だな」

 

「お前から哲学者なんてワードが出ると思わなかったよ。あとオレ様はただの天才錬金術師だ」

 

「ここには面白い本が沢山あるからな。暇な時に読んでみてるんだ」

 

 

 考えて考えて──少なくとも悩みとは無縁そうなカリオストロとゾーイの会話を聞いた彼は、仲間がいる内が自身の正気の期限なのだと深く理解し、ノアが差し出した水を飲んだ。

 

 理想郷を目指せるのも、理想家だけ。

 平和を目指せるのも、理想家だけ。

 

 なら、実現出来るのは誰だろう?

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

──とある廊下にて。

 

 

「碧、随分と思想をひけらかしたようだな」

 

「おや、リノアではありませんか。茶でも飲みますか?」

 

「不要だ」

 

「それでは何の御用で?」

 

「コーリス・オーロリアと調停者ゾーイの思考に迷いが生じた。開祖殿の会話によるものだが、どうも起点が存在する様だ。心当たりは?」

 

「ありませんが…」

 

「……お前、彼の寿命について軽く言及しただろう」

 

「…?ええ」

 

「歴代の真王陛下とて、人の生を超越した事は無い。それには理由がある。と言っても無駄か」

 

「ふむ…平和を望む人間がそれを実現するだけの時間を求めない理由が分かりませんね」

 

「──お前は変わらない事に耐えられる人間だからな」

 

 

 リノアは去った。

 残されたバミューダは首を傾げるばかり。

 

 

 

 

 

 正しいとされる未来を辿る真王が選択する現在は、全てにおいて予定調和であり、正義なのだろう。

 ならば他の要素が介入する余地は無いし、全ては決まっているのだから、それに従えばいい。

 

 

 

──しかし、ターニングポイントは存在した。

 

 

 

──()()だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





バミューダ
・妻子持ち。
・サイコパスと誤解されるが本当に優しいだけのおじさん。
・元は軍隊のベテラン騎士で、ある時を境に遅延の魔法を覚えて無双。カルエス・グランデ出身の七曜に任命。
・リノア曰く、やらかした。

コーリス
・思考が淀むよどこまでも。
・カリオストロの言葉で未来への底知れない不安を持ったが、それと同時に仲間が全員不老な為に希望も持った。

カリオストロ
・寿命超越の最大手なので、不老不死への舐めた見解は叩き潰す。
・コーリスにとっては本当に先生。

魔力解放
・次回にて。




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。