戦姫絶唱シンフォギア ーNoisy Glowー 作:にこにこみ
律、そして翼の身を投げ打った一刀により月の破壊は免れ《カ・ディンギル》は破壊に至った。
チャージ中だったエネルギーの暴発による大爆発により《カ・ディンギル》は黒ずんだ根元部分しかその原型は残っておらず、完全に破壊されもう稼働する事はないだろう。
「そ、んな……律、さん……翼、さん……」
よろめきながら立ち上がった響はクリスに続き、律と翼が目の前から消えてしまった現実に心が打ちひしがれる。 その時、
「——ウアアアアアッ!!」
崩落した《カ・ディンギル》の瓦礫の中を砕きながら鎧も生身もボロボロなフィーネが絶叫と共に現れた。
「よくも……よくもやってくれてなぁぁっ!!」
「う、嘘……」
フィーネは道連れに仕掛けた翼に、さらに《カ・ディンギル》を破壊された2つの怒りで顔が怒りと狂気に浮かんでいた。
長い年月、幾度の転生を繰り返して達成しかけた悲願をたかが10代の男女によって打ち砕かれた……それが水の泡となった。 フィーネは悲願を実現しかけていた願望機の残骸を見上げる。
「月の破壊は! バラルの呪詛を解くと同時に、重力崩壊を引き起こす……惑星規模の天変地異に人類は恐怖し! 狼狽え! そして聖遺物の力を振う私の元に帰順する筈であった!」
《ネフシュタンの鎧》の再生能力によりみるみる回復していくフィーネは、最後に残った響を睨みつける。 やり場のない怒りを響にだけぶつけてくる。
「痛みだけが人の心を繋ぐ絆! たった1つの真実なのに!」
「………………」
スクッと、響は顔を俯かせるながらしっかりと立ち上がり。 フィーネは立ち上がった響に向かって歩み寄っていく。
「それを! それをお前は! お前たちは——」
「うああああああっ!!」
言葉を遮るように響は声を上げ、フィーネに飛びかかりその右拳を顔面に叩き込んだ。 フィーネは避けもせず拳を受けたが、あいも変わらず不敵に笑みを浮かべている。
響は止まらず、ビクともせず手も出さずに余裕を見せるフィーネのボディーに何度も拳を打ち付ける。
「違う!! 痛なんかが人の絆なんかじゃない!人と人を繋ぐ絆は……人の数だけあるんだ!」
「違わぬさ! 人は与えた痛みは忘れても、与えられた痛みは忘れようとはしない! 故に争いは終わらない! 痛みと戦いの歴史は未来永劫刻まれ続ける!」
「ッ!」
響の脳裏に、2年前の人からの暴虐が浮かび上がる。 自身に向けられたのは痛みは被害者やその遺族からの痛み……そして、それに便乗した無感情な虫の群勢からの痛み。
皮肉にもフィーネの叫びと2年前の出来事は一致してしまい、響は拳を振るう勢いを落としてしまう。
「フンッ!」
「ガフッ!!」
その一瞬の隙を見たフィーネはカウンターで腹部に蹴りを入れ、乾いた息を吐いた響は数度バウンドしながら吹き飛ばされてしまう。
「……ぐっ……ハァハァ!」
瓦礫に衝突してようやく停止し、響は地に倒れ伏す。 しかし諦めない響は両腕に力を振り絞って何とか立ち上がろうとし……その前に、歩いてきたフィーネが響の髪を鷲掴みにして顔を上げさせる。
「すぐに殺しはしない……ゆっくりと嬲り殺して、私の悲願を邪魔したことを後悔させてやろう……!」
「ぐうっ……!」
次の瞬間、リディアンの跡地から大きな衝撃音と土煙が上がった。
◆ ◆ ◆
同時刻——
「…………ぅ…………」
朦朧とする意識の中、身体中の痛みを訴えながら律は目を覚ました。
(ここは……俺は……一体……)
目だけを動かして辺り見回すと、空しか見えなかった。 ただし身体が流水に浸かっている事から、どうやら近場の小川まで飛ばされたようだ。
(頭が痛い……身体のあちこちも……)
シンフォギアも解除されており、とりあえず身体を起こそうと力を入れようとした時、
「グゥッ……!」
全身から激痛が走り、少しも起き上がれなかった。
(駄目だ……動け、ない……)
加えて水の中……疲弊している状態でさらに体温が奪われていく。 徐々に意識が、次は目が覚める事のない眠りが律を誘ってくる。
『—————』
(うっ……意識、が……)
意識が薄れるに連れ、何やら幻聴まで聞こえてきた。
『起きて、◼️◼️ちゃん』
(俺を、呼ぶのは……誰だ……?)
脳裏に浮かんで来るのは白い部屋……そこに映るのは1人の少女。
『起きて、お兄ちゃん』
(……妹がいつの間にツインテになってたんだ……?)
顔は見えないが、自分より長い黒髪を左右に結っている髪型……ツインテールの少女が律を“兄”と呼びながら身体を揺すっていた。
『お兄ちゃん』
『——デエエス!!』
「いや誰!?」
いきなり出てきた声に思わず飛び起きてしまった。その反動で激痛が起き、それにより朦朧としていた意識がはっきりした。
「痛つつ………………変な夢見た気がする」
妙に頭の中が“デスデス”煩い気がする律。 何か見覚えのない夢を見ていた気がするが……その内容は頭の中が霧がかかったように何も思い出せなかった。
「———ああああああああっ!!」
「うおっ!?」
すると、脳まで揺さぶるような怒号が地を揺るがしながら響いてきた。 声が聞こえてきた方角には《カ・ディンギル》の残骸……根元の部分だけが目に映る。
そして、この声には聞き覚えがあった。
「フィーネ……!? そんな……翼が身を呈したのに、まだ生きているなんて……」
律を探しているわけでは無さそうだが、このまま見つかってしまえば確実に殺される……ヨロヨロとよろめきながらも腹這いになり、腕の力で身体を引きずってその場から移動しようとする。
「ぐっ……くっ……!」
川の中を這いずりながゆっくりら岸まで移動し、身を隠そうとする。
「ハァ……ハァ……」
息絶え絶えになりながらもその歩みを止めようとはしない。 その時、律の耳に微かに複数の声が聞こえてきた。
「……歌……?」
機械的な雑音が混ざっているものの、確かに聞こえてくるのはリディアンの校歌だった。 老若男女、色んな人が一つの歌を……想いを乗せて戦う者へ送っている。
(……みんなの歌……でも、俺には届かない……こんな雑音に塗れた俺には……)
身体の中に巡るノイズのせいか、歌が律の心に響いて来ない。
すると、歌に呼応するようにリディアンの方角から青、橙色、赤の三色の光の柱が立ち昇った。
「あれは……」
リューツの柔らかい毛に顔を埋もれながら律は視線だけ空を見上げる。 次第に空高く立ち昇る光が収束していくと……大空の中に、翼を広げて空を舞う3人の少女の姿が。
(響……それにクリス……翼…….よかった……)
響、そして倒れていったはずのクリスと翼の無事な姿を見てホッとし……その脱力の所為で体勢を崩し律は再び川の中に身を沈めてしまう。
(……ヤバイ……ホッとしたら……気が抜けて、力が……)
ギリギリ顔までは水に沈んでいないが、このままでは力尽きて溺死してしまう。
すると……後ろからバシャバシャと、川の中を歩いて向かってくる音が聞こえてきた。
(……くっ……)
寄って来る人物が敵か味方か……誰とも分からず、とにかく距離を取ろうとするも、身体に力が入らず全く動けなかった。
そして、近付く人物が律の横を抜けて正面に来ると、
「ガルルル……」
「……リ、リューツ……」
そこには黒地の毛に白い模様が入っている大きな虎……巨大化したリューツがそこにいた。
「ガル」
「グエ……」
リューツは律の服の首根っこを咥えると、律がくぐもった声を出しながら器用に上に持ち上げ、自分の背中に乗せた。
そしてリューツは踵を返し、リディアンの跡地に向かって歩き出す。
「……ありがとうな」
「ガウ」
どうして危険地帯に向かって行くのか、追求することは出来ずされるがまま。 だが律はお礼を言い、リューツは一吠えして返事をした。
そしてリューツは再びリディアン跡地の敷地内に入ると……瓦礫の中をかき分け、地下シェルターへ続く道を開くとそのまま中に入って行く。
「……リューツ……?」
呼びかけるもリューツは前だけを見て歩き続ける。 しばらくすると、奥から複数人の話し声が聞こえてきた。
「ガウ!」
「うわあっ!?」
「リューツ!」
突然背後から現れた大虎に、誰もが悲鳴を上げ距離を取ろうとする。 その中でリューツを知る未来は逆に近寄り、背に乗っていた律を見つけるとその怪我に言葉を失いかける。
「酷い怪我……律さん、大丈夫ですか!」
「……っ……」
「こちらへ!」
緒川の手も借りて未来はリューツから律を下ろし、ベットに横たわらせると怪我の手当てを始める。
「ひ、響たちは……?」
「みんな無事だよ。 今も、私たちのために戦っている」
「行かないと……!」
無理にでも起きようとする。 未来は慌てて律を抑えようとする。
「む、無茶ですよ! そんな怪我で、ビッキーたちの足手まといにもなりかねません!」
「なんかアニメみたいにパワーアップしているし、このまま任せても大丈夫じゃないの、かなあ?」
弓美の言う通り、画面に映し出される外の映像では響たち3人が姿形が変わったシンフォギアで空を飛び、フィーネが呼び出した無数のノイズと互角以上の戦いを繰り広げている。
「それでも……行かないと……!」
「律さん……」
だが、それでも律は止めようとせず、無理にでも立ち上がろうとする。 そんな律を見て、決心した未来はある事を口にする。
「——律さん。 フィーネは記憶を失う前の律さんについて知っていました」
「何っ!?」
「未来!?」
「いきなり何を……」
律を後押しするような突飛な発言に、全員が驚愕してしまう。
「何でだろうね? 私にも分からないや……でも、言っておかないといけない気がしただけ」
「ヒナ……」
未来は律の手を取り、懇願するように自分の額へと持っていき握るしめる。
「他にも話すべきことはあるのですが……今は言いません。 律さんと響、クリスと翼さんが無事に帰って来たらその時、ゆっくりとお話しします。 だから必ず帰ってきてください」
「…………分かった」
未来と約束を交わし、律は未来の手を借りて立ち上がる。 そしてふらつきながらも出口に向かおうとすると……その行く手を同じ怪我人である弦十郎が緒川の手を借りて塞がった。
「……そこを退いてください」
「止めるつもりはないさ。 、今更何を言ってもな……だからせめてもの手助けを……」
弦十郎は緒川の手から離れ律の前に立ち、腰を落とす。
「コオオオォォ……——喝っ!!!」
「うおうっ!?」
呼気を高めながら律に向かって掌底を放った。 寸止めで直撃はしていないが、衝撃に似た波動が律の身体を打ち付ける。
「くっ……」
「司令!!」
弦十郎は息を荒げながら膝をつく。 そして律は、自分の身体を怪訝そうに見回す。 先程まで感じていた痛みや疲労がまるで無かったかのように緩和されていた。
「こ、これは……」
「……点穴をついて、気の流れを全身にまで循環させた。 これで一時的にこれまでの疲れは忘れるだろう。 だが、効果が切れれば通常の倍の疲れが出るから覚悟しておけよ」
「(OTONAスゲェ……)その時は同じ病室で、ベットで並んで寝ながら映画でも見ましょう」
「ハハッ! それは良いなぁ!」
律の提案に、腰を下ろした弦十郎は軽快に笑う。
「それじゃあみんな、行って……」
「——バクン!」
出撃しようと背を向けた瞬間……突然リューツが背後から飛びかかり、律の頭を丸かじりにした。
「キャアアアア!! 律さーーん!!!」
「な、何してるのリューツ!?」
「ペッして! ペッ!!」
「ここでギャグアニメ!?」
「……………………」
未来たちは慌てふためきながら律とリューツを左右に引っ張る。
牙を突き立てられている訳ではないので痛くはないが、急に目の前が真っ暗になった律は疲労もあって動けずされるがままだった。
そして、リューツから何かを嚥下する音が聞こえて来る。 すると、
「…………! これは……」
少しずつ、律の身体の中からノイズが吸い出されていく。 どうやらリューツが律の中にあるノイズを残らず吸い出してくれているようだ。
「……え?」
「律さん?」
リューツが律を離し、律はベタベタになった頭になりながら再び自分の身体を見回す。
シンフォギアからノイズが吸い出され、今の律の身体にはノイズが無い状態……これで恐らくは、シンフォギア本来の力が発揮できるだろう。
「Feliear ◼️◼️◼️ tron」
それでも相変わらず肝心な部分だけノイズがかかっているが、それでも完全な聖遺物のみの力が表に顕現できている。
ノイズが薄れた聖詠を紡ぎ、その身に再びシンフォギアを纏う。 暴走した鬼のような姿ではなく、以前のような有角で両翼を有した毅然とした姿で。
見た目はあまり変わりないが、背の翼から放たれる紅い閃光。 今までは赤黒かったが、今は鮮明な紅い光輝となって放出されていた。
「……ありがとう、リューツ」
「ガオウ!」
お礼を言うと、嬉しそうにリューツは大きく吼える。 そして、律の変身を見ていた未来と避難民、特にその中の女の子がキラキラした目で律の事を見上げていた。
「わあぁ……! お兄ちゃん、カッコいい!!」
「ま、間近で見るとさらにアニメみたいだと思っちゃうよ……」
日常とはかけ離れた変身シーンを目の当たりにし、事情を知る未来を含めたその場にいた一般人たちは呆けた声しか出なかった。
「それじゃあ、行ってきます!」
「気をつけて行くんだぞ!」
律は顔を上げて跳躍し、天井をすり抜け……すぐに地上へと飛び出した。
「え!?」
「貴様は……!」
「ようやく歌える。 旋律を奏で、剣を振るえる!」
当然の律の登場に響たちとフィーネが視線を向ける中、まるで呪縛から解放された爽快な気分で律は晴れた顔を上げ、空に埋め尽くされるノイズを見据え……旋律が奏でられる。
——汝、その胸に問え 命の泉清きこと
目にも留まらぬ速さで飛び上がると同時に腰の長剣を抜刀、通り抜き側に3体のノイズを斬り落とした。
「速い!」
翼の横を抜け、続けて他のノイズに襲いかかる。
——守るべき尊き者 曇りなき瞳に宿す
だがノイズの量は予想より多く、1体ずつ相手をしていてはキリがない……律は一旦その場で滞空し、腰を落とし翼に神経を集中させる。
——我は
そして一気に飛び出しノイズの大群へと突っ込み、高速で合間を抜けその中心へと飛んでいく。
「還りに……けりー、還りに……けりーー!!」
【
ノイズの中心で停止し、全方位に紅い波動を放った。 すると、波動を受けたノイズ全ての動きが停止した。
——只、迷いを滅っし 弛みなき歩幅で 母なる万象委ね さすらば因果の
動きが止まった瞬間、律は縦横無尽に空を駆け巡り、ノイズに近寄って剣の刀身で触れるだけでそれ以上の事はしなかった。
「何やってんだ?」
「もしや、本来のシンフォギアの力に振り回されているのか……?」
「……待ってください。 何かあります」
よく見れば、接触したノイズ全てに僅かな切れ込みと共に紅い結晶が埋め込まれていた。
「汝、その胸に問え……」
群れを抜け、ゆっくりと剣を鞘に納めて行き、
「穢れなき意志の下にぃーー……!」
【
カチン、と完全に刀身を鞘に納めると……上空にいた全てのノイズから紅い結晶が飛び出し真っ二つに斬り裂かれ、無数の紅い結晶の花吹雪と共に墜落していった。 どうやら埋め込んだ紅い結晶を刃のように薄く肥大化させ、それで斬り裂いたようだ。
「あれが……律のシンフォギア本来のポテンシャルか!」
「エクスドライブのアタシらと匹敵するってどういう事だよ……」
ノイズに侵食されていない、シンフォギア本来の力が今発揮された。 しかしその力は強大……フィーネの言う通り、律の扱う聖遺物は普通ではないのかもしれない。
「チィッ……どこまでも邪魔をっ!!」
地上にいたフィーネは怒りの形相で上空にいる律たちを睨むと、《ソロモンの杖》の先端を自身の腹部に向けるように構えた。
そして……《ソロモンの杖》を切腹するように自身の腹に突き刺した。
「グアァッ!!」
杖はフィーネの腹部を貫通し穂先が背中から飛び出して、フィーネは痛みに耐えながら痛みに身体を震わせる。 そして、腹部の肌がまるで《ソロモンの杖》に根を張るように伸び、フィーネは口元を吊り上げてニヤリと笑みを浮かべる。
その直後に、周辺に残っていた全てのノイズがフィーネに向かって集まり出し、フィーネに近付くと赤紫色の不気味な肉塊のように姿を変形させフィーネを包み込んだ。
その不気味な物体かノイズを召喚する際に発生する緑の光が空に向かって再び放たれ、その光は分散してノイズを発生させる前に光を放った何かに吸収されていく。
「ノイズに、取り込まれてる……?」
「そうじゃねぇ……アイツがノイズを取り込んでいるんだっ!」
「何方かと言えば、取り込むというより喰らうという表現が正しいわね」
「まさか、俺のシンフォギアの……!?」
ノイズを取り込み続け変貌していくフィーネの姿をただ傍観するしかない中、いきなりそのノイズの塊が律たちに向かって飛来してきた。
律たちは多少驚きながらも、横に飛ぶことで回避する。 そして、フィーネが入っているノイズの塊は《カ・ディンギル》の跡地へと侵入し、地下へと潜っていく。
「来たれ! デュランダル!!」
ノイズの塊は破壊された《カ・ディンギル》の地下深くまで伸び、その最深部に設置されていた《カ・ディンギル》の動力源の役割を担っていた完全聖遺物の《デュランダル》をも取り込んだ。
取り込まれた《デュランダル》から放たれた瞬間的な光が地上まで漏れ出た直後、地割れが起き底から赤紫色の何かが飛び出した。
それは巨大な蛇……いや、鋭い爪と牙を持つ竜であった。
「黙示録の赤き竜……」
地の底から現れた赤い竜は、その頭部から突起している部位から強力なレーザーを無差別に街へと放射する。 着弾すると大規模な爆発が発生し、着弾地点周辺を吹き飛ばし律たちは余波に煽られてしまう。
「……! 街がっ!?」
余波の爆風から顔を上げた響が、爆発の規模と吹き飛ばされて黒煙をモクモクと上げる街を見ながら驚愕を声を上げた。
「
「ハッ!?」
「ッ!?」
後ろからの怒気に満ちた声に翼とクリスが反応し、律たちは後ろを振り返った。
振り返った先には、先程の《ネフシュタンの鎧》のような凹凸が多い装いではなく……まるで赤紫色のドレスのような姿へと変わり、その手にデュランダルを握るフィーネがその赤い竜の中心部分にいた。
そしてまるで自身が竜とでもなったかように、フィーネはそう言いながら律たちを見下ろす。
「相応の覚悟は出来ておろうな……?」
薄ら笑いを浮かべるフィーネは、先程のレーザーを律たちに向かって放った。 律たちは即座に回避して避けるが、余波により響と翼は弾かれてしまう。
「ぁぁ!」
「っ!」
「このぉぉっ!!」
余波に煽られながらもクリスは瞬時にエクスドライブによって出せている飛行ユニットを展開し、体勢を立て直しながら無数のレーザーを放ち。 律も左手に銃を展開しながら光弾を撃つ。
無数のレーザーと光弾がフィーネに迫るが、フィーネの前に金色の鱗のようなものが扉を閉めるように閉じられる。 突然のことに驚愕する中、2人の攻撃は容易く防がれてしまった。
蚊ほども効いておらず間髪入れずに赤い竜は翼を広げ、その先端から無数のレーザーが律とクリスに向かって放たれた。
「ぐうっ……!」
【
律は正面に紅い閃光で構成された円形の障壁を展開して防ぎ。 クリスは回避しようとするが、追尾型のようで執拗に追いかけ、飛行に慣れていないクリスは避け続ける事が出来ず、直撃してしまう。
「ぐあぁぁぁ!!」
「ハァッ!!」
【蒼ノ一閃】
反撃のために翼は蒼い斬撃を放ち、赤い龍の頭部らしき部位に命中するが……“蒼ノ一閃”によって付けられた損傷はみるみるうちに塞がって行き、あっという間に元に戻ってしまった。
「!?」
「タァァァァッ!!」
ネフシュタンのような再生能力を有しているようで、翼は目を見開く。
その間に竜の懐に潜り込んだ響は、胴体目掛けて既に腕部ユニットのバンカーを引き絞ってある右手の拳を放つ。
放たれた一撃は竜の腹部を穿ち背を貫き風穴を開けた。 しかしその穴も即座に塞がり、響は歯を食いしばりながら迎撃によって放たれたレーザーを避ける。
「はああっ!!」
意識が下に向いている隙に律は上空から急降下し、その勢いのまま剣を首筋に振り下ろし竜の頭部を切り落とそうとする。
「ぐううっ!!!」
刃は首の半ばで止まってしまい、律は剣の刃の表面に光る閃光を加速させ、チェーンソーのように振動させながら力を込める。
『いくら限定解除されたギアであっても、所詮は聖遺物の欠片から作られた玩具……完全聖遺物に対抗できるなどと思うてくれるな』
今のフィーネは《ネフシュタンの鎧》と《ソロモンの杖》に加え、《デュランダル》を有している。 いくらシンフォギア本来の力を出せようが限定解除していようがフィーネが負ける要因は無いに等しかった。
が、(だが……)と、フィーネは顔を上げ、頭上で竜の頭部を斬り落とそうと奮闘する律に視線を向ける。
(……唯一の懸念材料は“芡咲 律”……奴だけを警戒すれば後は有象無象)
4人の中で唯一、フィーネを倒せるとしたら他のシンフォギアを装者ごと取り込んで武器とする律のみ。 フィーネは響たちを虫を払う程度の意識だけ向け、律のみを要注意して強大な力を振るう。
と、そこでフィーネの言葉を聞いた翼とクリスは何かに気が付いた。
『聞いたか?』
「チャンネルをオフにしろ」
クリスは念話で翼に問い掛けるが、傍受を恐れた翼は口頭での会話をするように促す。
幸いに、フィーネは律に付きっ切りで、クリスの念話は聞かれていなかった。
「もっぺんやるぞっ!」
「しかし、その為に……!」
同じ結論に至っていたようで、2人は後ろにいた響に視線を向ける。
「…………!」
2人に視線を向けられた響は、驚いたように目をパチクリさせた。
◆ ◆ ◆
同時刻——
未来たちが避難していた地下シェルターにも、地上で過激に繰り広げられていた戦闘の余波が届いていた。
強い揺れが起きるたびに天井からいくつもの僅かな砂が落ち、恐怖による悲鳴が響き渡る。
「律さん、響……」
「ビッキーたち、きっと大丈夫だよね?」
状況が好転したり悪化したりと転々とする中、創世はもちろん、他の皆も不安がってしまう。 そんな事からか今も毅然とした態度で、律たちを信じ続ける未来に問い掛け、
「……うん……!」
「グルル……」
未来は一瞬の迷いもなく、頷いた。 その答えにリューツも同意するように唸り、未来たちを自身の腹の内に寄せ守っていた。
そして弦十郎は、ジッとモニターに映る赤き竜を無言で見続けていた。
「黙示録の赤き龍……緋色の女《ベイバロン》……伝承にあるそいつは滅びの聖母の力だぞ、了子くん……!」
その姿は滅びの象徴……世界は愚か自身すら滅びかねない力に、弦十郎は今もなおフィーネの事を“了子”と呼ぶのだった。
◆ ◆ ◆
「……ぁぁ……えぇぇっと……やってみますっ!」
翼とクリスから伝えられた作戦に、響はその真意は読めないものの、とにかく行動あるのみと意気込んだ。
その答えを、心の何処かで予想していた翼とクリスは笑みを浮かべる。
「作戦は決まった?」
そこへ、降り注ぐレーザーを剣で弾きながら後退してきた律が3人の元に戻ってくる。
「律。 どうしてフィーネの聖遺物を取り込もうとしない?」
「あれならあの盾っぽいのを削って突破できるだろう」
「いやだってなぁ……今のフィーネはノイズも大量に取り込んでいるだろう? 取り込んだりしたら聖遺物の他にノイズが俺にも入ってくるから……スペックダウンは間違いなしなんだよなぁ」
3つの完全聖遺物が源とはいえ、その外側はほぼノイズによって構成されている。 律のシンフォギアならノイズを削ってフィーネ本体へと届く事は可能だが……そうした場合、歌は歌えなくなりそれによりフォニックゲインの供給は停止、シンフォギアの出力は落ちてしまうのは明白だ。
相談する暇もなく再び迫るレーザー、律たちはそれを避け行動を再開する。
「とにかくアタシらの策で行く!」
「律、手伝え! 立花が行く道を切り開く!」
「ともかく響から意識を外せばいいんだな。 なら……!」
今までの交戦からフィーネは律にばかり注意を向けている。 それを逆手に取り、律はクリスとともに降り注ぐレーザーの中を突っ込んでいく。
「チッ!」
レーザーは律に集中しており、律は防いだり避けたりするので手一杯で近づく事は難しかった。 しかし、クリスにはあまり攻撃の手は来ていないようで、悠々と赤き竜に向かって接近していく。
「………………」
その一方で、翼は大剣状に変化させたアームドギアを眼前で構え。両手で握り締める柄からエネルギーを送り込み、大剣を通常の2倍以上の大きさに変化させ、振りかぶり、
「はああっ!!」
【蒼ノ一閃 滅破】
通常のより遥かに強力な“蒼ノ一閃”が放たれ、赤き竜の腹部に直撃した。 それにより腹部に切れ込みが入ったが、瞬く間に再生して行き、
「……ッ……!?」
完全に塞がる前に、その切れ間からクリスが突入し。 フィーネの前に躍り出る。
「うぉぉぉらぁぁぁぁっ!!」
フィーネが虚を突かれている隙に、クリスは飛行ユニットから8門の砲門を展開し、真紅の光線をを曲線を描いて放射する。
光線は竜の内部全体にばら撒くように放射され、内部を破壊しながら爆発と竜内部に爆煙が充満する。
「ぬうっ!」
鬱陶しそうにデュランダルで自分の周辺の煙を斬りはらい、煙を排出するため金色の鱗を開放し、
「!?」
「『かくいめ合さん!!』」
そこには、再び
フィーネはとっさに六角形の障壁“ASGARD”を展開して防御し……衝突により赤き竜の腹部から激しい爆発が起こった。
今日何度目かも分からない爆煙が立ち込める中、煙の中を飛び出すように1つの物体が赤き竜から飛び出てきた。
『そいつが切り札だ!』
「ッ!」
その物体とはデュランダルだった。 律と翼は先程の一撃で盾を壊し、フィーネの手からデュランダルを響に向かって弾き飛ばしたのだ。
『勝機を零すな! 掴み取れ!!』
「ちょっせい!」
翼は響に向かって一括を入れ、爆発に巻き込まながらもクリスは重力に従って落ちようとするデュランダルを正確な射撃で何度も撃ち上げ、響に元に届けようとする。
「行け、響!!」
「ッ!!」
律の一言で響は飛び出し、自分の元へ向かってくるデュランダルに手を伸ばす。 そして、一同が固唾を飲む中……デュランダルを掴んだ。
「デュランダルをッ……!?」
律ばかりに警戒していたのを逆手に取られた、デュランダルを奪取されてしまったフィーネ。
デュランダルを手にした直後、響とデュランダルを中心に力の波動が音もなく広がっていき。 響の瞳に赤い点が無数に点滅し……一気に赤く染まった。
「ぅっ……ぅっ……ゥゥゥ!」
すると胸の中心から溢れるように黒い何か……破壊衝動がデュランダルに呼応して表に出てきた。
響は何とか堪えようとし、その口から獣のような呻き声を上げデュランダルを握りしめる。
「このままではまた……!!」
このままでは律の時と二の舞い……響に地揺れが起こされている地下シェルターで様子を見ていた藤尭は不安そうな声を漏らす。
その響を見た未来は、意を決して立ち上がるとシェルター内の外に向かって走り出した。
「未来さん、どちらへ!?」
「地上に出ます!」
「無茶よ! 危ないわ!」
緒川の問いに迷いのない目で即答し、危険と知りながらも続けて未来は口を開く。
「私は肝心なところで響と律さんの側に居てあげられませんでした。 あの時、一緒に居てあげたら苦しみも分かち合えたのかもしれないって! 私はもう2人の側から離れたくない……だから響が闇に飲まれないように、律さんの支えになれるよに応援したいんです!」
その言葉に迷いはなく、緒川と友里は未来の言葉とその強い意志が宿った瞳に何も言えなかった。
「私は助けられるだけじゃなく、2人の力になるって誓ったんです!」
覆ることのない強い言葉に、未来の想いを聞き入れたのか弦十郎が重い腰を上げた。
「——子どもの我儘……いや、夢を叶えるのもまた大人の役目。 未来くんのその想いに、我々も応えよう!!」
——ドカアアアンッ!!
「うえいっ!?」
響が黒い破壊衝動に耐えながらデュランダルを制しようと奮闘する中……突然、地上にあった地下シェルターへ続く入り口から大きな音が発生し、予期せぬ事に律は肩をすくめて驚いてしまう。
すると、瓦礫を吹き飛ばして起きた土煙の中から地下シェルターに避難していた人々……未来たちが出てきた。
「みんな!?」
『どうしてここに!』
避難していたにも関わらず何故地上に出てきたのか分からない……そんな中で、出てきた全員が空を見上げ、
「正念場だッ! 踏ん張り所だろうが!!」
「ッ……ッ……!!」
暴走しかけている響に向かって、鼓舞を送った。 その声が届いたのか、響は地上に視線を向ける。
「響! お前は1人じゃない!」
弦十郎を支えながら奏がめい一杯の声を上げる。
「強く自分を意識してください!」
「昨日までの自分を!」
「これからなりたい自分を!」
(み、みんな……!)
続くように声援を送る緒川と藤尭と友里。 その声援に、響は何とか意識を保つ。
すると、剣から元に戻った翼が右側から、クリスが響の元に近寄り。 響の心を支えるようにその漆黒に染まる身体に手を添える。
「屈するな立花。 お前が構えた胸の覚悟、私に見せてくれ……!」
「お前を信じ、お前に全部賭けてんだ! お前が自分を信じなくてどうすんだよ!!」
「グゥゥゥゥゥゥ……!」
2人に支えられながら送られてくる激励に、響の意志を保つことができ破壊衝動が明々とし始める。
「あなたのお節介を!」
「あんたの人助けを!」
「今日は、私達が!」
一緒に同行していた詩織、弓美、創世の3人が一心の思いで全力で声を上げる。
「姦しい! 黙らせてやる!!」
だが、その声はフィーネにとっては鬱陶しく。 赤い竜の背から無数の触手を出し、抗う響に向かって伸ばし、
「おいおい野暮な真似はよせよ! 今大事な所なんだ!!」
間に割って入った律が全ての触手を切り落とした。 律はフィーネを見据えながら、声だけを響に向ける。
「俺たちは明日を……いつものような明日、普通な明日、変わらない明日、なんて事のない明日のために戦っている。 そうだろう——響!!」
「ゥゥゥゥゥ!」
律の声は確かに響に届いていた。 響は苦悶の声を漏らしながら必死に耐え続け、
「ゥァァァァァァ——」
「響ぃぃぃぃぃぃーーーーーー!!!」
意識が破壊衝動に呑まれかけたその時……地上から響に届くように精一杯の力で声を張り上げて叫ぶ未来の声が響き渡った。
「ハッ!」
破壊衝動に飲み込まれかけた響の意識が戻った。
(そうだ……今の私は、私だけの力じゃない……!)
目の前が真っ暗になった視界に、一筋の光が差し込んでくる。 その光は響に届けられた声……次々と暗闇に光が差し、闇を払うように響を照らす。
「ビッキーー!!」
「響ーー!!」
「立花さん!!」
「……ッ……!」
その光は心を照らし、響の身体を黒く飲み込んでいた破壊衝動を払うかのように打ち消して行く。
(この衝動に……塗り潰されてたまるかぁぁぁぁぁぁっ!!!)
すると、響を飲み込もうとしていた漆黒の破壊衝動がまるで吸い込まれるように、《ガングニール》の破片が埋め込まれている響の胸の傷の中に消えて行き、再びその翼を広げた。
その手に握るのは……響が輝く《デュランダル》をその意志と魂で完全に制御した証であり、その光は全ての人々の歌と絆を束ねた輝きだった。
闇が晴れ確固たる意志が宿った眼を見て、側にいた翼とクリスは笑みを浮かべる。 そして3人は手に持つ《デュランダル》を確かな意思の元に大きく振り上げる。
「それでこそ響だ!!」
もう響への心配がなくなり、律は正面……フィーネを見据えながら胸の前で強く両手を合わせた。
「東風の神 名はエウロス……」
謳を紡ぐと、フィーネの中心に四方から紅い一筋の閃光が伸び、縄となると竜を縛るように巻き付け拘束した。
「なにっ!?」
「南風の神 名はノトス! 西風の神 名はゼフィロス! 北風の神 名はボレアス!」
謳い続けるごとに拘束力が増している。 よく見るとフィーネを中心として東西南北の地面に紅い短剣が刺さっており、それを起点にさらに円形の陣が形成され、フィーネはさらに身動きが取れなくなって行く。
「
【
その場の即興で作った封じの技。 デュランダルが響に奪われた事で警戒が彼女に向き、そのおかげで自由に仕込むことができのだ。
なお、この技について指摘されれば即死亡(精神的に)するので注意されたし。
「くっ……!」
「俺が何もせずただ突っ立てたと思うなよ!」
竜と一緒にフィーネ本体も拘束し、フィーネは力を込めて引き千切ろうとするも中々千切れない。
そして、律がその場を退くと……フィーネの視界に響、翼、クリスの3人で光り輝くデュランダルを天に掲げる光景が映る。
「その力……何を、何を束ねたッ!?」
目の前にあるのはフィーネの知らない……理解を超えた景色。 フィーネは響がその手に掴んだ力について問わずにはいられず、
「響き合うみんなの歌声がくれた——シンフォギアでぇぇぇぇぇぇーーー!!」
叫びなら返答し、光り輝く《デュランダル》を振り下ろし全力で振り下ろした。
【Synchrogazer】
《デュランダル》の延長上に放射された光は刃となり、拘束され動けない赤き竜の頭部に振り下ろされた。
金色に輝く刃を受けた赤き竜は異変を起こし、フィーネがいる竜内部の空間も色を失うかのように崩れるように変貌して行く。
「完全聖遺物同士の対消滅っ……!」
自分と直結しているためか赤き竜に起きている現象をいち早く理解するフィーネ。
完全聖遺物の衝突による対消滅……それは《デュランダル》と《ネフシュタンの鎧》の消滅を意味し。 そして《ソロモンの杖》の効果も消えるのと同義のことだった。
(どうしたネフシュタン!? 再生だっ! この身、砕けてなるものかぁぁぁ!!!)
フィーネは体を再生させようとするが、完全聖遺物の消滅によりその効力も喪失……再生は起きずそれよりも崩壊が促進して行く。
崩れ落ちて行く竜の身体……その時、竜の中から大玉サイズの宝石が姿を現した。 その宝石の内部から光が漏れ出しており、徐々にその輝きを増し始めていた。
「あれは……!?」
「恐らく、あの竜の核だ!」
「……この身は時期に朽ち果てよう……だが、私は死してなお息長らえられる……死ねばもろともだあ!!」
どうやら先刻の翼が行った道連れの意趣返しのように核を暴走させて自爆するらしい。
「恐らく、アレを破壊せねば、対消滅の余波でここら一帯は更地になってしまう!」
「!!」
響はバッと視線を下に向ける。 そこには響のために危険な地上に出て来てくれた未来たちの姿が……シンフォギアで守られている響たちはまだしも、生身の人間である彼女たちが爆発に巻き込まれたら命の保証はない。
「!」
するとクリスは逆に顔を上げ、空を見やりある事に気がつくと……ニッと笑みを浮かべ空いた左手に大型のリボルバー型の拳銃を創り出す。
「へっ……良いとこだけ取りやがってよお!!」
そして、拳銃を空高く上空に向かって投げた。 拳銃は竜より高く放り投げられ、上空で勢いが止まった時、
「律さん!」
「決めろ、律!!」
「うおおおおっ!!」
律が拳銃をその手に掴んだ。 律はリボルバーに手を添え、装填されている弾丸に紅い閃光を纏わせる。
拳銃を右手に持ち、一気に急降下しながら眼前に構え核に狙いを定め、
「ぶっ壊れろーーーーッ!!!」
5発……紅い閃光でコーティングされた実弾がコアの中をゴリゴリと抉りながら突き進んでいき、
「はああっ!!!」
急降下した勢いのまま右腕を振り下ろし、拳銃の銃身を鈍器のように核に叩きつけると同時に引鉄を引き……最後の1発が核の奥深くにめり込んだ。
色を失うかのように全身が灰色に変色していき……灰となって朽ち果て崩れるように倒れ伏した。