戦姫絶唱シンフォギア ーNoisy Glowー   作:にこにこみ

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30話 血飛沫の小夜曲(セレナーデ)

 

 

秋桜祭で企画された“勝ち抜きステージ”で新たなチャンピオンとなったクリスに、調と切歌が宣戦布告した。

 

普通ならさらに盛り上がる所だが、彼女たちの正体を知るクリスたちは驚きを禁じ得なかった。

 

「翼さん……あの子たちは……」

 

「ああ……だが何のつもりで……」

 

律たちと同じように観賞していた翼、響もこのリディアンに2人が現れた事に驚いていた。

 

「響……あの子たちを知ってるの? 律さんと一緒にいるけど」

 

「う、うん……あのね未来——って、律さん」

 

「律が……? どこにいるというのだ?」

 

そう聞かれ未来は「ほら、2人の隣に」と調と切歌の横を指差すと……白い肩出しのドレスを着た長いアッシュブロンドの美少女がいた。 それを見て響は冗談を言っているように苦笑いする。

 

「何言ってるの未来。 律さんはあんな美少女、じゃあ……」

 

響はそう言ってから言葉を止め、少し考えてから再び口を開く。

 

「そういえば、見てなかったけどさっき律さんのバンドをやっていたような……」

 

「風の噂では、学院では見たことない美少女が歌っていたと……」

 

「最初見たときは私も驚いたけど……歌声が律さんと同じだったからすぐに分かったよ」

 

未来がそう言うと2人はポカーンとし、開いた口が閉まらなかった。 理由は不明だが、2人にとって容姿にも負け、そして律は隣人にクリスがいるとはいえ今も一人暮らし……炊事洗濯料理ができるので女として色々と負けているような気がしてならなかったという。

 

翼と響が唖然としている間に完全に灯りがつけられホールで調と切歌は席から移動し、ステージ前まで来た。 その後に律も慌てて続く。

 

「べーーッ」

 

「ぐぬぅ……!」

 

ステージ上にいたクリスに切歌が“あっかんべー”をし、その挑発に乗ったクリスが簡単に乗ってしまった。

 

そんな子どもじみたやり取りがされていると、調が横から割って入ってくる。

 

「キリちゃん。 私たちの目的は?」

 

「聖遺物の欠片から造られたペンダントを奪い取ること……デェス」

 

「!!」

 

その話を聞き、律は咄嗟に胸元に下げていたギアペンダントに手を添える。 何に使うのか不明だが、奪われてしまえば戦力低下は間違いない。

 

「お前らが何でここにいるのかはこの際どうでもいい。 っていうか、お前はなんでそっちに——」

 

「わぁわぁわぁーーー!!」

 

クリスが2人の背後いた律の事を呼ぼうとすると……その前に律がなるべく女性に見えるように甲高い悲鳴を上げながらクリスの前まで移動し、首を小脇に抱えて小声で話しかける。

 

(ッ〜〜〜〜〜!!)

 

(偶然2人を見つけたから監視してたの! 不本意だけどこの格好ならバレないし……!)

 

(わ、分かったから離れろ……!)

 

クリスは顔を真っ赤にしながら力強くで律から慌てて離れ、距離を取ると背を向け息を荒げながら呼吸を整えようとした。

 

その間、司会が選曲を聞くため調たちに近寄る。

 

「それじゃあ、2人は何を歌うのかな?」

 

「《ツヴァイ・ウィング》の“Orbital Beat”で」

 

「お願いするデス!」

 

「オーケー!」

 

(それって……)

 

2人が歌うのは翼と奏の歌……まるでこちらに向けた挑発のようにも取れるチョイスだ。

 

証明が落とされ、マイクを片手に持った調と切歌がステージ上でライトアップされる。

 

「それでは唄っていただきましょう! え~……っと……」

 

「月読 調と——」

 

「暁 切歌デス!」

 

「OK! 二人が唄う“Orbital Beat”! もちろん《ツヴァイウィング》のナンバーだ!」

 

その曲目を聞き、客席にいた翼が顔を顰める。 真意がどうあれ、やはり少なからずかんに触ったのだろう。

 

「これは……」

 

「フン。 中々うめぇじゃねえか」

 

だが挑発しているとはいえ、それでも本気の歌……上位に喰い込むくらいの歌声である。 特に2人のコンビネーションが群を抜いており、《ツヴァイウィング》をも上回るようだった。

 

挑発は挑発でも、まるですでに殴りかかって喧嘩をしているようだ。 いくら敵とはいえその歌には素直に称賛し、素で拍手をする。

 

「おおぉ……(パチパチ)」

 

「チャンピオンとてうかうかしてられない素晴らしい歌声でした! これは得点が気になるところです!」

 

「2人がかりとはやってくれる!」

 

両者甲乙つけがたい歌声で勝敗は分からなくなり、判定はリディアンの教師陣に委ねられた。 と、その時、調と切歌は同時に耳に手を当てた。

 

『アジトが特定されました』

 

「「……ぇ?」」

 

通信はナスターシャからで、彼女からの開口一番の言葉に2人は同時に呆けた声を漏らす。

 

『襲撃者を退けることはできましたが、場所を知られた以上、長居はできません。 わたしたちも移動しますので、こちらの指示するポイントで落ちあいましょう』

 

「そんな! あと少しでペンダントが手に入るかもしれないデスよッ!」

 

『緊急事態です。 命令に従いなさい』

 

「——ッ!!」

 

「さあッ、採点結果が出た模様で、す……!?」

 

採点が決まり司会が2人の方を向くと……切歌は最後まで渋っていたが、調はそんな切歌の手を引きステージから降りていた。

 

「え?」

 

「お、おい! ケツをまくんのか!」

 

クリスは先に吹っかけておいて逃げ出す調たちにそう言うが2人は振り返らず、その後を追って律が追いかける。

 

「2人とも!」

 

「……ごめんなさい……急な用事が出来たから……」

 

「今日食べた分はツケておいてデェス!」

 

律が案内するということで、お金は全て律が持っていた。 そのままホールを後にした。 残された律は、その背を見届けながらフッと笑った。

 

(馬鹿だな……覚えてないとはいえ、家族からお金なんか取らないよ)

 

翼に続き、響とクリスも2人の後を追いホールを出て行く。 律も行きたかったが……いかんせんこの格好では色々と無理があった。

 

という訳で、律は舞台裏に駆け込み《レゾナンス》の控室の扉を勢いよく開け、まだいたメンバーの錦に視線を向けると、

 

「錦! その服寄越せ!!」

 

「は!? 何言って——」

 

「いいから寄越せ!!」

 

「いやちょ、待ってイヤァァアーーー!」

 

(これ誰得……?)

 

知らない人が見れば男子から服を剥ぎ取る美少女の絵だが……知る人が見れば混沌極まりない絵面であった。

 

「グフフフフ……」

 

その様子を、全く律たちとは面識もない無関係なリディアンの漫画部の女子生徒が、腐ったような目で2人のやり取りをドアの隙間から見ていたという。 その視線を受けた律は酷い悪寒がしたらしい。

 

身長は律の方にが大きく鍛えている為、錦の制服は小さかったが……しのごの言ってはいられず調たちの後を追い走り出す。

 

後に残されたパンイチの錦は、部屋の隅でメソメソ泣いており。 その背中を由叉が優しく撫で慰めたという。

 

「いた……!」

 

上着を着ながらホールから飛び出し、正門まで向かうとまだ調と切歌が学院内におり。 2人を取り囲むように響たちも一緒にいた。

 

「ここで今戦いたくないだけ……そうデス! 決闘デス! 然るべき決闘を申し込むのデス!」

 

そこで切歌が響たちに向けて決闘を申し込んでいた。

 

「みんな!」

 

「遅せぇぞ、律!」

 

「何をもたついていた」

 

「察してくれよ……」

 

「お兄ぃ……」

 

「……………………」

 

遅れた理由をゲンナリしながら呟く律。 そして律の登場に切歌と調が悲しそうな顔をして律のことを見つめてくる。

 

「どうして!? 会えば戦わなくちゃいけないってわけでもないわけでしょ?」

 

「「どっちなんだよ(デス)!!」」

 

響の曖昧な言い分に対してクリスと切歌の言葉が被り、気恥ずかしかったのか2人は揃って顔を赤らめる。

 

「……決闘の時はこちらが告げる。 だから……」

 

名残惜しそうにしながらも雑念を振り払い、切歌の手を掴み翼の横を抜けて去っていく。 この場に一般人が大勢いる以上、律たちは彼女たちを無理に捕らえる事は出来なかった。

 

調と切歌が去っていく背を見送っていると、

 

「お兄ちゃん!」

 

「うお!?」

 

背後から静香が駆け寄り、律の背に飛び乗って来た。

 

「着替えちゃったの〜? 綺麗だったのに〜」

 

「嬉しくない褒め言葉をどうも」

 

「こんな所でみんな揃ってどうしたの?」

 

「あ、えっと……その……」

 

妹の嬉しくない褒め言葉を律は溜息を吐きながら受け取り。 どうしてここにいるか問いかける紅羽にクリスはしどろもどろになる。

 

「—————」

 

「調? 何して……」

 

急に足を止めた調はジーっと後ろを見ており、つられて切歌も振り返ると……静香が律にじゃれついている光景を目にする。

 

(や……やっっっべぇぇぇ!! そういえば今の家族にお兄ぃの妹がいるって言ってなかったデェェェス!!)

 

内心慌てて右往左往する切歌は繋いでいた調の手を引き、急いで学院を出ようとする。

 

「し、調! 早く行くデスよ!」

 

「……………………」

 

(ヒィィィ!! 輝きのない目が怖いデェェーース!!)

 

目の輝きを失っている調に目尻に切歌は涙を浮かべて泣きそうになりながら駆け足で出て行った。

 

その直後、律たちの耳につけていたインカムに通信が入ってくる。

 

『4人とも揃っているか? ノイズの出現パターンを検知した。 程なくして反応は消失したが……念のために周辺の調査を行う』

 

「「はい!」」

 

「……はい」

 

どうやらどこかでノイズが現れたようで、何かしらの手掛かりが見つかる可能性を確かめる為、装者の召集をかけたようだ。

 

「ごめん。 少し呼ばれたから、母さん達は先に帰ってて」

 

「あ! 律!?」

 

不審に思われてしまうが、律たちはこれ以上の追及を避ける為に逃げるようにその場から駆け出した。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

「……………………」

 

近隣にあった廃工場跡……そこにノイズが出現したようで、律は現場に足を運び周囲に散らかる炭の山の前に膝を下ろす。

 

ソッと炭に触れ、指についた炭を擦り合わせるように撫でる。 これが元はノイズなのか人間なのか……確かめる方法は無く、関係者も掃除機を使い無心で炭の除去作業を行っている。

 

(無情にも、か)

 

響たちはこの場で計測された解析データを仮設本部で見ており、律は自身の特異な感受性を使い証拠が無いか捜索していた。

 

「律、こっちにこい」

 

一緒に同行していた奏が奥から律を手招きし、律は誘いに乗り奏の側まで歩み寄る。

 

「こいつを見てみろ」

 

「これは……」

 

床に散乱していたのは空のカップ麺や惣菜の容器、菓子パンの袋……これは先日、律が切歌に買ってあげた食料だ。 これを買ったスーパーのビニール袋もあるため間違いない。

 

「どうやらここにマリアたちが潜伏していたのは間違いなさそうだな。 そして、検知された反応からギアとノイズを出したって事は第三者による戦闘がここでおっぱじめたわけか」

 

「もしかして……《F.I.S》?」

 

「恐らくそうだろう。 あたしが《F.I.S》のお偉いさんだとしたら……アイドル大統領なんつう馬鹿な作戦はやりたくもねえ」

 

推測だがどんどん彼女たちの姿が見えて来るが……それでも肝心な部分がスケスケのまま。 同期も目的も何も分からないままだ。

 

引き続き捜索を続け、律は外に出ると、

 

(これって……)

 

気になったのは廃工場の外にある炭。 路地裏を直ぐ出た所に一つの炭が、その近くに三つの炭が……同じ数の自転車と共にあった。

 

「………………(ギリッ)」

 

「部活帰りにここを立ち寄った所を巻き込まれたようだ」

 

歯軋りをする律の元に、届いてきた情報を伝えるために奏がため息混じりにこの惨状の原因を伝える。

 

「今届いた二課の見解だと……どうやらマリアたち《フィーネ》は“F.I.S”の管理から聖遺物に関する情報や技術を独占して離れ、暴走した集まりのようだな」

 

「それが分かったところでこんな外道を許すわけにはいかない。 とはいえ……彼女たちの目的が分からないままだと後手に回るばかりだ。 どうにかして先手を取りたいけど……」

 

その時、二課から緊急の通信が入ってくる。

 

『ノイズの出現パターンを検知!』

 

「場所はどこだ?」

 

『位置特定……ここは!』

 

友里の驚愕の声と共に位置情報がスマホに転送され表示される。 そのノイズの発生地点が、

 

「ここって……!」

 

「旧リディアン音楽学院……《カ・ディンギル跡地》か……」

 

東京番外地にある特別指定封鎖区域……そこで決闘の狼煙が上げられた。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

同日、深夜——

 

ノイズの出現のあるところマリアたちあり……響たちと合流した律は決闘のため《カ・ディンギル跡地》に足を踏み入れた。 念のため、リューツは本部に置いて来ている。

 

「確かに人里離れているから多少ドンパチしても問題なさそうな場所だな」

 

「決着を求めるには、おあつらえ向きの舞台というわけか……」

 

律たちは警戒しながらカ・ディンギル前まで向かうと、塔の前に人影が……《ソロモンの杖》を持ったウェルが1人立っていた。

 

「……フン」

 

「野郎!」

 

ウェルは鼻を鳴らすと杖を構え、ノイズを目の前に出現させた。 対抗すべく律たちも聖詠を唱え……その身にシンフォギアを纏った。

 

開戦と共に歌いながら飛び出した響が1発の拳で何体ものノイズを重ねて殴り込み。 続いて翼が刀で斬り裂き、クリスが二丁のガトリングで蜂の巣にする。

 

律も迫りくるノイズを斬り伏せながらウェルに近付こうとする。

 

「あなただけか? マリアやあの子達はどうした?」

 

「彼女やあの子たちは謹慎中です。 だからこうして私が出張って来ているのですよ。 お友達感覚で計画遂行に支障をきたされては困りますので」

 

「何を企てる《F.I.S》!?」

 

ノイズを倒しながら翼が真意を問いただそうとする。 その問いに対しさも当然のように受け止める。

 

「企てる? 人聞きの悪い。 我々が望むのは……人類の救済! 月の落下にて損なわれる無垢の命を可能な限り救いだす事だ!」

 

「月の!?」

 

「なっ!?」

 

ウェルは真上に向けて指をさす。 それが指し示すのは夜空に浮かぶ月……ウェルはあの月が落下すると宣言し、響たちは目を見開かせる。

 

「……………………」

 

「何を世迷言を……! 月の公転軌道は各国機関が三カ前から計測中! 落下などの結果が出たら黙って——」

 

「黙ってるに決まってるじゃないですか」

 

「…………!」

 

「対処方法の見つからない極大災厄など、さらなる混乱を招くだけです。 不都合な真実を隠蔽する理由などいくらでもあるのですよ!」

 

翼の言葉を遮るようにウェルがそう告げ、無用な混乱を避けるために真実を隠蔽するという至極当然な事を言う。

 

「クッ! まさか、この事実を知る連中ってのは! 自分たちだけが助かるような算段を始めているわけじゃ……!?」

 

「だとしたらどうします? 対する私たちの答えが——《ネフィリム》!」

 

呼ばれて反応したのか、地面を揺らしながら地中から完全聖遺物の怪物……《ネフィリム》がクリスを吹き飛ばしながら現れた。

 

「グハッ!」

 

「クリスちゃん!」

 

「ッ!」

 

吹き飛ばされたクリスを助けに律が飛び出し、空中で受け止めたクリスは気絶してしまったようで、律の腕の中でグッタリしていた。

 

着地した律は容態を確認しようとすると……いきなり頭上から粘着質な糸を吹きかけられた。 目の前には細長い体に鳥の頭のような形をしたノイズがおり、そのノイズの口から糸が吐かれていた。

 

「うわっ、汚ねぇ!!」

 

「人を束ね、組織を編み、国を建てて命を守護する! 《ネフィリム》はそのための力!」

 

「ッ! それは人の命を無為に奪ってまでする事なのか!?」

 

「必要悪、ですよ」

 

「巫山戯るなッ!!」

 

身動きが取れない律。 翼が糸を吐くノイズを斬りながらネフィリムの前に立ち、ネフィリムは涎を溢れ出させながら襲いかかってくる。

 

「くっ……!」

 

「——せいっ!」

 

翼に襲いかかるネフィリムを横から飛んできた響の飛び蹴りが直撃し、そのまま肉薄してインファイトで何度も殴り蹴り、時に反撃されれば冷静に受け止めるカウンターを繰り出す。

 

「ルナアタックの英雄よ! その拳で何を守る!?」

 

響は両腕のアームパーツのジャッキを交互に上げ、右腕の拳をネフィリムの腹部に打ち込むと同時にジャッキを戻し、その勢いでネフィリムを仰向けに吹き飛ばす。

 

間髪入れず、トドメを刺すため腰部のブースターを点火し。 左腕を振り上げながら再び突撃していく。

 

「そうやって君は! 誰かを守るための拳でもっと多くの誰かをぶっ殺してみせるわけだぁぁぁ!」

 

「——ッ!?」

 

叫びながらウェルが間に妨害のノイズを出現させ、響は構わず倒していくが……途中でウェルの言葉によって、脳裏に調の冷たい言葉が浮かび上がる。

 

「待て、響!!」

 

「ええい!」

 

律の静止を聞かず、雑念を振り払うようにネフィリムに向かって左腕を突き出した時……待ち構えていたかのように大口を開けていたネフィリムの口の中に響の左腕が咥えられてしまった。

 

「…………え…………」

 

——ガブ!!

 

惚ける響を正気に戻すようにネフィリムが力を込めて牙を突き立て……響を持ち上げるように左腕を喰い千切り、響の左腕から噴水のように夥しい血が噴き出す。

 

「立花ぁぁぁぁッ!!」

 

「響!!」

 

「ふ…ふふ…!」

 

「…………ぇ……?」

 

ウェルは歪んだ笑みを浮かべて見下ろす。 何も状況が飲み込めない響は無くなってしまった左腕を抑えながら顔を上げると……口から自身の血を垂らし、唸り声を上げて腕を咀嚼するネフィリムを茫然と見上げる。 響は徐々に顔を歪めていき、

 

「……ぅ…ぅぅぅッ……うわぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

恐怖と激痛が入り混じった、悲鳴を上げた。

 

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