小学生の商人 作:黒猫
俺は周辺を見渡すとどうやら初めてこの世界を初めて降り立った場所にワープしたらしい
「……」
「な、なんですか。これ。」
するとシリカが驚いたようにしているが大体今の現状とこれからについての話だろう
「お、おいあれ。」
しばらく経つとプレイヤーが指を差す。その先を見ると
上空に真紅のフード付きローブをまとった人らしきもの。いや巨大な真紅のフード付きローブをまとった透明人間が現れた。
「プレイヤーの諸君。私の世界へようこそ」
俺は聞いた途端に少しだけ疑問に思う
私の世界と言ったのは少し疑問に覚えたのだが、すぐに俺の納得する答えが得られた
「私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコルトロールできる唯一の人間だ。」
茅場晶彦。俺も名前くらいは知っている物理学者でナーヴギアを作った張本人。メディアにはめったに出ないことで有名だったのでさすがに他のプレイヤーも驚いていたようだ。
しかし今やこの世界をコントロールできる唯一の人間と言ったよな
「諸君らの中に気が付いているものもいるかもしれないが、諸君らのメインメニューからログアウトボタンは消失しているが、ゲームの不具合ではない。繰り返す。これは不具合じゃなく、《ソードアートオンライン》本来の仕様である。」
「……どういうこと?」
「……あんまり考えたくなかったけどやっぱりそういうことかよ。」
ログアウトできない状態で大体予想はついていた
「諸君らはこのアインクラッドの頂に立つまで自発的にログアウトできない。また、外部の人間の手による停止・解除もあり得ない。もしそれが行われた場合、ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる。」
「……は?」
なんか意味不明な言葉が色々出てきたんだが……えっととりあえずナーヴギアをとったら死ぬってことか?
えっと高出力マイクロウェーブ?
俺は首を傾げる
俺は話を聞きながら分かるところだけ解釈すると、多分だけどこの世界でHPが0になったらリアルの人間も死ぬってこと、すでに200人以上の人が犠牲にあい死んだということ
そして100層クリア。つまりコンプリートしたときに解放されること。
それくらいしか俺の知識では分からなかった。
それでもそれだけで十分だった
俺は脳をフル回転して考える。
俺とシリカはMMO自体初心者だ、それでレベルは2。
……いくらなんでもフィールドにでるのは無茶すぎる
商売でも野球でもRPGで一番大切なのは情報だ。
アイテムドロップやモンスターの特徴、ステータスの上げる判断
どれも必要不可欠な要素だ。
……それならこの街、または警護をお願いして次の村でクエストを進めるのがテンプレか
「それでは、最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。ぜひ見て給え」
すると反射的にアイテムストレージのウインドウを開いていた。そしてアイテム欄の一番上に手鏡と書かれた俺が知らないアイテムがあった。
オブジェクト化してそれを見るとただの手鏡だった。
そして首をかしげると一瞬だけ光に包まれる。
「きゃっ。」
「シリカって。」
そして光が収まったところで俺は少しだけキョトンとしてしまう
さっきより小さく、俺と同じくらいだろうか?身長は同じくらいで同じくらいのツインテールとしたら髪が短い女の子が俺の左手を握っていた
「……えっ?シリカだよな?」
「うん。って誰ですか?」
もしかしてと思い手鏡で俺の顔を見ると女顔の少し髪の長い自分の姿が写っていた。
「スカイだけど。やっぱりこれ声も変わっている感じだろうな。現実の体を思いっきり再現ってところか。」
「でもどうやって。」
「ナーヴギアの初期設定だな。顔は覆われているしなんか体を触ってたし声もここに入る時の音声データから解析したんだろうし。実際こうやってリアルの自分が写し出されているんだしな。」
「……って私もアバターじゃないの?」
と手からは少し震えているので多分怖いのだろう。俺は手鏡をシリカの方に向けると
「うそ。」
「……ここが現実って言いたいんだろうな。人を殺しているとなると外も中々助けは呼べないだろうし、何よりも俺たちという人質がいるんだからな。」
俺は一つだけ息を吐き
「……帰るにはゲームクリアするしかなさそうだぞ。これ。」
「そんな。」
俺は少しだけ苦しくなってきているのを堪える。
シリカも俺の新規参加勢だからあまりこのゲームを実際にプレイしたことはないが報酬の美味しいクエストとレベルが2になったことによって
何かアクションを取らないと多分死んでしまう
お金だって限りがあるし、何より
この世界では未だにシリカしか信用できる人がいない
それならどうするか
攻略は俺は多分無理だ
MMO初心者であり、多分オンラインゲームの荒波に巻き込まれるだろう
レベル制オンラインゲームはレベルが全て。
そんなことを聞いたことがある。
『……以上で《ソードアート・オンライン》正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の健闘を祈る』
すると無機質な音声が途切れそして消えた瞬間
「シリカちょっと来て。」
「えっ?」
俺はシリカの手を引くとそのまま大通りから抜け出しそして路地にたどり着く
「……ごめん。多分落ち着いて彼処にいると話せそうになかったから。」
「……うん。」
するとシリカが頷く
「……多分認めたくないけど、これは現実なんだと思う。俺たちが閉じ込められているにも関わらず両親がナーヴギアを外さないってことは、つまりあいつが言っていたことが本当であるという証拠だと思っている。」
「……うん。」
無気力になっているシリカにため息を吐くと俺は軽くアイテム欄を見直す。すると基本的なアイテムばかりがならんでいる
とりあえず適当にスクロールしていくと、ふと薬草ハーブと書かれた文字が目に止める
薬草ハーブって普通ならポーションの元だよな。
そういえば調合スキルがあったはず
俺は二つ目にセットしてあった索敵スキルを外し調合スキルを取得する。
確か道具屋をポーション調合キットが1000コルで売られていたはずだ
俺の今持っているコルは……5400コル
俺は一通り迷いそして決心する
「よし。回復ポーションを作ろう。」
「……えっ?」
今まで泣き出しそうだったシリカの心を掴むのには一番だった