どうやらISに常識人(自称)として転生したみたいです   作:凄まじき戦士

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これで一学期は終了ですかね?


常識人は退屈しない

福音を回収した後、旅館に戻ると鬼の形相の織斑先生とあたふたしている山田先生がいた。

 

「無断出撃、織斑と暁は病室を抜け出してだ。処分の覚悟はできてるんだろうな?」

 

全身から放たれる威圧感に黙るアタシたち、しばらくするとため息をついて

 

「説教と反省文は後回しだ、全員メディカルチェックを受けろ。特に暁」

 

「はいデス?」

 

「傷口が開いているぞ」

 

呆れたようにそう言われてから気づく。包帯を巻いていた部分は血がにじんでいた、あれだけ無茶なことをやったのだから仕方ないのデス。

 

「姉さん?」

 

心配そうに見つめてくる調に大丈夫だと手を振る。

 

「早く治療してもらえ、朝食に間に合わないぞ」

 

「「「「「「「「はい...」」」」」」」

 

重い体で歩き出すアタシたち、そういえば篠ノ之博士を見かけていないのデス。

 

「...切歌ちゃんだけでなくてあのツインテールの子も面白いね。調ちゃんかぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姉さん大丈夫?」

 

「大丈夫...と言いたいところデスけど、この状態デス」

 

調たちが朝食を持ってきてくれたので布団から体を起こす。

 

病室に到着したアタシはそのまま気絶、メディカルチェックの結果は貧血と腕の骨にヒビが入っていた。戦闘中のハイテンションによるものだろうと言われた

 

幸い骨折までとはいかなかったので包帯で固定、治療用ナノマシンを投与してもらったので数時間で完治するとのこと。鎮痛剤と固定している影響で腕が動かないデスけど。

 

「一夏みたいにはいかないデスね~」

 

「本当よね、あの重傷が短時間で治るなんて...」

 

鈴の言葉に首をかしげる一同。すると噂の人物が登場する。

 

「やっぱりここにいたか、織斑先生が切歌以外に話があるって」

 

「その言い方だと一夏さんは終わったのですか?」

 

セシリアに尋ねられた一夏が震え始める。どうやら強烈なトラウマが残ったようなのデス。

 

「ねえ、わずかな希望にかけてお祈りしない?」

 

「鈴さん...それは無理ですわね...」

 

「おとなしく受け入れよう...」

 

「ああ...説教モードの教官からは...逃げられない」

 

重い足取りで指揮所となっている部屋へと歩いて行ったのデス。みんなの姿が見えなくなり、残った一夏とアタシは敬礼をした。

 

「大丈夫なのか?帰ってきてすぐ、ここに運び込まれてたけど」

 

そう聞かれて包帯が巻かれた腕を見せる。

 

「やけどは医療用ナノマシンで治ってますし、特に問題はないデス。というより一夏は何で全快してるんデス?」

 

「ち...織斑先生が言うには白式が治してくれたんだって」

 

一夏もわかってない感じデスか...

 

「...一夏、帰ったら模擬戦デス」

 

「なんでだよ!?」

 

「憂さ晴らし」

 

「即答!?」

 

とりあえず全快したらボコるデス。納得がいかないので

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トイレに行くために起きると織斑先生が外に出ていくのが見えた。いつもより険しい顔で

 

気になったのでついて行ってみると宿の近くの岬へと着いた。バレないように少し離れた岩陰に隠れる。

 

 

「今回の事件を仕組んだのはお前か...束」

 

そう尋ねる織斑先生の視線の先には

 

「さーてどうだかねー?束さんにもわからないのだー」

 

いつも通りの笑顔を崩さない篠ノ之博士がいた。

 

「ここからは私の推測だが、ある天才博士が自分の大好きな妹のために試作段階の軍用ISの制御を乗っ取り、我々の旅館へと向かわせた。目的はそうだな...妹に戦闘の経験を積ませることと、自分が生きていることをIS委員会に証明するため」

 

「ふーん。突拍子もない話だねー。そんなことできるなんてほとんどいないよー」

 

「ああ確かに。軍事基地をハッキングして日本に向けて、2000発以上のミサイルを発射させた奴とかな」

 

(白騎士事件...事件の記録しか見たことがないデスけど、そういうことですか)

 

そうなると、今話している2人は事件に直接関わっていることになる。

 

しかし、織斑先生の言い方は何か引っかかる。それから会話をすると風が吹き、篠ノ之博士は消えた。

 

(もしかすると巻き込まれた?少し調べてみるデス)

 

「そこに隠れているのはわかってるぞ」

 

(バレてたデス)

 

岩陰から出ると織斑先生はため息をつく。

 

「てっきり一夏あたりがついてきてると思ってたのだがな」

 

「一夏なら箒たちの誰かとイチャイチャしてるんじゃないデスかね?」

 

「ありえそうだ。私の弟は鈍感だからな」

 

肩をすくめながら言う織斑先生の手が頭に置かれる。そして耳元に顔を近づけて

 

「さっき聞いたことは他言無用だ。いいな?」

 

「わかってるデス。別にこの情報をどこかに持ち込もうとか考えていないので、安心してほしいデス」

 

「賢明な判断だ」

 

織斑先生は離れて旅館へと戻る。それを見届けてイガリマの両腕を部分展開、鎌を射出して担ぐように構える。

 

「別にアタシを標的にするのは構わないデス。調に手を出すのなら...

 

ザババの刃でその魂...いただくデス」

 

鎌で周囲を切り裂く。何かにかすった感覚と地面に落ちたわずかな髪の毛、その色はつい最近見たもの。

 

(頭脳だけでなく身体スペックも化け物デスか、厄介なやつに目をつけられたデスね)

 

鎌を回転させて肩アーマーに収納する。威嚇のついでに傷の具合の確認、少し痛みがあるが無事に治ったようなのデス。

 

「ま、忠告としては妥当な...」

 

「安静って言われてたのに何してるの?」

 

冷たい声が聞こえて振り返る。両手でヨーヨーを操っているイイ笑顔の調がいた。おそらく抜け出したアタシを探しに来たんデスね。

 

「えーと夜の散歩?」

 

「ISを部分展開する散歩って何?」

 

夏のはずなのに寒気を覚える。音を立てて回転しているヨーヨーが恐怖だ。

 

「姉さん...部屋に戻ったら看病してあげる」

 

そう言って袖から取り出したのは銀色の輪っか...

 

ってまさか!?

 

「待つデス!ならその手錠はなんデスか!?」

 

「逃がさないため」

 

「自分で戻るので大丈夫...ってヨーヨーと手錠を投げて捕まえようとしないでほしいのデス!」

 

部分展開を解除して迫りくる捕縛を回避する。本当に看病するのなら問題はない。

 

「うふふふ...じゅるり」

 

(目が単色になっている人に看病はされたくないのデス!)

 

間違いなく看病とという名目の捕食!貞操が危険!しかもこっちは病み上がり!このままでは食われる!

 

「ヘルプ!誰でもいいからヘルプデェェス!!」

 

そのあとなんとか自分の病室に調の追跡を巻いて戻り就寝、バスの出発に遅刻し出席簿アタックを食らったのデス。

 

「イタタ...で、この修羅場は何なのデス?」

 

頭を押さえながらバスに乗り込むといつものメンツに囲まれている一夏がいた。あたふたしているデス。

 

「一夏が福音のパイロットにキスされた」

 

「大体理解したデス」

 

大方避けずにもろにキスを受けたことによる修羅場であろう。

 

というか

 

「有人機だったんデスね。思いっきり攻撃してしまったデス」

 

「気にしないで、軍用だから装甲や搭乗者の保護機能はそれなりなのよ」

 

「なるほどー...って急に話しかけられるとびっくりするデス」

 

横からは話しかけられてバランスを崩して調に支えられる。怪我が治ったとはいえ万全ではないのデス。

 

「ごめんなさい。私はナターシャ・ファイルス、あの子と私を止めてくれてありがとう」

 

金髪の女性ーーナターシャさんがそう言いながら手を差し出してくる。握手デスね。

 

「暁切歌デス。そしてこっちが...」

 

「月読調」

 

「暁さんと月読さんね、ありがとうあの子を止めてくれて」

 

あのことは福音のことだろう。しかし、その声は固い。おそらく暴走させた犯人に対しての怒りだろう。

 

(まあ100%あの天災のせいだと思うんデスけどね...)

 

頭の中でハイテンションで騒ぐ博士を蹴り飛ばし、余計なことを言わないように気を付けながら笑顔で握手する。ちらっと一夏の方を見ると

 

それは見事な5連撃を食らって気絶していた。ナターシャさんはこの後来るアメリカ政府の役員と一緒に帰るためにIS学園までは一緒に乗るらしい。織斑先生の方へと向かった。

 

「本当に一夏と一緒だと退屈しないデスねぇ」

 

「...惚れた?」

 

「そんなわけないデス」

 

肩をすくめて首を振ると、調がにやりと笑う。

 

「ならよかった、姉さんのは私のもの」

 

「そんな肉食獣のような目でこっちを見ないでほしいのデス...」

 

アタシは常識人!特殊な性癖はないのデス!

 

「あ、そういえばそろそろ夏休みだな」

 

箒たちの攻撃から復活した一夏が顎をさすりながら言う。

 

「それは楽しみなのデス!」

 

「ああ!みんな(・・・)で楽しめるからな!」

 

「「「「「「「はぁ...」」」」」」」

 

「ん?」

 

一夏、そういうところデス。一夏は首をかしげながらうなっている。

 

「ほんと...面白いデスね、この学園は」

 

 

 

『ねえ、ちーちゃん。この世界は楽しい?』

 

『ああ、少なくとも退屈はしないな』

 

昨夜の会話を思い出す。あの時の篠ノ之博士はどこかいつもの明るさはなかった気がする。

 

(ま、なんとかなるデスよね)

 

「そういえば姉さん、帰る前に気づいたんだけど私の部屋にこんなものが置いてあった」

 

そういって調は何かの紙を取り出す。

 

「手紙デスかね?」

 

「中身はまだ見てない」

 

調から渡された紙を広げると手紙だった。

 

『また会えるといいね!というか会いに行くね!

 

                     束』

 

「...調、こういう時はどういう顔をすればいいデス?」

 

「心配しないで。次は仕留める」

 

「答えになってないデスし...目からハイライトが消滅してるデス」

 

特大の爆弾を残していったウサギに頭を抱えながらアタシたちの臨海学校は終わったのデス。

 

 

「ところで姉さん...心配をかけたバツとして次の休日は一緒に出かけてね?」

 

「ハイライトの消えた目は止めてほしいのデェェス!!」




夏休み編はメジャーなイベントを書いていく予定です。

二学期を書くかは少し未定です。
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