どうやらISに常識人(自称)として転生したみたいです   作:凄まじき戦士

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お久しぶりです




常識人は義妹と出かける

「暑いデスねぇ...」

 

アタシは今、IS学園寮の門の前にいる。学園自体は定期試験が終わり、夏休みに入った。

 

「まさか初日にいきなり出かけようといわれるとは...」

 

「もうしばらくしたら帰省するんだから、デートをするなら早めがいい」

 

声が聞こえたので振り向くと調がいた。

 

「いやデートではないデスし、帰省はしますけどだいぶ先デスよ?」

 

ちなみに今日は2人とも私服。

 

アタシは緑色のパーカーにショートパンツ、転生した時の初めての買い物で直感的に選んだものデス。

 

調はピンクのワンピース、髪型はポニーテール。

 

「昔姉さんの部屋にある雑誌で見つけたから久々にやってみた。似合う?」

 

「どの雑誌か気になりますけど...似合ってますよ」

 

「ありがとう」

 

腕に抱きついてくる調を躱して右手を差し出す、一瞬むっとしていたがすぐに笑顔になる。

 

(まあ手をつなぐくらいならいいデスかね...)

 

よくこうやっていたので許容範囲デス(※普通の姉妹はこういうことしません)。

 

学園の最寄り駅からモノレールに乗ってショッピングモールへと向かう、

 

「ところで今日はどんな予定なんデス?」

 

「私服が今着ているのしかないから服を買いたい」

 

確かに調は制服を着ていることが多い。なかなか私服を買いに行く時間がなかったんデスよね。

 

「あれ?寝てるときはどうしてるんデス?」

 

「Tシャツだけど」

 

「あれってどこから持ってきたんデスか?」

 

調にしては珍しい黒色のTシャツ、サイズが大きめで下には短パンをはいている。サイズ的に男物なんデスよね...

 

「実は前世で着ていたもの」

 

「はい!?」

 

前世のものって持ち込み可能だったのデスか!?一切説明されずに来たので持っていけないとばかり...

 

「前世のものって基本的に持っていけないのでは?」

 

電車の座席に座りながら尋ねると、調はイイ笑顔で

 

「神様をボk...こほん。神様に一生懸命お願いして持ってきた」

 

「ちょっと待つデス。今ボコったって言いかけましたよね?」

 

アタシを(強制的に)転生させた奴ならそんな暇を与えるはずが...まさか?

 

「説得したんデスか?神様を拳で?」

 

「お願いしただけだよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでこんなところで働いてるんデス?2人とも」

 

「あはは...まさか切歌たちが来るとはね...」

 

目の前には執事の格好をしているシャルロット。その横を通り過ぎるのはメイド服を着たラウラ。

 

服を買ったのはいいが量が多かったので宅配を頼み、昼食をとろうと喫茶店に入ると2人がいたのデス。

 

「バイト?」

 

調が尋ねるとシャルロットが答えてくれる。

 

 

「うん、ラウラがね。でもボクもああいう服がよかったなぁ...」

 

うらやましそうにメイド服を着ているラウラを見るシャルロット。両方とも似合いそうデスけど、執事服のイメージの方が強いんデスよねー、シャルロットの場合。

 

「お姉ちゃんも似合いそうだよね」

 

「うーん...着ようとは思わないデスけどね」

 

シャルロットに案内されて席に座ってメニューを開く。

 

「それで2人はどうしてここに?」

 

水を持ってきたシャルロットが聞いてくる。水を一口飲んだ後に調が口を開く。

 

「臨海学校の時の約束デス」

 

「ああ、調が言ってたね」

 

「心配をかけたから当然」

 

頷きながらシャルロットが店の時計を見る。

 

「僕とラウラがもうすぐ休憩だから一緒にお昼食べない?」

 

シャルロットの提案にうなずき、メニューにあるサンドイッチとオムライス、食後のコーヒーを頼む。

 

 

 

そのあと休憩に入ったラウラが合流、昼食を食べていると、喫茶店の扉が乱暴に開け放たれ、銃声が聞こえた。

 

(まさかの

 

目の前には怪しい格好の男が2人、手には拳銃。足元には大きめのケース

 

アタシとシャルロットはため息をつく。隣を見ると強盗犯より怖い殺気をまとい始める調。

 

(のんびり買い物の続きの予定だったんデスけどねぇ...)

 

この場をどう切り抜けるかを考える。一応ISは持ってきているが生身の相手には危険デスし...

 

(あれ?ラウラが氷だけ入ったグラスを持って行ってるデス)

 

休憩中に食べていた料理の皿を厨房へと持っていくために席を離れていたラウラが、お盆に山盛りの氷が入ったグラスをもって犯人たちに近づいていく。

 

もちろん絡まれるが、ラウラは意に介さずにお盆を蹴り上げる。犯人の視線が宙に舞ったそれらに向けられる。意図を察したアタシたちは姿勢を低くして駆け出す。

 

ラウラは空中に飛び上がって氷をデコピンの要領ではじいて犯人をひるませる。アタシと調は奥の方でケースを守っていた強盗に接近する。

 

「おわっ!」

 

転んだ強盗の手から銃が離れる、それを空中でキャッチして調へと投げ渡す。

 

「調!」

 

「合点」

 

銃を受け取った調はセーフティーをかけてその場から離れる。

 

「てめぇ!!」

 

犯人が連続で殴りかかってくる。それを躱しながらタイミングを見計らう、大降りになった腕を払って犯人の懐へ接近、そのまま下から急所を蹴り上げる。

 

「ぐへぇっ!」

 

下半身を押さえてうずくまる犯人。男の急所を思いっきり蹴り上げたんデスからそれはね

 

気絶した犯人をどうやって警察に引き渡すか考えていると悲鳴が聞こえる。

 

ラウラたちが抑えようとしていた犯人が腹に巻いた爆弾の起爆スイッチに手をかけていた。どうやら店ごと吹っ飛ばす気のようデスね。

 

〈調、合図をしたらラウラかシャルロットにその銃を。アタシは起爆スイッチを回収するデス〉

 

〈わかった〉

 

調とプライベートチャンネルでの会話を終えて、ラウラたちの方を見る。意図を察したラウラたちは犯人の両側を押さえるように駆け出す。

 

「何のつもりだてめえ...なっ!」

 

「これは回収させてもらうデス」

 

2人に気を取られた犯人の手にあった起爆スイッチを、地面に落ちていたモップを使って弾き飛ばし、そのままキャッチする。調に目配せをすると手に持っていた拳銃をラウラへと投げた。犯人はもう片方の手に握っていた拳銃をこちらに向ける。

 

「てめぇ!」

 

アタシに銃を向けてくるが銃身に見慣れたヨーヨーが巻き付き、犯人の手から銃を取り上げる。

 

「ナイス、調!」

 

「ぶい」

 

ヨーヨーをラウラの方へと操作し、それを受け取ったラウラシャルロットは拳銃を

 

アタシはとモップを犯人に突き付ける

 

「これで」

 

「詰みデス」

 

「観念するんだな」

 

観念した強盗犯は両手を上げる、こうして警察が来て逮捕されたのデス。まあアタシたちはその場から退散しましたが

 

「IS学園の生徒で専用機持ちだとバレると面倒だからな」

 

「織斑先生にバレるとシャレにならないデス」

 

ラウラとシャルロットは店の制服から着替えていた。店長のご厚意で裏口から出てきたのだ。

 

「じゃあアタシたちは買い物に戻るデス」

 

「うん、それじゃ」

 

シャルロットたちと別れたアタシたちは買い物に戻ったのデス

 

「そういえば、そろそろ食材を使いきらないと駄目デスね」

 

ショッピングモール内の食材コーナーを回りながら思い出した。

 

「父さんたちも帰ってくるらしいデスけど...」

 

「そういえば今はどこにいるんだっけ?」

 

調が今日の夕飯の材料を見ながら尋ねてくる。アタシたちの両親は現在、世界中を飛び回っている。仕事の内容はあまり聞いてないが定期的に連絡は取っているのデス

 

「この前は中南米あたりにいるって言ってましたね。アタシたちの帰省に合わせて帰国するとか」

 

「姉さんも久しぶりに会うんでしょ?」

 

そう、入学前に一度帰国してあってるのデス。

 

「私は声しか聴いたことないんだけど、どんな人?」

 

「ISがなければ地上最強候補」

 

「え?」

 

即答すると、調が目を丸くした。アタシの言ったことを理解していないようだ。

 

「母さんは科学、父さんは格闘能力で世界最高峰の実力デス。母さんは生物学関係ではあの束博士よりも上デス。父さんは各国のSPをやったりしてるんデスけど...爆破の衝撃を発勁で打ち消したりできるデス」

 

「それは人間なの?」

 

「人間デス」

 

アタシも話を聞いて、動画を見たときは絶句しました。動きが明らかに人間じゃなかったのデス...

 

「会うのが怖くなってきた...」

 

「普通にいい人デスよ?あの天災ウサギみたいな性格じゃないデス」

 

そう話しながら今日の夕飯を考える。煮魚デスね、魚が安いし和食は得意デスし。夕飯の食材を決めて、レジに並んでいると考え込んでいた調が口を開いた。

 

「楽しみになってきた?」

 

「なぜ疑問形なんデス?」




あ、切歌たちの両親はあの人たちです

ちなみに祖母はあの人です

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