どうやらISに常識人(自称)として転生したみたいです 作:凄まじき戦士
コロナにかかったり、新しい環境に慣れるまで時間がかかったり、痔になって悶絶したり...
それのせいかいつもより長めになっております...これくらいかけるようになりたいね...
「いらっしゃいませ、ご利用は何名様でしょうか」
文化祭当日、アタシたちのクラスの喫茶店は繁盛していた。繁盛しているんだが...
「なんでアタシは執事服なんデス?」
「えっとね...月読さんの強い要望で...」
「調ぇ!!」
そう叫ぶと接客をしていた調が親指を立てていた、ほとんどの人がメイド服なのに...
「シャルロット、どう思いますこれ?」
「うーん僕の場合は、みんなからっていうのがあるけど。切歌の場合はねぇ...」
「なんでクラス全員より1人の圧の方が強いんデスかね...」
ちらりとクラスメイトを見ると軽く震えている、どんな交渉をしたのか気になるが...
(やぶ蛇はごめんデスね)
「すみませーん、注文いいですかー」
「喜んで―」
今は接客に集中デスね。意識を切り替えて業務に戻る、アタシの仕事は接客と調理、ただでさえ一夏という最強の集客要員がいるので手が回らないのデス。そしてクラスのノリで決まったアタシとシャルの男装、これの影響でさらに客数が増えて、休憩している余裕すらない...
「厨房チーム!食材の残りは?」
「このままだと明日の分に影響でそうかも、ノリと勢いって怖いね!」
「了解デス!今日の分の食材がなくなった段階で営業を終了するデス!いそいで告知用のものを...」
「ここに」
指示を出す前にメイド服の調がそばにいた。髪型は珍しく縦ロールである、というかいつの間に作っていたのだろうか?そう疑問に思いながら受け取る。しばらくすると食材がなくなり、完全に客足が止まった。残っているのは各自が招待した人たち用なので、生徒用の分はすべてなくなったことを意味する。
「つ、疲れた...」
「これで生徒と招待枠だけの日っていうのが驚きデス...」
「一般開放のときは整理券配ったほうがいいかもね、あとは列形成用の人員も見直さないと...」
椅子にもたれかかるアタシ達。ほかの接客担当もすっかり燃え尽きている、これは調理担当の現場は見たくないデスね...
「そういえば一夏、生徒会の出し物に付き合うって約束。時間は大丈夫デス?」
「あーそろそろ行かなきゃだめだわ。あとは任せてもいいか?」
男手が必要そうな作業はほぼない、準備も必要そうデスしね。
「こっちは大丈夫、あの生徒会長のことだから遅れたら何をさせられるかわからない」
「そ、そうだな!」
急いで着替えた一夏は教室を後にする。それを見ながら作業を続けていると、教室のスピーカーから生徒会長の声が聞こえてきた。
[今から部活対抗、織斑一夏争奪戦を開始しまーす。ルールは簡単、織斑君が被っている王冠を最後まで持っていた部活に所属、部費も5倍にアップするわ!]
「「ぶっふー!!!」」
何やってんですかあの生徒会長は!!うちのクラスの大半が殺気立ってるじゃないデスか!!しかも最初に宣言していた時より倍率が下がっている、流石に教員に注意された...そんなことはどうでもいい!
外を見ると、敷地内を走り回る一夏とそれを追いかける生徒たちが見えた。あれ...?
「調、気のせいだと信じたいんデスが...上空をISが飛んでませんか?」
「専用機持ちは生徒会長権限で、このイベント中だけ使ってもいいらしい。
というのをお姉ちゃんが外に見に行ってた間に聞いた。ちなみに、箒たちも専用機を展開して飛び出していった」
「...あーどうりで見たことある人たちが高速で追いかけているわけデスね」
廊下の窓を開けて、調とともに飛び出す。もちろん目的は一つ
「「状況を引っ掻き回して、うやむやにする!!」」
流石に生徒会長の策略に引っかかるのも癪だし、何より一夏の味方がほぼいないのは可哀想なのデス。
「調、武器の使用は?」
「遠距離武器は模擬弾、近接武器は絶対防御を発動させない出力なら使用可能。私たちだと絶唱は禁止、生身の生徒もかなりいるから姉さんの武装はほぼ使えない。つまり...」
「実質専用機の相手はアタシ、他の生徒の足止めは任せるデス」
アタシはブースターを、調は展開した丸鋸をヘリコプターのプロペラのように使って安全に着地、そのまま一夏のもとへと駆け寄る。顔が青いのでとりあえず鎌に引っ掛ける。
[おおーっとここで無所属の二人が乱入!彼女たちが王冠を取った場合はノーカンになります!]
(どーせ別の案を考えてそうデスけどね)
あのどうも胡散臭い生徒会長を思い出しながら、攻撃をさばいていく。調の方を見るとヨーヨーの糸の部分で即席のバリケードを作って足止めしていた。ただ...
(ていうか、気のせいデスかね。心なしかこちらに攻撃が集中しているような)
(気のせいじゃない、こっちにピットが飛んできてる。青いの)
(だれか一発で分かるのつらいデスね、ちょっとだけ本気出しますか)
鎌に引っ掛けている一夏をおろして、拡張領域から銀色の十字架を取り出す。夏休みに母さんからもらった外部装置、おそらく前世の記憶が正しければ...
(イグナイトより負荷がかからないとは思うんデスが...ぶっつけ本番じゃないだけましデスね)
一応夏休みの間にある程度は試してきた、実戦は初めてだが何とかなるだろうと考える。鎌に十字架を合体させると、イガリマの姿が変わっていく。どこか洋風の雰囲気を纏った外装になり、鎌は二対の十字槍のようなものに、それを振り回すと目の前にある文字が表示される。
[クルースニク、起動完了]
イグナイトのような短期決戦用の超火力は出せない、元の設定ではエクスドライブを超えている状態だが、こちらではそれほどの出力はないらしい。メカニカルギアよりは汎用性があるだろう。
どこからか風を切る音、何も見えないが大体の位置は把握できる。そのまま鎌で切り裂く、感触だと衝撃砲デスね。空中にいる何人かに向かってジュリエットを放つ。簡単に避けられるが陽動なので問題ない、鎌を振り回してつつ先端を射出、セシリアと鈴をぐるぐる巻きにする。
そのまま
「どっせーーーーい!!!!」
ブースターを併用してぶん投げる、悲鳴が聞こえるが気にせずに他の面々の方を見る。まあ箒たちの対処は何とかなるだろう、問題は上級生だ。戦ったことがないので対策を今から立てるしかない。
(調がいると楽なんデスがねぇ...)
ないものねだりをしてもしょうがない、調には一夏を安全な場所まで護衛してほしいと頼んであるし結構大変な仕事だから援護は期待できないだろう。そのあとのお礼で何を言われるかが怖いのだが...
(変なこと言いださないといいデスけど)
そんなことを考えながら攻撃をさばいていく、一般生徒の数は減っているがアタシとの戦闘経験がある1年生を中心に陣形を整えられている。特に厄介なのはシャルロットと箒デスかね、あの二人を中心にして攻められると捌ききれる自信がないデス。
(あと単純に人数で押し切られる可能性があるデス...こうなれば)
アタシはその場で反転、ブースターを全開にしてその場を離脱する。途中にある街灯に鎌をひっかけて加速、これを繰り返して調と合流しようと考えたが...
(ずっと男子更衣室から動いてないのはどういうことデス?)
レーダーで確認していた調の位置にいやな予感を覚えながらそこへと向かう。まあ施設破壊の責任は事故ということで生徒会長に取ってもらおう。そう考えながら天井を破壊すると
「き、切歌!?」
「なんだてめぇは!」
「ナイスタイミング」
三者三様の反応をする人たちがいた。
切歌が一人で集団を相手にしている頃、調は一夏を連れて男子更衣室まで逃げていた。理由は簡単、人目がつかないところでの時間稼ぎである。
(ただ人海戦術で探されるとこちらが圧倒的に不利だし見つかるのも時間の問題、1番近かったところに来たけど)
「た、助かったよ調。あの人数に追いかけられるのはさすがに無理だったし...」
「気にしないでいい、姉さんの指示だしあの生徒会長の好き勝手にされるのもめんどくさかっただけ」
「お、おう」
そっけない態度に見える調だが一夏は気づいていた。先ほどの逃走時、ISを展開する暇のなかった自分を気遣って速度をそこまで出さずに牽制用の技しか使ってなかったことを。疲労を考えて1番近い更衣室を選んで隠れてくれたのも
「...なに?にやにやしてると怖い」
「別に何でもないさ、ありがとうな」
「...別に」
そっぽを向く調、照れているのがよくわかり一夏は苦笑していた。しかし外から音が聞こえて意識は切り替える。中に入ってきたのはスーツを着た女性だった
「困りましたね、先客がいたとは。少しの間ご一緒してもよろ...」
女性の言葉は途中で遮られた、調が手に持っていたヨーヨーを投げつけたからである。一夏は驚いていたが調は無言のままヘッドギアの左右のホルダーから小型の丸鋸を放つ。
〈α式・百輪廻〉
無言で攻撃を仕掛ける調に何かを声をかけようとした一夏だが、それをやめて白式を展開した。調の攻撃がこちらに跳ね返されてきたからである。機械のクモのような足がこちらに伸びてくる。それをかわして武器を構えなおす2人
「...ってーな。警告もなしに攻撃とかいい度胸してんじゃねえか、本当に学生かぁ?」
「入ってきたときから一夏を狙った目をしていた、それに直感で危険と判断したら迷わないのが私」
「ははっ、修羅場くぐってなさそうな見た目しやがって。間違ってたらどうするつもりなんだよ」
煙を払いながら現れたのは先ほどの女性が巨大なクモようなISを纏った姿だった。臆せず調は答える
「一般人がそんな危険な気配を漂わせながら入ってこない。だから問題ない」
「いいねいいね!標的の確保だけじゃ物足りなかったんだ!少し遊んでくれよ、この亡国機業のオータム様となぁ!」
そう言いながら複数の足をこちらへと飛ばしてくるオータム。その攻撃を体かがませてかわしつつ、調は接近する。一夏は雪片で受け止めるが想像以上のパワーで吹き飛ばされてしまい、多数のロッカーがなぎ倒される。互いの視界がふさがれるが調は冷静だった。
『一夏、相手がどんな手を使ってくるかわからないから防御に徹して。攻撃はなるべくかわすか迎撃』
『り、了解。何か考えがあるんだな?』
『大丈夫、そろそろ気づいた人間がこっちに来てくれるはず』
(室内戦は私の得意分野、そろそろ私たちの異常にも気づいているはず。時間稼ぎに徹する...!)
調は手に持っているヨーヨーと周辺に散らばったロッカーを使って即席の包囲網を形成、そのままオータムのISを縛り上げる。一夏は雪片でロッカーを殴りつけて、即席の弾丸として飛ばす。
「ちっ、うっとしいことしてんじゃねえ!」
そういって力づくで拘束を外すオータム。クモの足の先端がh¥展開され、機銃が出現する。しかもオータム自身もアサルトライフルを取り出す。
「もう無傷で確保とか言ってられねえなぁ!ぎりぎり生きてればスコールも怒らねえだろ!!ついでに標的以外もぶっ殺してやるよ!!」
そういって合計10の砲門から弾丸がばらまかれる。調は丸鋸を巨大化させて即席の盾を作り出し、一夏はそこへ隠れる。
『一夏、丸鋸を切り離すからこれを使って』
『了解!』
丸鋸を切り離した調は再びヨーヨーを使って、クモの足を縛り上げる。そしてそのまま引っ張って切断しようとすると突然手ごたえがなくなる。オータムが切り離したのだ。そしてそのままアサルトライフルから切り離したクモの足へと持ち替えてこちらへと投げてきた。
「っ!」
即座に頭を下げてで避けつつ、もう一度ヨーヨーをオータム自身の両足に投げつけてバランスを崩す。オータムがもう一度足の砲門を調に向けた時
天井から轟音が響いた。
「き、切歌!?」
「なんだてめぇは!」
「ナイスタイミング」
そういって調が笑いながらサムズアップする、こうして先ほどの状況になる。
「で、状況はどうなってるんデス?」
「テロリスト襲撃、標的は一夏と白式」
調を鎖で救出しながら距離を取るアタシ。更衣室もそこまで広くないからアタシの鎌は大きさ的に振りまわしづらいデス。一夏も同じみたいデス
「で、マルチウェポンの足を一つ潰しつつ時間稼ぎをしていたと?」
「うん、後でほめてくれてもいい。なでなでとマッサージを希望する」
「救難信号出せばよかったのでは...?」
そういうと一夏は目をそらして、調は黙った。
「...てへ」
鎌で小突く、恨めしそうにこっちを見てくるが今は目の前の敵だ。瓦礫の下敷きになっているので相当怒っているはずだ。爆音とともに瓦礫が吹き飛ばされ、姿が現れる。もう全身から殺気を放ちまくりである。
「おおー、めっちゃ怒ってるデス」
「学生に手玉に取られて、さらには天井から瓦礫が降り注いできたら誰でも怒る」
「...ぶっ殺してやる」
のほほんと会話しているアタシたちを見てさらに殺意が増すテロリストさん。一夏は交互にこちらを見ていたが気を引き締めて武装を構える。
「あら、織斑君の鬼ごっこのはずが大変なことになってるわね」
壊してきた天井から新しい気配、声の主はわかっている。というか...
「このテロリストは知りませんけど、鬼ごっこの原因はあなたデス。なにしに来たんデス?」
「もちろん、今の状況を把握するのと...テロリストさんの撃退と捕獲かしら」
学園最強の登場により盤面は動こうとしていた。