もしオリジナルキャラクターと版権がクロスオーバーしたら【もしもシリーズ】 作:ゆめみじ18
現実世界、西暦2034年9月9日、午後。
天上院姫は自身が開発したマシン。MFC000(ミラーフォースコンバートオーズ)でデジタル空間内にログインする。
そこには黒い、何もない空間だけが漂っていた。
「システムログイン。ID、茅場晶彦(かやばあきひこ)」
そして、ポリゴン片が実体化して結晶を形成する。
「また君か、あんまり私を呼び出すと私のレア度が下がるだろ」
天上院姫は上でも下でもなく同等の存在として話をする。
「お前相手に何で私がへりくだらなければならないんだ、もっとフレンドリーにいこうぜ」
珍しくのじゃロリっぽくない言動で返した。
「それで、どうだい。広い世界を自分の目で観てみた感想は……」
姫は首をかしげながらうなだれる。
「ん~……。他の枝葉……〈連結体(ネクサス)〉だっけ? のことは置いておいて。……、よく無意識の産物をここまで繋げて一つの街を作ったと感心するよ。あ、〈ラース〉のことな」
天上院姫にとっては、神の見えざる手なのか。見えざる瞳なのか。とにかくというものとしてみると。無意識で何も残ってない思想。作品別に分けられたデータファイル。はたまた興味を持った企画目録にまで見事に【くっ付いている】ことに唖然とする他なかった。
特に企画目録に至っては、よくわからないまま数年を過ごしてしまったので。面白い作品を作ろうともせず、タダタダ無駄に労力を消費して。疑心暗鬼になってしまった黒歴史以外の何物でもないので。ちょっと心境としては複雑である。
「あれがあるから今がある……、と言われればそれまでなんじゃがな……」
「君が指示した『心(ひかり)』に、無駄なものなんてないさ。で、君はアリシゼーションの。今は確か道中だったな」
「うん、レンタルDVDで観る。嘘は言ってないぞ」
「了解した……。こちらに要望などがあればぜひ聞こうか」
「マザーズロザリオの件はどうしようも無いからなあ……、かといってシノンを注視しててもアレだし……。ま、普通にキリトを注視しておくよ」
「君としてはやはりユナイタル・リングや、ホロウに気が散ってしまう感じか」
「む。……ちなみに奇数と序数だったら、こっちも奇数だからな」
「やってるゲームの系統は何だい? アルヴヘイム・オンラインでいいのかい?」
流石にちょっと悩む天上院姫。全く同じ系統だとしたら、重なってくっ付いてしまうし。かといって今のユナイタル・リングとも微妙な所だ。姫のエレメンタルマスターオンラインに至っては、現在安定化を図っている段階で。長期的な目標はない。いわゆる、エンジョイプレイを満喫しているのが主な理由だからだ。
「……。ちょっと作品名で比率を言おうか。『エレメンタルワールド』が4、『最強無敵のその果てへ』が1、『東方』が1『ソードアート・オンライン』が2、『企画目録』が1、『灼眼のシャナ』が? だ」
「実質『灼眼のシャナ』が1か」
「ブレンドとしてはそうだ、解んないからな。総じて『少女は異世界ゲームで名を上げる。』と考えてくれていい」
「なるほど、複雑怪奇だな。もっと単純でもいい気がするが」
「削っていいのか?」
「いや、それも困る」
「だろ?」
二人とも含み笑いを浮かべながら、久しそうに談話を続ける。
「さて、これだけは決めてもらいたい。君は今、アリシゼーションに居るのかい? ユナイタル・リングに居るのかい?」
姫は深く目を瞑ってから、そして、決める。
「ユナイタル・リングだ。私がガイドしなくて誰がガイドする。だろ?」
「なるほど、ではこれで」
「ああ、またな」
こうして、天上院姫は。デジタル空間からログアウトした。