もしオリジナルキャラクターと版権がクロスオーバーしたら【もしもシリーズ】 作:ゆめみじ18
神楽蒼葉、19歳は。時空を移動する。己としてどこまでも。その型すら破ってどこまでも自由に。
「やべ! また変な所に出ちゃった!」
そこに現れた怪物(モンスター)は『現実』だった。夢のような虚構は儚い存在は。「そんなものは嘘だ、存在しない。変身中に攻撃すれば倒せる」と言われてしまえば消えてしまう。と、そこへ。
『オールトェンティ!! タイムバースト!!!!』
まるでヒーローショーのように、ごく当たり前に。現実を象ったモンスターは倒された。
「大丈夫? 君、迷子?」
「うん! 守ってくれてありがとう。そうだ、折角この時代に来たんだし。これあげるよ」
そう言って、蒼いライドウオッチを手渡された。
「ライドウオッチ!? 君いつの時代から来たんだ」
「2021年。僕にはアレを倒せる力があるけど。……今は、わかんないからさ」
そう言って。常磐ソウゴは未来に起こる事象を夢想する。すると、渡されるウオッチが光りだした。ライダーの名は『仮面ライダーワールド』。
そこから、神楽蒼葉は大真面目に説明する。
「僕の本によるとね。2021年に世界が離れ始めちゃうんだって。その手を繋ぐための存在が仮面ライダーワールド」
と、そこへ未来から現れたのが『アナザーワールド』。ソウゴ、ゲイツ、ウォズ、ついでにディケイド、あとおまけでゼロワンは。アナザーワールドをバッサバッサと薙ぎ倒し。
「しょーりゅーけん!!」
見事勝利へと導いた。
「ありがとう。でもこのウォッチは君のだろ? 返すよ」
「ううん。今の僕が持っててもまだ意味がないからさ。使い方を覚えたら返してもらうよ。だから、これは貸してあげる」
「うん。わかった、この力は必ず還す」
そこそこに楽しい雑談をし終わってから。
そう言って、神楽蒼葉は【自力で】2021年へと帰っていった。
そして、常盤ソウゴは『今の敵』へと目を向ける。ウオッチに手を翳しボタンを押す。
『ワールド!!』
ズンチャンズンチャンズンチャンズンチャン! といつものように効果音が鳴り。常盤ソウゴは変身ポーズをとる……。
「変身!!!!」
そして未来のライダーのキメ台詞と共に、走り出す。
ハッピーエンド。
……。
2021年
オーマジオウは神楽蒼葉と対峙していた。
「今の僕で倒せるかなあ……?」
ベルトが唸りを上げる音がする。
「変身!」
『仮面ライダー真竜!!』
「2号ライダーで太刀打ちできるとは思えんがな……! フン!」
ドゴオン! 「うわああああ!!」と爆発音とともにあわや、やられたかと思ったが……。
「なに……!?」
オーマジオウが驚愕の元、凝視している。
ディケイドが歩きながら語り掛ける。
「勝手に立ち向かうのはお前の悪い癖だぞ」
ウォズが歩きながら語り掛ける。
「まったく、少しは我々を頼って欲しいものだね」
ゲイツが歩きながら語り掛ける。
「お前の相手は、自分も他人も信じられた。初めから俺だ!」
ジオウが歩きながら語り掛ける。
「独りじゃ出来ないことも、皆と歩けば! いける気がする!!」
ゼロワンが歩きながら語り掛ける。
「社員のケジメをつけるのも、社長の務めだからな」
「みなさん……」
ソウゴが差し伸べた手に蒼葉が掴んで答える。
「今、始めて……。自分で手を取った気がする……」
そして全員で合わせて……。
『変身!!!!』
これだけは解る。これからも、ヒーローは。
戦い続ける。