もしオリジナルキャラクターと版権がクロスオーバーしたら【もしもシリーズ】 作:ゆめみじ18
天上院咲、天上院姫の両姉妹は。【現実世界】で夢想する。
姉妹二人は川辺をただ歩いていた。
川に流れてきた花束を観ながら姫は言った。
「そうか、アイアンマンは死んだか……」
そのあと、10年の集大成を噛みしめるように感傷に浸り。空を見上げる。全ての空は繋がっている。
咲はクルクル廻る当てもないコンパスを手に持ちながら、言う。
「ソウルストーンのさぁ、愛する人を失って初めて手に入るって下り。なんとか出来なかったの?」
姫はその意味を正確に理解し、当時のことを思い出しながら。咲に助言する。
「創造神が汗水たらして、心と愛を削り取って出した答えだ。そう簡単に否定していい代物じゃない、むしろそれをやると無粋さ」
「それもそうか……いくら軽はずみな言葉を数多並べても、あの当時の気持ちを超えること自体、無粋だもんね」
誰一人死んでほしくないという理想と、万感の思いで死んでいった真実の葛藤が。咲の心を揺らがせる。
そして、姫は。このアベンジャーズが今後もヒーローとしての大役を。末永く続けられるように助言をする。
「私たちが出来ることといえば、『2代目アイアンマン』を決めることさ。受け継ぐ意思を途絶えさせてはいけない」
「……」
少し長い間が空いた後、咲は咲の想いを口にする。
「そこはやっぱり。男性が良いかな」
「その心は?」
「タイムストーンの関係上、女性が多くなってしまうのは解るけど。……リスクや真帆転戦鳥やブロードのハガネマンバージョンなら。やっぱり男性がいい」
「まぁ、その考えは妥当かな」
花束は川に流れて点となり、見えなくなっていった。姫が咲に問いかける。
「蒼葉君は?」
「あの時はさ、混乱してスズちゃんを守ろうとしてた時期だから。解った今となってはちょっと違うよ、皆によって育った私たちは。更にその次を見据えられる」
花に水を与えるかのように、言葉を紡ぐ二人。
「流れ的には、ブロード……。スパイダーマンになるのかな」
「積み重ね的にはそうなるね、あと2パターンも提示しておいたら?」
「リスクと戦鳥のハガネバージョンねぇ~……どっちもどっこいどっこいな気がする」
後の祭り、感想としては。やはりスパイダーマンが頭一つ抜け出ているという結論になった。咲は続ける。
「昔、私たちが好き勝手。自由にやってた頃なら別にいきなり新人でも良いんだけど。アベンジャーズのリーダーでしょ? 銀幕のスター。スターの中のスターなら……」
「まぁ、受け継ぐって意味ではそうなるか」
誰がどうこう言うんじゃないかという意見も出たが、天上院咲と天上院姫はアベンジャーズのリーダー『2代目アイアンマン』をスパイダーマンに推薦する。という形で、一旦この話に区切りをつけた。
姫が冗談交じりに笑いながら茶化す。
「咲が蒼葉にやったように。装備品を新品をブロード、お古をリスクで受け継ぐって手もあるけどな」
「え、それやるの?」
咲が真似されるのを照れ臭そうに笑う。銀幕でそれをやるのもありっちゃありだが、そんなつもりでやったわけではなかったので笑ってしまう。
「何にしても、右手と左手は超人でもいいけど。リーダーは桃花や戦鳥のように、等身大のヒーローであり続けて欲しいかな。共感できるって言葉とはちょっと違う、馴染みやすいって言い方かな。2代目って意味ならね。3代目はまだ知らないけど」
そうして二人は歩きながら談笑していった。
日々の想いを重ねながら、
果てなき歩みは続いてゆく。
今在る世界を、変える先へと。