もしオリジナルキャラクターと版権がクロスオーバーしたら【もしもシリーズ】 作:ゆめみじ18
現実世界、西暦2034年9月2日、午後。
天上院姫は自身が開発したマシン。MFC000(ミラーフォースコンバートオーズ)でデジタル空間内にログインする。
そこには黒い、何もない空間だけが漂っていた。
「システムログイン。ID、茅場晶彦(かやばあきひこ)」
そして、ポリゴン片が実体化して結晶を形成する。
「久しいな、と言っても。君は私のことなど覚えてはいないだろうが」
「貴様は数多作った没設定、はたまた思考思想など。いちいち覚えているのか?」
システムの中に心があるように、大人の男性研究者は語り続ける。
「こっちは2026年と2046年を行ったり来たりだよ、どうしてくれる」
「んなもん知るか。サッカーと野球を繋げてゲームしろと言っているようなもんだぞ? 本筋の蛇足は削り取り、ダイヤモンドを磨く」
「ふふ、どちらも実力不足と受け取っておくよ。それで、わざわざ会いに来たということは何かしら訳があるのかね」
「別に、ちょっと3次元に触れすぎたから2次元畑に戻りたくなった程度の認識だ。そして同じ視線で話を出来る相手といえば……」
「なるほど、古き良き≪ザ・シード≫の思想を知っている私ということになったわけか。これは偶然か?」
「不自然な流れも結構目に留まったが……、まあここで話してる内容は自然だ。身構えなくていい」
「ふふふ、あくまで私は下っ端。君の駒に過ぎないという認識か。恐れ入るよ」
「ま、そんなことはどうでもいい。それで≪ザ・シード≫……こっちでは≪世界樹の種≫と呼んでいるが。種な以上いつか芽吹き、いつか散る」
「死なないさ、バタフライ効果で。形を変えて響き渡っている」
「ふう……まあそこまで先読みしなくても良いさ。永遠でも一瞬でも、私にとってはタダのネタが肥大化しただけのものさ。ま、私の食文化にまで影響するとは想定外だったが……」
「しっぺ返しさ、存分に食べたまえ」
「それで、どうする? このまま自然放置か、手入れをするか、まあ削除って手は無いけどな」
「なるほど、君が無意識に私に語り掛けてきた理由は。『手入れの仕方がわからないから話し相手が欲しい』といったところだろう」
「言われてみれば~そうか」
「たまにはザ・シードの考察でものぞいてみると良い。面白いぞ」
「ふむ、そうか。考察ねぇ……」
「こっちとしては2026年と2046年をうまく繋げて欲しいんだがな」
「勝手にやってろ、そこまで面倒はみきれない」
「ふふ、そうだな。好きにさせてもらおう」
「考察か~考察ねえ~……。まあ今回はこの辺にしておこう」
「また会う気かい? 新たな次元へ、よく旅立ってしまう君が」
「VRMMOの世界には私の妹がいる、そうさっさかどこかにはいかないさ。私は昔の作り方に戻る、あんたはそのゴミを拾って育てる。……それでいいんだ」
「あぁ、それでいい」
「ふむ、ちょっと話したら考えがまとまった、じゃあな」
「あぁ、体に気おつけたまえよ。今の君には肉体がある」
「ふふふ」
こうして、天上院姫は。デジタル空間からログアウトした。