好物はエルザさんの笑顔。
「ふあぁー疲れたなぁ」
今日は新作の発売日だったんだ。
朝から本屋さんで握手会。
色んな人がいっぱい来てくれてうれしかったけど、
「クエストより疲れるかもぉ」
でも、やりたういことができるって幸せなことだよね。
「…よしっ」
ママへ パパへ
今日はちっちゃい子からおじいさんまで、
色んな人が会いに来てくれました。
それでね、
その後ギルドに寄ったんだけど、
「おいハッピー、見ろ、ルーシィの新しい本、俺が主人公だぞ」
「竜に育てられたってところがナツそっくりだよね」
みんなちゃんと読んでくれてるんだ。
まだちょっと恥ずかしいけど、
やっぱりあたし、
「あぁん、この主人公のどこがお前なんだぁ? 主人公は氷の魔道士じゃねーか。どう見ても俺のことだろ」
「お前みたいな露出狂が主人公になれるわけねーだろ」
「お前こそ街を壊しまくってるヤツが主人公になれると思ってんのかぁ」
「ゴ○ラだって街壊してんだろーが」
「ゴ○ラは敵役だろバカかおめーは」
ナツとグレイは相変わらず喧嘩してばっか。
でもいつも通りってことだから、
逆に安心するんだけどね……。
そんななか、勢いよく扉を開けて入って来た人がいたの
「ふたりとも、上手くやっているようでなによりだ」
「お、おう、エルザじゃねーか……」
色々あった後だけど、
やっぱりナツもグレイもまだまだエルザには頭が上がらないみたい。
「その本、ナツも読んでいるのだな」
「おう、本屋で借りてきたんだ」
本屋は本を借りるとこじゃないけどね……。
またマスターが評議員に怒られそう。
「ふふっ、自分が主人公の作品というのは、なかなか照れるものだな」
よくわからないところで赤くなるエルザ……。
「エ、エルザ、お前……男だったのか……?」
「いやそうじゃねーだろ! この主人公のどこがエルザなんだよっ!?」
「何を言っている? スフレが好きなところなど、私そっくりではないか」
「「理由それだけっ!?」」
エルザってスフレが好きなんだって。
かわいいでしょ?
「ねーねーエルザ」
「なんだ? ハッピー」
「スフレってどんなお魚?」
そんなうれしいような悲しいような複雑な気持ちになるような言い合いが起きているとは知らずにあたしは中へ入ったんだけど、
「ナツー、ルーシィだよ」
「よーし、こうなったら本人に聞くのが一番だぜ!」
で、
結局その本の主人公はね、
「みんなだよ。妖精の尻尾のみんなを、一人の主人公にしてみたの」
乱暴だけど決めたことには一直線のナツ、
喧嘩してばっかだけど実は仲間想いのグレイ、
ちょっと怖いけどかわいいところがいっぱいあるエルザ、
「みんな、大切な仲間だから」
「ってことは、三人とも正解だったってことか」
「そゆこと」
「ねーねールーシィ、おいらは?」
「あらーネコちゃんはマスコットキャラクターにでもしてあげましょうかね~」
こんな感じで、
ここまではいつも通りの妖精の尻尾だったんだけど、
「こちらに、ウェンディ・マーベルさんはいらっしゃいますか?」
見慣れない来訪者が、ギルドにやって来たの。