ママへ パパへ
いまはクエストを終え、
自宅に戻って来ています。
魔道士ギルドの仕事はどれもびっくりするようなことばかり。
ゼレフがいなくなって仕事が減ったなんてどこの誰が言ったのかしら。
ワラキアとの闘いも、
驚く事ばかりでした。
天輪の鎧!!
「来たわね、ワラキア!」
里長の予測通り、
ワラキアは決まった日に現れた。
開け!! 双子宮の扉!!! ジェミニ!!!
「エルザ!!」
大地を張り裂くような叫びを轟かせながら、
ワラキアはエルザに飛びかかった。
「貴様が我々の敵でることは間違いないようだな。ならば──!!」
刀一本で魔物の一撃を受け止めたエルザに、
力負けして押し返されるワラキア。
「このエルザ・スカーレット、全力で受けて立つ!」
「マーシィ、あたしたちもいくよ!」
二人のマーシィの歌声に、
魔物は動きを止める。
「封じ切る事は叶わんか」
天に向かって吠えるワラキア。
それはまるで、
自分を縛る鎖を断ち切るみたいだった。
エルザの剣筋を持ってしても、
ワラキアの皮膚を破ることはできなかった。
「見たところ防御力こそあれど、動きは鈍いようだな。それなら──」
妖刀・紅桜!
エルザは鎧を解いて攻撃に集中するつもりだった。
「はっ!!」
けれど、
「よもや瞼まで刃を通さぬとは……」
「エルザさん!」
「ああ!」
水の張った堀の中へ叩き落とすエルザ。
当然、
そこはジュビアの結界のなか!
水勢によって打ち上げられるワラキア。
直後、
あたしたちを激しい風圧が襲ったの。
「そんな…こいつ、魔法を使うなんて……!?」
「そんなこと、言い伝えでは何も……」
「ルーシィ、絶望するのはまだ早いかもしれないよ」
含み笑いをして言ってきたのはジェミニだった。
「へへっ、おもしろいこと考えちゃった」
そう言ってジェミニは──、
「嘘!?」
なんと、
あのワラキアに変身したんだ。
「なんということだ……!」
「ジェミニ、どういうこと!? あなた、人間にしか変身できないはずじゃ?!」
「そうだよ。つまりこいつは、人間ってことさ!」
「そんなことって……」
「でも意識が混濁していて考えていることは読み取ることがふぇきない」
「構わない。動きを封じてくれるだけでいい。私に考えがある」
明星の鎧!!
「ルーシィ、ジュビア、奴の目を狙え!」
「そういうことね!」
「わかりました!」
明星・
エルザがワラキアの目に向けて光を放ったその隙に、
ジェミニフォーム!! ワラキアキック!!!
「当たった!」
「
ワラキアが消えると同時に現れたのは、
髪の黒い一人の少年だった。