それからは、
病人を治すのに必死だった。
寄生虫は既に、
医者でさえ手の付けられない状態にまで病人を蝕んでいたの。
彼女たちを救うために、
ウェンディとハイドさん、
そしてウェンディに変身したジェミニが頑張ってくれたんだ。
「ハイドさんも、治癒魔法が使えるんですか?」
あたしは思い切って聞いてみたんだけど、
「治癒魔法というわけではありません。治癒魔法は
ってことらしい。
治癒魔法は貴重だから、
ハイドさんはウェンディの力を借りたいんだろうね、
やっぱり。
治療を終えたウェンディたちは、
すっかりくたくただった。
「これで、この者たちは助かったのですか?」
里長さんの顔にはどうしても怪訝そうな表情が残っていたわ。
「命は救われました。しかし、元の生活に戻るには、まだ時間がかかるでしょう。三途の川から無理やり引き揚げたようなものですから」
仕事を終えたハイドさんは、
何も言わずに帰っていった。
彼の言いたいことは、
あたしたちにももうよく伝わっているから。
ウェンディの力は、
間違いなく多くの人に必要とされている。
今が、
ウェンディにとっての大きな分かれ道なんだと思う。
あたしも、
小説家っていう新しい道を見つけられたし。
でも、
やっぱり
寂しいよね。
ウェンディは、
どうするのかな?
あたしたちも、
この里を発つ日が近づいていた。
エルザがマーシィをギルドに誘ってみたんだけどね、
マーシィは、
「わたしはこの里に残ります。マキビシ唯一の魔導士として、これからもこの里の力になれたらと」
って断れちゃった。
まあ、
ギルドに入ることが魔導士のすべてではないしね。
ところで、
エルザも言っていたんだけど、
マーシィって結構すごい魔導士だと思うの。
マーシィは世代を重ねるごとに力が弱まったって話してたけど、
それは恐らく、
ワラキアの中にいたヴラドの意識が、
徐々にかすれていったからだと思うのよね。
マーシィの歌唱魔法は、
人間にしか効かないものなんだと思うの。
ジェミニが人にしか変身できないのと同じみたいにね。
それじゃあ、
今日は遅いからもう寝ます。
また手紙書くね。
おやすみなさい。