それから、
あたしは山の方へ歩いて行ったんだけど、
「どうしたのだ? このような時間に」
エルザもそこにいたんだ。
「あたし、マーシィの話を聞いて思ったんだけど、ワラキアについて、この里の人たちも知らないことが多いような気がするの」
「同感だ。恐らく、この里では全て伝承ということで通っているのだろう。だが妖精の尻尾が相手となったからには、この闘い、ここで歴史を閉ざさせてもらう」
「ウェンディとジュビアは図書館に案内してもらって、ワラキアに関する書物を調べてる。だからあたしも自分のできることをしようと思って」
「そうか。私は少し山の中を調べてみようと思う。何か手がかりあるかもしれん」
「あたしは反対側にあったっていう里を調べてみようと思うの」
っていうつもりだったんだけど、
「いくらエルザでも、一人でモンスターのいる山を歩かせるわけには……。そうだ!」
開け!! 獅子宮の扉!!! レオ!!!
「こんな夜中に呼び出すなんて、とうとうその気になってくれたのかい? ルーシィ」
「ロキ、エルザを頼んだわよ。何かあったら閉門してあたしに伝えて」
そういえばロキとエルザの関係ってどんな感じなんだろう?
「や、やあ、エルザ、今日も最高の鎧だね……」
ダメだこれは……。
「ま、夜道を照らすのにでも使ってちょうだい」
「僕はランプかい……」
「しかし、それではルーシィが――」
「私が行くわ」
そう言ってシャルルも来てくれたの!
「ありがとうシャルル! 正直どうやって山を越えようか困ってたの」
「いい? 里の人たちに不信感を与えないよう、夜が明けるまでには戻るのよ」
「ああ、そのつもりだ」
こうして、
あたしとシャルル、
それとエルザとロキは調査に向かったの。
あたしはシャルルに連れられて、
山を越えた。
「本当に、昔は人が住んでいたのね」
たしかに、
人が住んでいたらしき形跡はあった。
「でも、何十年とかいうレベルじゃない。これは、もっと古いものよ…ってきゃあっ!!!」
あたしは何か
「なんだ、ただの岩か」
「――いいえ違うわ」
「シャルル?」
シャルルは地面に立って、
あたしが躓いた物をじっと見つめてた。
「――これは、人の骨よ」
「!!?」
あたしも顔を近づけて注視したんだけど、
それはシャルルの言う通りだった。
「どうしてっ……」
「しかも、こいつだけじゃない。ここ一帯に、人の死体が埋まっているのよ」
「いったい、この里で何があったの……?」
「ワタシが教えてあげるわよ」
「誰!?」
振り向くとそこには、
青白い光を放ちながら、
裸足で立っている女の子がいた。