ママへ パパへ
昨夜はなんとか夜が明けるまでには帰ることができました。
それもこれもメモルとシャルルのおかげね。
そうそう、
メモルの話なんだけど、
マーシィが教えてくれたこととはいくつか合致しない点があったの。
まず、
ワラキアの生態について。
マーシィによるとワラキアは百年ごとに子を産むという話だったけど、
メモルが言うにはワラキアはずっと生き続けてる一つの個体よ。
それと御伽の巫女。
御伽の巫女もこっちとあっちでは似て非なるものみたい。
マーシィはワラキアに歌を届けるのが役目だけど、
メモルはワラキアに対する生贄だった。
しかも、
ふたつの里の間には大きな誤解があったんだ。
マキビシの人たちは、
ワラキアのおかげで里と里との争いがなくなったと思ってる。
でもそれは違くて、
そもそもマキビシが攻撃されていたのは、
メモルの里の人たちがワラキアから逃れようとしてのことだったらしいの。
ワラキアはマキビシの人たちが知るよりも前に、
山の反対側で生きていたんだ。
ワラキアがこの里に現れたのは、
向こうの里が滅んでしまったから。
とりあえず、
あたしが調べられたのはこれだけ。
それよりもエルザだよ!
エルザったら、
本物のワラキアを見ちゃったんだって。
「ね、ねえエルザ、この間スフレがすごく美味しいお店を見つけたんだけど、今度行ってみないかい?」
ロキって苦手な相手でも二人きりになるとつい誘っちゃうんだろうなぁ。
「いや、悪いが最近予定が埋まっていてな」
「そう言えば、仕事がない時もあまり見かけないね」
「あ、ああ、少し、人に会う予定があってな」
エルザとジェラールはなかなかすぐ進展しそうにないみたい。
エルザも色恋に関してはこんなだし、
ジェラールも色々あったから……。
ああ、
まだまだ目が離せないっ!
「止まって! こいつは──、ちょっとヤバいかも」
遭ってしまったんだよね、
二人は、
あの巨大なモンスターに。
喚き立てながら襲いかかる魔物に対し一撃を入れるロキ。
でも、
「あまり効いてはなさそうだね」
「ならば!」
明星の鎧!!
「そいうことか。オッケー」
「行くぞ!」
明星・
「よし! 逃げるぞ!」
で、
目を眩ませている間になんとか逃げ帰ったってわけ。
にしても、
まさかロキの攻撃でさえほとんど効かないなんて。
これは本当に、
「ヤバい相手かもぉ~」
怒って襲ってきたりしないよね……?
そう言えば、
ジュビアとウェンディも過去の書物からいくつか発見をしたらしいの。