「最も古い記述によると、ワラキアは人の言葉を理解し、話したそうなんです」
ジュビアはそう言った。
「ヴラドと御伽さまが話すのを、聞いていた者がいると、本にはありました」
「エルザさんは、実際にワラキアを見たんですよね?」
ウェンディがそう聞くと、
「ああ、だが意思疎通のできる相手には見えなかった。ただ──、」
「ただ?」
「何か、苦しんでいるようだったんだ」
「苦しんでるって、ワラキアが?」
「そうだ。まるで、自分の中の何かを抑えつけているかのような」
理由はわからないけど、
敵が弱っているっていうならラッキーかしら?
「ワラキアが来るのは2日後。他にできることはないかしら?」
あたしは黙ってじっと待っているっていうのは、
なんか嫌だった。
「念のため、里の守りを強化しよう」
「そうね。あたしも手伝う」
「あの……」
「どうした? ウェンディ」
「私、やっぱり女の人たちを助ける方法がないか調べてみます!」
こうして、
エルザとジュビア、
それにあたしで里の防備を、
ウェンディとシャルルで被害者の治療を行うことにしたの。
「マーシィの歌っていうのも、やっぱり魔法の一種なのかしら?」
「言い伝えでは、おとぎさまの歌っていうことでしたが」
「恐らくは
「それなら良い考えがあるわ」
「ルーシィさん?」
「ジェミニを呼ぶの!」
二人で歌えばパワーも2倍ってわけ!
「デュエットの練習でもしておこうかしら」
「たしかに、相手が来るとわかっている以上、打てる手は打つべきだな」
「そういうことなら、ルーシィさん、お願いがあります」
そのお願いっていうのは、
開け!! 処女宮の扉!!! バルゴ!!!
「お呼びでしょうか姫」
「今日は大仕事よ! ここに堀を造ってちょうだい」
「かしこまりました」
一分後
「できました姫」
「ありがとうバルゴ」
「そう言えば昨夜、エルザさんとのことを話したら姫が嫉妬していてかわいかったと、お兄ちゃんが申しておりました」
「してないわよっ!! ええいっもう閉門!」
「羨ましいです。ルーシィさんはいつでロキさんを呼び出せて。私もグレイ様を呼び出せたら。うわぁぁぁんグレイさまー」
「いや、別にロキとはそういう関係じゃないから……って雨だ」
おかげで堀に水を入れる手間が省けちゃった。
こうして水のある所にいると、
アクエリアスのこと思い出しちゃう。
アクエリアスの鍵を見つけるためにも、
このクエストを終わらせなくちゃ!