衛宮士郎は英雄と成る【ゆゆゆ編完結】   作:読者その1

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やべぇな。ここ最近スランプ続きでストックを消費する一方だ……
皆、オラに、オラに気力を分けてくれ!


第13話 咲き誇る花々

 バーテックスが融合する光景を見て、士郎達は唖然としていた。

 

「おいおい、合体(それ)は戦隊モノの特権だろ」

「こんなの聞いた事無いわよ!?どうなってんのよ全く」

「でも、これなら三体纏めて倒せるよ」

「友奈、一体のバーテックスに三体合体したから、四体よ」

「どうだって良いよ」

 

 各々が言葉を述べた後、融合したバーテックスは縦の円状にポツポツと、蝋燭が灯っていく様に無数の火の玉を作り始め、そして士郎達に襲い掛かった。

 

「一同散開!」

 

 風の指示に士郎達は言葉じゃなく、行動で答えた。

 士郎達は其々が、火の玉の攻撃から逃れる為に散り散りになったが、火の玉は方角を変えて士郎達を追尾した。

 

「こいつ!追尾してくるのか!」

 

 士郎は追ってくる火の玉を干将・莫耶を数度投擲して、破壊する事で凌いだが、他の面々は士郎の様に凌げず、命中し、地に倒れ伏した。

 

「友奈!風!樹!三好!ちくしょう!」

 

 士郎は干将・莫耶を消し、弓矢を投影、矢を放つがバーテックスには大したダメージは与えられなかった。

 

「冗談じゃ、ないわよ……こんな所で、寝てられるかっての……」

 

 士郎の背後で、のそのそと立ち上がる風。そんな風に巨大な水球が襲った。

 

「風!」

 

 士郎は咄嗟に風の元に駆け寄ると、風の手を掴んで精一杯遠くに投げ飛ばして救ったものの、士郎は風を襲った水球に飲み込まれた。

 

「いたっ!何するのよ……し、ろう?」

 

 突然投げ飛ばされた事で、士郎に若干の怒りを露わにして士郎の方を睨む風だったが、水球に飲まれた士郎を見て、士郎が自分を助けたのだと理解する。

 

「……嘘。士郎!今助け」

 

 るわ。と続ける前に、風は再び火の玉による砲撃を受け、吹き飛ばされた。

 一方、士郎は水球から脱出すべく、体を動かすが効果は無く、水球の中心から移動出来ずにいた。

 

(まだだ……まだ、死ぬ訳には行かない。約束したんだ。だから、俺はまだ、死ねない!)

 

 士郎がそう強く思った直後、士郎の左手に浮かんだ紋様が強く輝き、その光は士郎を包み込んだ。

 

 

【2】

 

 

 士郎の左手から放たれた輝きが、晴れた時。士郎を包み込んでいた水球は綺麗さっぱり消え去り、士郎は赤い外装から、赤い装束の様な物へと服が変え……宙を浮いていた。

 

「溜め込んだ力を解放する。成る程、これが満開か……」

 

 士郎が自身の体を見渡しながらそう呟いた後、バーテックスは最初に士郎達を襲った火の玉を形成していた。

 

「避けられないなら、撃ち墜とすまで!投影開始(トレース・オン)

 

 士郎は両手を広げ、詠唱する。

 すると今まで行って来た投影とは違い、投影した剣は士郎の両手ではなく、背後に現れた。それも一つや二つではなく、数十もの数でだ。

 

「憑依経験ーー共感完了。全投影待機。停止解凍。全投影連続層写!」

 

 士郎が号令を出すと、背後に投影された剣群が射出された。同時にバーテックスも形成し終えた火の玉を発射した。

 士郎が放った剣群とバーテックスが放った火の玉は、まるで双方が引き合っているかの様に衝突し爆発を起こしたが、士郎の剣群だけが生き残り、尚も射出された勢いは衰える事無く、そのままバーテックスの体に突き刺さり爆発した。

 だが大したダメージは与えられていない。バーテックスはより巨大な火の玉を形成し、士郎に放った。

 

「なら、これでどうだ!」

 

 士郎はそれに対抗すべく、人が扱うには大き過ぎる。山をも斬り裂きそうな程巨大な剣を投影し、バーテックスに放った。そして士郎は叫ぶ。その剣の名を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虚・千山斬り拓く翠の地平(イガリマ)!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 所詮は外見だけを似せた、中身の無い贋作であったが、士郎から放たれたイガリマはバーテックスが形成した巨大な火の玉を難無く斬り裂き、そのままバーテックスの体を貫通した。

 

「行ける!」

 

 イガリマに串刺しにされ、倒れたバーテックスに更に無数の剣を放つ士郎。

 その直後、背後で青紫色の巨大なアサガオが咲き誇った。

 

「もう、好き勝手にはさせない」

「美森!」

 

 士郎が咄嗟に背後を振り向くと、其処には自分と同じ様に満開を迎えた美森の姿があった。

 

「我、敵艦隊に総攻撃を実施す。全主砲一斉射ーー撃てぇ!」

 

 美森が何処から取り出したか分からない、日の丸の鉢巻をしてそう言うと、満開によって追加された浮遊砲台が、地中を移動するバーテックスを捉え、一斉に砲撃を行った。

 美森の砲撃によって、地中を移動するバーテックスの体が全て消し飛び、御魂だけとなった。

 

「この程度の敵なら、儀式も必要ないみたいね。制圧射撃!」

 

 残った御魂を砲撃で破壊する美森。

 

「やるな。美森の奴」

 

 士郎が美森の戦い振りを見てそう呟いた直後、正面にマップを表示したスクリーンが投影され、驚愕する。

 

「んなっ!?このバーテックス、神樹様に近い!?」

 

 士郎がスクリーンから目を離し、神樹に近くにまで近付いたバーテックスを目視すると、其処には三メートル程の小型のバーテックスが高速で走っていた。

 

「くそっ!」

 

 士郎は咄嗟にゲイボルクを投影し、魔力を込め始めようとした時、今度は鳴子百合の花が咲いた。

 花が咲いた方を振り向く士郎。すると其処には満開を行った樹の姿。

 

「私達の日常を、壊させはしないーー

 放たれるは無限の断罪(アンリミテッド・ジャッジ)

 

 樹が()()()()()()()()()を叫ぶと、樹の背後から無数のワイヤーが放たれた。それは数キロ離れたバーテックスを捉え、更にバラバラに斬り裂き、最後に残った御魂を串刺しにした。

 

「よ、容赦無いな、樹」

 

 樹の攻撃に顔を引攣らせる士郎だったが、その顔は直ぐに真剣な物に変わり、融合したバーテックスの方を見る。

 すると、其処にはイガリマに串刺しにされて尚、今までに無い極大の火の玉……いや、太陽を作り出したバーテックスの姿があった。

 

「おい、何だよその元気ぽい玉……」

 

 放たれた太陽。それをどうにかしようとする士郎だったが。

 

「駄目だ!間に合わない!」

 

 士郎がそう叫んだ直後。今度は黄色のオキザリスの花を咲かせた風が、太陽を受け止めた。

 

「風!」

「勇者部一同!封印開始!こいつは私が受け止める!だから早く!」

 

 風に言われた通り、急いで封印の儀に取り掛かる友奈、美森、樹、夏凛。

 風が受け止めていた太陽が爆発し、吹き飛ばされる風。それを士郎が地面に叩きつけられる前に受け止めた。

 そして封印の儀が始まり、御魂が出現した……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい。確実に本体がバーテックスより大きいぞ」

「見りゃ分かるっての!全く、何から何まで規格外過ぎるわ。こんなの……」

「しかも、出てる場所は宇宙……」

「大き……過ぎるよ。あんな物、どうやって」

「樹、その台詞は色々アウトよ」

「言ってる場合か!それにしても、どうやって破壊したものか……」

「そもそも破壊出来るの?こんなの」

 

 士郎達、勇者部が見上げた先にあるのは、町よりも大きそうな巨大さを誇る御魂、しかも、出現した場所は宇宙。この二つが勇者部の戦意を削いで行ったが……

 

「大丈夫だよ!御魂なんだから、今までと同じ様にすれば良いんだよ!」

 

 友奈のこの言葉が、消え掛かった勇者部の戦意に火を付けた。

 

「……友奈の言う通りだな。投影開始(トレース・オン)

 

 再びゲイボルクを投影する士郎。

 

突き穿つ(ゲイ)

 

 魔槍に十分な魔力を込め。

 

死翔の槍(ボルク)

 

 今度こそ放った。

 放たれたゲイボルクは、あっという間に対流圏、成層圏を破り、御魂に命中したのだが……御魂が破壊された様子はなかった。

 

「効果無しか……」

「大丈夫。きっと効果は出てます」

 

 若干落ち込む士郎を励ます友奈。

 

「ああ、そうだな。けど今の所、宇宙空間にある御魂に届く攻撃を出来るのは俺のゲイボルクだけ、そう何度も撃てる物じゃないし、宇宙空間で直接攻撃が出来れば良いんだけど」

 

 士郎がそう言うと、美森が手を上げて言った。

 

「私なら、今の私なら先輩を宇宙空間まで運べます」

「よし、決まりだな」

「私も行きます」

「友奈、お前は……」

 

 士郎は残れと言おうとしたが、友奈が素直に残るとも思えず、更に友奈と口論になる時間が惜しいと考え、止めようとするのを辞めた。

 

「ああ、分かった。三人で行こう。風、樹、夏凛の三人は封印作業を頼む」

「ええ」

「早く殲滅してきなさい!」

「士郎さん!友奈さん!東郷先輩!武運を!」

 

 三人の激励を受けながら、士郎と友奈は美森が展開した船に乗り、宇宙へと飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アンリミテッド・ジャッジとは、士郎の真名解放に影響され、樹が夜な夜な考えた必殺技である。本編で記述した通り技名を叫ぶ必要はない。
アンリミテッド・ジャッジ以外にも、数々の技名をノートにびっしりと書いており、樹は数年後、このノートとこの日の事を思い出しては悶絶する日々を送る事となるのだが、この時の樹はまだ知らない……

それにしても、日間ランキング50位くらいになったと思えば、いきなり日間ランキングから消えたり、そして気付けばまた載ったりの繰り返し……意味分かんねぇ……
80位とか90位くらいをうろちょろしてるなら兎も角、なんで50位くらいからいきなり消えるんでしょうね?
……は!まさかこれは大赦の陰謀!?おのれぇ大赦ぁぁぁ!

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