歪みの戦士達   作:龍蟹

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おまたせいたしましたああぁぁぁあ!(うるさい)

今回は更識簪の持つ能力の経緯を教えます


透明の記憶と天国への扉 前編

第三者視点

 

IS学園の脱衣所。

 

ガラガラガラッ

 

脱衣所の扉がひとりでに開く。

そして少しすると扉から少し離れたところでその人物は姿を現した。

水色の髪で赤い瞳。髪は内側にハネており、眼鏡をかけた少女『更識簪』。

更識簪がふぅっとため息をつくと服を脱いで風呂場へとはいった。

シャワーを浴びている間、簪は先程来たアナザー電王の事を考えていた。

 

(どうしよう。私、あの人の秘密知っちゃったかも……。)

 

簪はその事に少し困惑していた。

と言うのもその主な要因は簪がアナザー電王に向けて発動した能力【天国への扉(ヘブンズ・ドアー)】にあった。

天国への扉(ヘブンズ・ドアー)の能力は人の記憶を本(辞書とも言う)にして読むことの出来る能力。また、そこに書き加えることが出来る。

基本的に、身体の一部が薄く剥がれるように本になる。そして、その本にはその本にされた人物が記憶している人生の体験が記されている。

それを読むことによって相手の事を知る事が出来る。

簪はその能力を使って楯無とアナザー電王を本にした。

楯無には『近くにいる人物を気絶させて部屋を出る。』と書き加えた。

しかし、それはアナザー電王によって失敗。

ならばとアナザー電王を本にしてこの部屋から出ていかせようとしたがそこに書かれている内容に簪は戸惑ってしまい、アナザー電王に気絶させられた。

 

所で、なぜ簪がこの能力を持っているのだろうか?

それに加えあの透明化の能力は何処で手に入れたのか?

それはIS学園に入学する数日前に遡る。

 

―――――――――――――――――――――

 

簪side

 

 

「…………。」

 

私は自室で蹲って掛け布団を羽織ってパソコンをいじっていた。

私は数日前から自分の姿が映らなく(・・・・・・・・・)なっていた。

それ以来、私は怖くて姿が映るものには新聞紙や布で覆って隠していた。

時折、私の声が聞こえる事があるが見ようとは思わない。

見たら何か恐ろしいものが映るかもしれないから。

私は誰にも相談出来ることも無く自室に閉じこもっていた。

 

【コンッコンッ】

 

『簪ちゃん?』

「?お姉ちゃん?」

 

ふと、ノックが聞こえ扉越しにお姉ちゃんの声がする。

だけど、その声はどこか不安げだった。

 

『その〜…入っていい?』

「………駄目。」

 

本当はお姉ちゃんと一緒に話したいけど出来なかった。

姿が映らない私を見てお姉ちゃんが離れていくんじゃないかという恐怖があったから。

勿論、お姉ちゃんがそんな事するはずないと思ってるけどそれでも怖かった。

 

『や、やっぱりこの前の事…気にしてる?』

「?」

 

お姉ちゃんがそんな事を言い出したので私はなんの事かと思ったけどお姉ちゃんが次に言ったことで直ぐに理解出来た。

 

『この前……簪ちゃんに言った事……。』

「!」

 

この前言った事と言うのはつい先日のこと。

私の家『更識家』は対暗部用暗部と言うもので昔からテロリストとかに対抗していた。

勿論それは命に関わる危険な仕事。

お姉ちゃんはそんな更識家の当主になった。

それだけじゃなく、ロシアの代表にもなった。

そんなお姉ちゃんは私にこんな事を言った。

「貴女は無能のままでいなさい」っと。

普通なら酷い言い方だけど、私はそうは思わなかった。

それがお姉ちゃんなりの不器用な言葉だと言うことを理解出来た。

昔からお姉ちゃんは完璧にこなしてたけど、こう言う時には何かと不器用だと言うことを私はよく知っていた。

その証拠にこうして心配して来ているのだから。

じゃなきゃ、あんなにも中が良かったのに突然あんな事を言うはずが無かった。

……言ったことはちょっと酷いけど。

 

「あ、えっと……お、お姉ちゃんは悪くない!」

『……え?』

「私は気にしてないよ。お姉ちゃんなりの不器用な言葉だって知ってるから…。」

『ほ、本当?』

「うん……言ったことはちょっと酷いけど。」

『ご、ごめんなさい。』

 

お姉ちゃんに要らない心配をかけてしまったみたい。

私はお姉ちゃんが悪くない事を伝えたらちょっとは安心したみたい。

私の最後に言った言葉にちょっとへこんだ声がして小さく笑った。

 

『えっと…じゃあ何で部屋に閉じこもってるの?』

「そ、それは………。」

 

お姉ちゃんの質問に私は何も答えなかった。

これだけはいくらお姉ちゃんでも言えなかった。

 

「ごめんねお姉ちゃん。お姉ちゃんでも…相談出来なくて……。」

『そ、そう。』

「ごめんね、お姉ちゃん。」

『う、うん…大丈夫よ。』

 

そういった後、お姉ちゃんが私の部屋から離れて行く。

これ以上、お姉ちゃんに迷惑をかけられないと思い私はネットで解決方法が無いかと探し出す。

けど、やっぱりこういう事例は無いらしくどこを探しても見つからない。

 

(やっぱり、無理なのかな?)

 

そう思っていると奇妙な広告を見つけた。

その広告にはこう書いてあった。

 

『あなたに見合った特殊能力をお売りします。』

 

そう書かれてあった。…なんか胡散臭い。

そう思いながらも広告を開くとズラリとその特殊能力のリストが現れた。

一つ一つ見ていて思った事がある。

金額が思った以上に高い。

高い物で11万、安いもので2万もしていた。

高い理由に『特殊能力を扱っているため』と書かれている。

まぁ、当たり前だと思う。

正直見ていて胡散臭いと思っていたけど、もしこれで解決するならと私はそのサイトの下に書いてある電話番号をうった。

 

トゥルルルルットゥルルルル…ガチャッ』

 

『はい…白蛇屋です。』

 

しばらくすると本当に電話がかかり、女の子の声が聞こえた。

声の感じだと私と同い年ぐらいかな?

 

「えっ…と、サイトを見て電話をしました。」

『…お待ちください。』

『―、―――――。』

『―』『――?』

 

遠くから会話が聞こえるけど中々聞こえない。

しばらくするとまた、声が聞こえた。

 

『はい』『白蛇屋の店長だよ』『サイト見てくれたんだって?』

「……はい。」

 

次に聞こえてきたのは男の声。

けど、何だか喋り方に違和感がある様な…?

 

『いやぁ嬉しいなぁ』『まさか女子高生のお客さんが電話するなんて思わなかったよ』

『………………。』ギリギリギリッ

『痛い痛い痛い』『ごめんって』

 

店長と言った人が誰かに(多分さっきの人だと思うけど)つねられているのか、少し痛そうに言ってる。…付き合ってるんだ。

 

『痛た…』『それで特殊能力が欲しいのかな?』

「はい…。」

『うん』『それはどうも』『ただ』『配達じゃなくて直に店に来ないといけないからさ』

「……え。」

 

店長と言う人の言葉に私は困惑した。

出来れば誰とも会わずに用を済ませたい。

すると店長と言う人はそれを察したのか。

 

『あぁ大丈夫だよ』『準備が出来たらただ君のいる部屋のドアから出ればいいだけだから』『そしたら迎えに行くよ』

 

店長と言う人はそう言った。

ただ、言ってる意味は分からなかった。

それってドアから出るだけで店に着くってこと?

 

『取り敢えず』『物は試し』『騙されたと思ってね』

「…あっ。」

 

店長と言う人はそれだけ言うと電話を切った。

私は何が何だかわからず、取り敢えず必要なお金だけを持って、部屋のドアまで向かう。

……本当に店に着くのだろうか?

そう不安に思いながら思い切ってドアを開ける。

 

「…………………………え?」

 

私は目の前の光景を見て絶句した。

目の前に広がっていたのは一面の砂漠地帯。

暑くはない、だけど寒くもない。

私は振り返ってドアの先を見る。

ドアの先には私の部屋、再び前を見れば一面の砂漠地帯。

 

「ど、どうなってるの?」

 

私が目の前の光景に困惑していると。

 

【プワァァァァァァアアアン!】

 

「え!?」

 

驚く事に遠くから黒と水色のラインの入った新幹線の様なものがこちらに向かって来た。

よく見れば、その新幹線の目の前で線路が現れていた。

そしてその線路は私の目の前に来て黒い新幹線も私の目の前に来た。

黒い新幹線はゆっくりと止まって行き、一つの扉が私の前に来る。

私がポカンとしてるとその扉が開き蝙蝠のような顔をした怪物が現れた。

 

「よぉ、あんたが款の言ってたお客さんか?」

 

蝙蝠の怪物は私に言ってきた。

だけど私は驚きの連続で声がなかった。

 

「ん?おーい?」

「!?ひゃっ!」

 

蝙蝠の怪物が目の前で手を振ってきたので私は我に返ったと同時に尻もちをついてしまった。

蝙蝠の怪物はそれに驚き「あ〜。」と言いながら頭(?)をかいていた。

 

「まぁしょうがねぇか。ドアを開けたら突然砂漠地帯で目の前に新幹線が現れて怪物概要現れたんじゃあな。」

「あ!えと、ごめんなさい!」

 

蝙蝠の怪物が少し笑いながら言ったので私は慌てて立ち上がり蝙蝠の怪物に謝罪した。

蝙蝠の怪物はそれを見て「いいっていいって。」と言って扉の中に入っていく。

蝙蝠の怪物は「入りな。」という仕草をしたので私は入る事にした。

中に入るとそこは食堂のような場所だった。

たまに見る、電車の中で飲食の出来る車両の様なもの場所。

辺りを見渡すと蝙蝠の怪物の他にも、髑髏(?)の様な怪物とコブラ(?)の様な怪物がいた。

 

「やりぃっ!ロイヤルストレートフラッシュ!」

ぎゃああぁぁぁぁぁぁあああ!!??

 

髑髏(?)の怪物が五枚のトランプのカードを大きく掲げ、コブラ(?)の怪物は絶叫して頭を抑えていた。

それを見た蝙蝠の怪物はそれを見て二体の怪物に近づいていく。

 

『ROAD』

 

すると、蝙蝠の怪物は全く別の姿へと変わった。

『ROAD』って『道』って意味だよね?

……なんか道っぽくない。

 

「ふん!」ゴスッ!!!

「「ぐべらっ!?」」ガンッ!!!

「あっ。」

 

蝙蝠の怪物(だったもの)は二体の怪物に思いっきり拳骨を食らわした。

二体の怪物はその反動で顔をテーブルにぶつけて気絶した。

 

「款……あ〜店長はその扉の向こうだ。」

 

蝙蝠の怪物(だったもの)は私の近くにある扉を指さした。

私は怪物達を後目に扉先へと向かった。

 

『やぁ』『いらっしゃい』

 

別の車両に入ると右側のカウンターにいる白髪に左眼にモノクルをつけた男の人が手を振って私を迎えた。

左側のソファと机の方には紫色の髪をして左眼に眼帯をつけた女の子が体育座りをしてこちらを見ていた。

後やっぱり男の人の喋り方に違和感がある。

男の人は『座っていいよ』といってソファに座るように促す。

私は男の人に言われるがままソファに座る。

 

『まず』『ようこそ!』『特殊能力移動販売店『白蛇屋』へ』『僕はここの店長『縞立款』だよ』『宜しくね』『そしてそこに座ってるのが僕の彼女の』

「…縞立響歌。」

 

白髪の人『縞立款』さんは自分の自己紹介と私の横(少し離れてるけど)にいる女の子『縞立響歌』の自己紹介をした。

…やっぱり付き合ってるんだ…。よく見たら二人とも右手の薬指に指輪をつけてる。

確かロシアだと指輪を付ける位置が左右逆になるんだっけ。

 

『君の名前を聞かせてくれるかな?』

「あっはい、えっと…更識簪…です。」

 

款さん(って呼んだ方がいいのかな)に言われて私も自己紹介をした。

すると款さんは一瞬だけキョトンとした顔をすると何か考え出した。

 

更識って確か対暗部用暗部の家系だったっけ?

 

何か呟いてるけど何を言っているのか聞こえなかった。

少しすると款さんは直ぐに笑顔で私の方を見た。

 

『さて』『君はどんな理由でこの白蛇屋に電話したのかな』

『良ければその理由を教えてくれるかな?』

『無理なら無理に言わなくていいよ』

「…………。」

 

款さんがそんな事は言って来たので私は少し迷った。

本当は言いたくないけど、言わなきゃ何も始まらないので私は款さんに教える事にした。

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