歪みの戦士達   作:龍蟹

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透明の記憶と天国への扉 後編

簪side

 

『なるほど』『鏡に自分の姿が映らなくなったと……』

「……はい。」

「物凄い面倒な問題……。」

 

私は自分の身に起こった事を誠さん達に一から全て話した。

款さんは『成程成程』と頷いて響歌ちゃんは小さくため息をついた。

正直いって信じられない様な内容だけど二人の感じだと一応(?)信じてはくれてるみたい。

 

『正直』『鏡って時点で『マン・イン・ザ・ミラー』関連かと思ったけど』『どうやら違うみたいだね』

「まん・いん・ざ・みらー?」

『あぁ』『スタンドの一つだよ』

『と言っても』『いきなりスタンドって言ってもわからないよね』

「す、すたんど?」

 

な、なんかいきなりわからない単語が出てきた。

え、えっと…スタンドってマイクスタンドのスタンド?

 

『そろそろ僕達の仕事を教えておこうかな』

『ここがどんなお店なのかってね』

 

そう言って款さんは後ろの壁を下に下ろすとそこからDISCとUSBメモリメモリが現れた。

 

『僕達が扱っているのはその名の通り特殊能力』

『その中でも』『スタンドとガイアメモリを扱っているんだ』

「が、がいあめもり?」

 

またわからない単語が現れた。

 

『まずはスタンドからだね』

『スタンドというのは“超能力”の概念に(ヴィジョン)を与え、目に見える形で表現したもの』

『例えば』『「超能力で遠くの物を壊す」という描写が』『「スタンドの像が遠くの物をぶん殴る」という描写になるわけだ』

『名前の由来は『傍に立つ(Stand by me)』または『(困難に)立ち向かう(Stand up to)』からだよ』

『スタンドには基本的な定義があって』

『一つ目』『スタンドは一人につき一体又は一種類である』『外見上複数体存在する場合もあるよ』

『二つ目』『スタンドにはその持ち主である「本体」がいる』『殆どは人間だけど』『人間以外の生物』『さらには植物や無機物が本体となる場合もあるね』

『三つ目』『スタンドが傷つけば本体も傷つき、本体が死ぬとスタンドも消滅する』『気を付けてね?』

『四つ目』『スタンドは1体につき1つ特殊能力を持つ』『能力は本体の精神的才能に基づき、精神が成長すればスタンドも成長する場合がある』

『五つ目』『スタンドの姿はスタンド使いでなければ見ることはできない』『これはもう基本中の基本だね』

『六つ目』『スタンドは通常の物質をすり抜ける事ができる』『そのためスタンドでなければスタンドを攻撃できない』『これも基本中の基本だね』

『まぁこれらはあくまで原則』『例外も存在するからね』

「款、またカンニングしてるでしょ。」

『あ』『バレちゃった?』

「チラチラと下見てるから丸わかり。」

『あはは……』『前も言ったけど』『まだ、完全には理解してないからね』

 

響歌ちゃんの言う通り説明してる途中で款さんはチラチラと下を見ながら私に説明していた。

というか、よくあるんだ……。

 

『スタンドには外見も色々あって』『人型』『人間以外の生物、または人工物型』『物質同化型』『道具型』『群体型』『無像型』『装着型』

『また、パワーによる分類もあって』『近距離パワー型』『遠隔操縦型』『遠隔自動操縦型』

『こういった感じのがあるね』

『人型は基本的にスタンドが傷つけばそのまま本体の同じ箇所も傷つく』『特殊能力の他』『ラッシュによる格闘戦を行うものが多い』『中には「手で触れること」で特殊能力を発動させるタイプがある』

『人間以外の生物』『または人工物型は形状によって本体にダメージがフィードバックされたりされなかったりとまちまちあるね』

『物質同化型は現実に存在する物質・物体と同化しているタイプだよ』『そのためスタンド使い以外にも見えるし触れる事もできる』

『道具型は文字通り道具の形をしているタイプのスタンド』『これは基本的に本体が直接操るね』

『群体型は「複数の像を持つ1種類のスタンド」として存在するタイプだね』『数が多ければ多いほどスタンド1体あたりのダメージフィードバックは小さい』『しかも四方八方から攻撃できたり一度に多くの状況を把握できたりと強力』『ちなみにとある財団の調査によると』『このタイプのスタンドを持つ人間は精神面に欠陥があるらしいよ』

『無像型はスタンド像が無く』『能力だけが存在するタイプ』

『装着型は本体がスーツのようにスタンドを纏うタイプ』

『分類が難しいタイプは「その他」と分類されるね』

『近距離パワー型は岩や壁などを破壊できるパワーを持ち』『スピードにも優れる場合が多い』『パワフルな戦闘を行えるけど』『基本的に本体から数m程度しか離れられない』『だから本体も常にスタンドと動き回らないといけなくて』『それなりの運動能力が求められるから気を付けてね』

『遠隔操縦型はパワーは低く』『スピードや精密動作性も低い事が多いが』『代わりに長い射程距離を持っているよ』『その距離は十数m程度のスタンドからなんと数百㎞まで及ぶスタンドもあるんだよ』『これにより相手に気付かせず奇襲をかける戦法が可能だね♪』『本体と視聴覚を共有している場合も多いから』『偵察にもとても向いているんだよ!』

『遠隔操縦型は先程の二つと比べるとかなり毛色が違くて』『長所として本体との距離に関係無く破壊力抜群の攻撃を行える点』『スタンドへのダメージが本体へフィードバックしない点が挙げられるんだよ』『ただし、その分短所として』『一定の条件を満たした対象物を無差別に攻撃する事しかできなくて』『本体の細かい指示は受け付けられない点や』『感覚を共有できないから本体がスタンドの周囲の状況を把握できない所が挙げられる』『良くも悪くも本体とのリンクが薄いタイプと言える』

「え、えぇと。」

 

あまりの説明の長さに私は頭がパンクしそうになった。

響歌ちゃんはそんな私に紅茶をくれた。

私は紅茶を受け取り飲み干した。

 

(え……。一気に?)

『あはは……』『続けるよ』

『スタンドには基本的なパラメーターがあるんだ』

『スタンドの基本的な能力は』『A~Eの5段階表記で示されるね』

『評価の項目は「破壊力」「スピード」「射程距離」「持続力」「精密動作性」「成長性」の六つ』『まぁだからと言って評価が高くてもどんな敵や状況にも対応しうるとは限らない』『言わば適材適所ってところだ』

『破壊力は単純な攻撃力』『像によるパンチなどで起こせる破壊だけじゃなく』『スタンドそのものの特殊能力で起こせる破壊も含まれるよ』

『スピードはスタンドの動作速度』『移動速度や』『能力発動に必要な速度』『本体が操る能力である以上は』『本体の限界を超えて行動できるスタンドは存在しない』『例外のいるスタンドがいるけど』

『射程距離は本体から離れてスタンドが発動できる限界距離』『Eが2m以下』『Dが数m程度』『Cが十数m程度』『Bが数十m程度』『Aが100m以上』『といった基準になるよ』

『持続力はスタンド能力を発生させ続けられる時間だね』

『精密動作性はいかに正確かつ器用な動作ができるかを表すよ』『遠隔自動操縦型は精密動作性を犠牲に破壊力と射程距離を両立させたタイプと言えるかな』

『成長性はスタンド能力の伸び代で』『戦闘力とはあまり関係ないかな』『本体の精神力によってスタンド能力も成長することが推察されてるみたい』

「みたいってのは?」

「現に確認されてるのが一人だけ。他にもいるかもしれないけど、それが一番現れてるのが一人だけ。」

 

そ、そんなに少ないんだ。

他にもいるってことは他にもそのスタンドを扱ってる人っているんだ。

 

『さて』『スタンドに関してはこの位かな』

『じゃあ次は』『ガイアメモリに関して説明するね』

『ガイアメモリは地球に記憶された現象・事象を再現するプログラムが封じ込められていて』『ガイアメモリを挿してメモリに内包された「地球の記憶」を注入することで』『生物をドーパントに変えるメモリなんだ』

「ドーパントって何ですか?」

 

私はドーパントと言う言葉に疑問を持ち款さんに質問を投げかけた。

 

『よく聞いてくれたね』

『ドーパントとは』『使用者が自身の肉体にそれぞれのメモリを挿入することで変身し』『その記憶を宿した怪人となった者の総称だよ』

『ほら』『さっき見たでしょ』

 

そう言って款さんは私が入って来た扉の方を指差す。

それで私は先程蝙蝠の怪人が別の怪人になったのを思い出した。

あれがドーパントなんだ。

 

『ちなみに』『「ドーパント」という名前には「肉体に"地球の記憶"をドーピングした者」という意味が込められているんだ』

 

……なんか聞いちゃ行けない事を聞いた気がする。

 

『説明を続けるね』

『外見はUSBメモリそのもので』『大きさは掌に収まる程度』『それなりに力のある人間が握り潰せたり』『生身の人間が拳銃のグリップで強く叩いて破壊できるなど』『強度は高くないね』『メモリ下部に付いているボタン『ガイアウィスパー』を押すと起動されるよ』『その際メモリがその名称を叫ぶよ』『こんな風にね』カチッ

 

『NASCA』

 

そう言って款さんは棚に置いてあるガイアメモリのうち『N』と書かれたガイアメモリを取り出しガイアウィスパーと呼ぼれたボタンを押した。そして、『NASCA』と言う音声が聞こえてきた。

 

『因みに今僕が手にしてるのがナスカメモリ』『ナスカ文明を内包するガイアメモリだよ』

 

「…………」カチッ

 

『T-REX』

 

隣で響歌ちゃんが別のガイアメモリを取り出し、ガイアウィスパーを押した。

次に聞こえてきたのは『T-REX』と言う音声だった。

 

『今響歌が持ってるのがティーレックスメモリ』『ティラノサウルスを内包するガイアメモリだね』

『それと』『今僕達が管理しているガイアメモリは少ないけど』『実際にはかなりの数があるよ』『ガイアメモリの専門家さんに『空間を操るメモリっていくつあるの?』って聞いてみたら』『「153件が該当した。別次元に迷路を作れそうなメモリの総数だ」って言ってたね』

「そんなに!?」

 

あまりの多さに私は思わず立ち上がった。

空間を操るメモリだけで153件もあるなんて普通思わない。

 

『本来ならば普通の人間がガイアメモリを使った場合』『その力の強大さゆえに』『地球の記憶に飲み込まれたり毒素に精神と肉体を蝕まれたりして』『最悪の場合』『暴走したり依存症になったりしてしまう』『言い換えれば一種の麻薬といっても過言じゃあない』

「麻薬……。」

 

その言葉を聞いてゾッとする。

もしこんなものが世間に出回ったりしたら、あっという間に大変な事になる。

 

『メモリ直挿しの副作用による暴走の程度も人によって違うらしくて』『メモリの力を真に引き出せる人物なら』『毒素に呑まれることなくパワーアップも可能なようだね』

『まぁ正確に言うと毒素というより』『メモリの強すぎる力に心身が耐えきれず負けてしまっている……ということなのかもしれないかな』

『でも安心して』『僕達が扱うガイアメモリは』『そんな毒素は既に抜いてある』

「そう…ですか…。」

 

款さんの言ったことに少しほっとした。

 

『結構大変だっけど……』『徹夜連勤だったし……』

 

そう言った款さんの顔は少しだけ苦笑いになった。

……結構苦労したんだ。

 

『各メモリには使用者との相性』『言わば適合率があって』『入っている記憶に使用者の性質や願望などが近いほど』『メモリの力を強く引き出せれるよ』

『その中には相性が良すぎてメモリの力を過剰に引き出してしまう「過剰適合者」や』『ドーパントの能力を若干だけど変身前にも行使できるようになった「ハイドープ」なる者も存在する』

『ガイアメモリにも種類があって』『プロダクションモデル』『プロトモデル』『ゴールドメモリ』『シルバーメモリ』『次世代型メモリ』『T2ガイアメモリ』『といった物があるよ』

「款さん達が扱っているのガイアメモリは何ですか?」

 

私は款さんの説明にふと、疑問を持って聞いてみた。

 

『僕達が扱ってるガイアメモリ?』『んーと』『次世代型メモリとT2ガイアメモリの性能を持ってるから』『言うならば』『TIII(ティースリー)ガイアメモリかな?』

 

どうやら先程款さんが言った種類とは全く別の種類らしい。

 

『さて』『説明はもう終わりだね』『あぁそうそう』『これだけは言っておかなきゃ』

 

款さんが説明を終わらせようとしてふと、何かを思い出したのか少しだけ、真剣な顔になった。

 

『幽波紋DISCとガイアメモリはとても便利だけど』『同時に危険もある』『ノーリスクハイリターンなんてのは』『考え過ぎだよ』

『買う際にはちゃんと責任を持って買ってね』『何が起ころうと』『それは君自身の問題だ』『君が起こした問題だ』『僕達は悪くない』『お買い上げになる前に』『じっくりと考えてね』

 

そう言って款さんはニッコリと笑った。

確か、サイトには『特殊能力を扱っている為高額』と書いてあった。

 

『さて』『そろそろどういう特殊能力を選ぶか決めないとね』

 

そう言って款さんは『おいで』というジェスチャーをしたので私はカウンターに近づいた。

 

『君がさっき話した事を聞くあたり』『何とかまた自分の姿が映らないか』『それを解決したいんだよね』

「はい。」

 

私はその言葉に力強く頷いた。

款さんはそれを聞くと手を顎にあて、深く考え出した。

 

『中々難しいね』『けど』『解決するまでの』『時間稼ぎ程度なら』『出来なくは無いかな』

 

難しいという言葉に私は少し落ち込んだ。

やっぱり解決するという事は出来ないと思うと少し耐える。

けど、時間稼ぎ程度って?

 

『何も映らない自分が怖いんでしょ?』『なら』『自分も消えればいい』

「…………はい?」

 

款さんの言葉に私は思わず聞き返した。

いま、聞き間違えじゃなきゃ自分も消えればいいって言った?

そんな私に気にすることも無く棚から二枚の幽波紋DISCと『i』と書かれたガイアメモリを取り出した。

 

『オススメはこれかな』『メタリカに』『アクトンベイビー』『後はインビジブルガイアメモリかな?』

 

款さんは二枚の幽波紋DISCの内『メタリカ』と書かれた幽波紋DISCをケースから取り出し、私に差し向けた。

 

バチッ!!

 

「ひゃ!?」

『おっとっと』『ごめん』『相性が悪かったみたいだ』

 

幽波紋DISCが頭に当たると同時に静電気の様な衝撃が起こる。

どうやら相性が悪かったみたいで、款さんは私に謝罪するとメタリカの幽波紋DISCをしまい、今度は『アクトンベイビー』と書かれた幽波紋DISCを取り出した。

 

バチッ!!

 

「痛っ!!」

『おぉっと!?』『ありゃりゃ』『これも相性が悪かったか……』『ごめんね簪ちゃん』

 

また、相性が悪かったみたいで静電気の様な衝撃が起こる。

款さんは『となると』と言って『i』と書かれたガイアメモリを手に持つ。

 

『後はこれだけか』『響歌』『ちょっと手伝って上げて』

「分かった。」

 

款さんは響歌ちゃんに協力する様に促し響歌ちゃんにガイアメモリを渡した。

款さんは響歌ちゃんに渡すと後ろを向いた。ヘッドホンをつけて。

 

「ガイアメモリを挿す時って身体の何処かに『生体コネクタ』っていうガイアメモリを挿す場所があるの。額だったり、お腹だったり、手のひらだったり、胸元だったり。」

「え!?ちょ、ちょっと!?///」

 

そう言って響歌ちゃんは私の服を少しだけはだけさせてガイアメモリを渡す。

款さんが気を使って目を逸らしてくれてるけどそれでも恥ずかしい///

 

「押さないと意味ないよ」

「うぅ……///」カチッ

 

『INVISIBLE』

 

私は恥ずかしながらもガイアウィスパーを押すとガイアメモリひとりでに浮き私の胸元に挿さった。

ガイアメモリが体内に入っていくにつれ、私の体は段々と透明になっていく。

そして、完全にガイアメモリが入った時には私は透明人間になった。

……この場合、『インビジブル・ドーパント』って言えばいいのかな?怪人って言えるか怪しいけど。

 

「相性が良かった見たいだね。服着れる?」

「な、何とか。」

 

私は元の姿へと戻って急いで服を着直す。

響歌ちゃんは款さんの肩を叩いて終わったよと合図を送る。

款さんは『あ』『終わった?』と言ってヘッドホンを外し、私の方を見る。

 

『どうやらメモリとの相性が良かったみたいだね』

 

そう言って款さんは嬉しそうに言った。

…これで大丈夫暫くは大丈夫かもしれないけど、もしバレたらどうしよう。

…念の為にスタンドの方も買っておいた方がいいかも…。

 

「あ、あの…。」

『ん?』『どうしたんだい?』

「念の為に、スタンドの方も良いでしょうか?バレた時のために何とかしたいので。」

『成程』『確かに必要かもね』『そうなると…』

 

そう言って款さんは数ある幽波紋DISCの中から一枚の幽波紋DISCを取り出した。

そのケースには『ヘブンズ・ドアー』と書かれていた。

 

『このスタンドがオススメかもね』『結構便利だよ』『使い方はすぐにわかるよ』

 

そう言って款さんは幽波紋DISCを私に差し向けた。

またあの静電気が来るんじゃないかと思って目を瞑った。

けど、いくら経っても痛みが来ないので目を開けてみると款さんがニコニコと嬉しそうに笑っていた。

 

『どうやら』『そのスタンドとの相性が良かったみたいだ』『おめでとう簪ちゃん』『これで君もはれてスタンド使いだ』

 

今度は相性が良かったらしく無事入れられた(?)らしい。

と言ってもそのスタンド使いになったって言う実感が無かった。

 

『実感が無いかな?』『じゃあ』『これが見えるかな?』

「見えるってなにが………え!?」

 

私が款さんを見ると近くに何かがいた。

それは塩基配列の描かれた包帯状のラインが全身に走っており、顔の上半分と肩、腰の辺りに紫色の装飾品のようなもので覆われていた。

もしかして、これが款さんのスタンド?

 

『どうやら見えるみたいだね』『紹介するよ』『これが僕のスタンド』『ホワイトスネイクだよ』『この店の名前の由来にもなってるんだよ』

 

そう言って近くにいる款さんのスタンド『ホワイトスネイク』は「どうも」と言うように小さくお辞儀をした。

 

『スタンドのルールの一つ』『スタンドはスタンド使い同士しか見えない』『君もスタンド使いになったんだ』『だから僕のスタンドが見える』『君もスタンドを出してみなよ』

 

そう言って款さんは『どうぞ』と言うようにジェスチャーをする。

私は一度目を瞑り今私に宿ってるスタンドをしる。

スタンドのだし方、スタンドの能力、スタンドの発動条件を。

 

――カッ!!――

 

天国への扉(ヘブンズ・ドアー)!!」

 

私がそう叫ぶと目の前に白をベースに黄色淵で出来てる少年の様な容姿をした(ヴィジョン)が現れた。

帽子のシルクハットは黄色淵のみでそれ以外は何も無い。

……これが、私のスタンド『天国への扉(ヘブンズ・ドアー)』?

 

「これが……私の……スタンド?」

『だからそうだって言ってるでしょ?』『今日からそれが君のスタンドだ』

『あぁそうだ』『支払金額の事だけど……』

「!!」

 

その言葉に私は思い出す。

スタンドとガイアメモリを買ったからかなりの金額になってるはず。

それを察したのか款さんは『まぁまぁ』と制した。

 

『ゆっくりでいいよ』『いきなり高額を払えなんて』『中々無理だからね』

「で、でも……忘れちゃうんじゃ……」

『そういう時の君のスタンドじゃない?』

 

そういう使い方で良いのかと思ったけど、忘れないためにはその方が良いのかもしれない。

そう思って私はスタンドを使って忘れない様に書き記し『白蛇屋』を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

因みに、レシートに書かれてあった金額は13万円もした。

………払えるのかな?

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