本来の世界に帰ってきた料理人   作:北方守護

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第16話 修行 その2

食義の修行を開始して少し時間が経って……

 

「ハァハァハァ……何とか食べれたぜ……」

 

「けど、かなりの時間掛かったわね……」

 

「そういや……武昭は何処に行ったんだ?……」

3人が食事を終えて休んでいると……

 

「おっ、皆食事は終わってたか」ニカッ

武昭が笑いながら部屋に戻ってきた。

 

「あぁ……終わったけど、かなり疲れたぜ?……」

息も絶え絶えにリョウが返事をした。

 

「けど……本当に、こんな事をしてて食義が身につくの?」

 

「確かに、そう思うかもしれないけど、俺だって身に付けれたんだから大丈夫だよ」

 

「まぁ、武昭に教えて欲しいって言ったのは私達からだからな……それで次は何をするんだ?」

 

「次は食義の基本姿勢を覚えてもらう」

 

「基本姿勢って……どんな奴なんだ?」

 

「合掌……それと一礼だな」

武昭は3人前で基本姿勢を見せた。

 

「ふーん、それが基本姿勢なのか、それは簡単そうだな」

 

「そうだな、簡単そうだな……(正しいフォームが出来ればだけどな)まぁ、ついてきてくれ」

武昭は3人を連れて部屋を出た。

 

 

武昭が3人を連れて違う部屋に行くと壁の一面に多数の水鉄砲が仕掛けられていた。

 

「ここが基本姿勢を覚える為の場所なのか?」

 

「何かアッチにある沢山の水鉄砲が気になるのだけど……」

 

「武昭、どうしたら良いんだ?」

 

「今はまだ起動はしてないから反応しないけど、ここで合掌と一礼をするだけだ、こうしてな」

武昭は3人の前で合掌と一礼をした。

 

「なぁ、本当にそれだけで良いのか?」

 

「あぁ、これだけだな。()()()()()()()()()()()()()()それが、ここでの修行だ」

 

「それくらいだったら、直ぐに覚えてあげるわ」

 

「そうだな、こんな簡単な奴なら時間もかからないぜ」

 

「なんか期待はずれだけどな」

 

「じゃあ、それぞれ足元の記しがある所に立ってくれ」

3人が指示通りの場所に立ったのを確認した武昭は何らかの機械を作動させると3人から距離をとった。

 

「俺が声をかけるから、その通りに動いてくれ。合掌、一礼」

 

「「「合掌!!!一礼!!!」」」ピュン! ビチャッ!

 

「なっ!?つ、冷たい!!」

 

「何よこれっ!?」

 

「おいおい!コイツはどういう事だよ!武昭!!」

 

「ん?だからさっきも言ったろ?ここでは食義の基本姿勢を覚えてもらうって。

水鉄砲が反応してるのは皆が()()()()()()()()()()()()()()()()()

武昭が説明してる最中にも3人は水鉄砲を発射されていた。

 

 

しばらくして……

 

「ハハハッ、水も滴るって所だな3人とも」

 

「くそっ!こんなに濡れるなんて思わなかったぜ!!」

 

「リョウ君の言う通りよ!!」

 

「だから、着替えを持ってこいって言ってたのか!!」

3人は全身がびしょ濡れになりながら武昭に詰め寄っていた。

 

「濡れる位良いだろうに……俺が習った時はサボテンから針が飛んできて刺さりそうなったんだからな」

 

(((どんな修行なのっ!だよっ!!)))

 

「ハハハ、今日はこの位にして皆、風呂に入ってこいよ ちゃんと男女別れてるから。

その間に俺は夕飯を作ってるから」

皆は、それぞれの場所に向かった。

 

その後3人が上がると武昭が夕飯を作り終えていた。

 

「よしっ、皆上がったか それぞれ空いてる席に座ってくれ」

 

「いつも思うけど武昭君て本当に料理を作るのが早いわね……」

 

「普通、こんな短時間で出来る品数じゃないぜ……」

 

「まぁ……武昭だからな……」

 

「「それは、そうか……」」

リョウの言葉にアリスと竜胆が納得すると席に座って皆は食事を開始した。

 

 


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