武昭と共にグルメタウンに来た竜胆は、その規模に驚いていた。
「はぁ……確かに、こんな場所が普通にあるんだったら武昭の腕前にも納得だぜ……」
「ん?そうか? 俺なんかよりも師匠達の方が美味しい料理を作る事が出来るからな」
「武昭よりもって……ん?なぁ、あのホネナシサンマって……」
「その名の通り竜胆が知ってるサンマの骨が元々無い奴なんだ食べてみるか?」
「あぁ!こんな物見せられて食べない訳にはいかないだろ!!」
そう聞いた武昭は出店に買いに向かった。
「ほら、ホネナシサンマの炭火焼だ。頭から丸かじりで食べれるぞ いただきます」
「そうか、じゃあいただきます おぉ!私が今まで食べたサンマよりも脂の乗りがあって美味いぜ!」
「どうやら竜胆の口にあったみたいだな、けどこんなので喜んでたら驚き疲れるぞ」
「なぁ!次は何かご飯物を食べたいぜ!!」
「ご飯物か……だったら、違う物を食べる前に、そこのガリボックスでガリを食べた方が良いぞ?」
「ん?ガリボックスってなんだ?」
「味消し生姜で作ったガリでな、見ての通りここは料理店が多いから平等に味わってもらう為に設置されてるんだ」
「ふーん、そうなのか……おぉ!確かに口の中がさっぱりしたぜ!!」
「そうか、ならそこの定食屋に行くか」
竜胆は武昭に促されるまま近くの定食屋に入って行った。
「おいおい……武昭、これって普通の食材だよな?……」
「あぁ、こっちの世界でも向こうと同じ食材だってあるんだぜ ほら俺が前に作ったセンチュリースープが向こうの食材だぜ?」
「そう言えば、そうだったな……(ならこっちの料理を味わって覚えれば向こうでも再現出来る可能性があるって事か……)」
「さてと、次は……グルメデパートに行って俺の買い物をするか」
「あぁ、分かったぜ」
店を出た2人はグルメデパートに向かった。
グルメデパートに入った竜胆は品揃えの数に驚いていた。
「うわぁ……鍋だけでも凄い数あるぜ……ん?1,10,100……なっ!?」
「あぁ、栗坊鍋な。それは数千度の熱で煮込み続けても形が変わる事がないから、高級食材の調理に欠かせないんだ」
「そうなのか……こっちは包丁コーナーか……やっぱり包丁も高いな……」
「メルク包丁だな、研ぎ師メルクが作った包丁シリーズだ。
それでさっきの栗坊鍋は最高の鍋職人の1人栗坊が作った奴だ」
「はぁ……ん?なぁ、この保存データカードってなんだ?」
売り場内を見てた竜胆は多数のメモリーカードが目に付いた。
「そいつは、その食材に適した温度や保温、保冷で保存が出来る様になる食材のデータが入ってる物なんだ。
こいつは冷蔵庫用の奴で、それに対応する冷蔵庫に使うとデータの更新が出来るんだ」
「凄いな……こっちの世界での食に対する意識は……」
「そうだ、冷蔵庫と幾つかグルメケースを買って行くか。そうだ竜胆もいるか?」
「えっ?いや、私もそう聞いたら欲しいけどよ……結構な値段するぞ?」
竜胆が指差した先には定価9万円「テイクアウト1000」と値札が貼ってある物が棚にあった。
「ん?別にそれ位なら問題無いぞ?俺はいつもこれで支払いだし」
「それってクレジットカードか?金色だけど……」
「こいつはグルメクレジットって奴で限度額は1000億円までだったな」
「1000億……うん武昭といると私の中の何かが壊れてく感じがするぜ……」
竜胆はどこか悟った様な表情になっていた。
その後、武昭は新生活に必要な物、竜胆は新しい器具や珍しい食材を買って買い物を終えていた。
「ありがとうな!武昭!!こんなに買ってくれて!!」
「別にお礼を言われる事は無いよ、俺の買い物を付き合ってくれたんだからな……」
「あっ、武昭君……久し振り……」
声の人を確認するとミントグリーンの髪にピンク色のバンダナをした女性が立っていた。
「ののさん!お久し振りです」
「うん……そうだね……そうだ、久し振りに会ったから店に寄って行く?今なら
「えっ!?本当ですか!けど……竜胆が……」
「武昭が行きたいなら私は構わないぜ」
「じゃあ行きます、そうだ竜胆も良いですか?」
「うん……良いよ……先生も、そんなにうるさく言わないから……」
返事を聞いた武昭と竜胆はののと一緒に店に向かった。
グルメクレジット ゴールドカード
トリコの無制限のブラックとは違い限度額がある。