本来の世界に帰ってきた料理人   作:北方守護

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第25話 裸エプロン先輩

武昭と竜胆がグルメ世界から戻ってきた数日後……

 

「ふぅ、一旦作業はここまでにして何か軽く食べるか」

武昭は自身の敷地内に合った空き地を耕していた。

 

武昭が用意した物はカフェアリのコーヒーとクッキーアルパカのクッキーだった。

 

「向こうに行った時にウール火山の灰を持ってきたから、これを土に混ぜれば大体の食材は育つけど……

何にするかな……」

 

「おや?君が、ここの家の住人かな?」

武昭が何を育てるか考えてると薄い茶髪の癖っ毛の男子生徒が庭に入ってきた。

 

「ん?あぁ、学園長からこの場所を紹介されてな……悪いけど、あんたは……」

 

「あぁ、自己紹介がまだだったね僕の名前は中等部2年一色慧って言うんだ、よろしく」

 

「あっ、すんません先輩でしたか、俺は紫水武昭って言います、中等部1年に編入してきました」

 

「そうか、君がそうだったんだ そうそう僕の方が先輩だけど敬語は使わなくて良いから」

 

「そうですか、じゃあ一色さんて呼ばせてもらうんで俺も武昭って呼んでください」

 

「分かったよ なら武昭君で……それで聞きたいんだけど、ここを耕したのは武昭君だけなのかい?」

 

「えぇ、俺しかいませんから……どうかしました?」

 

「いや、1人でやった割には凄く広くやったなって思ったんだ」

一色は武昭が耕した空き地の広さに感心していた。

 

「え?別にこれ位なら1人で出来ませんか?」

 

「まぁ僕も畑を耕した事があるから分かるけど……1人でこれだけをやるとなるとね……」

 

「おーい武昭ー、竜胆様が来てやったぞーって、誰だ?」

武昭と一色が話してると竜胆が来た。

 

その後……

 

「そうですか、以前に武昭君と知り合ってからの付き合いなんですね……」

 

「あぁ、前に私が食材を探しに行った先で会ってな」

一色と竜胆は普通に話していた。

 

「それで竜胆はなんで俺の所に来たんだ?」

 

「あぁ、そうそう 実は武昭に私のフィールドワークに手伝ってほしくてな」

 

「俺は構わないぞ、それでどこに行くんだ?」

 

「アメリカ大陸のカナダだよ」

 

「カナダか、それでいつから行くんだ?」

 

「3日後には出れる様にしたいな」

 

「3日後か、じゃあ用意をしたら俺の家に来てくれ」

 

「あぁ、分かったぜ、じゃあなー」

竜胆が去ると一色も帰って行った。

 


言われた日になって竜胆と武昭はカナダにいた。

 

「それで竜胆、なんでカナダに来たんだ?」

 

「あぁ、前に知り合った人から連絡が来てさ、珍しい魚が見つかったから見に来てくれって言われたんだ」

 

「珍しい魚って……もしかしてG案件の可能性があるって事か?」

武昭の言葉に竜胆は黙ってうなづいた。

 

その後、2人は竜胆の知り合いから情報を聞いて捕獲された場所に向かっていた。

 

「竜胆、そこに」

 

「そうだな……おっ、これだな」

竜胆は武昭が運転する車の助手席でタブレット内の情報を見ていた。

 

揚羽蝶鮫(あげはちょうざめ) 魚類 捕獲レベル17】

・体にアゲハ蝶の模様があるチョウザメ。

・性格は凶暴で自分よりも大きな獲物でも食う事がある。

・体長は平均5~6mだが、ごく稀に10m級の獲物が取れる場合がある。

・生息場所としては海ならばどこにでもいる。

・尚これの亜種として、黒揚羽蝶鮫や紋白蝶鮫などがいる。

 

「なぁ武昭、これがいるって事は……」

 

「竜胆の考えてる通りだな、海中でグルメ世界と繋がったんだろうな、よし、ここだ」

目的地に到着したので武昭が車を駐車すると降りて場所を確認した。

 

そこは海沿いで砂浜がある場所だった。

 

 

 

 

 

 


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