本来の世界に帰ってきた料理人   作:北方守護

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第2話 初捕獲

武昭が女性を保護してから時間が過ぎて夕方になったので夕食を作っていた。

 

「ん?……何かいい匂いがするな……」

 

「おっ、目を覚ましたか。体は大丈夫か?」

武昭は女性が気がついた事に気付くと作っていた料理を渡した。

 

「ほら、まずは軽く腹に何か入れるんだ」

 

「あ、あぁ悪いな……うーん、凄い良い匂いがするなぁ……ん!?」

女性は武昭が作った料理を一口食べて動きが止まっていた。

 

「どうした?もしかして口に合わなかったか?それとも体が痛いのか?」

 

「いや違うんだ!こんなに旨いスープなんて初めて飲んだんだ!!

なんで、こんな場所でこれだけの物が作れたんだ!?」

 

「あぁ、昔からこういう場所で作る事は慣れてるからな。それに食材ならそれなりに持ってたし

それでアンタに聞きたいんだから一体何があったんだ?会った時は何かから逃げてるみたいだったけど……」

 

「あっ!そうだ!おいっ!急いでここから逃げるんだ!!()()()が来ちまうぞ!!」

女性は何かを思い出すと慌てていた。

 

「まぁ待て、行動しようにも状況が分からないと動きようが無いから詳しく聞かせてくれ。

そういや自己紹介が遅れたけど俺は紫水武昭って言うんだけど」

 

「あ、あぁ……私は遠月学園て所に通ってる小林竜胆って言うんだ……」

竜胆は自分に起きた事を話し出した。

 

彼女は料理人でありながら自分でも色んな場所に行き食材を探していた。

そんな中、アマゾンの森林奥深くに今まで見た事が無い植物や動物が生息していると……

竜胆はその話を聞いて探索に向かおうとしたが案内をしてくれる人はおらず行くならば1人で行ってくれとの事だった。

 

「なるほど……それで探索してる時に何があったんだ?」

 

「……見たのは一匹のワニだったんだ……けど、私が今まで見た事も無い様なデカさだったんだ……」

竜胆はその時の事を思い出して震えていた。

 

「見た事が無いデカさのワニか……(まさかとは思うが……)」

 

グワァー!

武昭が何かを考えていると大きな獣の遠吠えが聞こえ木々を倒す音が近づいて来た。

 

「あ、あいつだ!あいつがコッチに来てるんだ!!」

 

「小林さん……安心しな何が来ても俺が相手してやるから」

 

「あ……(なんだ、この感じ……感じてた恐怖が薄らいで行く様な……)」

武昭に頭を撫でられた竜胆は落ち着いて来て震えが止まっていた。

 

「けど……あのデカさに紫水1人じゃ……」

 

「多分だけど、小林さんが見たデカいワニに心当たりがあってな……やっぱりか」

2人が話してると森の中から木々を倒してる存在が姿を見せた。

 

「やっぱり、ガララワニだったか……」

 

「なっ!?ガララワニって……おい!紫水はアイツの事を知ってんのかよ!!」

 

「アイツはガララワニって生物で通常で150年は生きるって言われてるんですよ」

 

「なっ!?150年ってなんで、そんな生物が今まで見つかってなかったんだ!?

それに、どうして紫水は、そんな事を……」

 

「その話は後にしてください、まずはアイツをどうにかしないと」

武昭は構えるとガララワニの前に立った。

 

「何する気なんだよ紫水?……逃げないと……」

 

「このままアイツを放置してたらここの動植物がなくなりますよ……

それに()()()()()が相手をしてるなら弟子の俺も相手をしないと」

 

「バカッ!そんな事を言ってる場合じゃないだろっ!!」

 

「バカかもしれないけど、俺がやりたいんだよ()()

ギャリン!ギャリン

 

「い、今の音は?……(武昭は手を擦っただけなのに、なんで金属音が……)」

 

「この世の全ての食材に感謝を込めて……いただきます!」

 

グワァァ!!

武昭が自身のルーティンを行うとガララワニが向かって来た。

 

「へっ、お前の倒し方はトリコ師匠から聞いてるんだよ!フォーク!!

 

「嘘だろ!?あれだけの大きさのワニだったら鱗の硬さもそれなりに硬い筈だ……」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……

けど、お前はコッチにいちゃ駄目なんだよ……ナイフ!!

武昭が左手の手刀でガララワニの首を斬り落とした事を見ていた竜胆は驚きから声が出なかった。

 

「ごちそうさまでした……さてと、竜胆、アンタ腹は空いてるか?」

 

「あ、あぁ……さっきのスープを飲んだら何か食べたくなってきた……」

 

「だったら少し待ってろ、コイツを料理してやるから……」

武昭は竜胆が呆気にとられてる中ガララワニの調理を開始した。

 

しばらくして……

 

「完成だ、ガララワニの丸焼きに唐揚げ、それに俺が持ってた野菜で酢豚ならぬ酢ワニって所だな」

 

「うわぁ……なぁ紫水って「悪いけど俺の事は武昭って呼んでくれないか?」あ、あぁわかったぜ武昭」

 

「じゃあ冷めない内に食べるか!この世の全ての食材に感謝を込めていただきます」

 

「い、いただきます……うわぁ……なんだよ!これ!?私もワニ肉を何回か食べた事があるけど今までの物とは全然違う!!」

 

「そりゃそうだ、ガララワニの肉は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「そうなのか……ん?ちょっと待った武昭……なんか話を聞いてたら武昭ってココとは違う世界にいた事があるみたいに聞こえるんだけど……」

 

「うーん、まぁ別に話しても構わないかな?竜胆が信じるかどうかは分からないけど……

確かに俺は今のこの地球とは違う地球にいたんだ……」

武昭は竜胆に自分に何があったか話し竜胆は黙って聞いていた。

 

 

 




紫水武昭の追加設定。

武昭は元々ソーマの世界にいたのでトリコ世界でランキング100位以下でも遠月十傑の皆よりも料理は上手いです。

卒業生達が相手の場合は10回やって7~8回勝てるほどです。

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