本来の世界に帰ってきた料理人   作:北方守護

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第33話 常識外

武昭は潜る前にリョウに何か渡した。

 

「そうだ、リョウこのマスクと通信機を渡しておく」

 

「あぁ、悪いな……ってこのマスク中に葉っぱが一枚入ってるだけなんだけど……」

 

「そいつは酸素の樹に生えてる酸素の葉って奴でな僅かな光でも光合成をして酸素を作り出す事が出来るんだ」

 

「そうなのか……よしっ、これで準備は出来たけど……武昭はそのままで平気か?」

 

「ん?あぁ、俺はそれなりに()()()()()からな、ホラ行くぞ」

武昭とリョウは海中に入っていった。

 

海中で……

 

〔水中でこんなに綺麗に見えた事は初めてだぜ……ん?なんだ、この魚?鮪みたいだけどイカみたいな足があるし〕

 

〔あぁ、そいつはイカマグロって奴だ……ホラ、リョウ、あれがフグ鯨だ〕

 

〔んあっ!?なんだ!こんなに大きかったのか!?〕

リョウが武昭に言われて見た方には巨大な球形の体に細長いヒレを持った魚がいた。

 

〔なぁ、武昭……どうやってこんなデカいのを捕まえるんだ?〕

 

〔ん?よく見てみろよ、リョウ、こんなにデカい理由が分かるぞ〕

 

〔よく見てみろって……なっ!そうかあんなに小さい魚が集まってデカく見えてたのか〕

 

〔そうだぜ、俺が師匠達と来た時はこれよりも一回り大きかったけどな……そうだリョウ、一匹捕獲してみるか?〕

 

〔いや、やらせてくれるなら構わないけど……俺が捕獲するのは難しいって……〕

 

〔その理由を体で覚える為にもやってみろ……軽くアドバイスとして落ち着いて捕獲するんだ〕

 

〔落ち着いてか、分かった、じゃあ行ってくるぜ〕

リョウはフグ鯨の大群に近づいていった。

 

〔凄いな……じゃあコイツにするか……武昭は落ち着いてって言ってたけど……なっ!?色が変わった〕

 

〔リョウ、そいつはもうダメだ【毒化しちまったからな】〕

 

〔毒化って……身に毒が回ったって事か?〕

 

〔あぁ、そのフグ鯨は少しでも刺激を与えると体内の毒袋が破れて全身が毒化して食べれなくなるんだ〕

 

〔そうだったのか……確かに俺じゃ、まだ無理だな……〕

 

〔だから見せてやるよ、フグ鯨の捕獲法をな……〕

 

〔なんだ、この感じ?……目の前に武昭がいるのは見えてるけど……そこにいない様な……凄いぜ……〕

リョウは武昭の存在が消えた事に驚きと感心していた。

 

〔確かココさんは警戒心が薄い奴を狙っていたな……コイツだ……まずは一匹……次は……〕

 

〔凄えぜ……俺じゃ直ぐに毒化したのに武昭は普通にノッキングしてる……必ず俺の物にしてやる……〕

リョウは武昭の技術を見て決意を強くしていた。

 

その後…。

 

「フゥ!とりあえずはこれ位だな」

 

「おかえり、武昭、リョウ君……あれ?リョウ君は獲れなかったのかしら?」

 

「えぇ、あれは今の俺にはまだ無理っすよ……けどいつかは俺自身でフグ鯨を捕獲しますよ、お嬢……」

 

「ハハハ!そうだ頑張ればリョウも出来る様になるぜ、さてとそれよりもコイツを捌くか」

武昭はフグ鯨を網袋から出すと一匹をまな板の上に載せた。

 

「そうだ、どっちかやってみるか?」

 

「だったら私がやってみるわ、リョウ君はどう?」

 

「俺もやってみたいっすけど……武昭、何かあるんだろ?」

 

「あぁ、さっきリョウも海中で見ただろ?」

 

「そっか……お嬢、フグ鯨を捌くのは難しいっすよ。変に触ったら体内の毒袋が破れて食べれなくなるっす」

 

「えっ!?そうなのリョウ君!!武昭、それは本当!?」

 

「リョウの言う通りだ、フグ鯨は体内に毒袋を持っていてな、それは破れやすく少し失敗しても食べれなくなるんだ」

 

「そうだったの……じゃあ、その毒袋を破らない様に捌けば良いだけね」

 

「アリスの言う通りだ……あぁ、そうだ言ってなかったけど毒化したフグ鯨は0円だけど、今のその状態なら末端価格で【1億円】はするから」

武昭の言った言葉にアリスはフグ鯨を捌く手を止めた。

 

「え?……えっと……武昭……それって……本当?」

 

「ん?あぁ、因みに毒袋を完全に取り除いた場合は【3億円】に跳ね上がるぞ」

 

「1億円から3億円って……本当にコッチにいたら金銭感覚が狂ってくるぜ……」

リョウは話を聞いて冷や汗を流していた。




因みに〔〕の文は通信機での会話です。
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