案内人から情報を聞いた武昭はジャングル内を歩いていた。
「ゴールド人参が見つかったのは、この先みたいだけど……ん?コイツは……ベーコンの葉じゃねえか……」
武昭はベーコンの葉を見つけると一枚むしり取って食べてみた。
「うん、やっぱりベーコンの葉だ……けど、コレが出来るって事はここの土壌がそれだけ栄養豊富って事なのか……」
「ねぇねぇ!それって何なの!?初めて見たんだけど!!」
「なっ!?何でここにアリスがいるんだ!!」
武昭はアリスがいた事に驚いていた。
「悪いな武昭、お嬢を止められなかった…。まぁ、それで一緒に来た俺も悪いけど……」
「リョウも来てたのか……はぁ興味を持ったアリスを止めるのは一苦労だしな……」
「〔ムゥ〜〕だって武昭が隠し事をしてるから悪いのよ!それだから私が来たんだから!!」
「はぁ……着いて来たもんはしょうがないから俺の言う事は聞いてくれ……それなら一緒に来ても構わないぞ」
「いやよ!私は好きに進みたいんだから!!」
「お嬢、ここは武昭の言う事を聞いた方が良いっすよ……」
「全く……(ん?なんだ……この爬虫類系の匂いは……)なっ!?危ない!アリス!リョウ!!グワッ!」
武昭が何かを感じてアリス達の方を見ると何が飛んで来たので体で庇うとソレに噛まれていた。
「武昭?……どうしたの……って……コレって蛇?」
「お嬢、俺はこんな蛇見た事無いっすよ……」
2人が武昭の体を確認すると青銅色の体色の頭部が2つある蛇が数匹噛みついていた。
「触るなよ2人共……コイツはベノムワインダーって言って一匹にでも噛まれたら数時間で死に至る猛毒を持ってるんだ……」
「一匹にでもって……おい!武昭!お前何匹に噛まれてるんだよ!?」
「リョウ君!急いで蛇を離さないと!!」
「大丈夫だ2人共……俺は
武昭はポケットから数枚の葉っぱを取り出すと口に入れて噛み始めた。
「おい!そんな事してる暇があるなら……なんだ?この匂いは……」
「ミントみたいな匂いだけど……そんなに嫌な感じはしないわ……」
そんな事をしてるとベノムワインダーの動きが鈍くなり体から落ちた。
「変にコイツを逃すわけにはいかないな……これで良しっと……」
武昭はベノムワインダーにノッキングをすると持っていた
「アリスとリョウは噛まれてないか?」
「え、えぇ……私達は武昭が庇ってくれたから大丈夫よ……」
「おい……それよりも、どう言う事か俺達に話してくれるんだろうな?」
「わかったよ……こんな所見られちまったら話さない方が面倒になりそうだからな……
まずは、向こうに拓けた所があるから、そこで話すよ」
武昭は地図を確認しながら移動した。
それから夜になると……
「なるほど……武昭は違う世界にいた事があるのか……」ムシャムシャ
「けど、それを私に内緒にしてる事無いじゃない!!」グビグビ
「宗衛さんからはアリスに話すと直ぐに喋るからって言われてたんだ」ガツガツ
「確かに……お嬢ならありえますね……」
アリスとリョウは武昭から話を聞きながら夕食を食べていた。
「まぁ……もしもこんな事がバレても俺がいなくなれば良いだけだからな……」
「武昭……大丈夫よ、私は絶対に話さないわ……もしもそんな事があったら私の命を奪っても構わないわ」
「アリス……そんな事はしないよ、それに俺は2人なら黙ってくれると信じて、この話をしたんだからな」
「そうか……ありがとうな武昭……」
「私からもありがとうね信じてくれて」
「それに2人はまだ俺に勝ってないんだからいなくなられても困るだろうし」
「アァッ!?だったら今度の勝負で勝ってやらぁ!!」
「待ちなさいよリョウ君!私が先に武昭に勝つんだから!!」
2人はいつもの絡みをしていたが武昭は普通に食べていた。
「それにしても……武昭はなんでここに来たのかしら?」
「あぁ、宗衛さんからここら辺でG案件……グルメ時代関係の情報を教えてもらったんだ」
「だったら武昭がたまにいなくなってたのは、その案件があったからなんだな」
リョウの言葉に武昭は黙ってうなづいた。
オリジナル生物。
ベノムワインダー 爬虫類 捕獲レベル1~3(体の大きさによって変わる)。
青銅色の体色の頭部が2つあり噛まれると数分で死に至る程の強猛毒を持っている。
血液は上手く毒抜きをすると強力な精力剤になる。
人によっては酒に漬ける事もある。
皮はベルトや財布等の皮製品になり、それなりの高級品。
身は少し癖があるが美味しい。