武昭から事情を聞いたアリスとリョウは、これからの事に着いて話し合っていた。
「それで武昭……お前は、まだここに居るのか?」
「あぁ、宗衛さんから貰った書類には気になる事が書いてあったからな」
「気になる事って……何が書いてあったのかしら?」
「まだ書類を読んだだけで、この辺りを詳しく調べちゃいないけど多分
「なぁ、武昭……お前は、そいつが何か分かってるのか?」
「ここに来る前に案内人から聞いたんだが……7~8m程の大きさの黒い熊らしいんだ」
「7~8m程の大きさの熊って……ねぇリョウ君、普通の熊ってどれ位の大きさだったかしら?」
「俺も詳しくは知らないっすけど……確か最大でも3mで300kgじゃなかったか?」
「確かにリョウの言う通りだけど、それ位の大きさじゃ向こうなら子熊程だぞ」
「それだけの大きさが子熊程って……」
グギャーーー!!
「なっ!?何だ!今の鳴き声は!?」
「物凄く大きかったけど……待って、何か木が倒れる様な音もしてるんだけど……」
リョウとアリスが鳴き声に驚いているとジャングルの奥から何かが近づいていた。
「チッ、まさかとは思ったけど……
ガァーッ!!!
武昭が何か心当たりがある事に気付いていると木々を倒して7~8m程の大きさの熊が姿を見せた。
「おいおいおい……武昭、アイツがお前の言ってた奴で間違いないのか?」
「あぁ……俺の予想通りだ……リョウ、悪いがアリスを連れてここから離れろ」
「待ちなさいよ武昭!あなた、もしかして
「当然だろ? 今ここでアイツの……
武昭は上着を脱ぐと黒鉄熊の前に立った。
「それに……ここで逃げたら俺たちはアイツに食われるだけだ」
「武昭……もしかして私達を守る為に?……私達が勝手についてきたのに……」
「まぁ、それもあるけど、俺は美食家だからな……食材から背を背ける訳には行かないんだよ!!」
ハァーッ!
「なっ!?何だ!あの武昭の後ろに見えるのは!……幻か……?」
「う、ううんリョウ君……幻なんかじゃないわ……私にも見えてるもの……」
武昭が体に力を込めると背後に鎧を纏った4本腕のそれぞれに武器を持った骸骨の姿が現れリョウとアリスにも見えていた。
「へっ、こっちに戻ってきて久し振りに本気で戦えるぜ!」ギャリン!ギャリン!!
「この世の全ての食材に感謝を込めて……いただきます!」
グギャー!!
「おっと!テメェ如きに苦戦してたら師匠達に合わせる顔が無いんだよ!! アックス!」
黒鉄熊が向かってきたので武昭が右手を振るうと斧の幻影が見えて熊の右腕を切り落とした。
「悪いがこれ以上お前に構ってる暇は無いからな!鉈ぶるい!!」
腕を落としても熊が引かなかったので武昭が両手を合わせて上から振るうと鉈の幻影が見えて熊の首を切り落とした。
「ご馳走さまでした……」
「本当に……あんな奴を倒しやがった……」
「武昭……大丈夫なの?……」
「あぁ、コイツはもう始末したからな……それよりも早く処理しないと!リョウ!アリス!手伝ってくれ!!」
唖然としてた2人は武昭に声をかけられると行動を開始した。
黒鉄熊 哺乳獣類 捕獲レベル22
黒く硬い体毛を持っており、その硬さは鉄に近く生半可な物では傷一つつかない。
アイスヘルに生息する白銀グリズリーとは先祖が同じで温暖な地域に移動したものが黒鉄熊に進化した。
その毛皮は硬く軍隊などでは防弾繊維として使われている。
肉はクセがあるがそのクセが良いと言う人もいる。
ちなみに熊の手の料理はそれなりに高く取引される。