圧倒的平凡な生活を送っていた男子高校生が圧倒的理不尽な理由で女学園に転校して圧倒的非日常生活を送ることになったお話 作:超ちくわ
50話 圧倒的シリアス。幼き少年とアニメと親。
これは、俺がまだ5〜6歳頃のお話。
俺は当時ある意味大変な環境で育っていた。
生活は普通に安定していて、富裕層の類には入るくらい。
だけどあまり贅沢はしない。これは俺のお母さんが決めていることなのだ、金銭感覚を狂わせないために。
だが、今の俺とお母さんとおねーちゃんの家庭にはいない一人の男が最悪だったことは今も忘れていない。
長門「ママー、なにかお手洗いするー!」
母「長門大丈夫だよ?ママは平気だから。」
長門「えー!?だけどおねーちゃんもお手洗いしてるー!」
母「長門はいい子だね。それじゃあ、肩叩いてくれる?」
長門「うん!」
???「長門ぉー。お前母さんにばかりしてるじゃんかぁー。俺にもしてくれや。」
長門「あぁ!?うるせーよ!この社会にも使えないダメ親父!!」
元父「ピキッ 長門よぉ…お前生意気なんだよ。」
母「やめて!長門には手を出さないで!!」
元父「うるせぇよ!ちょっと仕置きしてやるだけだ。長門、来い。」
長門「ママ、僕は大丈夫。いつもやられてばかりだけど、我慢できるから。僕男の子だもん。痛いの平気だよ。」
母「長門…ごめんね…。いつも私の代わりに…。」
俺はお母さんを守るために身を呈して元父のところへ行った。
元父は会社の社員なのだが、稼ぎもいいところに務めていた。
もちろんこの時は辞めてはいなかったが、会社では猫かぶりしている男なのだ。
それと元父に何のお仕置きをされたのかというと、もちろん殴られたり蹴られたりしていた。何回流血したのだろうかというほどだった。
お母さんは児童相談所にも連絡したのだが、扱いも酷くて対応してくれなかった。そう、当時は元々住んでいた街が偏見だらけの街だったのだ。
ガチャッ
陸奥姉「長門、大丈夫…?」
長門「げほっ!!おえぇっ!おねーちゃん…へへっ…僕は大丈夫…だよ…。ママは…大丈夫…?」
陸奥姉「もう!お母さんは大丈夫だよ!だけど、長門も自分の体を大事にして!死んじゃうよ!」
長門「平気だもん…僕は…おねーちゃんと…ママを守るって…決めたんだから…。」
陸奥姉「長門、本当バカ…!死んじゃったら守るものが守れなくなるんだよ…!?」
長門「その時は…僕がお化けになって…そいつらを…呪うよ…。」
おねーちゃんはこの時10歳くらいかな。
この時の俺はおねーちゃんが泣き虫だったことも覚えてる。
お金持ちだからと言ってハブられていつも泣きついてくる。
だけどおねーちゃんは俺を見習ったのか、偏見するやつに対して辛口発言をするようになった。
発端は俺が嫌いなやつを発言だけでメンタルを潰したことからだと思う。おねーちゃんが強くなった理由がそれらしい。
母「長門…!またこんなに…!長門はもう私の身代わりにならないで!私が辛くなる!!」
長門「やだ!僕はママを守るって決めたもん!それだけは聞かない!ママがいなくなったらおねーちゃんが悲しくなるし、寂しくなるもん!」
母「私は長門がいなくなるのが寂しいの!陸奥を守れるのは長門しかいないんだから…!長門の優しい笑顔が見られなくなるのは嫌なの!」
長門「…ごめんなさい。僕、守ることしか考えてていなかった…。おねーちゃんにも同じこと言われたけど、そういうことだったんだ…。だけど大丈夫だよ!今度はやり返す!あんな奴はとっとと出ていかせてやる!」
数日後。
元父「なぁ、ちょっと金借りていいか?」
母「なんでさ…あなたは休日何しているの!?」
元父「ちょっとふらっと外出てる。」
陸奥姉「どーせパチンコでしょ?お母さんの財布や
元父「んなっ!?何を言ってんだ陸奥!俺はそんなことしてねーぞ!」
母「あなた、それは本当なの?」
元父「ぐっ…!」
陸奥姉「そうだよ?こっそり抜き取って自分の財布にしまい込んで出かけているんだもん。」
元父「お前は黙ってろ陸奥!」
バシッ!!!
陸奥姉「きゃあぁっ!」
母「陸奥!」
元父「おっと、手を出すなよ?金を出してくりゃ何もしねぇ。早く出せぇ!」
長門「おらあぁ!!」
ガンッ!!!!
元父「ぐぉあっ!」
長門「てめぇ!ママと!おねーちゃんに!手出すなあぁ!!」
俺はおねーちゃんが親父の人質にされているのを見て咄嗟にリビングのイスを持って後頭部を殴りつけた。
俺はこの時のことをあまり覚えていなくて、初めて殺意の顔をしていたとおねーちゃんは言っていた。
俺が親父に殴りつけていたのは缶切りだった。
あれでも一応本気でやれば気絶くらいまではいける。
ちなみに親父は気絶して病院に運ばれて、退院後即逮捕された。
陸奥姉「長門…!」
長門「はぁ…はぁ…!コイツ…!!」
母「やめて長門!!」
長門「!!」
母「もういい…!これ以上やめて…!長門の今の顔…見たくない…!」
長門「だ、だけどママ…コイツはママを…!」
母「陸奥…長門を別室に連れて行かせてちょうだい…。」
陸奥姉「う、うん…。」
この時の俺はお母さん嫌われたのかと思い込んでしまって、あまり食事もとらなかった。おねーちゃんは俺とお母さんを気遣ってくれていた。
おねーちゃんはすごく真面目で優しい人だからか、よく人に可愛がられていたが、その反面俺は親父の件で遠ざけられていた。
だが、俺を唯一救いになったのが俺のお母さんが務めている会社で、お母さんが好きなアニメや新しいアニメだ。
長門「……ねぇママ。」
母「どうしたの?」
長門「なんで僕はママとおねーちゃんを助けただけなのにあんな酷いこと言われるの?」
母「気にしないで。アレは偏見って言って、ママの務めている会社も散々マスコミに叩かれていたから。悪い情報を流して印象を悪くさせているのよ。」
長門「僕、偏見する人大っ嫌い。」
母「長門、忘れていたけどこれプレゼント。」
長門「わあー!ママいいの!?」
母「いいんだよ?長門の誕生日じゃない♪」
長門「ママありがとう!これすっごく大事にする!」
俺がお母さんからもらったプレゼントは欲しかったフィギュア。
小学校に入っていない年齢でF○teのフィギュアはまず凄いと思う。
しかもちゃんと見て内容も何となく分かっていて、すごく欲しいって思っていたものでもあるのだ。
しかも、FGO☆1の中でも☆5並に最強と言われる程の小次郎さんだ。
ちなみに未だに未開封なため、超プレミアがついてしまった。
まず売るわけがない。
長門「ママ、本当にいいの?」
母「いいのいいの♪ほら長門はゆっくりしてて♪」
長門「お手伝いする!」
母「頑張り屋さんね♪いいよ、それじゃあこのお皿とお箸をテーブルに置いてね♪」
長門「はーい!」
中学に入るまではすごく平和的に過ごすことができた。
俺が成長するに連れて、どんどん場が激しくなって挙句の果てには無名の暴力団まで来てしまうことは過去の俺は知らなかった。
いや、予想すら不可能だった。
ちなみに大乱闘になったのは小6に上がってお母さんと出かけていた頃のお話。おねーちゃんは部活で遅く帰ってくるからいない。
長門「ねぇママ。」
母「何?」
長門「なんで俺って男なのに女の格好してるの?」
母「あ〜…それ?確か長門がなりたいって2年生の時に言ってなかった?」
長門「そうだっけ?とりあえず中学生に入るからさ、男の格好にしてもいいんじゃ…。」
母「そうなんだけどねぇ…。ほら、長門ってクラスの女の子をよく連れてくるじゃん?聞いたところね、男の子なのは分かっているけれどすごく話しやすくて関わりやすいって言ってたの。」
長門「そういうことね。まぁとりあえず無理に変えずに女の子の格好でいっか。」
母「そうだよ!それとお化粧も覚えておきなさい?4〜5歳くらいに陸奥や私の友達にされていたでしょ?一応お化粧覚えておくと後先楽になるよ?」
長門「うーん、考えておく。」
チンピラ1「お?いい女じゃねぇか。ちょっと付き合ってよ。」
母「なんですか?あなた達。」
チンピラ2「知らねぇのか?水橋組だぜ?」
母「水橋組?聞いた事ないわ。」
長門「あー…指定にも入っていないけれど最近浮上してきたあれか。正義のある山○組とは全く違う違法行為、犯罪を酷く繰り返している最低な奴らだ。」
チンピラ3「なんだこのガキ?可愛いクセして生意気じゃねぇか?」
長門「ちょっとコイツら殺すわ。」
お母さんはもちろん助けを求めた。
俺のお母さんすっごい若いから、ナンパされる悩みを聞くのもすごく分かる気がする。
もちろん俺もナンパされる。始末するけど。
ちなみにこのチンピラ共を始末したことにより自体は大きく動き出してしまうこととなる。
シリアス編を書くって難しいね!
ほぼ深夜テンションだからやべーでございます!
しかも長門の過去を書くにしてはだいぶ重いというか、事の発端がでかすぎねーか!?
今気づいたぜ!