巻きつの   作:エゥエゥ

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 話数が重なると、物語っぽくなってくる。
原作キャラの口調がわからん・・・


ミアハ・ファミリア

 

 この日は雪が降っていました。それは昨日も、その昨日もです。

 

 「今日は、昨日とは違い人通りが少ないな・・・うむ、それも仕方あるまい。オラリオでは物珍しい雪とて、三日も続けばあきるのも当然か」

 

 そう言って踵を返して先ほどまで歩いた道を戻る影が一つ。彼の名前はミアハ。【青の薬舗】という回復薬中心の道具屋を本拠(ホーム)にする、【ミアハ・ファミリア】の主神です。

 

 通常、オラリオの位置する大陸は四季の影響が薄く、雪が積もることはおろか雪が降ることすら極めて稀なのですが、どういう訳か今年は雪が降り積もったのです。

 最初はオラリオに生まれながら住む住人も雪を知る住人からその扱い方を聞き、雪を十分に堪能したのですが、二日目には飽きてしまいました。

 三日目には冒険者も出かけなくなりました。なぜなら膝が埋まるくらいにまで降り積もった雪は歩くのでさえ一苦労です。もちろん道に降り積もった雪は道の端によせられますが、今度は凍結した地面が牙を剥きました。

 

 そんなこともあってか今日は冒険者をさほど見かけません。ミアハはよく知人の冒険者に【ポーション】をタダ同然で配っては眷属のナァーザに怒られていますが、今日は冒険者をあまり見かけていないため、ポーションをそれほど配っていません。手持ちのポーションを見て、"今日はあまり怒られそうにないなと"ミアハは思いました。

 

 ♢

 

 ミアハが本拠に向かってしばらく歩いていると、遠目に道の端に集まる子供たちの姿を見つけました。その子供たちは明るい茶髪の少女と人間(ヒューマン)の男の子を中心に渦を巻くように集まっています。

 

 ミアハは最初、微笑ましいものを見ている気分でしたが、男の子の手首に布が巻かれ、その布が赤く染まっているのが見えた瞬間、駆け出しました。

 

 走るミアハを見つけた子供が叫びます。

 

 「ミアハ様だ! ミアハ様がきたよ!」

 

 続くように他の子供たちが嬉しさのあまり声をあげました。

 

 「ミアハのお兄さん!」

 「早い! やっぱりミアハ様さまは凄いや!」

 「これだ安心! 大丈夫!」

 「これで勝つる!」

 

 嬉しさのあまりに言葉遣いがおかしくなっている子もいますが、皆が皆、ミアハの登場に喜んでいます。ミアハはすぐさまポーションを取り出し、布の上からポーションを振りかけます。そしてポーションを子供に渡しながら一番近くの獣人の少女に聞きます。

 

 少女は丁寧に答えます。男の子が転んだ際に雪の中に埋まっていたガラス片で手首を深々と切ってしまったことを、そしてたまたま近くにいた自分が応急手当をして、子供たちに男の子の家族とミアハ様を呼びに行かせたことをミアハに教えました。

 

 「そうか、そうか。……こら、男の子が滅多に泣くものではないぞ」

 

 ミアハは深く頷き、安堵しました。そして泣いている男の子を優しく咎めるようにあやします。それからもう一度だけ安堵しました。少女の応急処置がなければ大事に至っていたかもしれないからです。

 

 ♢

 

 少女とミアハは自己紹介をしながら一緒に歩いていました。子供たちとは男の子の母親が現れた時点で別れたのです。

 

 「なんと、そなたは男だったのか。その愛らしい容姿のせいで勘違いをしてしまったよ」

 「かまいません。実際かなり間違われますから」

 

 少女のような容姿の少年、もといエイリルは何でもないかのように返事をします。

 

 「そうか、それでエイリルよ。私はそなたにお礼がしたい」

 

 ミアハは立ち止まってエイリルの手を両手で包み込んで聞きました。

 エイリルは何故ミアハがお礼をするのか、あまりにも筋違いで分からず、おもわず聞いてしまいました。するとミアハは、

 

 「もしそなたが、あの時あの場所にいなかったら、私は間に合わずあの子は死んでいたかもしれない。この周辺の子供達はみな知り合い、知己にあたる。そなたは私の知人の命の恩人なのだ」

 

 だからお礼がしたい。

 

 そういうミアハ様の顔は真剣で思わず見惚れてしまうほど美しくて、言葉の内容を半分も理解する前にエイリルは了承してしまいました。

 

 「よく分かりませんが分かりました。いいですよお礼、ただしこちらが内容を決めてもいいですか? 大丈夫。叶えられない様な事はいいませんから」

 

 了承してから、エイリルはとっさに言葉を継ぎ足します。

 

 「うむ、大したことはできないが、そなたの期待に全力で答えてみせよう」

 

 エイリルはミアハの手を振りほどいて、一歩後ろに下がりました。それから少し深呼吸してから、右手を胸に置いてゆっくりとそれでいて確かな声で言いました。

 

 「では、――私をあなたのファミリアに入れて下さい」

 

 "それは……"そこまで言ってミアハは言葉を詰まらせました。ミアハのファミリアは現在、冒険者が新しく加入するには厳しい状況なのです。いえ、冒険者が入りたがらない巨大な問題が一つあるのです。

 

 「ダメですよ……」

 

 言葉を詰まらせるミアハを助けるように若い犬人(シアンスロープ)の女性が間に割って入ってきました。

 

 「ナァーザ、どうしてここに……」

 

 ミアハは間に入ってきた人物、【ミアハ・ファミリア】の団長ナァーザ・エリスイスに驚き、つい聞いてしまいました。

 

 「どうしてもなにも……ここは店の前じゃないですか」

 

 ナァーザは話を続けます。ミアハ・ファミリアは大きな問題、膨大な借金を抱えていることをエイリルに話しました。ミアハが言葉を詰まらせた訳はこれです。新しい子供の入団は多くの神々にとって嬉しい事です。それは当然、ミアハも同じです。しかし現在の【ミアハ・ファミリア】には膨大な借金があります。そんなファミリアに入って喜ぶ人間はいません。

 

 「つまり、こんな借金まみれのファミリアに入るより……もっと大きな……それこそ【ロキ・ファミリア】とかにいったほうがいいってこと。……それでもいいの?」

 「かまいません。借金も上等です。もう決めましたから」

 「……話を聞いてた? 借金は百万や千万ヴァリスじゃないのよ」

 「そうだ。正直、入らないほうが後悔しないと私も思うが……」

 

 ミアハとナァーザは必死に説得を試みますが、エイリルは説得されません。逆に二人を説得しようとしました。

 エイリルは心に決めた事をやり通そうとします。決して折れず、曲がらず、捻じれません。そんなエイリルは二人こういいました。"私、頑固なんで"

 そう言ったようにエイリルは二人より諦めが悪かったのです。

 

 

 三日間降り続いた、物珍しく迷惑な雪が止んだこの日。【ミアハ・ファミリア】に一人、見た目の可愛らしい小さな巻きつのの少年が加わりました。

 




 次はダンジョンいけそう。
 恩恵は飛ばしてよさそう。二次創作だしね
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