私はリファナ。ルロロナ村の生き残り。
すべてはあの波の日に始まった。
空が赤く染まり、魔物たちが湧きだした。
たくさんの人が殺され、私たちは逃げ惑った。
それでも、私は生き残った。
村は半壊したが、生き残った人は多かった。
親友のラフタリアちゃんが、村を復興しようと、みんなを励ました。
それで、皆やる気になったというのに。
兵士たちが現れ、私たちを蹂躙した。
大人たちは殺され、女子供が奴隷として売られた。
私もその中の一人。
私が売られた先は、大きなお屋敷の、地下牢の中。
そこで私は、鞭で打たれた。
訳が分からなかった。
私を鞭打つ男は、私が泣き叫ぶと、興奮して、一層私をいたぶった。
私は、病を患った。
私は、絶望しかけた。
そこへ現れたのが、ラフタリアちゃん。
彼女も売られてきたのだ。
彼女は責めに抗い、私を励ました。
でも、私はダメ。
私は泣き叫び、男を喜ばせた。
痛みと絶望と病が、私を苛んだ。
私は、現実と悪夢の狭間で、高熱にうなされた。
そのうちに、ラフタリアちゃんがいなくなった。
私の唯一の希望。
それがなくなった。
私は死ぬんだと思った。
意識は途切れかけ、夢のように、平和な村の日々を思い出した。
そんな時。
私は売られた。
死にかけの私を買い取ったのは、太った怪しい人。
私は、檻に入れられた。
薬を飲まされ、食べ物を与えられた。
それでも、私は回復しなかった。
悪夢の中で、死を隣り合わせに感じていた。
そんなわずかな意識も、私から離れていった。
私は、再び目を覚ました。
まだ、生きている。
それが正直な気持ち。
なんだか、怖い目をした男の人が、私を抱えている。
薬を飲ませてもらったらしい。
横で、女の人が、私の名前を呼んでいる。
知らない人。
いや、知っている。
この暖かい感じは、私の親友。
「ラフタリアちゃん!?」
彼女は私を抱きしめる。
生きていて良かったと、泣きながら抱きしめる。
私も、涙を流した。
そんな私に、ラフタリアちゃんは、いたずらっぽく言う。
「この人、誰だと思う?」
さっきの、怖い人。
「盾の勇者、ナオフミ様だよ。」
盾の勇者。
私の憧れだった、物語の中の人。
本当にいたんだ。
でも彼は、私から目をそらす。
お礼を言っても、取り合ってくれない。
なんだか太った人が、私を見つけてくれたという。
でも私は、貴方に見つけてほしかった、盾の勇者様。
そうして、お嫁さんにしてもらうの。
幼い頃からの、私の、夢。
私は、貴方のお役に立ちたい。
私は、リユート村というところの、宿屋に預けられた。
なおふみ様たちは、行商に出るらしい。
私の薬代を稼ぐために。
イグドラシル薬剤。
それがそのお薬の名前。
それまで、私はお留守番。
私は、立つ事が出来ない。
腰のあたりが、自分のものじゃないように、力が入らない。
宿屋のおかみさんが、私の面倒を見てくれる。
食事の世話から、下の世話まで。
はっきり言って、恥ずかしい。
早く、自分で動けるようになりたい。
私は、動く手足に力を籠め、何度も何度も動かした。
他の所も動くようになるように、願いを込めて。
でも、私の願いは届かなかった。
なおふみ様。
私は、貴方のお役に立ちたい。
なおふみ様一行が戻ってきた。
イグドラシル薬剤を持って。
早速、なおふみ様が飲ませてくれる。
憧れの、盾の勇者様。
体が熱くなった。
これは私の気持ち?
いや、薬の効き目。
私は立った。
そして、歩いた。
うれしい。
これで、なおふみ様と旅に行ける。
あなたの役に、少しでも立てる。
そうなるように、私は頑張る。
偉大なる、盾の勇者様。
なんか、いいタイトルを思いつけませんでした。