愛と平和のために戦う   作:myo-n

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戦「全く…せっかくエボルト倒したのに竜巻には巻き込まれるわ目覚めた所はテロリストに襲撃されてるわでまるでいい事がない!」
葛「何を今更、君はいつも事件やトラブルの渦中にいるじゃないか」
戦「原因はお前だけどな」
葛「その言葉そのまま君に返すよ」
戦「くそっ、言い返せない…」
ゴ「む…ここはどこかね!?」
戦「貴方は!えーと確か…ゴルド13さん!」
ゴ「誰だねそれは!?私はゴルドルフ・ムジークだ!」
葛「やれやれ、収集が収まらなくなってきたな…。さて、どうなる第2話」
戦「ちょっ、それ俺の台詞!」


邂逅

時は少し前に遡る。

 

【戦兎side】

 

─────!!

 

「うぅ…警報音?」

 

けたたましく鳴る警報音が嫌でも聞こえてくる。

仕方がないので目を覚ますとそこには知らない天井が。

 

いやいや、そんな悠長な事を思ってる場合じゃないでしょ。

 

まずここは何処だ?

ぱっと見てここは屋内みたいだが…至る所に傷ができてたり壁や床が黒焦げたりしている。

 

見知らぬ場所、誰もいない状況、そして何よりこの異常な状態。

本当にここは新世界なのか?

 

〈新世界かどうかは分からないが、この場所が何者かに襲撃されているのは間違いないね〉

 

「あぁ、恐らくそうだろう」

 

脳内で語りかけてくる声。

こいつは葛城 巧、記憶を消される前の俺で悪魔の科学者と呼ばれていた。

 

〈ここが新世界であるにせよないにせよ、取り敢えず人から話を聞いた方が良いんじゃないかな?〉

 

「あぁ、それは一理ある。だけどこの異常な状態で人がいるのか?」

 

こんな状況で散歩なんてするのはどこぞの筋肉バカくらいだろう。

恐らくここにいただろう人達は全員逃げたはず。

 

〈だからだよ。君はこの場所について何も知らない。それにここでじっとしていても何も始まらないだろう?〉

 

「それもそうだな」

 

「よし、ちゃちゃっと人を見つけて、新世界観光といきますか!」

 

〈全く…もっと真面目に───っ!誰か来る!〉

 

周りを確認すると、後ろの方から黒い何かが迫ってきていた。

勘だけど、あの黒い何かから嫌な予感がする。

 

急いで隠れる場所を探す。

ちょうど少し前方に扉があった。

 

〈あそこへ逃げるんだ!〉

 

走って部屋に飛び込む。

 

普通の部屋なのに扉は自動ドアか、結構金かけてるな…

って呑気に考えてる場合じゃないか。

 

ベッドがあったのでベッド下の間に滑り込む。

そして息を押し殺してその場で待つ。

 

少しして、部屋の扉が開く。

恐らくさっきの黒い奴だろう。

 

「………」

 

沈黙したままなのが怖い。

せっかくなのでバレない程度に観察してみる。

上半身は分からないけど下半身は全部黒、しかも手に鎌みたいな刃物をつけてる。

何これどこのホラー映画だよ。

 

その状態でいたら、しばらくして黒い奴は部屋から出て行った。

そこから少し時間を置いて、ゆっくりとベッド下から出る。

 

「ふぅ…隠れて正解だったな」

 

一見静かだったかのように見えたが、奴は敵意を剥き出しにしていた。

それに鎌には血のような赤い物がべっとりと付いていた。

 

「一体何がどうなっているんだ…」

 

〈分からない。だけど今は出口を探した方がいい〉

 

「あぁ、分かってる」

 

部屋から出る。

そして直感に身を委ねて道を適当に走る。

この場所の内部構造が全く分からない以上、手探りで動くしかない。

できればこの場所に詳しい人の案内が欲しい所だが状況が状況だ。

 

しばらく走った所で、葛城が止まれと言ったので歩みを止める。

 

〈走り回るのはいいけど、いざという時の為に最低限の武装はしておいた方がいい〉

 

こういう状況だから。と葛城は付け加えて言った。

 

確かに…とっさの時に武器が無いと絶対に負けてしまう。

かといって、変身したままで動いたら敵意のない人達を怯えさせてしまう可能性がある。

 

ここが新世界なら、俺の事を知らないって可能性もあるしな。

 

「それなら…これが妥当か」

 

ビルドフォンの拡張収納空間からドリルクラッシャーを取り出す。

剣と銃の2つのモードがあるが、牽制用なら銃モードの方で十分だろう。

 

〈銃にするならホークガトリンガーにした方が良かったんじゃないか?〉

 

「ホークガトリンガーの必殺技は生身で扱うのが難しいんだよ」

 

ホークガトリンガーは銃身が回転する武器で回転させる程威力が上がる銃だ。

だが威力が増すということはそれだけ体への反動が強くなるということ。

通常攻撃が効かない相手とかだった場合、武器を切り替えている間にやられる…なんてことになりかねない。

 

〈それもそうか…〉

 

「納得したか?じゃあ行くぞ」

 

警報が鳴り響いている中を走り出す。

だがどこを行っても人に遭遇しない。

もしかしてこの場所は相当広いんじゃないのか?

 

疑問に思っても仕方がないのでひたすらに走る。

ビルドフォンをバイクにして走った方が速いんだろうけど、こんな通路で乗り回したら出会い頭に轢いてしまう可能性がある。

 

そして、小一時間走り回っているとパイプを持った男性がこの場所の従業員と思われる女性に案内をしている所を遠目から見かけた。

 

「おーい!ちょっと待ってくれ!」

 

急いで走る。

警戒させないように一応武器は仕舞っておく。

幸いにも周りに敵はいないようだ。

男性は待ってくれているのか、その場から動かなかった。

 

「君は何者かな?」

 

男性はニコッと微笑んだ。

だが俺と葛城はその微笑みに隠された警戒心を感じ取った。

 

〈戦兎、恐らく彼は只者じゃない。気をつけて〉

 

あぁ、分かってる。

 

「俺は桐生戦兎。貴方は?」

 

なんて事無い普通の返答と質問。

だけど彼は違和感を感じたのか少しの間沈黙を作る。

 

「……すまない、考え事をしていた。Mr桐生、残念ながら私が何者かは教える事は出来ない」

 

「そうですか…」

 

名前を知られたらマズイ事情でもあるのか?

仕方がないから深く追求はしないでおこう。

 

「あぁ、心配しないでくれたまえ。私は君の敵では無い、その逆もまた然りだ。私の事は、そうだな…探偵さんとでも呼ぶといい」

 

よし、敵対されないですみそうだ。

どうやら話の通じる人らしい。

自称探偵って言ってる所がちょっと怪しいけど気にしてる状況じゃない。

 

〈君だって自称天才物理学者じゃないのか?〉

 

俺の場合は自称じゃなくて事実だからいいんだよ。

フルボトルの浄化装置を作ったのも俺、強化アイテムを作ったのも俺、その他etcで色々やってるからやっぱてんっっさい物理学者だろ?

 

〈ビルドシステムの根本は僕が作ったんだけどね。それに僕のハザードトリガーも使ってたし〉

 

あーあー!何も聞こえないなー!

そろそろ会話を再開しないとなー!

 

〈これからの事に対して君が心配になってきたよ…〉

 

「…分かりました。探偵さんはこれから何処へ?」

 

「私は安全地帯へ向かう途中の人を手伝っている。君にも安全地帯の場所を教えよう、これを」

 

彼が懐から謎の端末を取り出して渡してくる。

恐らく安全地帯へのルートが記されている物だろう。

 

「ありがとうございます!」

 

「なに、私も今から戻る所だ。よければ護衛しよう」

 

護衛…?武器も持ってないのに?

もしかしてローブの裏側に武器でも仕込んでいるのか?

いや見た感じ頭脳派みたいだし索敵とか策略が得意なのか?

 

「色々不思議に思う点もあるだろう。しかし時間がない、安全地帯に到着したら説明しよう」

 

「分かりました。じゃあ行きましょう」

 

信用しつつも警戒は怠らない。

もし向かった先が敵の大群がいたとしたらマズイからな。

一応武器だけは取り出しておく。

 

「ほう、珍しい形の武器だね」

 

食いつくように見入る探偵。

ちょ、近い近い。

 

「それはどうも。もう行きましょう」

 

少し距離を取る。

いくらなんでもがっつき過ぎだ。

 

「あぁすまない。つい悪い癖が出てしまった。さぁ、行くとしよう」

 

そう言って探偵さんが動き出す。

それに従って俺も動き始めようとして───

 

『…ああ……、あああ、誰か、誰か…!!!』

『誰かいないのか!誰でもいい、誰か、誰か───!』

 

大音量で誰かの声がマイク越しに聞こえた。

それは、助けを求めている人の声だ。

 

「…探偵さん、この声の人の場所って分かりますか?」

 

「知っているとも」

 

「なら、教えてください」

 

「…知っての通りこの状況だ。それに安全地帯から目的地まで少し距離がある。結論を言うと、行くのは止める事を推奨する」

 

言い方からして安全地帯とは恐らく非常用の脱出口なんだろう。

そこから距離があると言ったのは恐らく脱出口はもうすぐ使えなくなる、または使ってしまうという意味を含んでいるはずだ。

 

「でも、それでも俺はいきます」

 

〈いくらなんでも無謀すぎる!もし放送している人物の所に向かったとして着いた時に死んでいたら戻る時間なんてないぞ!〉

 

確かにその可能性はあるかもしれない。

だけどな、葛城。

俺は愛と平和の為に戦って来たんだ。

どんなに絶望的な状況でも、誰かに助けを求める声があるなら助けに行く。

 

それが、正義のヒーローってやつだろ?

 

〈…分かった、好きにしたらいい〉

 

すまないな。

 

「端末を渡したまえ」

 

探偵さんに端末を渡す。

そして端末に位置情報の入力をして俺に返した。

 

「赤色のマーカーと青色のマーカーがあるだろう?赤は放送の人物、青は安全地帯の場所に設定しておいた」

 

「ありがとうございます!」

 

色々聞きたかった事があるけど、今は助けに行く事を優先しないと。

 

端末を見る。

…結構遠いな、ご丁寧に距離表示までされている。

まるでカーナビみたいだ。

 

さて、どう向かうか…

バイクは無理だし、変身したままの方がいいか?

でもそれだと助けに行った時に混乱を招きかねない。

 

〈ラビットボトルを使用すれば変身時よりは劣るけど速く走れるんじゃないか?〉

 

その手があったか!

フルボトルは振れば成分が高まって所持者の力を強化してくれる。

前に万丈がドラゴンボトルを振ってスマッシュを殴った時、攻撃力が上がった事があった。

 

つまり、ラビットボトルを振れば…

 

〈脚力が強化されるというわけさ〉

 

美味しいとこ取るなよ、全く。

よし、そうと決まれば実行あるのみ!

 

懐からラビットボトルを取り出して振る。

すると、足に力が集まってきた。

なるほど、これがフルボトル単体の効果か…

 

でもこれなら間に合うはずだ。

 

「じゃあ、ちょっと行ってきます」

 

足を踏み込むと共に走り出す。

 

おぉ!速いな!

30歩ほど走ったら、もう探偵さんが見えなくなった。

 

「絶対に間に合わせる!」

 

目的地に向かってひたすら走る。

放送はまだ続いているから大丈夫なはずだ。

 

そしてそのまま5分程走っていると、金髪で人っぽいのが遠目から見える。

恐らく、あれが目的人物。

まだ生きていた事は素直に嬉しい。

だけど状況はあまり芳しくはなさそうだ。

 

〈目的人物を囲むように先程の黒い奴らがいる!どうする?〉

 

「どうするも何も、やる事は一つだろ!」

 

目的人物に今まさにトドメを刺そうとしている黒い奴ら。

距離的に全速力でも少し間に合わない。

だけど、方法が残ってないわけじゃない。

 

持っているラビットボトルをドリルクラッシャーに装填する。

ラビットボトルの成分が含まれた弾丸なら間に合うはずだ。

 

〈Rabbit〉

 

〈Ready Go!!〉

 

(Bortec Break!!〉

 

放たれた弾丸は超高速で飛んでいき黒い奴らをまとめて吹っ飛ばす。

そしてそのまま、黒い奴らは倒れた状態から動かなくなった。

 

周りに黒い奴らはいない。

よし、間に合った。

 

ラビットボトルをコートの内ポケットにしまう。

 

成分をごっそり使ったから今持っていてもあまり速く走れない。

無理に使用すると性能が落ちてしまい、いざという時に影響を及ぼす。

もちろんボトルを振れば成分が高まるが、もう目と鼻の先だから普通に走っていける。

 

「大丈夫ですか!」

 

助けを求めていたのは、少し小太りな貴族みたいなオッサンだった。

髪は金髪で白人…ってことは外国人!?

しまった…いくら俺がてんっっさい物理学者でも外国語は使えない。

仕方がない、こうなったら日本語が通じるのを祈るしかない。

 

「あー、えっと…日本語分かります?」

 

「あ、あぁ。日本語は喋れるとも」

 

よ、よかったー!

どうやら探偵さんと同じく日本語が分かる人みたいだ。

 

「怪我はないですか?」

 

「まあ怪我はしているが…動けないことはない」

 

見た感じダメージを負傷しているのは脇腹と右腕か。

血は出ているけど致命傷ではなさそうだ。

 

「よかった…」

 

間に合って本当に良かった。

 

「…ありがとう」

 

「ん?今何か言いました?」

 

「な、なんでもない!それよりよくやったぞ青年、このゴルドルフ・ムジークが褒めてやろう!」

 

「は、はぁ…それはどうも」

 

何か急に上から目線になったな。

いや、これは一海が言ってたツンデレってやつか?

たしか前にツンデレについて力説してたっけ。

あれはたしか…〈戦兎…それ以上は考えない方が良い〉

 

うおっ!?急に出てくるなよ。

 

「ごっほん。それで、君は何故私服なのかね?カルデアは全職員制服着用だと聞いていたのだが」

 

「カルデア…?それがここの名前なんですか?」

 

「とぼけるのは止めたまえ。ここは人理継続保障機関、フィニス・カルデア。ここにいるという事は、君はここの従業員のはずだぞ」

 

「人理継続保障機関…」

 

うーん…全く聞いたことがない。

お前の方はどうだ?

 

〈海外の研究所や専門機関に行ったことはあるけど、人理継続保障機関なんて聞いたことがない〉

 

そうか。

人理継続保障機関…一体何をする所なんだ?

 

〈それは後であの探偵から聞けば良い。取り敢えず、ここが新世界かどうかを確認した方がいいんじゃないかい?〉

 

たしかに、先にここが新世界かどうかを確かめた方がいいか。

 

「あの…少し質問してもいいですか?」

 

「あぁ、時間がないから早くしたまえ」

 

もしここが新世界だとして、存在しないものは…

スカイウォールとか東都とか仮面ライダーか?

とりあえず聞いてみよう。

 

「スカイウォールという言葉に聞き覚えは?」

 

「空の壁?何だそれは?」

 

まずスカイウォールは知らない。

 

「東都、西都、北都を知っていますか?」

 

「何だそれは。どこか地方の話でもしているのかね?」

 

東都、西都、北都も知らないか。

 

「なるほど…ありがとうございます」

 

スカイウォールも東都、西都、北都も知らない…

 

「やっぱりここは新世界ということになるのか?いや、だとしてもこの建物にいる理由はどうなる?それにテロみたいなのに会ってる感じだし…結局、さっきの奴らは一体何なんだ?」

 

ひょっとしたらエグゼイドの世界に行った時と同じで、今俺は並行世界にいる可能性もある。

 

うーん…このてんっっっっっさい物理学者の俺でも分からない。

ただこの世界は俺がいた世界ではないことは確かだという事は分かった。

 

「お、おい!奴らがまた来た!逃げるぞ!」

 

割と大きめの声でおっさんが言ってきた。

彼の指差す方を見ると、殺意満々な黒い奴らが大勢とこっちに向かっているではないですか。

 

「うおっ!なんかいっぱい来てる!?」

 

「あれはオプリチニキといって──あああ、とにかく逃げるぞ!」

 

逃げようとするおっさんの前に立つ。

 

黒い奴らはさっきより数が多いみたいだ。

多分ドリルクラッシャーだけじゃ負けるだろう。

…仕方がない、やるか。

 

「ここは俺が食い止めます。早く逃げて!」

 

「な、何しているんだ!生身の相手が勝てる相手じゃない!逃げる事が最善策なんだよ!」

 

ビルドフォンを操作してビルドドライバーを取り出す。

そして腰に巻きつける。

 

「さぁ、実験を始めようか」

 

懐からラビットボトルとタンクボトルを取り出す。

そしてベルトにセットする

 

《Rabbit》

《Tank》

 

《Best Much!!》

 

《Are You Ready?》

 

「変身!」

 

《鋼のMoon Salt》

 

《Rabbit Tank!!》

 

《Yeah!!!!》

 

「お、お前は一体…何者なんだ?」

 

「ただの自意識過剰な正義のヒーローさ」

 

さて、愛と平和の為に一働きといきますか!

 




誰が何と言おうともヒロインは新所長です( ゚д゚)
作者はそのつもりで書いてます。

感想等よろしくお願いします。
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