愛と平和のために戦う   作:myo-n

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花「やあ、皆んな大好きお花のお兄さんだよ」

花「本来幽閉塔からは出られないんだけど、私にかかればちちょいのちょいさ」
花「いやはや、藤丸くんも見ていて面白いけど…桐生君も中々面白い子じゃないか。これだから人間観察はやめられないね」

花「さて…と、小話はこれぐらいにしておこうか。面白そうな事が起きてるからね」
花「ぶっちゃけた話、今回君たちが見る最新話はそんなに物語には関係ないかもしれない。なんたって全部過去の回想だからね」
花「おおっと、ブラウザバックをするのはまだ早いよ。原作とは微妙に話がズレてる上にサーヴァント内での会話も今回は多数書かれているからね」
花「実のところ…話に出てくるサーヴァントはこの物語の著者がやっているfgoから引っ張られてきたとかなんとか」
花「いやー、著者君も中々悪いことをしてくれる。困ったものだよ。しかも過去の話と言っても、かなり雑に端折ってる感じだしねぇ。しかもまだ続きそうときた」

花「ともあれ見ていてつまらないものではないのは確かだ。そこは私が保証しよう。存分に楽しみなさい」









































花「おっと、失礼これを言うのを忘れていた。さてさて、どうなる第4話!」
フ「マーリンシスベシフォーウッッ」
花「キャスパリーグ!?何故お前がぶべらっ」
フ「フォーウ!(優勝の音)」



グランドオーダー

僕の名前は藤丸立香。

 

ごくごく平凡な学生だったんだけど、マスターとしての適性があるとかなんとかで人理の異常を直す48人のマスターの内の一般枠として参加することになった。

でも遅刻したらファーストミッションから外されてしまって、それで仕方なく自室で待機していたら突然爆発事故が起こったんだ。

 

僕はドクターの静止を聞かずに急いで司令室に向かった。

そこにはカルデアで会った女の子、マシュが鉄骨に下半身を潰された状態で倒れていた。

 

そんな彼女を必死に助けようとしている最中に僕はレイシフトでファーストミッションの舞台だった冬木市に飛ばされたんだ。

 

冬木市ではマシュが擬似サーヴァントになっていて、そのマスターとして僕が選ばれた。

そして冬木市を探索中、スケルトンに襲われていたオルガマリー所長と出会った。

 

その後ドクターとの通信により僕以外のマスターがコフィンの中で意識不明の重体であること、カルデアのスタッフの過半数が爆発事故によって亡くなった事を知らされた。

 

絶望的な状況の中、僕達は冬木市の聖杯戦争に参加しているキャスターを仲間に加えて異変の元凶と対峙した。

 

その元凶はかつて栄えたブリテンの王、アーサー・ペンドラゴン。

彼女の宝具はとても強大だったけど、それでもなんとか勝つことができた。

 

だけど、死んだはずのレフ教授が現れて…オルガマリー所長をカルデアスの中に放り込んで殺した。

 

あの時、僕は自分が無力な事を呪った。

 

僕とそう変わらないくらいの歳で、重要な立場の責任者として動いて、誰にも認められずに一人でずっと頑張っていた女の子なんだ。

それなのに、あんな最期はあまりにも酷すぎる。

 

それでも、僕らに所長の死を悲しんでいる時間はなかった。

 

カルデアに帰ってきたと同時に、魔術王が生み出した7つの時代の特異点を修正しなければ来年にはカルデアが消滅して人類史が滅ぶという事実を突きつけられた。

 

特異点を修正できるマスターは僕一人。

カルデアの内部スタッフは総数の半分以下。

猶予はたった一年。

 

状況は絶望的だった。

それでもやらなければ人類は滅ぶ。

 

僕は、デミサーヴァントのマシュと共に各特異点の修正に回った。

 

オルレアン、セプテム、オケアノス、ロンドン、イ・プルーリバス・ウナム、キャメロット、バビロニア………

 

絶対絶命の状況になる事は数えられないあった。

けどその度に皆と協力して切り抜けたんだ。

 

そして七つ目の聖杯を手に入れた僕達は、魔術王ソロモンがいる冠位時間神殿へと足を踏み入れた。

 

魔術王ソロモンは8体の魔神柱をけしかけてきて防戦一方だったけど、7つの特異点と色んな亜種特異点で結んだ縁を辿って、サーヴァントが駆けつけてきてくれた。

 

そして魔神柱を倒した後、ソロモンとの戦いが始まった。

 

魔術王の力は強大で、徐々に追い込まれていく。

そして…魔術王の宝具によって、マシュは体を消し飛ばされてしまった。

 

絶望が体に深く突き刺さる。

 

でもこの戦いに負ければ文字通り、人類は滅びる。

諦めるわけにはいかない。

 

僕は勝つための道筋を必死に考えた。

 

『最後に美味しいところを持っていくようで悪いけど、ここからは少しだけ僕の出番だ』

 

その時、どこからともなくドクターが現れて魔術王と対峙したんだ。

 

『お前のもつ九つの指輪。そして、私がもつ最後の指輪。今ここに全て揃った。ならあの時の再現ができる』

 

『誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの』

 

『戴冠の時きたれり、其は全てを始めるもの』

 

『訣別の時きたれり、其は、世界を手放すもの』

 

ドクター…いや、ソロモンが使った宝具は自らの存在そのものを完全消滅させる宝具。

それは死ではなく文字通りの完全消滅、英霊の座から消えてその功績、姿さえも永遠に現れなくなるものだった。

 

僕は、ドクターに何も言えなかった。

もうドクターには会えなくなると思ったら胸が張り裂けそうになるくらい、僕の中でドクターの存在は大きかったんだ。

 

『ゲーティア、確かにあらゆるものは永遠ではなく、最後には苦しみが待っている。━━━━だがそれは、断じて絶望なのではない』

 

『限られた生をもって死と断絶に立ち向かうもの。終わりを知りながら、出会いと別れを繰り返すもの。…輝かしい、星の瞬きのような刹那の旅路』

 

『━━━━これを愛と希望の物語と云う』

 

…愛と希望の物語。

 

確かに、ドクターとの関係は終わりかもしれない。

とても悲しいし、寂しい。

だけど、だからこそ、前に進まないといけない。

 

それが、僕にドクターに出来る唯一の事だった。

 

『さぁ…行ってきなさい藤丸くん。これが、君とマシュが辿り着いた、ただ一つの旅の終わりだ』

 

そうしてドクターに背を押された僕は、ソロモンという依代を失ったゲーティアに最後の戦いを挑んで、倒した。

 

崩れていく神殿からカルデアに向けて歩きながら、僕は一度だけ振り返った。

 

『ドクター、マシュ……ありがとう』

 

頬を伝う涙を拭い、カルデアへと帰還した。

そして戻った途端、ダヴィンチちゃんや職員の皆さんに飛び付かれてもみくちゃにされた。

 

だけどこれは僕だけの勝利じゃなかったから、皆から少し離れて宣言した。

 

『ロマニ・アーキマン、マシュ・キリエライト、藤丸立香、ラストオーダー…完遂しました』

 

周りが静かになる。

管制室から僕達を見ていた職員の皆は、外で何が起こったのか分かっているはずだ。

だから、職員さんの中には泣き出し始める人もいた。

ダヴィンチちゃんでさえ、見た事がないくらい険しい顔をしている。

 

『ドクターはッ!!』

 

叫ぶ。出せる限りの声を出して叫ぶ。

僕が言わなくて、誰が言うんだ。

 

『僕達が前へ歩けると信じたから自分の命を未来に懸けたんだ!だからっ、僕達はけっして振り返ったら駄目だ!!ドクターの意思は絶対に無駄にしたらいけない!!』

 

『『『『『………』』』』』

 

その場が再び静かになる。

少しして、ダヴィンチちゃんがため息をついた。

 

『………全く、ロマニにはおいしい所だけ持っていかれたよ。だから今回は私がかわりに言おう。グランドオーダーの完遂おめでとう立香君!君はまさしく、人類史を救った英雄だ!この天才、レオナルド・ダ・ヴィンチが太鼓判を押すとも!』

 

ダヴィンチちゃんがいつもの調子に戻り、拍手を起こす。

すると職員さん達も先程の悲しみを払うように歓声や拍手を起こし始めた。

 

「よくやったな藤丸君!」

「ありがとうっ!」

「これでまた家族に会える…!」

「色んなサーヴァントが見れてよかったなー!」

「今まで苦労して頑張ってきた甲斐があったわ!」

 

その後は食堂室で僕が召喚したサーヴァント達も交えて大宴会を開いた。

 

エミヤ、キャット、ブーディカは忙しそうながらも嬉しそうに料理を作っていた。

 

 

『フハハハハハ!此度の旅は非常に愉快であった!どれ…褒美としてピラミッドでもくれてやろう!』

『ぎゃてえ!弟子は仏教徒よ!ピラミッドはいらないわ!』

『貴方!ファラオオジマンディアス様に向かって失礼ですわよ!もう少し美しく喋りなさい!』

『よい!許す!今宵は宴の席だ、ゆえに無礼講である!』

『はっ、はい!分かりましたわ!』

 

『ねーねー、アビー!それなーに?』

『あらジャック、ナーサリー、これは大人達が飲む不思議な気分になれる飲み物よ』

『そうなの?でも私達子供だから飲んじゃいけないわ!』

『いいえナーサリー、私達もう立派なれでぃーよ?』

『それなら飲めるね!私達も飲みたい!!』

『うふふふ…私ったらとっても悪い子だわ……!』

『ん?何か言ったかしらアビー?』

『いいえ、何でもないわ!さぁ早速飲みましょう!』

『アビゲイル、一体何を飲むって?』

『それはもう最高でファッ○ンクレイジーな飲み物よ!……あ』

『そうか、なら…これは没収だな。それとアビゲイル、お前は後で説教だ』

『あーー!!これは違うのバーサーカーさん!!!あ゛ーーー!!!』

『…アビーが連れて行かれちゃった!助けないかないと!』

『こうなったらもう手遅れよ、仕方ないから私達はエミヤさんのお料理を貰いに行きましょう?』

『うん!分かった!行こう行こう!』

 

『それにしても、僕が人理を修復することに手を貸したなんて奇妙だな』

『あら、そんなことないと思いますよ?だって、貴方は正義の味方じゃない?』

『正義の味方?僕はそんな大そうなものじゃないさ』

『そうですか…それじゃあ、もう少し私に付き合ってくれますか?』

『………いいだろう』

 

『arrrrtheeeeeeer…』

『暴れたらいけませんよ、ランスロット君。私だってセイバーぶっ殺したい気持ちを抑えてるんですから』

『arrrrtheeeeeeer』

『あそこのたこ焼きがが欲しいって?なるほど、ランスロット君も中々いい線をいきますね。それでは食べに行きましょう』

『arrrrtheeeeeeer!』

 

『…なぁ父上』

『何でしょうか、モードレッド卿』

『バーサーカーと絡んでる奴、あれ父上じゃないか?』

『………あれは違います、多分』

『そっか、父上が言うんじゃ間違いねーな!』

『おーいモードレッド!』

『何だよモヤシ男』

『僕のパスタを知らないかい?確か君に預けていたはずなんだけど』

『あぁ、遅かったから全部食っちまった』

『えぇ…楽しみにしてたのにそれはないよ……』

『もぐもく…モードレッド卿、はふはふ…人の食べ物を…ズルズル……勝手に食べるのは、はむはむ…あまりよくないと思いますが』

『父上、食べながら物を喋るなよ。あとそんな目で俺を見るなよモヤシ……あー!分かったよ!!俺も並んでやるから取りに行くぞ』

『そこは取りに行かないんだね…』

『なんかいったか?』

『ははは、何でもないよ』

 

『あぁマスター…好き!!!(挨拶)』

『さぁますたぁ…私と一緒にあちらの方にいきましょうね?ね…?ねぇ…?』

『2人ともありがとう。気持ちは嬉しいけど、今日は皆でご飯食べよう?』

『『もう、仕方ありませんね…ではこの続きはますたぁのお部』』

『いけません御禁制です!2人とも、マスターからお離れなさい!』

『『シャーッ』』

『なはははは!ご主人は相変わらずモテるな。キャットは目から涙が出そうだぞ!…ちなみに今日のプレゼントボックスの中身はキャットだ。男ならば据え膳なんたら、玉砕覚悟でキャットを食べてみせるがいいワン!!』

『それよりもキャットにはオムライス作って欲しいな』

『うぅ…そこまで言われるとキャットも嬉しさを禁じ得ないのである。ということでキャットは今から腕によりをかけてご飯を作るワン!』

 

『あの、マスター…今日はお側にいてもいいですか?』

『うん、いいよ静謐ちゃん。一緒にごはん食べよっか』

『はい…嬉しいです…!』ギュッ

『『『ッッッッッッッ!!!』』』

 

様々なサーヴァント達が騒ぎ合っている。

色んなサーヴァントに絡まれたりしてちょっとだけ大変だったけど、とても楽しかった。

 

そして、パーティーが終わり閑散とした食堂を後にして少し歩いた。

少しの歩いていると、ふと何かを感じて走り出した。

懐かしくて、頼りになった気配は次第に強まっていく。

そして横一面ガラス張りの廊下に差し当たろうした時、死んでしまったはずの彼女の姿を見た。

 

『……マシュ?』

 

彼女はゆっくりとこちらを振り向く。

その顔は少し儚げでそれでいて喜びに満ちていた。

 

『はい…先輩』

『……本当にマシュ?』

『はい…貴方の後輩マシュ・キリエライトです』

『マシュは確かあの時…』

『はい、ゲーティアの宝具を受けた時私の体は消滅しました』

 

もしかしなくても、マシュは生き返ったのだろう。

なら、それなら、ドクターも生き返ってるかも。

マシュもドクターも生き返ってハッピーエンドなんて都合の良い話かもしれない。

それでも、そんな期待を込めて、口を開いた。

 

『ねぇマシュ』

『はい、何でしょう?』

『ドクターは、生き返』

 

言葉を出そうとして止めた。

マシュがとても悲しい顔をしていたから。

 

『すみません…生き返ったのは私だけです』

『そっ、か』

 

期待が打ち砕かれる。

それと同時に、ドクターに会える可能性がほんとになくなったんだなって、感じた。

 

そしてそれのせいで微妙に長い沈黙を作り出されてしまう。

しばらくして、マシュが口を開いた。

 

『先輩、外に出ませんか?』

『うん、いいけど…いいの?』

『はい、大丈夫です』

『わかった、それじゃあ行こうか』

 

そして、マシュと共に外に出る。

久しぶりの外は珍しく吹雪が止んでいて、朝日が登り始めていた。

 

『これが━━━本当の空。私たちの時代の、私たちの地球━━━━━』

 

『ああ、忘れてた』

 

『…以前、ドクターが言ってました』

『カルデアの外はいつも吹雪いていますが、ごく稀に空は晴れ、美しい橋が見えると』

『それを━━━いつか、私が見る日がやってくると。何の確証もないのに、笑いながら』

 

『それが、ドクターの夢だったんだよ』

 

『…はい。私は今、こうして生きている事に感謝しています。多くの人に助けられて、励まされて、私はこの空を見ることができました』

『…大変な一年、大変なオーダーでしたが、全てが得難いものだった』

『思えば、先輩は偶然カルデアの募集を受け、採用され、外来のマスターとして入館されました。そして自分の職務を知る前に事件に巻き込まれ、ここまで戦い続けてきた』

『貴方にとって━━━グランドオーダーの旅は、どのようなものだったのでしょう?』

 

『それはもちろん━━』

 

『……!!はい、私も同じ気持ちです!』

『そして喜んで、マイ・マスター!どこまでもお供します!だって私たちの旅は続くのですから!』

「とりあえずは地平線の彼方へ!それが叶ったらもっと先へ、更に先へ、それが私たちの、いえ、人類の基本原則』

『未来への不安も、悲嘆も全ては希望の裏返しでした。だからまたきっと、多くの冒険が待っています』

 

これを愛と希望の物語と云う━━━

ドクターの言葉を思い出す。

…うん、分かってる。もう泣かないよ、ドクター。

 

『さぁ、行きましょうマスター』

 

朝日が、僕達を祝うように強く輝く。

そして、マシュが手を差し伸ばしてくる。

僕はその手を━━━

 

『何が待っているか分からない、貴方が取り戻した新しい年に向かって━━━━!!』

 

掴んだんだ。

 




はい、すみません作者です。
前話から時間が空いてしまい申し訳ありませんでした。
いや書きたいなとは思ってたんですよ?ただ、鬼滅の刃の2次創作とか見たりとかしてたから時間なかっただけで。
…はい、すみません、反省シテマス。

それはさておき、今回の話はいかがでしたか?
個人的な感想としてはマッハで回想終わらせるRTAみたいな感じでしたね。
回想なのに最初の特異点から一気に時間神殿まで飛ぶとかまじありえ(ry

ちなみに皆さんは会話してるサーヴァントが誰とか分かりますか?感想等で言ってもらえたら、作者が喜びます。
ちなみに子供達の下りは私が考えたのではなく他から持ってきました。それも分かってたら作者は感激です。
あと、ちなみにですが私のカルデアにはお花のお兄さんはいません。欲しかったです。

誤字脱字、文法間違いは今回だけは見逃してください。
だって書きづらかったんだもの。

そしてさらに図々しいんですが、感想、または評価してもらえると嬉しいです。作者、咽び泣きます(多分)。

…今度鬼滅の二次でも、あっはいすみません頑張って続き書きます。

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