そこそこ剣士がいろいろあって最強魔術師になったお話 作:MAKINO
「なあ、ちょっと一緒に依頼受けてくれねぇか?」
掲示板と向き合い、依頼を探していた俺にそう話しかけてきたのは茶髪のどこにでもいるような平凡な顔の男、ただ体つきががっしりしていて金属の鎧を着ていた。
俺はユーズフォール・アレン、17歳。
髪は短く、茶色に近い金髪できれいに揃えられている。
はっきり言えばちょっとイケメンだ。
そんな俺は冒険者でソロで活動している。
職業は剣士、片手剣を主に使っている。
自分で言うのもなんだが、そこそこ名の知れた実力を持っている。
男の名はザクシュ。職業は戦士で数回一緒に依頼を成し遂げた仲である。
仲間は魔法使い、神官、盗賊だ。
「依頼って?」
「アスカリエンテの山奥の館に住んでるモンスター退治だ!」
悪くない依頼だ。
ザクシュによるとかなり強力な魅了〈チャーム〉を使うらしい。
ずっと前から住み着いていたらしいが、付近に住んでいる村人には一切影響がなかったので金がかかるから依頼に出さなかったらしい。
だが、どこぞのバカ貴族の息子がモンスター退治だと言って館へ言ったらしい。
帰ってきたものの、貴族の息子が取り憑かれたように館へ通っているとか。
心配になった貴族が依頼を出したそうだ。
俺はソロでかなり儲かるから上位の魅了阻止のアイテムを持っているので魅了〈チャーム〉の心配はない。
「分かった、明日の朝ここで集合でいいな。」
「おう!」
3日後の夕方…
俺たちは館付近の村についたところだった。
「疲れたー」
村の宿についた途端、魔法使いの女が倒れた。
「じゃあ、少し休んでから依頼をこなすとするか。」
「さんせー」
ダルそうに呟く魔法使いをザクシュが苦笑いしながら俺に訪ねてきた。
「ちなみにアレンは魅了阻止のアイテム持ってきたよな?」
「ああ、お前たちは?」
「もちろん持ってきたとも」
と言って魅力阻止のアイテムを見せてきた。
げ、下位の魅力阻止じゃねぇか。
「まぁ、無いよりはマシか…」
「ん?なんか言ったか?」
「なんでもない」
俺は魅力阻止のアイテムを太陽にかざした。
ネックレスの様な形のアイテムで、中心に赤色のビー玉サイズの宝石が入っていてキラキラと輝いていた。
館の玄関にて…
「ここか…」
ザクシュが呟いた。
大きな館で、きれいに整えられていた。
みな、いつ敵が来てもいいように剣を構え、杖を持ち、弓を持った。
「行くぞ」
ザクシュの短い一言で俺たちは動き出した。
ザクシュが扉に力を込めるとギィィィ、ときしむような音とともに扉が開いた。
中は案外きれいだった。
モンスターの中には知能を持ったものもいる。
代表的なのはリッチーや上位ゴースト、それに魔獣だっている。それらはすべて強敵だ。
館内がきれいなのはある意味知能を持ったものと言っていい。
「どうする?一回引き上げるか?」
「問題ない、アレンがいるからな」
ザクシュの仲間たちがささやいている内容を聞いて若干驚いた。
過大評価しすぎだ、俺は強くなんか無い、俺より強いやつなんてゴロゴロいるだろう。
「ここは引き上げるべきじゃ…」
「シッ」
俺の言葉を遮った盗賊の男が小声で言った。
「音が聞こえる」
「どこだ?」
「あそこだ」
盗賊が指差したのは一番奥の部屋だ。
足音をできるだけ響かせないように歩くと音が聞こえてきた。
ん?何の音だ?
ビュウウウウという音が奥の部屋から聞こえてくる。
風か?なぜ窓が空いているのか、もしかしたら罠なのかもしれない。
その部屋に入り込ませ、油断させたすきに後ろから襲いかかってくるかも知れない。
気づけば部屋の前まで来ていた。
(開け)
ザクシュが盗賊に扉を開くよう、ジェスチャーをした。
「ちょっとま…!」
部屋の中には一人の少女がいた。
誰もが息を飲むほど美しく、そばにある窓から自然の匂いを大量に詰め込んだ爽やかな風が少女のサラサラとした金髪をなびかせ、太陽の光がより幻想的な雰囲気をかもしだいしていた。
「うっ」
うめき声がザクシュから上がり、それに続くように仲間たちからも上がる。
「チャームだっ!みんな下がってろ!」
これだから下位アイテムは嫌いなんだよ!
心の中で叫びつつ撤退するザクシュたちを守り合うように少女と向き合う。
少女の青く海のような瞳、肌は雪のように白く、眉毛の上できちんと前髪が整っており、太陽に反射し金色の髪が輝いて見えた。
ただ、少女の顔は暗く寂しそうだった。
「殺すの?」
少女の鈴の様な声が風にのって流れてきた。
「ああ」
少女は窓のふちにもたれかかり顔を上げまぶしそうに瞳を細めた。
「そっか…」
アイテムがなければ俺も魅了〈チャーム〉の餌食になっていただろう。
「悪者として殺されちゃうんだなぁ」
ボソリと少女が呟いた。
だが残念なことにアレンには届かない。
剣を構えジリジリと少女に近づく。
抵抗するかと思った、だが魅了〈チャーム〉が効かなかったので諦めたのか。
様々な考えがアレンの中で思い浮かぶ。
結論はこうだ、遠距離から攻撃すればいい。
俺は内ポケットから短剣を取り出した、見せちゃだめだ。
取り出した瞬間何故か手元が狂った。
隣の窓にあたり、ガシャンとガラスが砕け散る。
「きゃっ!」
少女が怯えたように頭を手で防ぎうずくまる。
少女に傷が無いようで安心した。
っ!なぜ俺が安堵するっ!
まさか魅了〈チャーム〉か?いや、魅了〈チャーム〉になると頭が働かないという。
「おかしい…」
思わず出てしまったその言葉に驚いてしまう。
けれどまずやることは目の前のモンスターを倒すことだ。
なのになぜか手が震えてしまう。
「怖いの?」
少女が言う。
「殺さないの?」
その言葉には残念だ、という気持ちが込められている。
「君は悪いモンスターなのか?」
少女は驚いたように目を見開き、そして微笑んだ。
「呪いをかけられたお姫様のようなものです、そして勇敢な王子様来るのを待ってました。」
もっと1話1話の文字数多くした方がいいんですかね?
なんかいろいろ聞いちゃってごめんなさい、どんどん無視しちゃってください。