えー、皆さん。
ハッピーハロウィン&メリークリスマス&あけましておめでとうございます
とうとう出来ました続きが....
言い訳がましくはありますが、一応続きは最初出来てたんですよ?でも後からなんか、違うなと思って書き直してたらいつの間にか....
まぁ!良しとしてください!これからは、ひと月に1本....ふた月に1本と、頑張ります....はい
本編どぞ
『ふぁ〜....少し眠ってた』
<
「凄いマイペースなカードさんだね....」
「あの騒動の中で寝てたなんて、呑気すぎでしょ」
「....っ」
「どうしましたリオくん?」
「な、なんでもないよ!」
<樹>の姿を見て褒めと辛辣な言葉を出すさくらとアリス。しかし、リオだけは<樹>の姿を見てから終始無言。さらに手足は微かにだが震えていた。それに気付いた知世は心配してリオに一声かけるが、リオはなんて事ないように返す
「(なに、あのカード。笑顔なのに笑顔って感じがしないっ....それに、なんだか怖い)」
「油断したらアカンでさくら!そいつはもう<樹>やない!」
「えっ!?」
「クロウカードじゃない?どういうこと?」
ケルベロスが突然放った言葉は、ここにいるリオたちを驚愕させるのに充分だった。動揺するリオたちの代わりにアリスは、ケルベロスに説明を求める
「<樹>は温厚な性格でな、相手を傷付けるようなことはせん。それやのにコイツは淡々とさくらを追い詰め傷付けた。<雨>に影響されてもここまでならん」
「そっか。だからカードじゃないって言ったんだ」
「おう。それにクロウカードは基本的に言葉を出さん。言葉を出せるのはおるっちゃおるけど、その中に<水>や<樹>はおらんのや」
「なるほど。では、このクロウカードさんは」
「あぁ。前の時と同じ─いや、逆やな
そのクロウカードは
<欠片>に取り込まれとる!!」
*******
『よく見破ったわね』
「フン。クロウカードを守護するワイやからな!クロウカードのことならなんでもお見通しやさかい、カードの状態もすぐに見破れるわ!!アッハッハ!」
「調子にのってたら足下掬われるわよ....」
<樹>を取り込んだ欠片は、それを見破ったケルベロスに対して余裕の笑みを浮かべながら褒める。そんな欠片にケルベロスは鼻高となって意気揚々とし、それをアリスは呆れながら忠告していた
「じゃあクロウカードを封印するのは前と一緒?」
「それでええと思うで。やけどクロウカードと欠片の立場が前回と逆やから、そこだけが不安やな」
「そっか。前は<人魚姫>が<水>に取り込まれてて、今は<クロウカード>が<欠片>に取り込まれてるもんね」
「前は偶然回収できただけやったかもしれへんし。そもそもカードか欠片が、もう片方に取り込まれるなんて現象自体初めてやからな。わからんことが多いわ」
「そうですわね。元々2つは別々の世界のものなんですから、不明な点が多い方が当然ですわ」
「まぁ、分からない事は次第にわかっていくわよ。今はあまり気にせずに目の前のことをやりましょ!っというか....」
『あは!私を無視して話し合いなんて....
─いい度胸だ....なァっ!!』
─シュルルル!!!
「「「!!?」」」
「ほら襲ってきた!!逆によく耐えてたわね!?」
長い時間話し合っていたリオたちに、流石に待ちきれなくなった欠片は半ば不機嫌そうに妖しげな笑い声をあげる。そして、全員に向けて茨のように刺々しい蔓を伸ばして襲いかかると─
「っうわぁ!!」
「「リオくん!?」」
「知世っ!アリスをお願い!」
「ちょっ、待ちなさいリオ!?」
─思っていたが、何故か蔓はリオだけを襲う
手元付近を狙っていた蔓を咄嗟に避けたリオ。しかし、欠片は間髪入れずに襲いかかる。それを見たリオは、肩に乗っていたアリスを少しでも安全な場所へと、本人の声を無視して知世の方へ投げる
「っ大丈夫ですかアリスちゃん?」
「えぇ。もうリオったら!私の安全よりも自分を優先しなさいよ!あのお人好しが!!」
「てかなんでリオばっか狙っとるねん!?」
「とにかくリオくんを助けないと─きゃあ!」
疑問に思う点はあれど、それを隅においてリオを助ける為に動こうとするさくら。しかし、足を動かす前に欠片がさくらたちの目の前に蔓を張り巡らせる
『ふふ、下手なことは控えることね...』
「クッ!あのマイペースメンヘラめぇ....」
「どうしよう。これじゃあリオくんが....!」
「どうにかここから出ないとですわね」
「やけど、どないすんねん。今さくらが持っとるカードだけやとどうにも出来んで!?」
助けに行こうにも蔓の檻から抜け出すことが出来ず、かといって檻の中から何か出来ることもない。手詰まり状態でいるアリスたちは、悶々としながらリオの様子を見るしかなかった
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リオside
*******
─シュルッ!
「っと!」
あれから数分、ずっと欠片がクロウカードの力を利用して襲ってきてるのを避けてる。流石に疲れてきたから、なにか打開策を考えたいんだけど...
『考え事?随分と余裕なのねっ!』
シュッ!
「うっ!」
ダメだ。考えてたら動きが鈍って今みたいに棘の蔓を受ける。あの欠片、僕の動きを完全に読んでるみたいに動いてくる....!
『あは....あら?』
─カチカチ....
「えっ?」
僕が焦っているのを見て笑う欠片にイラッとしていると、突然 欠片が出す蔓が霜にまとわりつかれ動きを止めた
って、霜?
『はぁ....はぁ....っそれ以上、この子を虐めないで』
『あはは、もう抜けてきたの?』
僕と蔓の檻に捕まっているみんなは、クロウカードを取り込んだ欠片とは別の声のする方へ視線を向ける。その方向は僕の後ろで、そこにはここへ来る前まで一緒にいた欠片がいた
「あれはさっきの欠片か!」
「今までどこにいたのよアイツ!?」
「というか、なんだか欠片さん疲れてる?」
「もう一方の欠片さんの言葉からだと、私たちと離れたときに何かあったんでしょうか?」
アリスたちが捕まってる方へ視線を向けると、そっちも霜が蔓の檻にまとわりついていた。それはともかく、アリスは落ち着いて欲しい。さっきから声荒らげすぎてる気が─
ってそうじゃないや。さっきまでいなかった欠片が戻ってきたけど様子がおかしい。トモヨが言ったのが当たってたら、様子がおかしいのも急に僕たちの前から消えたのも頷けるかも
『一応、キツめにやっておいたんだけど....流石ね』
『っ御託はいいわ。早くこんな事やめてちょうだい。みんなを解放して....人様の家で暴れないで』
『ん〜....それもそうね!マナーがなってなかったわ』
「え?」
後ろにいた欠片は僕を守るかのように前へ出て、敵対する欠片へと話しかける。あの棘の蔓でかなり強く縛られていたのか、彼女はかなり消耗していた
そして僕は、彼女の要求に欠片が素直に聞き入れてくれた事に対して、思わず声を上げてしまった。なんか、思ったよりも軽く受け入れてくれて拍子抜けというかなんというか....
『....随分と素直ね』
『えぇ、私も迷惑はかけたくないの。さっきのは確かに周りへ被害が出そうだったものね。次からは気をつけるから─』
そのまま欠片は穏やかな雰囲気を崩さないままに片手を掲げはじめる。その動作をみた僕はなにか悪い予感がする。直ぐにここから離れた方がいいと頭ではわかっているのに、何故か身体が動かなかった
『っ逃げて─』
僕の前に立つ彼女は何かを察して振り返ってくれる。彼女をおいて逃げるのはイヤだと思い動こうとするけど、やっぱり身体が動かない。しかも口まで動かせなくなってる....まるで全身が痺れているかのようだった
『─眠りなさい....』
反撃することも逃げることできず、何が起きてるのかさえはっきりと分からないまま、僕は眠るように意識を失った
*******
三人称side
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『ふふ....おやすみなさい』
そう言って笑う欠片の前にはリオだけでなく、さくらや知世にケルベロスまでもが眠るように気を失い倒れていた。しかし、その中でも同じ欠片である彼女だけは未だに意識を保っている
『どうして、襲ったりしたの....』
『あらら。やっぱり起きてた?』
『答えてっ...!私たち<欠片>は無闇に人へ襲ったりはしない!<無名>となっても琴線に触れて暴走するようなことがなければイタズラの範囲で収まるわ』
『....』
『<クロウカード>と一体化して人を襲う場合も新たにわかったけど、貴女は違う。自分の意思でこの子たちを襲った
どうしてなの?■■■■■■』
『そんなの簡単な話よ』
先程までの相手の心を安心させようとする声ではなく、困惑や怒りなどの負の感情が入り混じった声で彼女は欠片を問い詰める。そんな彼女に欠片は何食わぬ顔で淡々と口を開く
─ビリリッ!!
『ウグッ....』
欠片は一瞬の隙を突き、先程の棘付き蔓で単に襲うのではなく、それに電気か何かを纏わせて彼女へ襲った
既に疲労やダメージを受けていた彼女は、避けることも叶わずに攻撃を受けて気を失う。倒れる彼女を唯の蔓で捕まえて、欠片は独り言のように続きを言った
『そう、小さな子供でもわかる簡単な話
そう言って欠片は、リオたちを守ろうとした欠片の彼女を連れて、クロウカード<樹>の身体に入ったまま地下室から去って行った
最後まで読んで頂きありがとうございます!
はい。さくらに<樹>は封印させませんでした。オリジナル展開はどこがで入れたい、ならこうしよう面白そうだしと思った次第です
リオは霜降り欠片と樹欠片、どっちも回収出来ませんでしたけどね