英雄達   作:人類最強の請負人

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12話スキル

 

 

ベルの歓迎会から少し日がたちギルドに遠征での報告等、落ち着いてきたころ幹部の招集がかけられた。

 

団長室に向かい中に入ると既に私以外の全員が集まっていた。

 

空いている席に座るとフィンが口を開く。

 

「さて、改めて今回の遠征はご苦労だったね、やっと落ち着いて来たから報告と相談がある、まずは新種のモンスターの対策についてだ」

 

フィンはリヴェリアとガレスに目配せをすると最初にリヴェリアが話し出す。

 

「あのモンスターの体液が強力な溶解液になっているのは身をもって経験しただろう。対策を打たなければまた二の舞に踏む事になる。実際にティオナのウルガが溶かされていて有効打が魔法のみしかない」

 

「そうじゃ、だから次の遠征ではへファイストスファミリアへ協力を依頼した。内容は不壊属性の武器の作製と、次の遠征の同行を依頼しておる」

 

「既にロキと共にへファイストスファミリアに直接依頼を行い、同行が決まった」

 

そのままフィンたちは次の遠征での動きを細かく説明し、準備を進めるよう私たちに指示を出す。

 

「だいたいこんな所かな、次ダンジョンに潜るのはおよそ1ヶ月後になる、へファイストスファミリアに依頼している武器が揃い次第もう一度未開拓領域59階層を目指す」

 

フィンが言い終え各々が頷く。

 

私も気合が入る、遠征まで自分の実力をあげようと考える。しかし現状私のステータスが伸びてない事実に悩んでいる。

 

どうしたものかと考えるがわからない。

 

リヴェリア達にも相談はしてみたが休むことも大切だと言う………

 

「さて遠征については進捗が進み次第また話そうと思う」

 

フィンは咳払いをして話を区切る。

 

「次はベルについての話だ」

 

次の遠征までどのような訓練をしようか考えていると、フィンから出た言葉に少しだけ驚く。

 

ベルの話とはなんだろうと考える、お詫びの件は確かまだ決まってはいなかったと思うが、わざわざ幹部を全員集めてする程の話なのだろうか?

 

「あの兎野郎の事で何の話があんだよ」

 

ベートさんも同じことを思ったのだろうか?若干の苛立ちが混じった声でフィンに尋ねる。

 

「ここからはうちから話させてもらうで」

 

先ほどまで隅で黙って話を聞いていたロキが今日初めて話し出す。

 

「ベルがミノタウロスに襲われた次の日なんやけどな、つまりあの歓迎会の次の日や、ベルに当面の間休養も兼ねてダンジョンに潜るのを禁止にしてなステータス更新だけしたんやけど、なんとまさかびっくりやスキルが発現しとったんや!」

 

ロキが大袈裟に演技をしながら手を話したかと思いきや突然真顔になり最後に一言つけ足す。

 

「そのスキルがまじやばい」

 

ロキの言い方からレアスキルが発現したと悟る。

 

「勿体ぶらずさっさと教えろ」

 

ベートがそう言うとロキは一枚の紙を取り出す。そこに書かれていた内容を見た私たちは驚愕する

 

 

 

【英雄願望】

 

・能動的行動に対するチャージ実行権

 

 

 

【憧憬一途】

 

・早熟する。

・懸想が続く限り効果持続。

・懸想の丈により効果向上

 

 

 

 

「なんだよ、このスキルは」

 

「早熟するってどういうこと?」

 

「すごいね兎くん、二つもスキルが発現してるよ!」

 

皆がその内容に驚きを隠せずにいる中フィンが口を開く。

 

「正直僕もロキからこのスキルを見せられた時は目を疑ったが実際に更新の時一緒にいたリヴェリアも直接見ている」

 

リヴェリアが頷く。

 

ロキがうちの話は信じられんのか〜と嘆いている。

 

「さてここからが本題だ、ベルの扱いをどうするかをみんなに相談したい」

 

「ベルの扱いってどう言う事フィン」

 

ティオナがフィンに尋ねる

 

「こんなレアスキルを遊ばせておくのはいささか勿体ないと思ってね、僕個人としてはこれからベルを徹底的に育て上げたいと思っている」

 

「それって」

 

「おそらくこのスキルはステータスに対しての上昇、成長を促進するスキルだと思う。おそらくベルは通常の冒険者より早くステータスが上がっていくだろう。だがそれゆえに危険だ」

 

「ステータスが上がるのが早ければモンスターとの戦闘も有利にはなるが、その分知識や経験が浅くなる、ダンジョンにおいてステータスが高いだけで知識が経験が浅いまま、生き残れるほど甘くはないからな」

 

フィンやリヴェリアが言うように、ダンジョンでは強さはもちろんダンジョンに対しての知識、経験がなければ生き残れない。

私たち冒険者は時間をかけ築いていく知識や経験をベルのスキルはそれをすっ飛ばして強くなれるのだろう。

 

「それにもう一つのスキル【英雄願望】についも不明のままで詳細はまだわかっていない」

 

「せやからな、監督兼訓練相手をつけようと思うんや」

 

なるほど。

 

ロキ達の話は概ね理解した、そして私に何ができるだろうと考える。ベルの修行相手をしてあげたいとは思うが、自分がベルにうまく教えることができるか正直わからない。

 

私が考えているうちにリヴェリアが話し出す。

 

「知識面に関しては私が面倒を見よう。レフィーヤと一緒に学ばせればあの子にも刺激になるかもしれん。しかし訓練の相手は魔導師である私が見るよりも別の人間に任せたいのが…」

 

そこでロキとフィン、リヴェリアやガレスが私を見ていることに気づく。

 

「アイズ、君に訓練の相手をお願いしたいと思っている。もちろん強制ではないよ」

 

彼の力になりたいと思っていた私にとって是非もない提案に驚きながらも答える。

 

先程まで自分がどうすれば強くなれるか考えていたが、それを差し置いてでもベルの訓練の相手を引き受けたいと思った。

 

「任せて」

 

きっとベルの訓練をしている間は自分の訓練は中々出来ないだろうけど、それでも一切の迷いなく私は答えた。

 

「ありがとう助かる。ちなみにベルへは【英雄願望】のスキルは伝えているが【情景一途】のスキルは教えていない。今はまだここだけの話で収めてもらいたい」

 

こうして私とベルの訓練がこれから始まる

 

その訓練がロキファミリアの間で兎狩りと言われるようになるのは先の話

 

 

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