〜ロキ・ファミリア《食堂》〜
「怪物祭って何ですか?」
いつものよう朝の訓練を終えてからアイズさん、レフィーヤさんそして今日はティオナさんとティオネさんも一緒朝食を取っているとティオナさんが「一緒に怪物祭に行こー!」と言う会話から始まった。
「そっか、そういえばベルはつい最近オラリオに来たばっかりだったわね」
「怪物祭って言うのはね、ガネーシャファミリアがダンジョンから連れてきたモンスターを調教を行うショーがあるんだけどね!屋台や露店なんかもたっくさんでててすごい盛り上がるんだよ!」
オラリオに来てからまだそういった催し物は経験初めてなのでティオナさんの話を聞くとすごくワクワクしてした。
「僕行ってみたいです!連れて行ってもらえますか?」
「もちろん!みんなで回った方が絶対楽しいもんね!」
「そうね、私も本当は団長と一緒に行きたかったんだけど団長は忙しくてこれないのよね、それにベルの事を頼まれたしね」
最近知ったのだがティオネさんはフィンさんから僕の面倒を見るように言われているそうだ。
フィンさんにも直接聞いてみたのだが『僕の勘だけど、ベルとティオネは相性がいい気がする』との事だ。
なのでティオネさんは僕の面倒をよくみてくれる。
「アイズとレフィーヤも勿論一緒に行くわよね?」
ティオネさんが二人に尋ねると二人はどうやら浮かない顔をしていた。
「ごめんティオネ、怪物祭はロキの護衛で一緒に行けないの」
「えー!アイズ来れないの⁉︎何で⁉︎」
「罰だから」
「罰なんです」
アイズさんが来れないと聞き僕も少しショックを受ける。レフィーヤさんも僕以上にショックを受けているのかかなり落ち込んでいるのが見てわかる。
「そう、しょうがないわね。アイズもし合流出来たら一緒に回りましょ」
「うん」
アイズさんと一緒に回れないのは少し悲しいが、それでも凄く楽しみだ。
「あっでもベルはずっとダンジョンに潜ってないからお金ないんじゃないですか?」
「そういえば…」
レフィーヤさんに言われて初めて僕は今手持ちが一切ない事を思い出す。
今僕はダンジョン禁止令が出ている。ダンジョンにはあの一件以来一度も潜ってないので手持ちが一切ない。
普段ホームの中で過ごしているとお金が必要になる事がないので今まですっかり忘れていた。
「別にそれくらい私が出してもいいわよ」
「いやいやいや、そんな訳にはいかないですよ!」
「そうですね、甘やかしすぎは私も反対です」
「でもダンジョン禁止にされてたらお金なんて稼げないじゃん」
「フィンに一度聞いてみる?ベルの今の実力だと多分4階層ぐらいはソロでも平気だと思う」
「そうね一回団長に聞いてみようかしら」
そんな会話をしながら朝食も食べ終わり、お小遣い稼ぎの為ダンジョンに潜ってもいいか、フィンさんに聞聞きに行く為そみんなで団長室に向かう。
「別にいいんじゃないかな」
フィンさんの口からすんなりと許可が降りる。
「まぁ目的はベルの安静の為だったんだが
、そもそもアイズの訓練を見る限りそこまでに意味があるようにも思えないしね」
アイズさんを見ながら悪戯な笑みでフィンさんは言う。
アイズさんは目を逸らした。
「ただし念の為に一人でダンジョンに潜るのはまだ禁止にしておくよ、必ず誰かと同伴する様に」
「わかりました」
ティオネさんはフィンさんも一緒にどうかと誘った。しかしまだ片付ける仕事があるそうで断られていたが、次があればまた誘ってほしいと言ってフィンさんは僕たちを見送る。
「じゃあベル行こっか」
そうしておよそ三週間ぶりのダンジョンへ向かう。
ギルドに到着してエイナさんに挨拶をしてから僕たちは4階層でお金を稼ぐ為モンスターを狩る。
まぁお金を稼ぐのは僕たちではなく僕なんだけど。
今の僕の装備は短剣一本。
防具はまだ買うお金がなく、ダンジョンに潜ることもなかったので持っていなかったので装備していない。
「今度一緒に見にいきましょうね」
レフィーヤさんとそんな約束をした。
短剣はアイズさんがくれたものだ。
数日前、色々な武器を試すためアイズさんと模擬戦をした際、短剣がこれまで使った武器の中で一番手に馴染んだ。
そうして僕は短剣を使うのがいいとアイズさんとレフィーヤさんから後押しされて、アイズさんが僕にプレゼントと言って貰った。
性能はそこそこで駆け出し用との事で、使い込まれた形跡もある。
曰く自分に合っていない強すぎる武器を持つと、腕が伸びなくなるそうでまずはここからとのこと、成長したら合わせてまたプレゼントすると約束してくれた。
そして僕はその短剣を振るいモンスターをひたすら倒していく。
「やるわねベル、なかなかじゃない」
「この階層は問題なさそうですね」
最後のモンスターを倒してからティオネさんとレフィーヤさんが魔石を回収しながら後ろから歩いて近づいてくる。
アイズさんはティオナさんが借金返さないと〜!と言ってダンジョンの中層まで降りるとの事で一緒着いて行ったので別行動をしている。
ティオネさんとレフィーヤさんはお金には特に困ってないそうで僕のサポーターとして一緒に行動してくれている。
「その調子だともう少し下まで潜っても大丈夫なんじゃないかしら」
「そうですねもう少し下に潜った方が換金率も上がりますし。どうしますかベル?」
正直アイズさんとの訓練のおかげかまだ余裕があるので返事をして三人で5階層へと向かった。
「一つ聞いてもいいですかベル?」
「なんですか?」
五階層へ向かう途中レフィーヤさんに止められる
「ベルはダンジョンが怖くないんですか?」
真剣な表情でレフィーヤさんに尋ねられる
ミノタウロスの事もありレフィーヤさんは僕の心配をしてくれているのだろうか?
僕はレフィーヤさんに正直に答える。
「怖いですよ」
レフィーヤさんが驚きの表情を浮かべる
今は二人がいるから大丈夫だけど、一人だと僕はきっと怖くて一人では上手く動けないないじゃないか
今日までダンジョンに潜らなかったのはお金が必要なかったのもあるけど、僕はまだ怖かったんだダンジョンが。
「今は大丈夫なんですか?私たちの事は気にしないで無理に下に進まなくてもいいんですよ」
レフィーヤさんが心配そうな顔で戻る提案をするが僕は…
「皆さんがいますから大丈夫です」
頬をかきながら僕は続ける
「僕はまだ皆さんに比べてまだまだですけど、いつか絶対に追いつきたいですし。それに…
「それに?」
「レフィーヤさんがいてくれるから僕は怖くても前に進めます」
「あ〜疲れた〜」
ティオナさんが腕を上に伸ばしながら先頭を歩き、横にティオネさんとレフィーヤさん。
僕とアイズさんは少し後ろで前の三人について行く形になっている。
「久しぶりのダンジョンはどうだったベル?」
「アイズさんやリヴェリアさんのおかげで最初に比べてものすごく動きやすかったです」
「そう、ならよかった」
「はい!それにこの短剣も手にすごく馴染んでくれて使いやすかったです。本当にありがとうございます」
レフィーヤさん達は少し寄るところがありますと言い別れそのままアイズさんと二人で黄昏の館に帰宅する。
レフィーヤさんはあの後「そうですか」と言って何やら考え事をしていた様だが大丈夫だろうか
もしかして変なことを言ってしまっただろうか…
そんな事を考えたが黄昏の館に帰り着き自分の荷物を部屋に置く
まだ日が落ちてない時間ではあるが明日の怪物祭の為早めに休もうと思い、入浴場で体を綺麗にしてから早めに夕食を取る。
そしてロキ様のもとへステータス更新に向かった。
主神室の前までつきドアをノックをしてから中に入る。
「おーベル今日は早いなー」
中に入るとロキ様が片手を上げ迎えてくれる。
アイズさんと訓練が始まってからステータス更新に頻繁にくるようになり僕はベットに向かい服を脱ぎ横になる。
「最初は服を脱ぐだけであんなに恥ずがっていたのにな〜」
「流石に僕も慣れますよロキ様」
いつものやりとりをしながらステータス更新を終えてから部屋に戻る。
明日の為早めに寝よう。
今日は鐘の音が聞けない事を惜しみながら眠りにつく。