英雄達   作:人類最強の請負人

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18話妖精原点

 

 

今日は待ちに待った怪物祭です!

 

憧れのアイズさんと一緒に回ってジャガ丸君を食べさせあったりなんかしちゃって・・・キャーーー!!!

 

………なんて思っていたんですけど

 

「はぁ〜〜〜」

 

「もー何回溜息してんのさ、レフィーヤ」

 

アイズさんはロキ様の護衛につくので、今日は一緒に回る事が出来なくなって絶作落ち込んでる私です。

 

「まったく別にアイズと会えないと決まったわけじゃないでしょ」

 

「そうですけど…」

 

黄昏の館を出てからベルとティオネさんティオナさんと歩いて向かい、もう少しで屋台がちらほら見えて来たところでティオネさんが耳打ちする。

 

「それに今日はベルを楽しませるんでしょ」

 

そうだ私はもう一つの目的を忘れてはいけない。

 

私たちの前にいる一匹の兎が後ろからでもわかるくらい浮かれて足早に進んでいる。

 

「ベ〜ル〜あんまり先に行きすぎないのよ」

 

「はーい」

 

闘技場に進むにつれ人混みが多くなってくるので、前にいるベルを見失わないように着いていく。

 

「兎君わくわくしてるね!」

 

「まったくもう」

 

私の気も知らないでベルは本当

 

「しょうがないですね」

 

それじゃ私も楽しまないといけませんよね。

 

「もう待ちなさいベル!」

 

前に進むベルに追いつくよう駆け足で追いかける。

 

「ほら一緒に行きますよ、この人混みだとはぐれたら大変なんですから」

 

「すいません」

 

「さぁ今日はめいいっぱい楽しみましょう」

 

「はい!」

 

満面の笑みで答えてくれるベルに私も笑顔になる。

 

「じゃあどこから見て回りましょうかベル!」

 

私たちは屋台が並ぶ通りに向け歩み進める。

 

 

 

 

 

 

 

ごめんなさいベル、私は貴方にもう一度謝らなきゃいけないんです…

 

 

 

 

 

 

〜闘技場〜

 

あれから沢山の屋台見て回った私たちは怪物祭のメインイベントであるガネーシャファミリアによるモンスターを調教を見ている。

 

「すごいですね!あんな大きなモンスターが冒険者の言う事を聞いてますよ!」

 

横にいるベルが興奮しながらショーを見てはしゃいでいる。

 

「ねぇレフィーヤ、いつベルにあれ渡すの?」

 

ティオナさんがベルに聞こえないように私に言う。

 

「もう少しベルが落ち着いてから渡そうと思います」

 

「そっか」

 

「ねぇ二人ともあれ見て」

 

ティオネさんの視線の先を見ると、ガネーシャファミリアの人たちが慌てた様子で走り回っている。

 

「何かあったぽいね」

 

「気になりますね」

 

「行ってみましょうか」

 

ただならぬ様子に嫌な予感を感じながら移動する。

 

「レフィーヤ!ベル忘れてる忘れてる」

 

「あっいけない!」

 

ベルを連れて行くため戻るとベルは私たちがいなくなっている事に気づかずにショーを楽しそうに見ていた。

 

「ほらベル行きますよ!」

 

「えっ⁉︎あれティオナさんとティオネさんは⁉︎」

 

「二人は先に行来ましたよ、ほら早く!」

 

状況が飲み込めていないベルの手を引いて二人の後を追う。

 

「いったいどうしたんですかレフィーヤさん⁉︎」

 

「わかりません、けどいい事ではなさそうです」

 

外に出てティオネさんとティオナさんを見つける。

 

「すいませんベルを連れてきました!」

 

「おーレフィーヤとベルもおるな〜」

 

「ロキ!」「ロキ様!」

 

二人と合流するお一緒にロキもいた

 

「じゃあ説明するで〜、簡単にゆうとー町中にモンスターが逃げよった」

 

「えっ!ほんと⁉︎」

 

「まずいじゃないですか!」

 

「うんまずいなぁ」

 

「余裕かましてる場合じゃないでしょう!今日この辺りにどれだけ人がいると思ってんのよ!」

 

「そうですよ!助けないと!」

 

「せやから任せたんや!アイズたんに」

 

ロキが指差した方を見るとそこにアイズさんがいた。

 

アイズさんは風を纏うと飛び立つ、恐らくモンスターのいる方へ向かったのだろう。

 

私たちもアイズさんが向かった先に走って追いかける。

 

アイズさんに追いつく頃には既に三体のモンスターを倒し終えアイズさんはまた飛び立つ。

 

「すごいアイズさん」

 

「この調子じゃ出る幕ないわね」

 

「今日はアイズに任せよっか」

 

「そうですよ私たち武器も持ってきてないですし」

 

「やっぱりアイズさんは凄いですね」

 

ベルは飛び立ったアイズさんに視線を外さずにつぶやく。

 

私はアイズさんがいるのでモンスターもすぐに全部退治し終えるだろう思い安堵した。

 

しかし突然地面が揺れ出す

 

すると地面から蛇のようなモンスターが現れた。

 

「何あれヘビ⁉︎」

 

「見た事ないわよあんなの!」

 

ティオナさんとティオネさんが私たちを守るように前に出る。

 

「ガネーシャ達どこから引っ張ってきたの、あんなの!」

 

「叩くわよティオナ!レフィーヤは詠唱を!ベルは下がって!」

 

「はい!」

 

二人が蛇のようなモンスターに突撃し私は詠唱の準備に入る。

 

「レフィーヤさんあっちに別のモンスターが!」

 

ベルが別のモンスターに気づく。

 

「本当ですか⁉︎」

 

蛇のようなモンスターはティオネさんとティオネさんでなんとかしてくれる。

 

私ベルと共にそちらに向かうと考えたが

 

「っく!」

 

「いったーい!何これ馬鹿じゃないの⁉︎」

 

「武器もってくればよかった!」

 

見ると二人の打撃が効いてないのか蛇のようなモンスターはまた暴れ出す。

 

もしかしたら打撃が効かない?

 

そうだとしたら魔法を使える私がここを離れるとあのモンスターの被害が広がってしまう!

 

「レフィーヤさん僕一人で大丈夫です!」

 

私が迷っているとベルが一人で別のモンスターの方へ走り出す。

 

「待ってくださいベル!」

 

なんとか手を掴みベルを止める

 

「離してくださいレフィーヤさん!急がないと街のみんなに被害が!」

 

「わかってますそんな事は!けど私が心配しているのは貴方です!」

 

私の言葉にベルが驚きの表情を浮かべる。

 

「武器も持たない貴方が行ってどうなるんですか⁉︎死ににいくだけじゃないですか⁉︎」

 

貴方を死なせたくない私の気持ちをぶつける。

 

「確かに貴方は強くなりました。けどダンジョンにほとんど潜った事のない貴方が行って、もしもの事があれば………」

 

 

貴方を止めようとするけど、私は知っている

 

「レフィーヤさん

 

貴方がなりたいもの

 

「僕が行っても何も出来ないかもしれません…

 

私じゃ止められないことを

 

「でも!

 

貴方は止まらないことを

 

「僕はみんなを守りたい!

 

だから私は…

 

「だから僕は行きます

 

貴方の力になりたい

 

「行かせてください

 

貴方が英雄になるまで

 

「お願いします」

 

私が…

 

「………わかりました」

 

止めたい気持ちを押し殺して私は一つの包みを取り出す。

 

「これを持っていってください。今日ベルに渡そうと思っていたものです」

 

「レフィーヤさん…」

 

「約束してください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絶対に生きて帰ってきてください」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

走り出すベルの背中を見送る。

 

掴んだベルの手は震えていた。

 

「レフィーヤまだぁ⁉︎」

 

「もうこれ以上は時間稼げないわよ」

 

私の詠唱を待っていた二人は傷つきながらも蛇のようなモンスターから時間を稼いでくれていた。

 

「すいません!詠唱を始めます!」

 

ベルは心配だがまず目の前のモンスターを倒してからすぐに追いかける!

 

【解き放つ一条の光、聖木の弓幹。汝、弓の名手なり。狙撃せよ、妖精の射手。穿て、必中の矢】

 

詠唱終えモンスターに狙いを定める

 

すると蛇のようなモンスターは闘っている二人ではなく私に反応する

 

魔力に反応している?

 

気づいた時には激しい痛みが腹部に襲いかかる。

 

正面のモンスターに気を取られ地面からの攻撃に反応出来ず私は吹き飛ばされた。

 

「っ…!」

 

「レフィーヤ!!!」

 

口の中が鉄の味で広がる、体を動かそうとするが思うように動かない。

 

お腹を刺され多分貫通してる。

 

ベルに何も言えないなぁ私

 

蛇のようなモンスターの先端が開き花の形になる、中に口が見え私を食べようと近づく。

 

ティオナさんとティオネさんは触手に掴まれて動けない

 

けどなぜだろう、こんな絶望的な状況でも私は確信してしまっている

 

きっとまた、あの人に守られてしまう

 

私は変わらない……

 

風が吹く

 

花のモンスターが真っ二つに切られ私の前にあの人が現れる。

 

アイズさん…

 

アイズさんに介抱され身を起こすと、蛇のモンスターが再び地面から三体同時に現れる

 

「ちょまた⁉︎」

 

「三匹⁉︎」

 

アイズさんはすぐに戦闘体制に入りモンスターに剣を刺す

 

しかしコブニュファミリアから借りている武器が耐えきれずに壊れる

 

「アイズ!そいつは魔法に反応してるわ、風を解きなさい!」

 

「武器がなくても一人一匹相手にすればなんとかなるって!」

 

アイズさんは風がを解く。

 

しかし突然またアイズさんは風をつけモンスターに狙われる、モンスターの動きは早くアイズさんはモンスターに咥えられ投げ飛ばされる。

 

「アイズさん…」

 

「無理に動いてはだめです、治療をしないと。すぐにガネーシャファミリアから救援が来ますから」

 

助けに行こうとするが、エイナさんから止められる。

 

そして物陰に隠れている女の子を見つけた。

 

そうかアイズさんは女の子を守る為に自分に反応させるように風をつけたのか。

 

私はまた見ているだけなの

 

憧れじゃ…

 

守られているだけじゃ…

 

勇気を持たなきゃ…

 

自分の足で立たなきゃ

 

だめなんだ‼︎

 

「私は

 

立ち上がり前を見据える

 

「レフィーヤ・ウィリディス

 

倒すべきモンスターを

 

「ウィーシェの森のエルフ

 

助けるみんなを

 

「神ロキと契りを交わした

 

勇気を振り絞れ!

 

「このオラリオで最も強く、誇り高い偉大なファミリアの一員!

 

憧れに追いつきたい!

 

『逃げ出すわけにはいかない!』

 

わかってる私じゃあの人の足手まといしかならない、これまでもこれからもきっと。追いかけたって追いつかない。

 

隣に並び立つ事すら許されない…でも!

 

追いつきたい!

 

助けたい、力になりたい、一緒に…闘いたい!

 

………それにベルに謝らなきゃ

 

【ウィーシェの名のもとに願う

 

追いかけることしか出来ないなら、追いかけ続けるしかない

 

【森の先人よ誇り高き同胞よ 

 

凄い速さで成長するベルを見て私は嫉妬した

 

【我が声に応じ草原へと来れ 

 

最初はちゃんと力になりたかった

 

【つなぐ絆 楽園の契り 円環を廻し舞い踊れ 

 

けどいつからかベルの力になると言った言葉が嘘になり

 

【至れ 妖精の輪 どうか_力を貸し与えてほしい】

 

追いつけないと諦めた私を貴方の背中に勝手に押しつけた

 

「エルフ・リング」

 

けど貴方と話して貴方を見て気付きました

 

貴方は別に強くないし賢くないし特別でもない

 

私と貴方の違いは何か?

 

わかりません

 

じゃあ私と貴方の同じものは何か?

 

同じ人に憧れた

 

なら私と貴方の違いは何か

 

自分の足で追いつこうとしている貴方

 

貴方の足で追いつこうとしている私

 

貴方は怖くても進みました

 

私は怖くて進めませんでした

 

どうして進めるのか

 

貴方に教えてもらいました

 

貴方の前にはみんながいる

 

私がいると答えてくれた

 

それなら私の前にだって!

 

「レフィーヤ!」

 

ティオネさん達が私の詠唱に気づく。

 

すみませんもう少しだけ私を守ってください

 

【終末の前触れよ 

 

私も自分の足で追いつかなきゃいけないんだあの人に!

 

【白き雪よ 黄昏を前に風を巻け 

 

私は貴方を後ろから支えるんじゃなく前で引っ張って行くんだ

 

【閉ざされる光 凍てつく大地 

 

ごめんなさいベル。これからは

 

【吹雪け 三度の厳冬――

 

一緒にあの人を追いかけましょう!

 

【我が名はアールヴ】

 

詠唱を唱え終わり同時にアイズさん達がモンスターから離れる。

 

もう怖くない。

 

私の前にもみんながいるから!

 

そして後ろには貴方がいるから!

 

「ウィン・フィルヴェルト」

 

辺りが静寂に包まれる。

 

一面が凍りつき花のモンスターが崩れ散る。

 

モンスターがまた出る様子もなく力が抜け倒れそうになる。

 

「ありがとうレフィーヤ!助かったぁ!」

 

ティオナさんに抱きつかれるが支えきれずに尻餅をつく。

 

後はみんながいれば大丈夫ですよね…

 

私たちはあの人に少しは追いつけたかな?

 

ベルは大丈夫なのだろうか?

 

 

 

 

 

私の意識はそこでなくなった。

 

 

 

 

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