英雄達   作:人類最強の請負人

21 / 42
21話怪物祭を終えて

 

「ほら行きますよベル」

 

自分の部屋で支度をしているとノックの音鳴り催促される。

 

「待ってすぐ行くから」

 

手荷物をまとめ少しのお金を忘れずに持ってから扉を開け外に出る。

 

「お待たせ」

 

外に出ると彼女が出迎えてくれた。

 

「もう遅いですよ、髪もはねてますよ」

 

「っえ!どこ?」

 

「ほら直してあげますから少し屈んでください」

 

僕は彼女の手が髪に届くように少しだけ屈み髪を直してもらう。

 

「はい、これで大丈夫ですよ」

 

「ありがとう」

 

満足気な顔した彼女にお礼を言いここで言い忘れていた事を言う。

 

「おはようレフィ」

 

「おはようございますベル。では早速出発しましょうか」

 

「はい!」

 

今日は僕の防具を購入する為にバベルの商業施設にレフィと行く約束をしていた。

 

「いい物が見つかると良いですね」

 

普段の服とは違う格好のレフィを後ろから追いかけるような形でついて行く。

 

「レフィその服似合ってるね」

 

「ふふっ、合格です」

 

そう言って上機嫌になったレフィは鼻歌を歌いながら前を歩く。

 

 

><><><><

 

 

バベルの病室にてレフィーヤさんにお礼を伝えて帰ろうとしたところで呼び止められた

 

「ベルこれから私の事はレフィって呼んでくれますか?」

 

「っえ!いきなりどうしたんですか?」

 

突然のレフィーヤさんの要求に困惑する

 

「私の親しい友人はみんなレフィって呼ぶ人が多いんですよ」

 

確かに普段レフィーヤさんと行動する時に聞いたことのある呼称ではあるがなぜ僕にその呼称を要求するのか?

 

「いえただベルにそう呼んでほしいと思ったんです……、嫌ですか?」

 

彼女の突然の要求に戸惑ったが断る理由などもちろんなく

 

「わかりましたレフィ」

 

そう呼ぶと彼女は笑顔になる

 

「それともう少し砕けて話して下さい」

 

「うん、わかったよレフィ。それならレフィも同じように話して」

 

「嫌です」

 

そんな彼女は陽気に笑うのであった

 

 

><><><><

 

 

それから僕は彼女に対して呼び方や話し方が変わったのだが彼女は今のままが話しやすいとの事で少しだけ……いやかなり僕たちは親交が深まった気がする。

 

「今日は晴れて良かったですね」

 

「そうだね」

 

晴天の下、僕たちは歩く。

 

まずは腹ごしらえをしてから装備を見に行こうと言う事で僕たちが向かうのはお馴染みの【豊饒の女主人】へと向かっている。

 

「今日はベルにお礼沢山しますので欲しいものは何でも言ってくださいね」

 

「それは流石に悪いよレフィ」

 

「良いんですよ私の気持ちなんですから、それにベルはそんなにお金を持っていないでしょ」

 

「…っぐ⁉︎……それは言わないでよ」

 

「まったく、先立つ物がないなら甘えて下さい。」

 

申し訳なさを感じながらもレフィの言う通りなので大人しく言う事を聞くのだが……

 

「でも食事代ぐらいは僕に払わせて下さい」

 

今日の全ての代金を払って貰うのは流石に忍びないのでここだけは譲れない。

 

「……まぁベルがどうしてもって言うならしょうがないですね」

 

僕の気持ちを察してかなんとか食事代だけはレフィに出させずに済みそうだ。

 

そうな会話をしているうちに目的地に辿り着く。

 

「おや、ベル今日はどうしましたか」

 

入口前、箒で掃除をしていたリューさんがこちらに気がつき声をかけられる。

 

「いえ、今日は食事に来ました」

 

「そうですか、横にいるのは【千の妖精】ですか?」

 

「はい、けど二つ名ではなく名前で呼んで頂けると嬉しいです。貴方はリュー…さんで間違ってないですか?」

 

「はい。こうして話すのは初めてですね、いらっしゃいませウィリディスさん」

 

どうやら二人が話すのは初めてのようで意外だった。

 

「ところでベル、怪物祭の時にシルバーバックを倒したと聞きましたが間違いないですか?」

 

「っ⁉︎どこで聞いたんですか?」

 

「私の友人が白髪の赤目でベルと名乗った冒険者に助けて貰ったと話していました」

 

「その話詳しく聞かせてください!」

 

僕は確認しなくてはならなかった。

 

あの時、シルバーバックを倒した後助けた女の子の姿を見つける事が出来ずにいたから。

 

「彼女に知り合いだと話したら伝えて欲しいと、伝言を預かっています『助けていただいてありがとうございます、お礼も伝えずに離れてしまい申し訳ございませんでした。』と」

 

良かった。

 

死亡者やレフィ意外に重傷者はいないと聞かされてはいたが、少しだけ不安だった。

 

「私からもお礼を、友人を助けていただきありがとうございました」

 

「はい」

 

思わぬところで女の子の安否を確認する事ができほんの少しの不安が無くなる。

 

「申し訳ない話し込んでしまって、今日は食事に来たと言っていましたね。では席へ案内しましょう」

 

そうして僕達は席に着き注文をする。

 

食事を待っている時にアーニャさんとクロエさんとルノアさんと少し挨拶を交わしに来てくれた。

 

「ベルはここの方達と仲がいいんですね」

 

「そうだね。よくお世話になっているから」

 

たわいもない会話をしながら食事が運ばれて来て少し高いながらも美味しい料理に舌鼓を打つ。

 

食事を終えてお金を払おうとするといらないと言われる。

 

「友人を助けていただいたお礼です」

 

リューさんからそう言われ僕が今日お金を出す機会をなくすのであった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。