うちはどうしたんや?
うちが好きなのはかわいい女の子や
けど何やこの胸の高鳴りは
うちは新たな扉を開こうとしとるんか?
「そうなに泣くなや、ベル」
ベル・クラネル
街でたまたま声をかけ
気まぐれで後をつけ
あいつへの嫌がらせでファミリアに誘った
それが何や何でこんなにも………
「神様のいじわる」
かわええんや!!
なんやなんやめちゃくちゃかわええやないか女の子にしかときめかんと思っとったのに目覚めてしまうわ!
「ちょっとからかっただけやないか、それにベルが悪いんやで。あんなかわええ反応されたら止められんやろ」
誤魔化す為若干キレながら言う
せやうちは悪くない、かわえすぎるベルが悪いや
「ごめんなさい」
はぁ〜なんで謝るんや!?ベルは悪くないで!ごめんな!うちこそごめんな!罪悪感半端ないやんか〜!そんなとこも含めてめっちゃかわええやんか!
うちの眷属たちも見習ってほしいわ………
「よしっ!恩恵も授けたしギルドに行こか」
このままやったら罪悪感で死にたくなってくるわ
「ギルドですか?」
ベルが涙目で尋ねてくる
「せやで、ダンジョンに入る為には冒険者登録せなあかんのや。それにベルはオラリオに来たばかりやろうし、オラリオの紹介ついでにこれから世話になるところへ一緒に挨拶に行こか」
最後に一言
「もちろんデートやで」
ベルの顔が真っ赤にそまる
オラリオの通りをベルと二人で歩く
「まずはここや!」
《豊饒の女主人》
「ミア母ちゃんおるか〜」
CLOSEの札がぶら下がる入り口を開けながら入って行くとエルフの女性こちらに気づく
「すみません、店はまだ準備中です」
「ちゃうちゃう、飲み来たんやないで」
「あぁ、貴方でしたか神ロキ。飲みに来たのではないならどのような用件で?」
「ちょっとな、今度の予約と挨拶に来たんや。ミア母ちゃんはおらんのか?」
「ミア母さんは今出ていますので予約については私から伝えましょう」
「そか、じゃあよろしく頼むで」
「それで挨拶とは?」
「あぁミア母ちゃんに少し紹介したい眷属がおってな」
「なるほど、それでその眷属はどこに?」
エルフの女性に言われベルがいない事に気づく
「あら、どこ行ったんや?」
後ろを振り返るとベルが入り口の前で立っていた
ロキは入り口まで戻りベルに言う
「おーい何しとるんや!顔見せる為来たんやねんから入らんかい」
少し遠くにいるベルに聞こえるように呼ぶ
「あっはい、今行きます!」
入り口からベルが小走りに入ってくる
「なんしよったんや?」
「すみませんロキ様、少し道を聞かれて」
ベルと話をしているとエルフがベルに近づき訪ねてくる
「神ロキ、この方が?」
「あぁ今日うちのファミリアに入った眷属や」
エルフは少し頷きながらベルの方に顔を向ける
「貴方の名前を教えてほしい」
ベルの目をしっかりと見てエルフは言う
ベルは少し驚きながらも答える
「僕の名前はベル・クラネルです」
エルフは微笑む
「ベル・クラネルですか良き名だ。私はリュー、リュー・リオンです」
リューはベルに手を差し伸べる
「ベル、貴方とは長い付き合いになるような気がする」
ベルがリューの手の意図に気づき差し伸ばされた手を握り返す
「よろしくお願いします」
リューはしっかりとベルの手を握り言う
「えぇよろしくお願いします。ベル」
「何二人だけでいちゃついてんねん」
ベルとリューの間に割り込む
「うちもまぜてぇな」
二人を抱きしめようと飛び込むと
「私に触れるな」
リューがベルを引っ張り込みロキを華麗に避けロキは地面にダイブする
「なんでや〜、なんでうちはあかんのや!」
ロキが立ち上がりリューに詰めよる
「いえ、神ロキが駄目なわけでなく。他人に触れられそうになるとつい」
「じゃあなんでベルと握手なんかしとんねん!」
リューが少し微笑み答える
「秘密です」
リューとロキの二人は気づかない
ベルを引っ張る勢いが強くベルがこけそうになったことに
リューは無意識のうちにベルを抱きとめていたことに
ベルの顔がリューの胸の位置に来たことに
リューの胸の中で顔を真っ赤にして気を失っているベルに
《ギルド》
「あははははははは!」
ギルドに笑い声が響く
「笑いすぎですよ神さま」
ベルが横でうつむきながら歩く
「いやいや、抱きしめられて気絶するなんて面白すぎやで!」
ベルが涙目になり何か言いたそうにしているが何も言葉が出ないようで二人はギルドを進んで行く
「さぁもう着いとるで、受け付けしよか」
すでに受け付けのすぐ前まで二人は来ていた
「えっ!いつのまに着いたんですか⁉︎」
どうやらベルは気づいてなかったようで顔を上げ周りを見る
「ここがギルド………冒険者がたくさん」
目の前には受け付けカウンター、その横にはクエストが貼り出されている提示版、提示版の前にはこれからどのクエストに行くか相談している冒険者達、他にもギルドの職員と話している冒険者、笑い合う冒険者、右を見ても冒険者左を見ても冒険者
うちらにとっては当たり前の光景やけどな
横を見るとベルの顔はまるでおもちゃに囲まれた純粋な子供のような目で周りを見て笑っていた
「こんなんで驚いとったらあかんで、オラリオで冒険者がおるなんて当たり前や、それにな………」
ベルに指をさす
「ベルもその一人なんやで」