「ようこそベル・クラネル。ロキ・ファミリアへ」
金髪のパルゥムが手に持っていたお酒を置き僕に微笑む。
その両隣に座っている美しいエルフの女性と、豪快に笑うドワーフの男性も僕の方へ顔をむけている。
「さて自己紹介から始めよう、僕はフィン・ディムナ。ロキ・ファミリアの団長をしている。こっちはリヴェリア、それとガレスだ」
「リヴェリアだ、副団長をしている」
「ガレスじゃ。よろしくなベル!」
この3人がロキ様から聞いていた始まりの3人だと知る。
種族が違い衝突しあっていたと聞いていたが今はその様子は微塵も感じない、むしろお互いを信頼しているようだと見て感じるほどだ。
自己紹介を受け僕は今日ミノタウロスから助けてもらった事についてお礼を言わなければと思ったがそれより早くフィンさんの口が開く話しだす。
「さて君の話しを聞く前に一つ謝らなければならないことがある」
先ほどの笑顔とは変わり真剣な表情になる3人。
僕は何事かと身構える。もしかしてロキ・ファミリアを追い出されるんですか⁉︎
「僕たちは君を死なせてしまうところだった。ファミリアを代表して謝罪させてほしい」
フィンさんがすまなかったと言いながら頭を下げる。
突然の謝罪に僕は驚く。
いったいなぜ僕は謝られたのかわからかった。僕はミノタウロスから殺されかけたお礼を言うつもりであった、しかしフィンさんの口からは謝罪の言葉が出る。
「なんや、どうゆうことやフィン」
僕より先にロキ様がフィンさんに問いかける。
他のファミリアの方々はなぜフィンさんが謝罪をしているのか理解しているのか疑問に思っている人はいなさそうだ。
「私から説明しよう」
リヴェリアさんが僕とロキ様にダンジョンで起こったことを説明する。そうして初めて僕がダンジョンの上層でなぜミノタウロスに襲われたかを理解した。
「なるほどな。逃げるミノタウロスか」
「あぁ私たちもイレギュラーに対応できず咄嗟の判断が遅れてしまった。その結果多くの冒険者を危機に晒し一人の冒険者を死なせてしまうところだった」
「その中で唯一の被害者が彼だった。血まみれでアイズが運んできた時は肝が冷えたよ」
リヴェリアさんからの話を聞き終えてからロキ様は、うんとうなづきベルの方を向く。
「ベルすまんかったな。怖い思いをさせてもうた」
ロキ様からも謝罪をされる。
しかし僕の思いは変わらない、ありのままの思いを伝える。
「確かにミノタウロスはすごく怖かったです。確かに僕は死にかけたかもしれませんが、だからといって皆さんを恨むことなんてありません。むしろミノタウロスから殺されそうになる僕を助けてくれて感謝しています。僕を助けてくれて本当にありがとうございました。」
僕は頭下げロキ様やフィンさん、ロキ・ファミリアに感謝をのべる。
「どうやらロキの見る目もまだ捨てたもんじゃないようだなフィン」
「あぁそうだねリヴェリア」
僕が頭を上げるとフィンさんと目が合う
「ベル・クラネル。君の寛大な心に感謝する。僕たちからこれ以上は何も言わない、たがせめてお詫びをさせてほしい」
「断るのはなしやでベル、うちらの顔を立てると思って受け取るんやで」
「わかりました」
僕はうなづく。