全くこの話に関係ないと思いますが、柱合会議時点の柱たちの入隊時期と柱にいつなったかの年表が欲しいと思いません?
後本当に関係ないんですが一番下の階級癸で現代換算20万円貰えるらしいっすね。
ちなみに真柱の継子料金は食費宿代込々で月換算15万円です。高いな!
……いや命かけている割に安い……? 保健とか引かれるものないよね……? 救護されたら救護費用差っ引かれるとかないよね?
しとしとと降りしきる雨の中、土はぬかるみ葉は撓む。
獣の匂いも花のにおいも消し流され何処かへと流れていく。
「はぁ、時間をかけ過ぎたか」
男は歩いていた。
道端で拾った具合のいい枝に紐をくくり、その先に結び縛られたモノを引っぱり歩いていた。
胸元から取り出した光り輝く懐中時計を見てため息を一つ。日は変わり朝日が昇る時間までまだ遠い。
いや、それどころか雨雲がこのまま消えぬのならコレの処理も面倒だと悩み事が増えて悩む。
「ク……ロセ……」
「──あぁ五月蠅い、動く骸がしゃべるな」
"足元"で蹴り転がされる化け物は口を作った。
しばらくの振動と共に声帯を再生させた鬼がしゃべる。
考え事を邪魔をするなと二度刻まれて何も言わぬ骸と化す。
……近くの村で六人だけ、たったそれだけ人を食った鬼であった。
再生する力も弱く力も弱いが隠れる技量だけはある、ある意味で厄介であった怪物だった。
「まったく……木の中に隠れているとは思いもよらなかった」
森の中に入れば誰かに見られているという感覚は常にあったが、どうにも自分を警戒しているようで出てこない。
普段ならば金の匂いがする場所を知ら見潰せばいいが今回はそうもいかない理由があった。
例えば刀、例えば宝石。技術を持つ腕に美味い食い物。
そういったものならば金の匂いがする、音がする、見て分かる。
けれど、そうでないもの。くず鉄や正真正銘な塵は全く何にも感じない。
著名でも新鮮でもない死体が動き出している。二度目の死を迎えれば……いいやこの言い方は鬼狩りにとって正しくない。
"操り人形"の糸を断ち斬れば、死体は灰となって崩れ消える。
残った何かを利用できるわけでも無し。ただ倒すという徒労のみが発生しうる。
ひどく、無駄な存在だ。
鬼狩りにとって、鬼とは金を掛けられてはじめて感知できるものだった。
『──あぁ鬼狩りのお人よ……うちの村は金も米もない。どうかこちらで……』
『俺は人の売り買いはしないのだが……』
「……」
「きつくはないか? 」
「……ん」
「そうか」
押し付けられた、親を失った子供が一人。手首に結ばれた紐を握りしめついてくるのを見て、らしくない気遣いをした。
フルフルと首を振り、ただ転がる鬼をじっと見つめる子。くいくいと引っ張られる紐を追いかけるように歩いていた。
「(さて、どうしたものか。金には……手入れこそいるが、それなりの額にはなる前兆、匂いがする)」
男は金を欲していた。
仮にこれが頭も足りぬ、育てても獣にすらなれぬような子であれば、かき集めてでも金を払うまで鬼を狩るのを待つつもりだった。
渋々ながら了承したのは、親無し子からほんの少しばかり、金の匂いがしたからだ。
……碌に洗っていない。下手をすればこれ一着しかなかったのだろうか。異臭のする麻の衣の袖はほつれ、頬には殴られた跡が見える。
飯も満足に食えてはいないのだろう。やせ細った腕と足では力仕事は出来そうにない。けれど無理をさせ鍬を持たせたのか。、紐を弱々しく握る手には潰れた血豆が見えた。
「……マレ、マ──ピッ」
──真の呼吸・参ノ型 叩き下ろし
「? 止まらぬぞ」
断面を荒く、切る瞬間にワザと軌道をずらす。再生を遅らせるのによく使う技。
何かぶつぶつと呟く鬼の顔へ使えば、汚い血を散らしつみれのようになった。
随分と転がしやすくなったなと思いつつ蹴る。
『……親が鬼に食い殺され貧しい村では手助けもしてやれない。
鬼狩り殿に連れて行ってもらえればこの子も幸せであろう』
そう聞いていたが、本当の所は違うのだろう。
「(まあ、そこはどうでもいいのだが)」
……顔の形はいい、髪も手入れをすれば復活するだろう。
手の荒れはしばし残るやもしれないがまだ幼子だ。飯を食わせ育てればいずれ薄れるだろう。
そう計算し、額を算出する。
「(半年、いいや三ヶ月あれば戻るか……遊郭、あるいはそれに準ずるような所に持ち込めば売れるだろうか?)」
流石の孤児育ち、人攫いというモノを見たことだってある。借金のカタに連れていかれる女も子も見たことがある。
なんならば自身とて連れていかれそうになったこともある。
……同じ人を売ることに罪悪感をあれど、タダで養う気もなかった。
「おい、子よ」
「……ぃ?」
村のすぐ近くまでやって来て、雨はいつの間にか止んでいた事に気が付いた。
もうしばしもすれば朝焼けが鬼を焼き殺すだろう。
そうすればこの子は晴れて自分のものとなる。その前に話しておくべきか、そう思ったのは親切心からかはたまた憐れに思ったからなのか。
「しばらくは丁稚代わりとして連れるが、半年もしないうちに別の所へ売り飛ばす。それまでに精々やせ細り見るに堪えない姿を直してもらう」
一先ず、異臭がする衣は捨てるか洗うかしろ。
そう言って男は自らの着替えを渡した。
大きさの合わぬ着物を頭からかぶさり、子は息を吐いた。
◇
欠けた穴を埋める代理として柱任命の議。
そのために男はお館様の下へと向かわねばならない。
走る、走る。
野を駆け山駆け川渡る。
上下合わぬ衣服の男を背負い走る黒一色の男が一人。
「……それで、その丁稚はどうされたんですか?」
「……運のいい事に、そいつは"稀血"という奴でな。連れれば普段よりも鬼が寄ってくるようになった。理解した後、鬼を引き寄せるの誘香代わりに汗を貰い鬼を寄せるのに使った。
血の方がいいが、毎度傷をつけていては価値を落とすだけだったからな」
あるいは鬼が嫌う藤の花のお守りを作ったり。
そういった裏だった作業を行う部隊に属する男は、背中におぶった……真柱になる男に尋ねた。
「飯を人一倍食うせいか、想定したよりも早く体の調子は戻ってな。売り場所を見つけるまでは少しでも価値を高めてやろうと色々と教えた。
俺が教わった獣のさばき方や保存食の作り方。服の縫い方や染め方」
姓を
代理として柱になった回数五回。消した鬼の数知れず、任務をこなした数数えきれず。
真の呼吸、という独特の流派をひっさげ、鬼殺隊に正式に所属せず協力者として存在する男。
人の為ではなく、金のためだと柱たちの前で言ってのけるという男。
その昔は、鬼殺しの刀も使わずに鬼狩りを続けていた異様な男。
隠にとって彼は人間の希望であり、人間が辿り着いていいものかと疑問に思う男であった。
そんな彼の強さの秘密が少しでも知れれば、そう思い尋ねてみれば「団子串三本分奢れ」と要求された。
とても、人間臭い男だと思った。
「……金の話ばかりしていたせいか計算ごとに強くなってな。最後は商家に雇わせた」
「それはそれは……鬼寄せとして連れ続ける気はなかったのですか?」
稀血。
人の中に極々たまに生まれる、鬼にとってのごちそう。食えば数十人から百人を超えた分食うの同義なほどの栄養がある者。
鬼に目を付けられれば、鬼殺隊のものが関わらない限りは惨い死に方を迎えるもの。
けれど、けれど稀血である者は必然的に鬼と出会いやすい。先ほどの話では鬼探しに苦労としていた男が手放す存在とは思えなかった。
「儲け話を持ってきたくれた褒美……のつもりだった。鬼と常に傍にいる職は厳しいものがあると思ったからな
あの阿呆は無駄にしてくれたが──と、いったん止まってくれ」
しかし、それを聞くと男は軽く笑って隠の肩を叩いた。
そうして隠の動きを止め、さっさと降り立つ。
「えっ──明鎮殿? 一体どうされてっ……」
「いや何……そうして何度も奴が寄せるうちにな……金に引き寄せられる、たかる虫を察知できるようになった。
この様に──なっ」
腰もとに結び付けていた鉈を引き抜き、遠くに投げた。
……隠は視認できず、それを腰から消えていた鉈、何かを投げたのだろうと思える動作で悟ることしかできなかった。
何かが叩きつけられる音、そして……異形のものと思える悲鳴が森に響く。
しばし時がたつと、高速で回転する鉈が男の手元へと戻ってきた。
「……え?」
「──真の呼吸・肆ノ型 放り廻し。
彼方に鬼がいるようだ、大して人は食っていないだろうが十円にはなる。さっさと済ませて来るので待っていてくれ……」
血が滴る鉈を肩に担ぎそれだけ言うと、明鎮は姿を消す。
鬼を狩りに行ったのだろう。
そう分かれば心配はない。柱として実力が確かな男が動いたのであれば隠として動けることはたかが知れている。特に守る人もいないこの場であればただ暇をつぶすのみだ。
そうなれば、疑問に思うのはやはり稀血の子の話だ。
商家の使用人として雇われた子は恐らく、置いて行った明鎮を探しに来たと選抜試験中に語っていたあの者に違いあるまい。
丁度、同期……同じ試験会場にいたためよく覚えている。
藤で覆い囲われた、人を一人か二人食った程度の鬼ばかりが放り込まれた山の中。
山の中で剣を折られ、鬼に食われそうになったところを助けられ……逃がしてくれたあの子。鬼狩りの刀も持たず、投石で気を散らすなどと創意工夫していたのは、今にして思えば傍にいた男のやり方を参考にしていたのだろう。
棄権し、隠となった後、その子が明鎮の屋敷を探し回っている隊士が居ると噂を聞き、そうか生き残ったのかと安堵していたが……。
「今では継子となり、鍛錬に励んでいると聞くが……」
果たして、真柱はそれを望んでいたのだろうか。
もしや、もう少し幸せな人生を歩んでほしい。そう思うと背中で聞こえた笑い声が木霊し、森の中に響いた鬼の悲鳴をかき消した。
本当にすぐ済みそうだ。
さっさと背負いなおし、早く目的の場所まで彼を連れて行かねば。
そう思った時、違和感を覚える。
あれ、そういえば……お館様の下へと連れて行くものには目隠しと耳栓をさせていただいているはずだか……。
「あれ、あの人何も外さず向かったな!? 柱になる人は化け物ばかりか!?」
い、いや流石に途中で外すか、そう思いなおした後、「鼻栓をするのを忘れていたな」そう言いつつ、チリ紙を詰める明鎮を見て隠は言葉を失った。
◇
行きは十円。帰りは二十円。
熱を持たないはずの札から、どこか暖かさが懐にじんわり広がる。今回の旅路は運が良かった。ついでに団子代も浮いたし言うことは何もない。
「あ、お帰りなさいませ師匠」
代理柱、真柱として任命され帰ってくると弟子が迎える。
自身の、深屋敷へと戻ってきたのだと改めて自覚した。
地を這いつくばりながら挨拶してくる弟子の首根っこを持ち、持ち上げる。
「鍛錬の進みはどうだ」
言いつけたことはしっかり守ったのだろうな?
そう尋ねると弟子は目を逸らした。わかりやすい奴だ。
「き、九割です……」
「……」
「……すみません、七割ようやく終えました」
そうだろうそうだろう。嘘はいけない。
お前の体の疲労状態など見ればわかる。大方一日目に気を抜いて、二日目に遅れを取り戻そうとし三日目に動けなくなったか。
そんなことでは払っている金がもったいないだろうというのに。呆れ、降ろした。
「よし、では残りの鍛錬をいまから言うことに置き換えてやろう」
今から残り三割をやるというのはどう考えても半日以上かかる。
それでは日が過ぎてしまう。内容を変えるほかあるまいと思い思案した。
なにか短くて経験を詰めるもの……そうだ、いいものがあったなと思い出す。
「あ、ありがとうございま──」
「俺と試合を五ほ──」
「──それは勘弁願います!」
言い切らせず弟子は慌てて起き上がり、残りの鍛錬をこなすため駆けて行く。
なんだ、思いのほかやる気が出たな。あれならば……日付が変わるほんの少し前には終わるか。
常日頃その覚悟で挑めこの阿呆う、そう言い切り土産の封を開け茶をしばくこととした。
-真柱の給料形態
・代理柱としての時
月給+出来高(高レート)
・柱がしっかりと九人揃っている時
出来高(最低雑魚鬼の一体十円から)のみ
査定は鎹烏にしてもらっているが一応明鎮も月一で何を斃したのか報告している。
~オリキャラ紹介~
・真柱 明鎮 豊人(みょうちん とよひと)
ようやく明かされる名前。
思えば名前ねーな、と思った男は適当に気に入った感じを自身の名とした。
フリーの時は痩せた馬だったり人だったりを押し付けられて困ることもしばしばあったそうだ。
・継子ちゃんくん
名前あるけどまあいいよね
両親を病で亡くしたあとは村の厄介者扱いされていた。殴られた後の血の匂いで鬼が寄って来ていたためまあまあ危なかった。
ちっょと成長し物心ついたと思ったら商人の家の使用人として置いてかれる。
ムカついたのでその後追いかける。
山の試験では傍にいた時に師匠にいろいろと聞き教わったことを生かして生き残る。
ようやく弟子になれた! え、師匠いつも太陽直火焼きだったの!? と漸く気が付く。
阿呆。
~オリ技紹介~
-真の呼吸・参ノ型 叩き下ろし
ミンチにする
-真の呼吸・肆ノ型 放り廻し
人はそれをブーメランと呼ぶ