インフィニット・ストラトス ファントム   作:OLAP

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なんか知らないが日間49位
嬉しい!


第二章 亡国機業
新たな始まり


あれから何ヶ月の時間が過ぎてしまったのだろう。アリサは心配しているのか。ここからなんとかして抜け出さなくては、そんな事をこの汚いベッドの上で考えている。

僕が今いるのは何処かの施設、ここでは日夜少年少女たちが生きるために殺し合いをしている。僕もそれをさせられている。なんでこんな事をしているのか僕にはわからない。何処かの組織に送りつけるのか。

僕が普段生活しているのは鉄の扉の出入り口に汚いベッド、そしてトイレや洗面台があるだけだ。ここで僕はいつもいつもマズイ飯を食っている。何ヶ月もここで過ごしていればマズイ飯を食っていればなれるのだな、最近では舌がおかしくなったと勘違いしてしまいそうだ。また、明日も殺し合いだ、生き残らなければならない。 そんな事を考えながら俺は眠りについた。

眼を覚ませば扉の前にはご飯が置かれている。僕はそれを食べ終えると鉄の扉が開く。これから殺し合いが始まる。俺は立ち上がり、扉から出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『E52、O10開始しろ』

 

職員の合図と共に僕ともう1人の金髪の少年が構える。O10、それがこの施設での僕の名前だ。ここは訓練施設の一つ、体育館程の大きさに市街地を模した障害物が設けられている。ガラスの向こうの管制室で安全な場所から見物する職員ども。

僕の今の格好は迷彩服に小型化されたアサルトライフル、さらに腰のホルスターには威力と反動をできる限り抑えた拳銃。さらにワイヤー十数メートル分、ナイフとグレネード数個とスモークグレネード二個、フラッシュグレネード一個を携帯している。相手の少年も同じ様な装備である。さらに首にはチョーカー、腕にはブレスレットがつけられており、僕たちが逃げ出そうとすれば直ぐに管制室からこのチョーカーに向けて電流を流す命令を出す。

 

ズドドドド!

 

向こうが此方に向けてアサルトライフルを発砲してくる。僕は直ぐに建物に隠れて弾丸をやり過ごす。弾丸は無限にあるわけではない、いずれ必ずきれる。そんな事を考えていると銃声が止まった。僕を警戒しているのか、それともマジで銃弾がなくなったのかわからない。だから僕は足元のテニスボール台の大きさの瓦礫を投げる。

 

パン!パン!

 

二発、拳銃の発砲音が聞こえる。グレネードと瓦礫を勘違いしたのだろう。それだけ極限状態でいるのだろう。ならば今度は本物のグレネードを投げ込む。栓を抜かれ空中を彷徨うグレネード、今度は発砲音はせずにそのまま爆発する。

 

「うわああああ!!」

 

E52の絶叫が響く、まさか本当に投げ込んでくるとは思いもよらなかったのだろう。混乱状態に陥った奴はさっきから銃弾を発砲し続けている。弾切れも時間の問題だろう。僕はすぐさま建物の死角を利用しながら奴の背後に回り込む。奴はまだアサルトライフルを乱射している。今度は建物の影に隠れながら拳銃で彼を狙う。銃弾をうち続ける彼だが実際は一歩も動いてはいない。だから建物からゆっくりと狙いを定める。距離にしてどれくらいだろうかそれ程離れてはいない。背後から彼の頬をかするようにゆっくりと引き金を引く。

掠った。それだけで十分だ。

彼は此方をギロリと睨みつけるとアサルトライフルを打ち始めた。僕はその場から立ち去り、再び隠れる。アサルトライフルが空になると彼はアサルトライフルを投げ捨て、僕のいた所に向けて拳銃を打つ。やがてそれもなくなると今度はグレネードを投げつけた。どれだけ彼は焦っているのだろう。そんな事を考えながら僕はスモークグレネードを構えて投げた。煙に飲み込まれる彼は既に遠距離武器はなく、残されたのはナイフと己の体のみ。しかし、それでは僕には勝てない。

僕は彼の叫び声から位置を予測して石を投げ込む。ゴンという鈍い音がした。そしてすぐさま円を描くように彼の背後に回りながら近づく。先ずは背後から一撃、石を食らったことで前面を警戒していたのか、背後が無防備だった。

そしてそのまま距離をとる。だんだんと煙が晴れていく。煙が晴れると奴は立ち上がっておりナイフを構えている。前面に対する集中。

しかし、僕がいるのは前ではなく後ろ。奴は僕の位置を見誤ってはいなかった。確かに真後ろから殴られたので真後ろに振り返って構えた。けれども僕はその振り向くまで間に後ろに回り込んでいた。

 

「ふう」

 

息をはきながらゆっくりと拳銃の引き金を引く。狙いは足元、ギリギリ立てなくなるくらいのダメージを奴に与える。一撃与えた所でもう一発ぶち込む。膝から倒れこむ奴、僕は近づいて行って持っていたナイフを蹴り飛ばす。これで彼は何もできない。

 

「ーーーー!ーーーーー!」

 

 

日本語では無い言葉で叫ぶ彼、その眼には涙が浮かんでおり、死の恐怖が心を占拠しているのだろう。

 

『早くやれO10』

 

職員からの催促がきこえる。奴の口にアサルトライフル突っ込む。そして

 

「バーン!」

 

銃声のモノマネをした。実際には何もしていない。僕はそのまま銃を直して、奴の元から離れる。奴は既に気絶している。どうせまた電流がくる。

 

『早く殺せ!O』

 

職員が話しかけていると突然、アナウンスと電気が消えた。なんだ今までそんなことは無かったぞ。管制室を見れば職員たちは慌てふためいている。だがこれはチャンスだ逃げだすための。俺は直ぐに自分の首にナイフを当ててチョーカーを切断する。切れやすい素材で助かった。それに今の事をしても何もないということは電気が完全に止まっているのだろう。

 

ドッギァアアン!

 

突如として天井が破壊され何かが落下してきた。それはよく見てきたものだった。しかし、形が違う。

 

「IS!」

 

灰色のボディに包まれたそれを見て僕は驚いた。機数二機、そのうちの一体がE52を回収していた。

 

(逃げなきゃ)

 

僕は走り出した、幸いにもISは僕に気づいてはいない。出口に向かって。グレネードの栓を抜き、塞がれている扉に向けて投げつける。見事に爆発したグレネードは扉を砕いた。僕はその穴から抜け出す。

 

「O10、奴を倒せ!」

 

外に待ち構えていた職員が命令してくる。チョーカーの無い今、こいつらの命令を聞く必要は無い。アサルトライフルを構えて、膝に向けて発砲。直撃すると同時に膝から倒れこむので下からアサルトライフルの銃口付近を持って振り上げる。顎に当たったことによって気絶する職員。僕は奴の白衣を剥ぎ取って羽織る。さらにポケットの中を漁っていくとカードキーを抜き出した。そしてまた走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

少しすると僕は普段俺らが寝泊まりしてるとエリアに到着した。僕はすぐ様、カードキーを使って鉄の扉を一つ開ける。中にいたのは橙色の髪の少女、年齢は僕と同じくらいだろう。少女は僕をみるとビックリしていた。僕は少女の手をつかんで外に出るとまたカードキーで扉を開ける。

僕は少女にカードキーと拳銃を渡すと他の子達の扉も開ける様にとジェスチャーする。

 

「何をしている!」

 

職員が数人きやがった。僕はアサルトライフルを横薙ぎに払いながら打つ。職員たちは足を打たれて倒れてしまう。すると1人がポケットから銃を取り出したので職員の肩目掛けて放つ。弾丸は見事に肩に当たり、職員は悶え苦しむ。僕は近づいて行って全員の頭をアサルトライフルで殴る。そしてその後、手荷物を調べてカードキーを取り出すとそれらを救出された子供達に渡していく。数分もしないうちに全員を救出する事に成功した。

救出された男子達は職員からの奪った武器を持って出口を探しに行く。僕の周りには女子達が身を寄せ合っている。暫くすると男子達が戻ってきた。どうやら出口を見つけたそうだ。僕は直ぐにみんなに出る様にジェスチャーする。

 

ドオオオオン!

 

壁を突き破ってISがでてくる。他の奴らは混乱してしまい出口に向かって走り出す。ヤバイな。このままじゃ全員捕まってしまう。

 

(ならば)

 

僕はグレネードをISの足元に投げ込む。爆発して足元を崩す、ISは爆風を防ぐために構えていたので飛行していなかった。そしてそのまま床と一緒に落下して行くIS。

 

(こんなじゃダメだ)

 

僕は近くの柱にワイヤーを巻きつける。近くにいた子供達に逃げる様に指示を出す。最初は僕も一緒に来いみたいなニュアンスでジェスチャーを送っていたが、僕は手を突き出して拒んだ。 ここでこいつを好き勝手にやらせたらみんな逃げられない。だから誰かが足止めしなければならない。みんな納得したのか出口に向かっていく。

最後に残ったのは最初に助けた橙色の髪の少女、彼女は僕の右手をしっかりと握って何か言っていた。多分頑張れみたいな事だろう。

少女が過ぎ去ったあと、僕はISに向けてワイヤーを使いながら降りた。

 

 

 

 

 

 

 

 

無事に落下したぼくは目の前の敵に銃を構える。

 

IS

 

束さんが作り上げたパワードスーツ、こんな形で再び出会う事になるなんて思いもよらなかった。

 

「…………」

 

ISは何もせずに此方を見てくる。

灰色の全身装甲、フルフェイスタイプのヘルメットにはゴーグルの様な目が合った。

 

「ふ!」

 

初めに動いたのは僕、アサルトライフルを思いっきり発砲する。しかし、ISにこんなのが効かないのはわかっている。少しでも減らせればいい、そんな僅かな可能性にかけて。暫くするとISが動き出して此方に近づいてくる。僕は銃を構えたまま、後ろに走り出した。

 

 

今回の戦いで僕が考えなければならないのは二つ。先ず一つはみんなが脱出する時間を確保する事。五、六分で出口がわかって帰ってきたため、五分稼げれば良い。すでに一、二分経過しているから残りは四分。そして二つ目は僕自身の脱出経路の確保、なぜかというとこのISにはまず勝てない。だから僕は逃げ続けなくてはならない、だからワイヤーを使って上に登ろうとしてもその途中で捕まってしまう。ならばどうやって脱出しよう。考えられるのは二つ、偶然出口を発見するか、下水道などを利用しての脱出。前者はそんな都合のいい事があるはずが無い。だったら後者だ。幸いな事に先ほどからチラホラとマンホールや下水道に続く格子が見える。あとはあれをグレネードで破壊するだけだ。

 

 

そんな事を考えながら僕は走り続ける。だが不思議な事にISからの攻撃はまるでない。どういう事だ。それによくよく考えたらなぜ僕についてきている。僕より皆を狙えばいいのに、それとも飛行能力が無いのか?さっきから足に装備された車輪で移動しているし。ならば後者だろう。ならばちょうどいい。

俺は狭いパイプを潜り抜けたり、狭い隙間に入りながら攻撃を続ける。

 

(そろそろ時間だ)

 

僕はフラッシュグレネードを使い目眩ましをすると狭い通路に入り込み、ISとの距離を離す。流石にISと言えど狭い通路に入り込むのは不可能。そして僕はISとある程度の距離が取れた事を確認すると床にグレネードを仕込む。

 

ドオオン!

 

爆発音と共にマンホールが吹き飛ぶ。あとは下水道に入って逃げるだけだ。そんな事を考えているとISがやってきた。僕がマンホールに

入ろうとしているのを見ると慌てた様に此方に近づいた。しかし、僕は下水道に飛び込んだ。そして僕は落下しながら見た、ISが此方に向けて手を伸ばしているのを。

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