今回は大急ぎで書いたため、文章におかしなところがあるかもしれません。
疲れ果てて体がまともに動かない。空から迫り来る空中戦艦を見上げながら何もできない。
戦艦はある程度の高度まで到達するとその場にとどまり始めた。何をするわけでもない、ただじっとしている。
亡国機業かネオか、それとも新たな第三者か。できれば亡国機業であってほしい。
『ゼロ、無事!?』
スコールさんからの通信だ。心なしか少しだけ焦っていはようだ、珍しい。
「生きてますけど、骨自体は無事ですが、腕の装甲が壊れて動かなくなりました。できれば誰かに来て欲しいです」
『わかったわ、私が向かうから待ってなさい』
「了解」
体を軽くするために腕部の装甲を収縮。そしてゆっくりと腕を使わずに立ち上がる。
できることなら腕部を展開しておきたいが、今の俺の体力ではきつい。軽くなるのはいいのだが、その分腕への攻撃には絶対防御が発動しなくなってしまう。こんな状況で奇襲をされたらまずい。
腰装甲の収納部分を開いて、携帯食料のパック詰めのゼリーを取り出して飲み干す。そして再度収納する。
何処かに隠れるか、ショッピングモールか。とりあえずスコールさんがくるまで逃げておかないと。
『安心しろ』
コアの人格、ゼロが話しかけてきた。こいつは普段は黙っているのだが、たまに話しかけてくる。いつもは自分のコアの世界に閉じこもっているのに。
「安心しろってどういうことだよ」
『あれは敵ではない、タバネの船だ」
「タバネ?…………つーことはあれは束さんの船か?」
『そうだと言っているだろう』
あれが束さんの船、と言うかあの人あんな物持ってたんだ。
秘匿回線で通信が入った。誰だ。知らない番号からの通信だ。
『ヤッホー!いっくん、篠ノ之束さんだよー!』
無駄に元気な声で束さんが通信して来た。それにしても久しぶりに束さんの声を聞いたな。いつ以来だろうか、真面に会話したのだってNo.000を貰った夜以来になるのか?
「お久しぶりです、束さん。なんで俺がここにいるとわかったんですか?」
『簡単だよ、いっくんが000を起動させた事はわかってたから、その反応を追ってここに来たんだよ』
「なるほど、わかりましたそれで俺は何をすれば良いんですか?」
『取り敢えずこっちまで登ってきて、話はそれからね』
「わかりました。今行きます」
束さんとの通信を切断して、今度はスコールさんに通信する。
『何かあったの、ゼロ』
「ええ、あの戦艦の正体がわかりました。あれは篠ノ之束の船です」
『え!?篠ノ之束の?』
スコールさんが珍しく驚いていた。それもそうか、篠ノ之束なんていうビッグネームが現れたのだから。
「それで、束さんに呼ばれたので今から向かいます」
『…………わかったわ。無事に戻ってきなさい』
スコールさんとの通信を切断する。
そして背中のスラスターの調子を確認する。戦艦との距離は数十メートル、飛行する分には問題はない。
飛翔開始、徐々に戦艦に近づいて行く。
そう言えば何処から入れば良いんだ?
その矢先、戦艦の一つのハッチが開いた。あそこから入れということだろう。
速度を落としながら戦艦に近づいて行き、ハッチに侵入。それと同時にハッチが閉じた。
戦艦の内部には明かりが灯っていた。
敵に攻撃する心配はないからISを解除して、内部を進んでいく。内部の通路は意外にも綺麗にだった。
通路には矢印が点灯していて、俺を案内している。少し歩くと扉の前についた。扉を開けようと足を踏み出すと一人でに扉が開かれ、俺は部屋に入った。
「やあ、いっくん。久しぶり」
部屋の中には束さんがいた。ふだん通りの訳のわからない衣装にウサミミ、そう言えばリリスさんもこんな格好だったな……天才はこんな格好をしたがるのか?
「お久しぶりです、束さん。それで御用件は?」
近くにあった椅子に腰をかける。先ほどからISコアの声がしている。数十近くの別々の声、シロノの声はしないから何処か別の場所においてきたのだろう。
束さんは少し俯いて泣きそうになっていた。
「私はいっくんに謝らないといけない。私がISなんて作ったから、いっくんは誘拐された。ISがなければいっくんはアリサちゃんと今も一緒にいられたのに」
普段は見せない束さんが泣いている姿、白騎士事件の時以来だ。
「束さんが謝る必要はありません。謝るのは俺です。俺はISが宇宙開発用の物だと知っていながら、それを踏み躙って戦闘に使っている。それに不思議なことに思うんですよ、俺は遅かれ早かれ、ISがあろうとなかろうとこうなる運命だったんだと」
「はは、ゴメンねいっくん気を使わせちゃって」
涙を拭き取りながら束さんは少しだけ微笑んだ。そして今までにみたことのないような暗い表情をして、呟いた。
「こんなんなら世界なんて滅べば良いのかな」
身体が震えた。
今まで闘ってきたどんな者よりも恐怖を感じた。
目の前にいるのは束さんかどうか疑わしく思えた。
「束……さん?」
オドオドとしながら束さんに声をかける。
「ん、ああごめんねいっくん」
いつもの束さんに戻った。感じていた恐怖心もなくなり、身体の震えも治まった。
「それでねいっくんに少し話しておかないといけないことがあるの」
「話ておかないといけないこと?」
「No.000を含めた始まりの五つのコアについて」
「始まりの五つ、なんですかそれは?」
俺のゼロ、白騎士のシロノ、後三つはなんだろうか?
「私が最初に作り出した我の強すぎる五つのコア。自分の認めた者しか乗せず、コア自体の性能も他のを超越している。例えば初期化する必要は無いし、量子化して収納できる物の量も桁違い。まあ他にもあるけど」
確かにISの性能はコア自体に依存する。量産型のコアよりも束さんのオリジナルのほうが高い性能を持っている。でも。
「待ってください束さん、俺の000は確かに初期化しなくてすみますけど、収納できる量は他と変わりませんよ」
「それはそうだよ。だってその子自身が制限をかけてるんだから。いっくんに合わせて000も制限を解除していくつもりみたい」
つまり俺が未熟だから000が制限をかけているという事か。なんか複雑な気持ちだ。
「まあ、お話はそれまで。あとはいっくんたちにプレゼント」
俺ではなくて俺達に?なんだろうか。
ロボットアームが動きだし、束さんの手元にISコアを持ってきた。
「それは?」
「No.004、私が持ってる三つのコアのうちの一つ」
No.004、なるほど確かに000と同じ気配がする。
「三つ?あとの一つはどうしたんですか?」
計算が合わない。全部で五つあって、そのうち俺が一つ持っているのなら四つではないのか?
「一つは、No.003は信頼できる人に渡してるよ」
束さんが信頼できて貴重な物を渡せる人となると…………なるほど。
「皇さんですか?」
束さんが信頼できる大人は皇さんしかいない。確かに皇さんなら預ける事ができるだろう。
「ピンポーン!いっくん鋭いね」
「束さんが信頼できる大人は皇さんしかいないと思って」
「ハハ、確かにね。それで本題に戻るね、この子がいっくんたちの仲間の誰かに反応を示したの。だからこれをいっくんにあげる」
束さんは手に持っていたコアを俺の手に移した。
「…………良いんですか?俺で。もしかしたら無茶苦茶な使い方するかもしれませんよ」
「大丈夫、私はいっくんを信じてるから」
「わかった。これはもらっておきます」
手に持ったコアを量子化して収束。
そろそろ帰還する時間だ。戻らないと。
「すみません、時間がないので帰りますね」
「うん、私もごめんね。時間が無いのに呼んじゃって。久しぶりだからつい嬉しくなって」
「また機会があればきます」
束さんに向けて礼をしてから立ち上がる。そして出口に向かって歩き出す。
「いっくんは何か変わった?」
部屋から出る直前、束さんからそんな言葉が投げかけられた。
「変わってませんよ、俺は俺です」
変わった変わった変わった変わった、変化する……そんなことはない。俺は変わってなどいない。住む場所が変わっても人殺しをしようと俺は変わらない。
「よーし、一夏。004の起動準備できたぞ」
束さんとの再開から数時間が経過して、俺は今本部の整備室にいる。目の前には004を繋げたISが鎮座している。
今から行うのは004の適性検査。誰が扱えるかを調査するためのものだ。リリアさんや整備班協力の元で行われている。
「わかりました。今からよんできます」
被験者となるのはあのとき戦場にいた奴ら全員。今から集合をかけにいくところだ。
扉に向けて歩いていると一人でに扉が開き、中に誰か入ってきた。
「やっぱりイチカここにいた。探してたんだよ。ご飯食べに行こ?」
ティファだ。どうやら俺を探しにここにきたらしい。でもどうしてわかったんだ。
「なんでここにいると思ったんだ?」
「んー、しいていえばここにいるって思ったから」
「なんだそりゃ」
まあ、一人呼ぶ手間が省けたのは丁度良い。ティファはここで検査を行おう。
「良かった。俺もお前を探してたんだよ」
「え、なんで?」
「いいからさ」
ティファの背中をポンと押してISの前に押し出す。
「そのISを起動させてくれ」
「なんでそんなのするの?別にいいけどさ」
文句を垂れながらティファがISに触った。
すると起動するはずないそれが光始め、起動した。
「嘘だろ!?」
「えっ?なにこれ!?ちょっとイチカ!なにこれ!?」
マジかよ。まさか最初の最初でアタリかよ。
アムドライバーっていう少し前のロボットアニメ、ISとのクロスにもってこいな気がする。