インフィニット・ストラトス ファントム   作:OLAP

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遅れましたが、明けましておめでとうございます。

この作品も一月一日を以って、二周年になりました。これからもよろしくお願いします。




ネオの猛者

 

「あはは!どうした、どうしたぁ!」

 

目の前から敵、ガーベラが迫る。後方からも三機。

 

凌げるか、武器を確認する。残弾数はほぼ零。接近戦用の武器はまだまだ余裕がある。だが残りのエネルギーは半分以下になっている。

 

 

 

何故こうなった。俺たちは任務でとある国の暴動を収めるために市街地で、その暴動を扇動していたネオと戦っていた。

 

敵をほぼ殲滅した時のことだった。新たにネオの軍勢が襲来し、俺は他のみんなと分断された。そして目の前には何度も戦ってきたガーベラという女とその部下三人。

 

多勢に無勢、しかもこちらは消耗した状態での戦いとなったために追い詰められている。

 

右手には長剣を一本、左手は徒手。スラスター、起動系になんら問題はない。

 

どうやってこれを突破する。

 

敵はガーベラを主体にしながら、部下三人が俺から一定の距離を取りながら戦い続けている。

 

俺の機体は『ウルテナⅢ』、従来のウルテナ同様に基本パーツとは別にアーマーをかぶせることにより、特化した性能を発揮させる。俺が今被せているのは近接特化型のアサルトアームズ、白と赤のコントラストが象徴的なこれは、加速度だけなら全部のISの中で最高クラスである。

 

だがその加速度を何処で発揮させる。下手な事をして、対処されれば終わりだ。攻めて四を三に減らせれば、まだにげきれる。他の誰かが駆けつけてくれる可能性がある。

 

「ソコォ!」

 

ガーベラからのランスが迫る。腹に突き刺さるそれを身を捻じる事でかわす。そして回転を利用して、背後に回り込み、ガーベラの背中を足場にして敵のうちの一機目掛けて最高加速を行う。

 

瞬きする間に敵との距離をゼロにする。敵は俺の加速度に驚いているようで、僅かに反応が遅れていた。

 

他の三機とは距離が離れている、だがそれも三秒もあれば詰められてしまう。ならばその三秒の間に状況を変えてやる。

 

敵が距離を取ろうとバックステップを行いかける。だがそれよりも早く俺のハイキックが敵の頭を捉える。そして動きが止まったところで顎に掌底、体が浮き上がったので胸ぐらを掴んで、残りの三人に向けて投げつけた。

 

「わ、わわ!」

 

投げられた敵を慌ててキャッチする一人。そしてそこにはガーベラ以外の三人が集まっている。

 

俺は離れる。

 

「何やってる!早く……ッ!」

 

他の三人に声をかけて近づこうとしていたガーベラが、突然方向を変えて三人から高速で離れる。

 

そして投げ飛ばされた人間を中心に爆発が起こった。投げ飛ばす際に爆弾を取り付け、集まったところで爆発を起こした。ガーベラのやつは気づいたが、2人を巻き込めたのは幸いだろう。

 

「やるじゃあ、ないか!」

 

背後からガーベラが襲って来た。振り向き、後方に移動しながらガーベラに剣を向ける。ガーベラもランスを構え、俺に向けて突いてくる。

 

捌く、躱す、いなす。

 

自分が今どの位置にいるのかを意識しながら、味方がいる位置にまで行こうとする。

 

だが。

 

空からビームが降り注いできた。

 

ガーベラも巻き込む、ビームの豪雨。ガーベラから距離を取って慌てて左手にシールドを展開する。

 

シールドを傘のようにしてビームの雨から身を守る。ガーベラは何発かが直撃したが、ビームの範囲から離脱をした。

 

「おい、クルーシャ!テメエはあたしごと殺す気なのか!ああ!?」

 

ガーベラが空を見上げながら、怒声を放つ。

 

「問題?」

 

空から声がした。白、果てなく続く白を連想される声に釣られて、俺は天を仰ぐ。 

 

そこにあったものを表現するのであれば巨大な機械天使。

 

純白のボディ。ISのサイズとしては俺たちが搭乗しているモノよりも一回り程大きい、四、五メートル。何よりも特徴的なのはその形だ。普通のISが人が装着する鎧のような形であるとすれば、アレは殺意を具象化させた巨大な十字架。十字架の横棒、人で言うならば脇の部分からアームが伸びており、先端には通常のISサイズ程の手。

 

あまりにも不気味。今までに戦ったどのISよりも悍ましい。

 

「宿敵?」

 

修飾語の抜けた文ではあるが、言わんとしている事は俺でもある程度は推測できる。

 

青色のモノアイが俺を見据える。

 

「手ェだすなよ、あたしのフラストレーションの発散だ」

 

「やだ」

 

二機のISが迫る。そして俺は一切の疑いを抱く事なく二機から逃げる。今は勝てない、万全な状態で戦うならまだしも、シールドエネルギーは半分を切っており、弾丸の数も残り少ない。まして相手は俺と同格と言える。コアに差があるといってもこの状況は不利だ。

 

せめて、他の奴らがいるところまで逃げないと。

 

十字架の手の指先から放たれるビームが硬いアスファルトの土地を刳り、俺に迫る。

 

少ないシールドエネルギーではあるが、瞬時加速を使用して距離を離す。

 

「逃げる」

 

「逃げるかぁ!?」

 

十字架が速度を維持したまま降下し、ガーベラはランスからレイピアに持ちかえて接近戦を仕掛ける。

 

「ララララ!!」

 

芸術的なレイピアの連続攻撃が俺を攻め立てる。シールドを駆使して、直撃を避ける。何度も何度も

吹き荒ぶ風のように俺の身体を打ち続ける。

 

熱源反応。

 

ソレの元は十字架からだった。指先をこちらに突き出し、指先と十字架の交差点にあたる部分にある砲門からビームが放たれようとしている。目測だけでそのビームの威力を予測するのであれば、マトモに食らってしまったのならば絶対防御が発動して、活動停止しまうだろう。

 

逃げなければ、だがその思考が行動に移るよりも速くにビームはガーベラを巻き込む勢いで放たれた。

 

ビームに対して正面を向き、盾を構えながら後方に跳躍する。周囲の空間を焦がしながら突き進むビーム。

 

反応が遅れていた。ビームがシールドに直撃した。勢いが殺せない。シールドに罅が入った。

 

どうする事もできない。余りにも勢いが強くビームから逃れる事ができない。

 

ビームに吹き飛ばされて、周囲の建物を打ち砕いて反対側の道路まで飛ばされ、シールドは破壊された。

 

「……あんたもヤバそうだな」

 

背後から先ほどとは違う安心する声がした。

 

「シルヴィアさんもですよね」

 

シルヴィアさんがいた。

 

俺と同じようにシルヴィアさんも酷く手傷を追っているようだ。周囲にはガーベラと同じ機体が一つ、その部下と同じのが二つ。

 

どうやらシルヴィアさんも危険な状況らしい。互いに背中を合わせながら、敵を見据える。

 

「クルーシャ!今のは死にかけたぞ!」

 

「死んでない」

 

建物を破壊しながら、こちらにガーベラと十字架がやってきた。

 

「切り抜けるのは、ちょっと困難だな」

 

「珍しく弱気ですね。まあ、気持ちはわからなくもないですが」

 

「シールドエネルギーは?」

 

「半分を切ってます」

 

「あたしもだ。単一能力は使えないのか?」

 

「……無理ですね。アレは怒りや殺意と言った感情が極限まで昂らない限り使う事ができません。それにアレを使ってもこれを切り抜けられるか」

 

No.000のコアの持つ単一能力『零落極夜』、シールドエネルギーを消費する代わりに、絶対防御すら破壊してしまう刄を生み出す。俺とコアの繫がりが高いが故に使用できるソレは俺自身が極限まで感情を昂らせない限り使用する事は不可能である。

 

「打つ手無しか?」

 

「かもしれませんね。前向きに考えて、これが終わったらなにするか考えます?」

 

「いいかもねえ、あたしはゆっくりと珈琲でも飲むよ。あんたは?」

 

「生存欲求が高まってる、だからティファを抱くァ!」

 

「……あんたらしいね」

 

「御相談は終わったかい?」

 

ガーベラと同じ機体に乗っている奴から話しかけられた。ガーベラを含め周囲の敵は何時でも攻撃が仕掛けられるように待機している。

 

「ザマア無いね」

 

酷くイラつかせる声音、言い方であった。

 

「スカーラどうする」

  

ガーベラが問いかける。

 

「そうだねえこいつらが、命乞いをして、土下座して、ISを渡すんなら、逃がしてやってもいいかなあ?」

 

 神経を逆撫でるような、酷くイラつかせる話し方であった。ヘルメットに覆われていても、ニヤついている表情をしているのだという事は容易くわかった。

 

命乞いか、した事がないな。今の状況ではこの場を乗り切る事は不可能に近い。スコールさんたち、他のメンバーも今は敵と戦闘中。こちらに人員を割くことができないということは、ヘルメットのモニターに映し出される映像から判断できる。

 

ここで命乞いをして、見逃してもらって、醜く生きて、アリサの元に戻るのも一つの手か。

 

決断。

 

「ゼロ、一丁やるか」

 

「そうですねえ」

 

どうやらシルヴィアさんの決断も俺と同じようで、安心した。

 

「はは、決断したのかい?なら早く見せてくれよ、イ、ノ、チ、ゴイ!」

 

スカーラと呼ばれた女が俺たちを蔑むように、見せ物を見る時のように笑っている。

 

息を整える。やる事は一つなのだ。難しい事ではない。

 

俺とシルヴィアさんは背中合わせになったまま、互いの背中を預けたまま、己の敵に向けて、右手の中指を突き立てた。

 

「バーカ、誰がそんなことするかよ。我ら亡国機業はなあ、貴様らのように惨めに生きる方法を知らないんだよ。命乞いをするくらいならなあ、気高く戦って死ぬことを選ぶんだよ!」

 

声高らかに宣言する。

 

「そういうことだ。私たちは諦めが良くないんだよ。残念だったねえ」

 

スカーラという女の動きが止まった。そしてゆっくりと肩を震わせ始めた。

 

「そういうことかい、なら。ヤッチマエ!」

 

「命令してんじゃねえよ」

 

「五月蠅い」

 

戦闘再開の合図だった。




正月の期間限定召喚、呼符二枚でアルジュナが当たりました。だが石を計百六十個、呼符を五枚消費しても師匠は当たらなかった。

…………無課金、卒業しようか。
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