インフィニット・ストラトス ファントム   作:OLAP

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すいません、遅れてしまいたした。

バレンタインピックアップガチャ、四回引いたら清姫二人に、ネロブライド二人。星五鯖四人のうち、三人がセイバー。

星五セイバーが三人、来るぞ遊馬。


死の音

「行くぞ、ゼロ」

 

「ラアアアアッ!」」

 

二対七、数だけで判断するならば絶望的。それに加えてシールドエネルギーも残弾数も半分以下。どうしようもない。

 

「正面突破でスコール達の元に行くぞ」

 

目指すはスコールさん達がいる場所。ここから一キロも離れてはいないがそれ以上の距離を体感する事になるのは確かだ。

 

息を合わせて勢いよくかける。

 

「やれええええ!!」

 

スカーラという女が号令をかける。それに合わせてガーベラとクルーシャ以外の二人が突撃して来た。なんだ、あの三人は仲が悪いのか。

 

一人がシルヴィアさんにもう一人が俺にくる。二丁のアサルトライフルを展開。残り少ない段数、その全てを敵に向けて放った。数秒もしないうちに弾は切れ、敵もほぼ無傷といったところか。こちらに剣を構えて突撃してくる。

 

グリップから手を離して、アサルトライフルを半回転させて銃口付近を掴む。

 

弾が切れた銃はどう扱うか。

 

簡単だ。

 

鈍器にすればいい。

 

二丁のアサルトライフルで敵を殴る。こんな事をしてしまえば銃身がおかしくなってつかいものにならなくなるかもしれない。だが弾がないなら関係ない。

 

リズミカルに、踊るように敵を殴る。数度勢いよく殴り続けると銃身が曲がってしまった。

 

銃を収縮して徒手になる。一度右足で怯んでいる相手の顎をアッパーのように蹴り上げ、追撃の跳躍回転蹴りで吹き飛ばす。

 

シルヴィアさんを見れば、既に相手の首をへし折っていた。相変わらずお早いことで。

 

何も言わずシルヴィアさんは駆け出した。スコールさん達がいる場所まではまだ距離がある。

 

「スコールさん、援軍はまだですか。こっちは少しヤバイです」

 

『応援を行かせたいのはやまやまなんだけど、こっちもこっちで数が多いのよ』

 

どうやら、救援は望めそうもない。

 

どうするか。

 

敵が迫る。

 

右手に長剣を展開。

 

襲いかかるガーベラからレイピアによる高速の突き。

 

捌く。

 

躱す。

 

「どうした、向かって来いよ」

 

「言われなくても」

 

右足でガーベラの腹に蹴りを入れ、間髪いれずに十字に切り裂く。

 

更に追撃でもう一度切りかかろうとした時、俺の右腕にロープが巻きつかれた。ロープの元を辿ればガーベラの部下から放たれていた。そして反対側からももう一人の敵がロープで俺を捉えようとしている。

 

……みくびるな。

 

もう一人からのロープが飛んでくるよりも早く、俺はスラスターを吹かせて敵に突撃する。

 

手始めに左脚の浴びせ蹴り、ロープを相手の首に巻きつけて締め上げる。肩車するような形になり、頭頂部に左のエルボー、エルボー、エルボー。

 

敵はロープを収縮して、俺を振りほどこうと必死に暴れる。敵から飛び降りて、アッパーを一撃。

 

視界の端の画面から他の敵の様子を探る。ガーベラとは違うやつがこちらに突撃してくる。

 

ガーベラはスカーラという女と一緒にシルヴィアさんの方にいっている。さすがにシルヴィアさんでもガーベラと同格の奴を一緒に相手するのは分が悪い。

 

武器を収縮、武器を持たなくなった右手でアッパーを食らわせた相手の首を掴む。背後からランスを持って突撃してくる敵に合わせて振り向く。

 

敵がついてくるのに合わせて、ランスを左肘で軌道をそらす。そしてランスを逸らされて態勢の崩れた敵の首を勢いよく掴んだ。

 

この程度の重量であれば、俺の相棒は飛行できる。反撃させるよりも早く飛び上がり、ガーベラ達に向けて掴んでいる敵を投げつけた。

 

ガーベラ達はソレをかわすが、投げられた奴らは地面に落下した。

 

地面に落下した奴らを高速で踏みつけた後、シルヴィアさんとガーベラ達の間に入り込む。

 

「シルヴィアさん、大丈夫ですか!?」

 

「銃弾がほぼない。だがまだやれるさ」

 

背中を合わせて敵へと向き直す。

 

できる限り一対複数の状況を避けなければならない。二人で全ての敵に向き合わなければ。

 

迎える。

 

乱戦、背中を取られないように互いが互いをカバーしながら敵を迎え撃つ。

 

だが流石に相手の数が多すぎる。二人では直ぐに隙ができてしまう。

 

それでも防御を優先しながら戦う。

 

二対四、なんとかやれるはずだ。

 

………四?

 

敵は七人いたはずだ。

 

俺が一人、シルヴィアさんが一人ヤったはずだ。

 

なら後一人は………

 

十字架だ。

 

 

 

肉体に悪寒が走る。

 

逃げろ。

 

本能が告げる。

 

その直後、警告と共に俺の視界が光に埋め尽くされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腕が動かない。シールドエネルギーも完全に空になった。ヘルメットの画面に表示されている機体状態を読み取った。左腕は完全に故障、それ以外の部位はエネルギーがあれば動くが、肝心なエネルギーがない。

 

シルヴィアさんは何処だ。うつ伏せになったまま顔だけを動かして無事かどうかを確認する。

 

いた。随分と吹き飛ばされたらしい。先ほどの衝撃で半壊した建物壁にもたれている。意識がないのか、一切動いていない。あの様子だったら、シルヴィアさんもエネルギーがなくなっているのだろう。

 

やられた。

 

認識外からの高高度のビームの砲撃、先ほどの一撃よりも強力であった。味方ごと巻き込んでまで、俺たちを殺しにかかった。

 

「クルーシャ!貴様、私ごと巻き込んでうちやがったな!殺すぞ!」

 

「そのまま死ねば良かったのに」

 

「でも敵は倒したんだからイイだろ」

 

どうやら敵も巻き添いにあったらしい。こちらに近づいてくる。

 

「巫山戯んなよ!…………まあ、いいか。こうして」

 

スカーラと呼ばれる女が俺の頭を踏みつけてくる。

 

必死に抵抗する。頭を上げようとしても、腕が動かないために踏ん張る事ができない。足掻いても、足掻いても相手は足を退けない。

 

「クソムカつく敵を倒したんだからな。おい、やれ!」

 

その合図と共に他の量産機に乗っている二人が、俺の腕にワイヤーが巻きつける。

 

そのまま体が持ち上がっていき、空中で宙づりになった。

 

終われるか、こんな所で終われるか。

 

藻掻く。足掻く。それでもワイヤーは外れる事はない。

 

「せめて、いい声で死んでくれよ」

 

スカーラがランスを持ってこちらに近づいてくる。あれで俺を殺すつもりなのだろう。

 

「最後に言いたい事はあるか?今なら命乞いしたら許してやるかもな」

 

黙れ。

 

「死ね、クソアマ」

 

腹に一撃、蹴りが入れられた。よほど気に入らなかったらしいな。最高の言葉だと思ったんだがな。

 

「そうかい、なら死ね!」

 

スカーラが俺から一旦離れる。速度をつけて絶対防御を貫通させるためなのだろう。

 

近づいてくる。

 

一呼吸を終えるうちにはあのランスに俺は貫かれているのだろう。

 

走馬灯が見える。

 

アリサ、ティファ、マドカ、亡国機業の人たちと過ごしてきた日々の記憶が一瞬で頭の中を駆け巡って行った。

 

それでも終わりたくはない。

 

気を効かせろよ、ゼロ。

 

こんな時は不思議な力で覚醒って奴じゃないのか。

 

突き刺さる。

 

そう思い目を瞑りそうになった瞬間、俺の前に影が塞がった。

 

機体を砕く音、肉を貫く音が聞こえた。

 

発生源は俺ではない。

 

発生源は…………シルヴィアさんだった。

 

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