入学準備
誘宵グループ、それは世界でも一二を争うほどの巨大財閥であり、IS委員会からISコアの所有を認められた唯一の企業。
その始まりは明治時代、もしくはそれよりも前に遡るかもしれないが、明治時代以降急速に世間に知れ渡るようになって行った。
様々な傘下のグループを保有しており、誘宵グループなしでは生活ができないと言われるほど民衆の生活に溶け込んでいる。
現在ではISの開発に力をいれているが、そんなモノは誘宵グループの利益には殆ど繋がらない。
ISコアを独自に所有していてるため、グループ内には一つの軍隊、いや救命救急部隊があるといっていい。地震や津波、噴火、雪崩と言った自然災害が起きた場合にISで駆けつけ、避難民の救助や食料、医師の運搬などを行い、世界各国の災害現場で活躍している。それでも活動するにはそれなりの手続きが必要なのだが。
企業であるため各国が揃ってISを軍事利用しようと考える中、誘宵グループは前述した災害時の救助や宇宙開発に役立てようとしている。
そんな誘宵グループのIS開発の中心部とも言える場所、ではなく一般の家庭のリビングではある親子が進路に関して話し合いをしていた。
「アリサ、IS学園に進学するのか?」
テーブルを間に挟み、話し合うのは誘宵グループ会長、誘宵皇とその娘、誘宵アリサ。
「行くよ、パパ。IS学園からも特別推薦枠貰ってるから」
背中まで伸ばした流麗な藍の髪を揺らしながら、アリサは父である皇に答えた。
特別推薦枠、それはIS学園への入学方法としては毎年一人か誰もいないかのどちらかである。
推薦といっても自分からするわけではない。IS学園からされるのだ。
推薦基準は高い技量を保有している事。
それも代表候補生程度では推薦されない、国家代表レベルの技量でなくてはならない。
昨年度の特別推薦枠に選ばれた生徒は今ではIS学園の生徒会長になり、更にはロシアの国家代表にまでなっている。
更に特別推薦枠で選ばれた生徒はいくつかの授業を免除される。それはISの訓練であったり、座学であったりと様々だ。
「そうか、アリサはそれで良かったのか?」
「大丈夫、それに企業代表としての面子もある。けど一番の理由は多分あの場所にいればいつかは一夏くんに会えると思うから」
ニッコリと笑うアリサ、その娘の顔に皇は少しの恐怖を感じた。
アリサに恐怖心を感じたのはいつからだろうか、確かアレは誘拐され、救出された後の会話だっただろう。
「…………わかった、手続きはこちらで済ませておく」
「ありがとう、今日は訓練もお休みだから自分の部屋に戻るね」
アリサはソファーから立ち上がると自分の部屋に戻って行った。
「…………ふう」
皇はソファーの背もたれに身体を預けた。娘と話すだけだというのに、何故こんなに疲れたのだろうか、歳か?そんなことを考えた。
アリサは真っ直ぐに育ってくれた。特に目立った反抗期もなく、パパの服と一緒に私の服を洗濯しないでなんて一度も言われたことはない。
ただ少しベクトルがおかしかった。
「愛……だな」
娘の成長の要因を呟きながら、皇は優しく笑った。
「ようやく会える。一夏くんと」
自室に戻ったアリサはベッドの上で愛おしそうに抱き枕を抱きしめながら、何処にもいない誰かに声をかける。
「え?なんでかって。そんなの簡単だよ」
アリサはベッドから起き上がりより一層強く抱き枕をだきしめた。
「私が一夏くんを愛してるからだよ、アイリス」
物語は新たな章に入る。
最近になって気づいたことがある。
俺可愛い女の子が書けない。もっと男同士がガンガン殴りあったり、泥臭いものの書く方がしょうにあってると思う。