世界は戦争が多い異世界へと転移したようです   作:スターリニウム

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戦闘描写は少なめです。すみません。


第14話 電撃の洗礼

2035年12月14日午前4時

ーオーラウト王国 ベドニズ街にてー

 

ホルムストール教国の大軍が大規模侵攻を始めた頃、国境から数十キロ離れた街があった。

 

その街は、いままで国境間の交易場として、主に商業で栄えていた。

 

だが、現在では交易場としての意味は失い、オーラウト陸軍が待機していた。

 

この時、彼らはホルムストールの計画的な侵攻にまったく気付いていなかった。

 

ベドニズ街で集結させている兵力は、およそ10万人ぐらいで、ホルムストール軍と比べると、数という点では多かった。

 

だが、技術という点では大きい差があったため、少なからず負けるだろうと思われていた。

 

ここの防衛を担当していた、オーラウト陸軍の魔術師大隊と戦士隊は、いつ現れるか分からない敵に警戒していた。

 

その中の1人である、魔術師のルシュラは、街中にある家屋で休んでいた。

 

何故なら、配備している部隊全員を収容できる施設を建設する時間がなく、街の建物全部を使って寝床にしたからだ。

 

「はぁ...ここで待ち構えておよそ3日...気が遠くなりそう...」

 

彼女が所属する魔術師大隊は、戦士隊に比べ、比較的安全な後方に待機していた。

 

だがいくら安全だとはいえ、どこから命を狙われているか分からないこの状況に、精神的に疲れていた。

 

すると、ルシュラが居る部屋のドアから、ノックが鳴った。

 

「今開けますよ。」

 

ルシュラはドアへと近づき、ドアを開けた。

 

ドアで待っていたのは、黒髪で瞳孔が青い女性だった。

 

「やあ、ルシュラ。元気してる?」

 

「うん、元気だよ。」

 

彼女はティスナ、ルシュラと同じ大隊に所属する魔術師で、多くの種類の魔法が撃てる数少ないエリートだ。

 

「一緒に外に出てみない?魔力も完全に溜まったみたいだし。」

 

「うん、いいよ。」

 

そしてルシュラ達は、彼女が休んでいた家屋を出て、街の中心部へと向かった。

 

街中は、暖かい部屋の明かりはついておらず、冬の冷たい風が吹き通っており、暖かい明かりは中心部にあるたき火のみしかない。

 

中心部は、仮設の指令部が設置されていて、同じ魔術師の仲間がたき火で暖を取っている。

 

ルシュラ達も同じく、暖を取ろうとすると、深緑色の制服を身にまとった、若い男性がこちらに近づいてくる。

 

「やあティスナ、調子はどうだ。」

 

「あ、ロライン少佐、お疲れ様です!」

 

「まあ落ち着け。それはそうと、魔力切れの状態だったルシュラはどうだったんだ?」

 

「はい、今までのように健全な状態に戻りました。今私と一緒に暖を取ろうとしたところです。」

 

ロライン少佐は、ティスナの隣にいるルシュラを見つけ、健全になったのだと確認する。

 

「それは良かった。今の状況では、人材を一人でも失ってはいけない状況だからな。引き続き、ここの防衛を頼む。」

 

「りょ...了解しました。」

 

そう言うと、少佐は周辺にいる魔術師達に声をかけに向こうへと行った。

 

少佐が去っていくのを確認すると、ティスナはため息をつく。

 

「ティスナ、どうした?」

 

「いや、なんでもない。」

 

そう言うと、彼女は炎魔法を使って火をつけ、そのたき火に近寄った。

 

ルシュラも空気が寒く感じたのか、そのたき火の近くに一緒に入る。

 

「ねえ、この戦争っていつ終わるのかな?」

 

ティスナがルシュラに向かって言う。

 

「分からない。けど、すぐには終わらないかな。」

 

「そうか、仕方ないよね。私たちはいやでも、上の人の命令に従わないといけないんだから。」

 

ティスナが無気力になりながら言う。

 

「でも、あっちの人達も、もしかしたら戦争が終わって欲しいって思ってるかも。」

 

そう言うと、ルシュラが、ティスナを慰めるように近寄る。

 

すると、中心部からそう遠くない石畳の通路で、突如爆発が起きた。

 

「な...何が起きてるの!?」

 

しかも、その爆発は何回にもわたって続いていた。

 

「全員伏せろ!」

 

そう聞こえたので、ルシュラ達はとっさに伏せる。

 

その時聞こえるのは、爆発音と、爆発した時に起きる瓦礫が落ちる音しかなかった。

 

伏せてからしばらく経つと、爆発はさっきよりもおさまっていた。

 

辺りは、崩れた家屋や、爆発に巻き込まれたであろう死体、そして地面で爆発した痕が残っている。

 

「一体、何がどうなっているの?」

 

「...もしかして、敵がここに攻めてきたんだとか。」

 

その言葉通りに、敵軍と思われる黒い人影がこちらに向かってくる。

 

「部隊を展開しろ!おい、急げ!」

 

一人の魔術師の声かけと同時に、彼女達のような生き残りも参加した。

 

残った魔術師達全員で、迫り来る敵に対して、様々な攻撃魔法で抗戦した。

 

攻撃を始めておよそ數十分後には、人影は見えなくなっており、通路になぎ倒されていた。

 

だが、敵の攻撃はおさまったのだろうかと思われたが、それと同時に後ろから巨大な箱が見えてくる。

 

「なんなの、あのデカイやつは...」

 

すると、その巨大な箱は、無数の光る矢と、光る大きな飛翔体を飛ばしてきた。

 

それに当たった者は、すぐに倒れる者、爆発して肉体が酷いことになる者でいっぱいだった。

 

中には、それを上手に回避して、近くの家屋に逃げる者もいた。

 

この生々しい光景を見た彼女達は、一生忘れられない光景を見てしまったのである。

 

すると、その動く要塞が、彼女達に姿を現す。

 

それを見た途端に、ルシュラ達は近くにある石造りの建物へと逃げる。

 

ルシュラ達は動く要塞がすぐに去ってくれるように、二人は息を殺して敵からの存在を消した。

 

数秒経つと、動く要塞は何事もなかったかのように移動し始め、市街地の奥の方へと進んだ。

 

そして、去っていくのを確認すると、隠れていた魔術師達はホッとした。

 

だが、いつまでもここにいるわけにはいかなかった。

 

もうしばらくすれば、敵軍の増援が来るかもしれない。そう思った魔術師達は、ここからの脱出を試みることにする。

 

魔術師達がいるベドニズ街と、防衛軍が待機している陣地までは、およ50kmぐらい離れていた。徒歩で行けば12時間半はかかるだろう。

 

かといって、あの動く要塞に身を晒してまで奪うというわけにもいかなかった。

 

脱出する方法を手探りで探していたが、なんも解決する方法はなく、仕方なくここで身を隠すことにしたのだった。

 

このような、電撃的な攻略方法によって、オーラウト王国の領土は10日で半分しかない状態になっていた。

 

そのおかげで、王都ゼフテートと、ホルムストール軍の大軍との距離はあと35kmぐらいしかなく、もはや絶望的な状況だった。

 

なのだが、それはアメリカがオーラウト王国の友好国でなければの話である。

 

12月24日午前8時頃

ーオーラウト王国 王都ゼフテート 駐屯アメリカ軍基地ー

 

王都ゼフテートでは、唐突の侵攻により、住民やオーラウト軍は混乱していた。

 

それは、駐屯アメリカ軍も同じことだった。

 

地上では駐屯アメリカ軍が部隊を早く展開し、海軍は航空隊や護衛艦の艦対空ミサイルなどによる援護を行なっていた。

 

「いいか!我々の任務は、周辺にいるホルムストール軍を追い払い、オーラウト軍と協力してここに防衛ラインを築くことだ!分かったらすぐに装甲車に乗れ。質問は?よし、いくぞ!」

 

すると、新兵のカーソンが口を出す。

 

「一つ質問があります。」

 

「カーソン、勝ちたけりゃ口を閉じてろ。さあ行くぞ!」

 

そう言うと、カーソン達はすぐさまLAV-25に乗った。

 

王都上空では、無数のワイバーンが海軍の攻撃飛行隊と交戦しており、地上ではホルムストール軍が王都に迫っていた。

 

すると、近くで何かが地面に墜ちる音が聞こえた。

 

それと同時に人の悲鳴が聞こえた。

 

恐らくワイバーンが墜落したのだろう。

 

車内では、完全武装した兵士達が、いつ敵が現れてもいいように準備していた。

 

すると、グレイソンが注意をする。

 

「忘れるな。戦場では常に敵の魔法が飛び交う。頭を下げ、一箇所に固まるな。訓練通りにやれば生き残れる。」

 

そう言うと、兵士達は意気込んだ。

 

そして数分後には、敵との戦闘が行なっている前線に到着する。

 

到着すると、兵士達は一気に降車し、部隊は散開し始めた。

 

すると、遠くから複数の赤い光が、カーソンの部隊に向かってくる。

 

その赤い光は、着弾すると、凄い勢いで炎が発生した。

 

「あの赤い光に気をつけろ!当たると火炎放射のような攻撃に遭うぞ!」

 

それと同時に、M2重機関銃や、M1エイブラムスの120mm滑腔砲で応戦した。

 

カーソン達も、主武装のHK416で迫り来る敵を倒していた。

 

しばらくすると、ホルムストール軍の兵士ほとんどが死んでいた。

 

「なあ、これで終わったのか?」

 

カーソンがオーラウト陸軍の兵士に質問をする。

 

「ええ、今のところは。」

 

すると、奥から、巨大な箱が現れてきた。

 

それを見た瞬間、M1エイブラムスのAPFSDS《装弾筒付翼安定徹甲弾》が火を噴く。

 

巨大な箱に着弾すると、勢いよく爆発し、巨大な箱からは火柱が立ち、動かなくなった。

 

しばらくすると、そこから燃える人らしき者が見えたが、外に出るとすぐに倒れた。

 

「なんだったんだあれは...?」

 

カーソンは謎に思った。

 

すると、近くにいたオーラウト陸軍の兵士が言った。

 

「恐らく...ソヌヴァ連邦の戦車では?」

 

そう言われると納得がいくので、カーソンはあの巨大な箱を戦車だと思った。

 

この戦闘で、ホルムストール軍は多大な犠牲を払ったのだが、ホルムストール軍が損失したのは全部隊で約10%しかない。

 

この影響で、アメリカ合衆国及びNATOに加盟している諸国は、ホルムストール教国とソヌヴァ連邦に宣戦布告した。

 

こうして、異世界での最大規模の戦争が始まることとなった。

 

 




次回は、NATO諸国による攻撃が始まります。お楽しみに。

次の章に関するアンケートです。異世界の国との展開はどうしますか?因みに日本は異世界の国々と国交を結んでいる条件です

  • 異世界の国が突如日本に宣戦布告する
  • 異世界の国が日本に反乱軍の鎮圧を要求する
  • 異世界の国に対し日本が宣戦布告する
  • その他(日本じゃないどっかの国が舞台)
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