世界は戦争が多い異世界へと転移したようです 作:スターリニウム
2035年12月27日正午
ーオーラウト王国 ユトラータ港近海ー
NATO諸国が、ホルムストール教国とソヌヴァ連邦に宣戦布告してからおよそ3日が経った。
NATO軍が2カ国に本格的な攻撃を開始すると同時に、ホルムストール本土をどう攻略するかという計画が持ち上がっていた。
ユトラータ港近海では、アメリカ海軍を主体とするNATOの合同艦隊が集結されており、現代人から見れば最終戦争を彷彿とさせるような事態が発生していた。
アメリカからはクリーブランド級イージス護衛艦5隻や、アイゼンハワー級原子力空母1隻、アイオワ級ミサイル戦艦を派遣し、イギリスからはクイーン・エリザベス級航空母艦1隻と、45型駆逐艦2隻、フランスからはアキテーヌ級駆逐艦2隻、イタリアはカルロ・ベルガミーニ級フリゲート1隻などおよそ20隻くらいの艦船が集まっている。
さらに、陸軍の配備も本格的に始まり、ゼフテートの中心街では多数の軍用車両が行き交いしていた。
「イギリスとかの連中がこんなに派遣してくれるとは思わなかったぜ。」
「だな。こんなに陸軍が来るとか、滅多に見られないからな、今のうちに目に焼きつけておいたほうがいいな。」
その頃、アイゼンハワー級原子力空母の船内では、各国の軍代表が集い、対ホルムストール軍全滅のための作戦会議が行われていた。
会議では、NATO軍最高司令部が作戦の説明をしていた。
「では今から、ホルムストールを侵攻するための作戦会議を開始する。」
会議が始まると、辺りは静かになり、皆がNATO軍最高司令部に目を向ける。
「今回我々は、ホルムトール教国にCIAの諜報員を送り、教国に関する詳細な情報を手に入れることができた。今から、それらに関することを、実際に見てもらった諜報員に説明する。」
そう言うと、CIAの諜報員が出て、ホワイトスクリーンに映像が流れ始める。
「まずは、こちらをご覧ください。これは、ホルムストール軍の式典で行われた軍事パレードです。彼らは、主に魔導砲や、黒魔術師、それにワイバーンを主戦力としており、非常に魔術の発展度が大きいです。」
諜報員は映像を切り替える。
「こちらは、私が撮影したホルムストール海軍が所有する軍港です。見た通り、数え切れないほどの戦列艦と思しき軍艦を複数所有しています。中には、ワイバーンを船上で運用するといった、我々で言うところの空母みたいな軍艦もありました。」
各国の代表達は、諜報員の報告に耳を傾けていた。
「では、軍隊から一度離れて、教国の文化といきましょう。」
「こちらは、ホルムストールの住民の衣服です。男性は見た感じ、キリスト教のキャソックを主に着ていて、女性は牧師みたいな服を着ており、頭は白いスカーフを被っていました。」
すると、今度は屋根のついたバルテノン神殿のような巨大な建物が映し出されていた。
代表達は、これが一体何の建物なのか謎に思っていた。
「これは、近隣の住民に聞いてみたところ、どうやら教国の主導者が住んでいる神殿らしいそうですが、その詳しい情報は住民でも分からないようです。ですが、神殿の周囲は分厚い壁に覆われており、防壁には魔導砲や、投石機といった兵器、さらには監視塔までもが設置されていました。」
代表者たちは、敵国の武装の多さに驚いていた。
「とまあ、今回の調査で分かったことはこれくらいでしかないですが、今後も我々は必要あれば調査する意向です。」
そう言うと、CIAの諜報員は元の席に戻った。
「さてと、本題に移ろう。現在、教国を侵攻するプランは主に2つある。1つ目は、機甲師団を中心とした部隊を、敵の防衛が弱い地点に集中攻撃して敵を弱らし、その勢いで首都に向かうといった作戦。もうひとつは、陸軍が侵攻を始めると同時に、揚陸艦から教国の領土に上陸し、挟み撃ちにして首都に向かう作戦があり、このどちらかだ。もし何か意見があれば言ってくれ。」
だが、各国の代表者たちは何も言わずに、ただ黙っていた。
「では、代表者による投票を行う。代表者達は、賛成する作戦方法を記し、この箱に入れてくれるようお願いする。」
すると、代表者達は順番に投票箱に紙を入れた。
全員の投票が終わって数分後、結果が発表される。
「結果として、両作戦の票は大差はなく、投票日と作戦執行日は延期とする。」
これが、今回の会議での結論となった。
だが、各国の代表者達は、いち早く作戦を決定させ、自国の兵士を戦遠ざけたかった。
それを悔いつつ、代表者達は、空母を下船したのだった。
12月27日午後6時半頃
ーホルムストール教国 首都近郊の軍港にてー
同じ頃、ホルムストールはというと、海戦でオーラウト海軍の船舶を削り、それと同時に首都を砲撃するという作戦が、明日にも執行されるのである。
NATO軍は、この事を何も知らなかったのだが、いざという時に出撃し、対艦ミサイルや、空母の攻撃飛行隊で殲滅すればいいと考えていたので、NATO軍はあまり警戒していなかった。
港では、無数の戦列艦や竜母が出港の準備をしており、辺りは見送る民衆でいっぱいだった。
その民衆とは少し離れたところに、教皇のフロイント2世が護衛と共に訪れていた。
「ふふふ......我が名を持つ艦隊は実に素晴らしいことだ。」
フロイント2世が満面の笑みを浮かべながらそう呟いた。
すると、護衛が何者かからの魔通信を受け取ると、すぐさま内容を教皇に伝える。
「教皇様、我が軍で最大で最強の艦隊の編成をお伝えします。戦列艦5500隻、竜母500隻、そしてソヌヴァ連邦の戦艦20隻となっております。これなら、流石のオーラウト共も、降伏するでしょう。」
ソヌヴァ連邦の軍艦は、ほとんどが第一次世界大戦時のレベルだが、NATO軍が参戦するまでは、最強の軍艦として大陸にその名を轟かせていたのだ。
すると教皇は、護衛に向かって話しかけた。
「良い編成を軍はしているな。所詮オーラウトは低知能の民族共が威張っているだけの底知能国家だ。あんな国なんぞ黒魔術師だけで潰せるというのに、なぜこんなに苦戦しているのだ?」
護衛は、正直に答えた。
「最初の戦いで生き延びた兵士がこう言っていました。あれは自分が知っているオーラウト軍ではない。我々の技術力ではどうにもできないくらい発展している無敵国家だと証言していました。まあ、あんな兵士はただの変人でしかないので、聞いてあげるだけにしましたが。」
「その対応で十分だ、むしろ聞かなくても良かったくらいだ。このような奴らは再教育させるよう軍部に伝えろ。」
「はっ!了解しました。」
そう言うと、一人の護衛が軍の司令部へと向かった。
すると、教皇は護衛に向かって、魔通信を手渡すように命令し、手渡すと、艦隊へと通信を始めた。
「神聖なるホルムストール族の誇りである諸君。我はフロイントだ。今我々は、聖戦という歴史の転換点を見ている。諸君らは、この聖戦に身と心を捧げ、我らのために尽くしてくれるであろう。そして、我が民族に勝利をもたらす砦なのだ。ぜひとも、あの低知能国家に天罰を下すのだ。」
そう言い終えると、教皇は護衛に魔通信を返した。
すると、数では圧倒的なフロイント大艦隊は、オーラウト王国近海へと出航し始めた。
数で負けているNATO軍に殲滅させられることを知らずに......
次回から、大規模海戦が始まります。
お楽しみに。
次の章に関するアンケートです。異世界の国との展開はどうしますか?因みに日本は異世界の国々と国交を結んでいる条件です
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異世界の国が突如日本に宣戦布告する
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異世界の国が日本に反乱軍の鎮圧を要求する
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異世界の国に対し日本が宣戦布告する
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その他(日本じゃないどっかの国が舞台)