世界は戦争が多い異世界へと転移したようです   作:スターリニウム

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第16話 大規模海戦

2035年12月28日午前7時前

ーオーラウト王国 ユトラータ港にある在オーラウトNATO軍司令部ー

 

水平線から太陽が昇ってきれいな朝を迎えているこの頃、在オーラウトNATO軍司令部では、朝とは思えないような騒がしい空気だ。

 

「おい、一体どうなっているんだ。」

 

在オーラウトNATO軍の司令官がレーダーを監視している仲間に質問する。

 

「はい、1時間程前の話ですが、ユトラータ港近海を監視しているレーダーが、敵の船舶かどうかは不明ですが、複数の船舶がこちらへと向かっているんです。」

 

そう報告を聞くと、司令官は、これらの船舶はホルムストール軍の軍艦であることを分かっていた。

 

だがその事を口には出さなかった。

 

「で、その国籍不明の船舶は一体どれくらいあるんだ?」

 

「恐らく...6000はありました。」

 

聞いたこともないような船舶の数に、司令官は頭を痛める。

 

「司令官、現在国籍不明の船舶郡は、ここからおよそ10海里です。このままですと、あと数十分でユトラータ港に到着します。今のうちに指示を。」

 

そう言われると、司令官はゆっくり答えた。

 

「よし、こう伝えてくれ。NATO合同海軍は、ユトラータ港近海にある国籍不明の船舶を調べるようにと。いいな?」

 

「了解しました。」

 

そう言うと、司令官は自分の部屋へと戻っていった。

 

ーユトラータ港 NATO合同海軍 クリーブランド級イージス護衛艦ー

 

同じ頃、クリーブランド級の艦内では、クルーが朝食を摂っていた。

 

「今日も平和な朝を迎えたな。」

 

「ああ、まったくだよ。こんな平和な日常が続ければいいのにな。」

 

そうクルー達は、前までの平和な日常を懐かしんでいた。

 

すると、艦長から緊急の連絡が入ってきた。

 

「朝食を食べている中すまないが、先程、在オーラウトNATO軍司令部から連絡が入った。内容は、この港へと接近する複数の船舶を調査することだ。皆、速急に朝食を済ませるように。」

 

「はぁ...さっそく最初の任務が始まったよ。」

 

「仕方ない、怒られる前にとっとと終わらそうぜ。」

 

クルー達は、怒られないように早く食べ始める。

 

しばらくすると、クルー達は朝食を済ませ、皆が配置についていた。

 

そして、NATO合同海軍は、謎の船舶郡を調査するために、港を出港する。

 

そして、合同海軍と、司令部とのやり取りが始まった。

 

しばらくすると、NATO合同海軍の目の前に、複数の木造船が見えてきた。

 

「おい、あれを見てみろ。」

 

「あいつら、一体なにする気だ?」

 

「もしかしてこれは敵の艦隊じゃないか?」

 

無線は、各船の艦長が困惑の声でいっぱいだった。

 

だがすぐに彼らは気を取り直す。

 

「こちらNATO海軍。調査対象の船舶郡を発見した。これより調査を開始する。」

 

「こちら司令部了解。分かり次第報告するように。」

 

そう言うと、NATO合同海軍は調査を始める。

 

すると彼らは、まず最初に国籍を確認した。

 

「調査を始めたのはいいが、大体あの船舶郡の国籍はなんだ?」

 

イギリスの45形駆逐艦の艦長が言う。

 

「見たことがないな、あの国旗。見た感じ白と青がベースになっているが、これがイスラエルなわけがない。」

 

国籍は分からなかったので、次に船体を調べることにした。

 

「あの船舶郡、どうやら主に木で造られているようだな。しかも、側面には大砲みたいなのが載っているし、一部はワイバーンを搭載してるのもある。」

 

クリーブランド級の艦長が司令部に報告する。

 

すると、司令部は何かを思い出したのか、全船舶に無線を送り始める。

 

「全船舶、こちら司令部。先程の報告により、国籍を判明させることが出来た。その結果、国籍不明の船舶郡はホルムストール教国の大艦隊だと判明した。ただちに処理を要請する。」

 

そう司令部が言うと、各船が混乱し始めた。

 

しばらく経つと、合同海軍から無線が入った。

 

「こちらNATO海軍了解。即座に実行する。」

 

そう言うと、合同海軍の全船舶から、一気に対艦ミサイルが、ホルムストール軍の軍艦に向かって同時に発射した。

 

そして、大規模な海戦が幕を開けた。

 

 

ーホルムストール軍 フロイント大艦隊 戦列艦 プレンデールー

 

これからゼフテートを砲撃し、港に停泊しているオーラウト軍の軍艦を破壊する予定のフロイント大艦隊は、ゼフテートへと迫っていた。

 

この大艦隊で旗艦の戦列艦プレンデールは、海軍用魔導砲を150門搭載している。さらに、この海軍魔導砲は、 本来の魔導砲に比べ、様々な弾が撃てるようになっているので、火炎弾や氷結弾などの攻撃魔法弾の他、ソヌヴァ連邦の榴弾までも撃てる。

 

「うむ、なんと素晴らしい町の光景なのだろうか、このあと我が軍の砲撃によって美しさが無くなると思うとすこし寂しいな。」

 

そう双眼鏡で見ながら言っているのは、艦長のライネリオ・アルスタだ。

 

「艦長、フロイント大艦隊の全船舶が、作戦予定海域に集結いたしました。」

 

そう連絡員が艦長に報告する。

 

「連絡ご苦労。我が海軍は、あのオーラウト軍に負けると思うか?」

 

艦長が質問をする。

 

「いえ、そういうことはあり得ません。我が民族は、必ずしもあの低知能の種族なんかに負けたりはしません。」

 

「ほう、よろしい。本部に作戦予定海域に到着したことを魔通信で送れ。」

 

「了解しました!」

 

そう言うと、連絡員は去っていった。

 

すると、艦長は独り言を話始める。

 

「あの連絡員は一体何を考えているのだ?新兵ですら今回の海戦の結果を察するぐらいだ。今ではオーラウトもただの威張っている国家ではない。れっきとした大国だというのに...」

 

そう言った次の瞬間、クルーの一人が大きい声で指差しながら言った。

 

「空から謎の飛翔体がこっちに向かってくるぞ!!」

 

だが時はすでに遅し、謎の飛翔体は他の戦列艦に直撃したあと、盛大に爆発し、その船体は真っ二つになりそのまま沈んだ。

 

「戦列艦メルセ沈没!」

 

「くそっ!全船舶結界を張れ!」

 

だが、謎の飛翔体はあまりにも高速で、ほとんどの船は魔法結界を張れずに撃沈した。

 

運よく結界を張れた戦列艦や竜母でも、安全なはずの結界を、謎の飛翔体が容易く貫通し、もはや意味を成していなかった。

 

「戦列艦カイテル沈没!竜母ティマイラス沈没!」

 

このあとも、戦列艦と竜母の沈没の報告が相次ぐ。

 

気付けば残っているのは、150門戦列艦プレンデールと他の戦列艦50隻、竜母5隻、ソヌヴァ連邦の戦艦10隻だけとなった。

 

戦列艦のクルーは、あの飛翔体が次に当たるのは我々ではないかと恐れていた。

 

「なんなんだよ、恐ろしい兵器を持っていやがって...あれはオーラウト軍の兵器なのか...?」

 

「諸君!恐れるな!たとえここで死んだとしても、祖国は我々を英雄とするだろう。」

 

艦長が、クルー達を励ましていると、遠くからかなり速い飛行物体の集まりが見えてきた。

 

そう、この集まりは、アイゼンハワー級原子力空母から発艦した第126攻撃飛行隊や、クイーンエリザベス級空母のF-35戦闘機40機が接近していた。

 

両部隊とも主な武装は対艦ミサイルで、予備として対空ミサイルが2つ搭載しているぐらいだ。

 

「な......なんだこれは...」

 

その光景をみたクルー達や艦長は、顔が青ざめていた。

 

しばらくこの状態が続いたが、ソヌヴァ連邦の戦艦から、対空攻撃が始まる。

 

だが第一次世界大戦の対空能力しかないソヌヴァ連邦に、音速で飛ぶ攻撃飛行隊はまったくダメージを負わなかった。

 

すると今度は、攻撃飛行隊から、ソヌヴァ連邦の戦艦に向けて、対艦ミサイルが放たれた。

 

その対艦ミサイルは、戦艦の厚い装甲を貫き、沈没までにはいかなかったが、漏水を引き起こした。

 

だが、対艦ミサイルが放たれてまもなく、ライネリオ達の前にアイオワ級ミサイル戦艦が姿を現す。

 

「おいおい......なんだよあの化け物が!」

 

戦列艦のクルーが罵声を浴びせると、アイオワ級ミサイル戦艦から、50口径砲が火を噴く。

 

それを見た戦列艦のクルー達は、この戦いはもう終わったと理解した。

 

その言葉通りに、50口径砲弾がソヌヴァ連邦の戦艦に直撃すると、鋼の船体は高温で溶け、船は火柱を上げて、船体は裂けて沈没し始める。

 

これを見たクルー達は、最強なはずのソヌヴァ連邦の戦艦が沈没するのを見て、希望を失ってしまった。

 

「艦長、もはやここで戦い続けるのは自殺行為に等しいです。おとなしく降伏しましょう。」

 

「ああ...あれを見た以上、そうするしかないな。」

 

そう艦長が言うと、クルーは船体後部にある旗を、ホルムストール教国の国旗から、白旗に変えるのだった。

 

こうして、ホルムストール海軍にとって地獄のような海戦は、自軍の降伏によって終結するのだった。

 

 

ーユトラータ港近海 NATO合同海軍ー

 

その頃、NATO合同海軍はというと、ホルムストール海軍のあまりにも多い軍艦の数に驚いていた。

 

「艦長、先程攻撃に出向いていた攻撃飛行隊が空母に帰還したのを確認したので、我が軍の勝利が確定しました。」

 

そう船員が報告すると、艦長はすこし微笑んだ。

 

「そうか、だがこれで全てが終わったとは言えない、もうじきに我が軍とオーラウト軍共同でホルムストール教国の本土へと押し返す作戦が行われる。この作戦でも、我々合同海軍の援護が不可欠になるだろう。しっかりと頑張れ。」

 

「了解です艦長。」

 

そう言うと、船員は待っていた仲間のところへと戻った。

 

大陸戦争の終結は、そう遠くないかもしれない。




次回は、攻勢作戦の初めあたりなると思います。

次の章に関するアンケートです。異世界の国との展開はどうしますか?因みに日本は異世界の国々と国交を結んでいる条件です

  • 異世界の国が突如日本に宣戦布告する
  • 異世界の国が日本に反乱軍の鎮圧を要求する
  • 異世界の国に対し日本が宣戦布告する
  • その他(日本じゃないどっかの国が舞台)
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