世界は戦争が多い異世界へと転移したようです   作:スターリニウム

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なんか独ソ戦みたいな展開になってきた...


第17話 新年の幕開け作戦と教国の動向

2035年12月31日午後11時半

ーオーラウト王国 最前線からおよそ10km地点にある防衛陣地にてー

 

あの大規模な海戦から、およそ3日ほどが経過した。

 

陸上では、オーラウト王国陸軍と共同で、オーラウト王国領土内に残留するホルムストール軍を、ホルムストール教国の聖地ベイト・カーメルに押し返す冬季大攻勢作戦がこれから行われようとされている。

 

この作戦には、主に3つのステップがあり、ステップ1は、オーラウト-NATO陸軍で、前線近くに居座るホルムストール軍を敗走させ、前線を後退させる。ステップ2は、空軍の全航空機で、オーラウト王国の元国境までの領域を徹底的に攻撃し、残るホルムストール軍を陸軍と協同で殲滅させる。そしてステップ3は、ホルムストール教国領土内にある軍事施設を巡航ミサイル等で破壊し、陸海空合同で教国の聖地ベイト・カーメルに向かうといった、かなりの戦費を費やす作戦だ。

 

この作戦は、作戦開始日がちょうど新年を迎える日のため、兵士の間では「新年の幕開け作戦」と名付けられていた。

 

上空ではB-2スピリットやB-1ランサーなどの戦略爆撃機、A-10サンダーボルトIIやF-117ナイトホークなどの攻撃機、F-22やF-16などの戦闘機が上空を迂回し、地上ではM1エイブラムスや、ドイツ軍のレオパルト2、イギリスのチャレンジャー2、フランス軍のルクレールなどの主力戦車が参加した。

 

この作戦にも、カーソン達新兵部隊も参加していた。

 

「......今は、ただこの戦争が終わるのを待つのみだ。と。」

 

カーソンは、もし自分が死んだときのために手帳に手紙を書いていた。

 

すると、隣でみていた彼の仲間が声をかける。

 

「よおカーソン、お前も故郷に彼女がいるとはな。俺も故郷に彼女がいればな、まったく。」

 

「ベイトカーメルに着くまで待て、これが終わったらご褒美にいい女の子達が待っているぞ。」

 

「マジか!そりゃいいな。」

 

仲間はかなり喜んでいた。

 

周りは、第一次世界大戦時のフランス軍のような服装をしたオーラウト軍と、現代的な装備をしたアメリカ陸軍、イギリス陸軍、フランス陸軍などのNATO陸軍が出撃準備をしていた。

 

すると、防衛陣地の前を、B-2やF-22が低空飛行しながら通過すると、仲間はこう言った。

 

「よおし!地獄を見せてやれ!」

 

その言葉に、兵士達は士気が上がる。

 

「ここの近くは制圧されているよな?」

 

そうカーソンが言うと、それにグレイソンが答えた。

 

「怖いのか新兵。」

 

「いいえ。」

 

そう言うと、カーソン達が搭乗するEFV遠征戦闘車が姿を現した。

 

「さてと、これが俺らが乗るやつか。」

 

「どうやらそうみたいだな。」

 

「まあ、どのみち長い道のりになりそうだ。」

 

カーソンが他の仲間に短い会話をすると、すぐにEFVに搭乗する。

 

そして、2036年1月1日午前0時になり、作戦開始の時間になると、空軍は、ホルムストール軍が占領している空域を監視し、陸軍は占領地帯を進軍し始めた。

 

EFVの車内では、兵士一人一人がいつ戦闘が起きてもいいように覚悟をしていた。

 

「おいカーソン、火あるか?」

 

同じ仲間が気を落ち着かせるためにタバコを吸いたそうなので、カーソンはたまたまあったライターをタバコに近づけた。

 

すると、ライターの火がタバコにつきそうになったときに、突如車体に爆発音がし始め、車体がすこし揺れる。

 

「ホルムストール軍の攻撃だ!伏せろ!」

 

グレイソンがそう言うと、進軍しているNATO陸軍の周りで爆発音が聞こえてきた。

 

NATO陸軍もこれに反応し、前方に展開していた戦車群がホルムストール軍に向かって砲撃で対抗した。

 

この状況でもグレイソンは、兵士達に伏せろと言い続けた。

 

しばらくすると、爆発音は最初の時と比べるとすこしおさまっていた。

 

「グレイソン中尉!現在敵の本軍が待機している野営地まであと数百メートルです!このままですとあと数十秒で到着します!」

 

「いいか、もうすぐでホルムストール軍の野営地に到着する。ここを制圧し、あいつらを敗走させるんだ!」

 

そう言って数分後、多数の兵士を乗せた装甲兵員輸送車群は、野営地から100m離れた地点で停止する。

 

だが戦車群は後方で停車し、砲撃と車載機関銃で歩兵部隊を援護した。

 

到着すると同時に、複数の装甲兵員輸送車のドアが開くと、兵士達が一斉に降車し、近くの遮蔽物へと即座に隠れ、ホルムストール軍との戦闘を開始した。

 

「全員遮蔽物に隠れろ!」

 

グレイソンがそう言いながら、兵士達は魔術師や、剣で突撃してくる騎士団をHK416で倒す。

 

戦場になっているホルムストール軍野営地前は、周りは収穫されていない小麦畑や、粗末に作られたバリケード、密生したイバラが、兵士達にとって絶好の射撃ポイントだった。

 

だがあまりにも敵軍の人数が多いので、歩兵部隊だけでは対応しきれなかった。

 

「くそっ!おい援護してくれ!こっちだけじゃ数が多すぎて手に負えないぞ!」

 

そうカーソンの部隊が戦車部隊に無線で伝えると、数台の戦車の砲搭が、敵がぞろぞろと出てくる方を向いた。

 

そして、戦車砲が火を噴くと、突撃してきた騎兵団は、すぐさま後退しだした。

 

「マジか!あの連中が後退しているぞ!嘘みたいだな!」

 

カーソンが騎兵団に向かって大きい声で言うと、車載機関銃が敵の陣地を制圧する。

 

「今だ!野営地の奥に突撃するぞ!」

 

グレイソンが周りに聞こえるような声で言うと、カーソン達他の兵士が野営地へと突撃を始めた。

 

カーソンも同様、野営地の奥に入ろうとした。

 

するといきなり、カーソンはテントに待機していた魔術師に襲われ、魔術師の持っていたナイフで刺されそうになった。

 

だが仲間はそれに気付き、カーソンに当てないよう注意し、魔術師の頭に弾丸を当てた。

 

そして魔術師は、そのまま横にばたりと倒れた。

 

「ったく。いったい何なんだよ。」

 

「おい、大丈夫か?」

 

「大丈夫です中尉。」

 

そうカーソンが言うと、兵士達は行動を再開した。

 

そしてカーソン達は、野営地にある、作戦司令部みたいなところに入る。

 

中は誰もおらず、すこし狭い司令部には、ろうそくが複数灯していた。

 

「こりゃすごいな、野営地の割には造りがしっかりしている。おまけに壁にはナチスみたいなプロパガンダがあるんだが、なんて読むんだあれは?」

 

そのプロパガンダには、地球のどこにも属さない文字が大きく書かれていて、絵はというと、オーラウト軍を猿みたいに描いていた。

 

カーソンはこれに興味を持ったので、プロパガンダを壁からはがして持って帰ることにした。

 

するとグレイソンが、なにやら普通とは違う紙を見つける。

 

「お前ら、敵軍の作戦マップらしき広い紙を見つけた。」

 

そう言うと、グレイソンは地図に書いていることを読み取ろうとする。

 

「うむ、どうやら俺らがあのホルムストールに攻撃しなかったら、2回目の王都攻略作戦が行われたらしいな。」

 

そうグレイソンが言うと、兵士達は先に攻撃に踏み切って良かったと思うのだった。

 

「さてと、ここにいる敵は殲滅したし、NATOの国旗を掲げるか。」

 

そう言うと、兵士達はホルムストール教国の旗を下げ、新たにNATOの旗を掲げた。

 

こうして、最初の攻勢は、戦略的勝利で終わるのだった。

 

1月1日午前8時前

ーホルムストール教国 聖地ベイト・カーメル

にある宮殿ー

 

その頃、ベイト・カーメルにある宮殿では、教皇のフロイント2世が軍部と会議をしていた。

 

「まったく、どうすればあの低知能の種族どもに負けるというんだ!わが民族の恥だ!」

 

「すみません教皇様。ですが我々もあの低知能種族に対抗してきました。」

 

「はぁ......で、あのオーラウトがここまで強くなっているのは、他の国が関与しているからに違いないと?」

 

「はい、戦地に赴いた兵士達曰く、あんな強力な装備をオーラウト軍は所持しているはずがない、どう考えても他の国がオーラウトの味方しているに違いないと言っていました。」

 

するとフロイント2世は立ち上がり、近くにある暖炉に火をつけた。

 

「なるほどな。で、オーラウトどもと同盟を組んでいる国はいったいどんな国なのだ?」

 

「たまたまそれを聞き付けた兵士が、その国を、アメリカと言っていました。」

 

フロイント2世はいったい何の国なのか謎に思い始める。

 

「アメリカ?聞いたことがないな。まさか魔通信での聞き間違いではないか?」

 

「いえいえ、魔通信でもはっきりと聞き取れていましたので、聞き間違いではございません。」

 

すると、フロイント2世は、元の席に戻った。

 

「そうか、ではそのアメリカとやらの詳しい情報はあるか?」

 

「いえ、まだ分かりません。ですが、我が民族にとってとても脅威的な国だということは確実です。」

 

そう結論付けると、フロイント2世は、ホルムストール軍よりも、オーラウト王国のほうが技術的に勝っていることに気づく。

 

「ということは、今の段階ではオーラウトを屈服させることは難しいと?」

 

「現段階ではそう言えます。しかし、そのアメリカという国がいつまでオーラウトに味方していくのかが注目すべき点です。」

 

そう軍部が言うと、フロイント2世は、とある奇策を思い浮かんだ。

 

「そうだ、我に良い策がある。」

 

「その策とは、いったいどういったものでしょうか?」

 

軍部が言うと、フロイント2世は、窓を見ながらこう言った。

 

「ソヌヴァ連邦との同盟を、破るということだ。」

 

軍部は、この発言に焦りを感じていた。

 

「教皇様!いったい何を考えておられるのですか!?ソヌヴァ連邦は、大陸で最強の国家ですよ!もし宣戦布告すると言うのなら、それは我が民族は終わ──」

 

「今なんて言った?」

 

「い...いえ......何もございません。」

 

するとフロイント2世は、机に置いてあったソヌヴァ連邦との同意書を持ってくる。

 

「いいか軍部達、ソヌヴァ連邦との同盟を結んだこの同意書、こんなもの所詮ただの紙だ。我々は好きな時にこの同盟を破棄することができるのだ。」

 

「ですけど、もしソヌヴァ連邦を侵略したら、無駄な戦線をまた一つ作ることになりますよ。」

 

「そうか、我は一向に構わん。」

 

その発言を聞いて、軍部は呆れた顔をした。

 

「分かりました、教皇様の言う通りにソヌヴァ連邦方面に向けて軍を配置します。ですが、この選択を後悔しないでくださいよ。」

 

そう言い残して、軍部達は会議室を退室した。

 

「さてと、あとは結果を待つのみだな......」

 

教皇は、ソヌヴァ連邦との戦争に意気込んでいたのだが、軍部は結果をすでに分かっていた。

 

ソヌヴァ連邦の国土は広く、おまけに冬が長いので、戦線を長く維持することが困難だということを。

 

 




変な終わり方してしまった...

もし良ければ評価と感想をお願いします。

次回は冬季大攻勢の中間あたりぐらいの予定です。

次の章に関するアンケートです。異世界の国との展開はどうしますか?因みに日本は異世界の国々と国交を結んでいる条件です

  • 異世界の国が突如日本に宣戦布告する
  • 異世界の国が日本に反乱軍の鎮圧を要求する
  • 異世界の国に対し日本が宣戦布告する
  • その他(日本じゃないどっかの国が舞台)
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